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MRJ 量産初号機 5度目の納入延期 2020年半ばへ


MRJ 5回目の納期延期 2020年半ばへ 安全基準適合へ設計変更 2017年1月23日



三菱重工業は、2017年1月23日、2018年半ばを目指していた国産初のジェット旅客機、MRJ(三菱リージョナルジェット)の航空会社への納入開始を、最新の安全基準に適合させるため、一部の装備品の配置や電気配線の設計を変更する為、2020年半ばへと 2年延期すると発表しました

宮永俊一社長は、2017年1月23日の記者会見で、MRJの開発が遅れる理由について、「最高水準の安全性能を国際的に説明できるようにするには、設計の変更が必要だと判断した」と説明、その上で、開発体制を大幅に強化し、安全確保を前提としつつ 2019年末へ半年程度の納入時期の繰り上げを目指す考えを示しています


MRJの開発は、三菱重工業子会社の三菱航空機(愛知県豊山町)が手掛けており、当初、2013年に全日本空輸に初号機を納入する計画でしたが、納期の延期を繰り返してきており、納期の延期はこれで 5回目となります


今後の受注活動への影響が懸念され、また、開発当初 1500億~1800億円と見込んでいた開発費用も、3000~4000億円との見込みとなっており、さらに、今回の開発スケジュールの遅延に伴う増加で、5000億円を超える可能性を示唆、これに伴い、投入資金を回収できる時期も、2020年代後半から 2030年代に 5年単位で後ずれする見通しです

三菱重工業では、収支計画を見直す一方で、開発費の増加分はグループ全体の収益で吸収できると強調、成長事業としての位置付けは変えず、現行の MRJに続く次世代航空機の設計や競合相手との差別化技術の開発を進める新たな組織を発足させるとしています



MRJ 5回目の納期延期 ANA MRJの発注機数変更せず 2017年1月23日



ANAホールディングスは、2017年1月23日、三菱重工業がMRJ納入開始時期を 2020年半ばまで 2年延期したとの発表を受け、「非常に残念だが、万全の準備の上、完成度の高い機体が納入されることを願う」とする談話を発表しましたが、同時に、予定通り初号機を含め 計 25機の納入を受ける方針に変更がないことを明らかにしました

ANAホールディングスでは、MRJを国内地方路線に投入することを想定しており、今後、機材繰りに悪影響が及ぶのを避けるため、機材繰りへの影響や対応策を再検証、カナダ・ボンバルディア製小型機の追加購入や、既に活用している米ボーイング製小型機の退役延長なども検討し、今年度内にまとめる 2020年度までの中期経営計画に反映させるということです




MRJ 5回目の納期延期へ 三菱重工業の宮永俊一社長 インタビュー 2016年12月26日



三菱重工業の宮永俊一社長は、報道各社のインタビューに対し、「2018年半ば」としている国産初のジェット旅客機MRJの納入開始時期について、「現状をみて、そう簡単なことではない」などと語り、延期する考えを示し、来月(2017年1月)、納期の見直しを発表する方針とみられます

MRJは当初、2013年に納入を始める予定でした、設計変更などでこれまでに 4回延期しており、宮永社長はインタビューで、「機体への評価は国際的にも高い」と強調しつつ、「必要なテストがまだたくさんある。正直言って今の通りやってもなかなか難しい。(来年)1月中には対応を公表したい」と話しました




MRJ 納期 三菱重工社長 現段階で遅れると思ってないが 可能性は示唆 2016年10月31日



三菱重工業の宮永俊一社長は、2016年10月31日、国産初のジェット旅客機 三菱スペースジェット (旧MRJ) の納期について、現段階では遅れるとは思わないとし「今のスケジュールを守りたい」としています

その一方、MRJの商業運航の前提となる「型式証明」の取得に向けた当局との調整の中で、制御システムの修正などを求められていることを明らかにした上で、「(2018年半ばに納入を始める)スケジュールを守るためだけに(品質面などで)妥協はしたくない」とも語っており、納入延期の可能性も示唆しています

参照 「 MRJ 三菱重工 社長直轄事業化 三菱重工としての決意を示す 」





MRJ 量産初号機 5度目の納入延期 検討 2019年以降の可能性 2016年10月1日



三菱航空機(愛知県豊山町)では、開発中の国産初のジェット旅客機 三菱スペースジェット (旧MRJ) について、2018年半ばを予定していた初納入のさらなる延期が検討されています模様で、2016年10月1日、初号機の納入が遅れる可能性があることを顧客の航空会社に通知していたことが明らかになりました

初号機の納入を受けるANA(全日本空輸)によると、延期の可能性は 2016年9月末に知らされたということで、「新たな技術的問題が発生した」と伝えられたものの、どの程度遅れる可能性があるかなど詳細は明らかにされないまま、「技術的な理由で引き渡しが遅れるリスクがあるとの知らせを受けた」としています


ANA(全日本空輸)は、2008年に 25機を発注、福岡、新千歳、中部などの空港と地方都市を結ぶ路線に使う予定ですが、納入開始の予定は、当初予定より、すでに 5年遅れており、大きめの機材を使い続けざるを得ず、「路線の維持費用が想定より膨らんでいる」としています

JAL(日本航空)も 32機を発注していますが、納入開始予定は全日空より先の 2020年の為、「遅れる可能性について連絡は受けていない」とのことで、「状況を見守っている」状況としています


三菱航空機は、2016年10月3日、「開発過程で生じた課題は関係当局及びお客様にも説明、相談の上、適切な対応を進めている」とのコメントを出しました



一部部品の設計変更と量産工程の見直しが要因



三菱航空機のコメントする「課題」は、技術的な内容であり、最近になって判明、設計変更で対応すると納期が遅れてしまうということで、一部部品の設計変更など、機体の設計変更と量産工程の見直しが必要になる可能性があるとされ、初納入は 2019年以降にずれ込む可能性もあり、延期が決まれば今回で 5度目、受注活動への影響が懸念されています

三菱航空機の関係者によると、一部部品の改修や設計変更などを関係企業と協議中で、これに伴い、機体の設計や量産体制の見直しを迫られる可能性があり、2018年半ばを予定していたANA(全日本空輸)に対する初納入の時期が遅れる恐れが出てきたということです



これまで 4回納入時期を延期



MRJの開発は、2008年から本格化、納入開始は、当初 2013年の予定でしたが、設計変更や部品仕様の変更などで延期しており、2015年12月にも試験項目の追加などで、それまで 2017年4~6月としていた納入時期を 2018年半ばへと、4度目の延期となっています

MRJ 1号機は、2016年9月下旬、愛知県営名古屋空港から、試験飛行の拠点となる米西部モーゼスレークの「グラント郡国際空港」へのフェリーフライト(移送)に成功したばかりですが、2016年8月27、28両日にも米国行きを目指しながら、空調システムの不具合で 2度とも名古屋空港に引き返した経緯があり、米国移送が 1ヶ月遅れとなるなどのトラブルも発生していました



三菱航空機は 飛行試験 開発作業を加速



三菱航空機は、前回の MRJ 1号機に続いて、2016年内にも MRJ 試験機 2号機~4号機を合わせ、合計 4機の MRJ 試験機を米国に移送する予定で、国内試験用の MRJ 5号機と合わせた 5機体制で、計 2500時間の試験飛行を行い、安全 ・ 燃費性能の実証作業を急ぎたい考えです

座席数 100席以下のリージョナルジェット市場は今後需要増が見込まれており、三菱航空機では、計 1000機の受注目標を掲げており、2016年10月1日時点で日米の航空会社などからの受注数は 計 447機に達していますが、納期が大幅に遅れれば、受注の伸び悩みや購入予約のキャンセルの可能性も予想されます



エンブラエル社(ブラジル)は



三菱スペースジェット (旧MRJ)は、燃費性能の良い米プラット・アンド・ホイットニー(P&W)社製の最新鋭エンジンを搭載、従来機より燃費性能を2割改善、客室の収納棚を広めに取るなど他社との差別化を強く意識して開発を進めてきました

エンブラエルも MRJ と同じ P&W社の最新エンジンを搭載する新型機「E2」の開発を進めており、2018年以降に順次投入する予定、E2シリーズだけで世界で 500機以上の受注を獲得、2015年時点で 400機超にとどまるMRJ を上回っています


エンブラエル E2シリーズは、当初は 70~90席の MRJよりやや大型の機体が投入されますが、2020年には MRJと同規模の新型機を投入する予定となっており、今回、MRJ 量産初号機も納入が、5度目の延期となり、2019年以降となった場合、MRJ 初受注の段階で 約 5年先行していたMRJ が初号機も納入で抜かれる可能性がでてきました




MRJ 量産初号機 納入時期 変更履歴 2017年1月23日



延期回数 年月日 イベント 納入時期
当初予定 2008年3月 ANAの MRJ 25機導入決定を受け、MRJ 開発の事業化決定 2013年を予定
延期 1回目 2009年9月 客室の拡大、及び、主翼素材を炭素繊維からアルミ合金に変更 2014年1~3月
2010年9月 製造開始
延期 2回目 2012年4月 炭素繊維複合材を使った尾翼のテストに時間がかかる等、検査体制の不備が判明 2015年度後半
延期 3回目 2013年8月 部品の安全性を証明するノウハウが不足しており、部品の仕様変更などに手間取る 2017年4~6月
2014年8月 JALから MRJ 32機受注で基本合意
2015年11月11日 MRJ 1号機 初飛行成功
延期 4回目 2015年12月 アルミ合金素材の主翼付け根の強度不足が判明、試験項目の追加などもを行う 2018年度半ば
2016年9月29日 MRJ 1号機 米西部 ワシントン州モーゼスレーク グラント郡国際空港 到着
延期 5回目 2016年10月 新たな技術的問題が発生
2017年1月23日 最新の安全基準に適合させるため、一部の装備品の配置や電気配線の設計を変更する 2020年半ば

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関連記事を下記に紹介します



2017年5月16日

公開された「MRJ」工場の今。量産計画はめど立たず ニュースイッチ 05月16日 06:03


 三菱重工業が国産小型ジェット旅客機「MRJ」のイメージ回復を図っている。愛知県営名古屋空港(愛知県豊山町)近くの最終組立工場で、座席数76の「MRJ70」初号機など4機の製造工程を報道陣にこのほど公開した。量産初号機の納入時期は5度目の延期で2年遅れ、2020年半ばになった。量産計画の見通しは立たないものの、開発、製造状況をアピールして世間の不安を和らげる狙いがある。
 量産初号機の納入先であるANAホールディングス(HD)仕様に塗装された試験5号機など4機が2本のラインに並び、組み立て作業が進む。延べ床面積約4万4000平方メートルの最終組立工場には最大12機を置けるが、4機では空きスペースが目立つ。
 4機は米国で飛行試験中の試験1―4号機に続く機体。そのうちの1機、MRJ70は先行する「MRJ90」(座席数88)より1年遅れで開発すると説明していた機体で、今回、初めて公開された。
 ただ、4機の今後は不透明だ。三菱重工は延期の原因となった電気配線の見直しなど、秋までに設計変更を完了する目標を立てている。試験5号機以外の3機は量産機として製造していたが納入延期に伴い、試験機に転用される見通し。変更内容を反映した機体で試験したいからだ。


2017年1月28日

MRJ、5回延期のワケ ゼロからの再出発で国内航空産業が課せられた宿題とは 乗りものニュース 2017.01.28


 三菱航空機は2017年1月23日、開発中の国産小型旅客機「MRJ」について、ANAへの引き渡しを延期すると発表しました。その開発期間における計画延期はこれで5回目ですが、そこにはどんな理由があるのでしょうか。
 MRJ、完成引き渡しは2020年に
 三菱航空機は2017年1月23日(月)、現在開発中の国産リージョナルジェット(小型旅客機)「MRJ」について、ローンチカスタマーであるANA(全日空)への引き渡しを予定していた2018年半ばから、最長で2年延期し2020年半ばとする方針であることを明らかにしました。
 「ローンチカスタマー」とは、航空機メーカーが新型機の開発、製造に踏み切る後ろ盾となる注文主のことで、すなわちその新型機が最初に引き渡される相手でもあります。ローンチカスタマーへの引き渡しが延期されるということは、つまりその新型機の開発計画全体が遅延していることを意味します。
 MRJは、ANAから受注のあった2008(平成20)年の時点では2013年に引き渡しを見込んでいたものの、今回で五度目の延期となりました。なぜMRJはこのように延期を繰り返しているのでしょうか。


2017年1月23日

ANA MRJの発注機数は変更せず 時事通信 2017年1月23日 19:21


 ANAホールディングスは23日、納入開始時期が2020年半ばに2年延期されたMRJ(三菱リージョナルジェット)について、予定通り初号機を含め計25機の納入を受ける方針に変更がないことを明らかにした。ただ、今後の機材繰りへの影響や対応策を再検証し、今年度内にまとめる20年度までの中期経営計画に反映させるという。
 ANAはMRJを国内地方路線に投入することを想定している。機材繰りに悪影響が及ぶのを避けるため、カナダ・ボンバルディア製小型機の追加購入や、既に活用している米ボーイング製小型機の退役延長なども検討する。
 ANAは5度目となった今回の延期に関して、「非常に残念だが、万全の準備の上、完成度の高い機体が納入されることを願う」とする談話を発表した。


2017年1月23日

MRJ納入、20年半ばに延期=5回目変更、開発費大幅増―三菱重工 時事通信 2017年1月23日 19:07


 三菱重工業は23日、2018年半ばを目指していた国産初の小型ジェット旅客機、MRJ(三菱リージョナルジェット)の航空会社への納入開始を、20年半ばに2年延期すると発表した。最新の安全基準に適合させるため、装備品の配置や電気配線の設計を変更する。延期はこれで5回目。開発費も現行計画から大幅に膨らみ、同社の経営戦略に大きな打撃となりそうだ。
 宮永俊一社長は23日記者会見し、開発が遅れる理由について「最高水準の安全性能を国際的に説明できるようにするには、設計の変更が必要だと判断した」と説明した。その上で、欧米の専門家らを開発に直接関与させるなど体制を大幅に強化し、納入開始時期の19年末への半年繰り上げを目指す考えを示した。
 3000億〜4000億円とみられた開発コストに関しても、宮永社長は「3〜4割増える」との見通しを表明。開発当初の見積もり(1500億〜1800億円)の3倍程度に膨らみ、5000億円を超える可能性を示唆した。これに伴い、投入資金を回収できる時期も、20年代後半から30年代に5年単位で後ずれする見通しとなった。


2017年1月23日

MRJ納入、20年半ばに延期=安全基準適合へ設計変更―三菱重工 時事通信 2017年1月23日 16:19


 三菱重工業は23日、2018年半ばを目指していた国産初の小型ジェット旅客機、MRJ(三菱リージョナルジェット)の航空会社への納入開始を、20年半ばに2年延期すると発表した。最新の安全基準に適合させるため、一部の装備品の配置や電気配線の設計を変更する。延期はこれで5回目となる。今後の受注活動への影響が懸念され、同社の経営に大きな打撃となりそうだ。
 宮永俊一社長は23日記者会見し、開発が遅れる理由について「最高水準の安全性能を国際的に説明できるようにするには、設計の変更が必要だと判断した」と説明した。その上で、開発体制を大幅に強化し、安全確保を前提としつつ半年程度の納入時期の繰り上げを目指す考えを示した。
 当初1800億円と見込んでいた開発費用も、開発スケジュールの遅延に伴い大幅に増加する見通し。収支計画を見直す一方、成長事業としての位置付けは変えず、現行のMRJに続く次世代航空機の設計や競合相手との差別化技術の開発を進める新たな組織を発足させる。
 MRJの開発は、子会社の三菱航空機(愛知県豊山町)が手掛ける。当初は13年に全日本空輸に初号機を納入する計画だったが、納期の延期を繰り返してきた。


2017年1月23日

<MRJ>初納入2年延期 18年から20年に 毎日新聞 2017年1月23日 16:10


 三菱重工業は23日、国産初のジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」の初納入時期について、従来予定の2018年半ばから20年半ばへ2年延期すると正式発表した。一部部品の配置変更に加え、電気配線全体の設計も見直すことになったのが理由で、納入延期は5度目。MRJは15年11月に初飛行し、昨年秋から米国で試験飛行を行っていた。


2017年1月23日

MRJ、電気配線の設計変更により量産初号機の引き渡しを2020年まで延期 マイナビ 2017年1月23日 15:57


 三菱重工業および三菱航空機は1月23日、リージョナルジェット機・MRJ(Mitsubishi Regional Jet)の量産初号機の引き渡し予定を現在の2018年半ばから2020年半ばに延期すると発表した。一部装備品の配置変更を行うほか、電気配線全体を最新の安全性適合基準を満たす設計へ変更するため。
 発表によれば、これらの設計変更は機体性能や燃費効率、各種システムの機能性に影響を与えるものではなく、現在実施中の飛行試験においても型式証明取得に向けた飛行データの収集を継続するという。また、機体構造の変更を伴う設計変更ではなく、150%負荷による静強度試験をすでに完了している。
 なお、投資回収期間の長期化が見込まれるものの、開発の増加が三菱重工グループ全体の単年度損益に与える影響は軽微で限定的だとしている。


2017年1月23日

三菱重、MRJ量産初号機引き渡し2020年半ばに延期 ロイター 2017年1月23日 15:43


 三菱重工業<7011.T>は23日、子会社が開発を進めている国産ジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」について、2018年半ばを予定していた航空会社への量産初号機の引き渡し時期を20年半ばに延期すると発表した。一部装備品の配置などを見直すほか、電気配線全体を最新の安全性適合規準を満たす設計へ変更することになったため。引き渡し時期の延期は5度目となる。
 MRJは子会社の三菱航空機(愛知県豊山町)が開発を手掛けており、量産初号機はANAホールディングス<9202.T>へ引き渡されることになっている。


2017年1月21日

MRJ初号機納入に最大2年延期、5度目 型式証明取得に時間 フジサンケイビジネスアイ 01月21日 06:27


 三菱重工業は20日、開発中のジェット旅客機「三菱リージョナルジェット(MRJ)」について、2018年半ばを予定していた初号機引き渡しを最大2年延期する方針を固めた。安全性を認証する型式証明の取得に向けた作業に時間がかかっているためで、延期は5度目。23日に正式発表する。
 MRJは現在、米国で3機が型式証明の取得に必要な試験飛行を行っている。同社は昨年11月に宮永俊一社長直轄の事業推進委員会を立ち上げ、開発状況などを見直した結果、予定には間に合わないと判断した。初号機の納入先であるANAホールディングスなどには、遅れる可能性が高いことを昨年秋時点で報告している。
 MRJは、三菱重工業子会社の三菱航空機(愛知県豊山町)が手がけている。08年に事業化が決まり、当初は13年の納入を目指していた。しかしその後、設計変更などで延期を重ね、15年12月には4度目の延期を決めていた。


2017年1月20日

<MRJ>5度目の納入延期へ 20年半ばに 毎日新聞 01月20日 20:33


 三菱重工業は国産初のジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」の初納入時期を従来予定の2018年半ばから最大2年程度延期し、20年半ばにする方針を固めた。主要部品の設計変更が必要になったためで、納入延期は5度目。事業化を決定した08年当時は13年を予定した初納入が約7年遅れることになり、受注活動に影響しそうだ。
 週明けの23日に宮永俊一社長が記者会見して発表する。
 子会社の三菱航空機が開発するMRJは15年11月に初飛行し、昨年秋から米国での試験飛行を重ねてきた。関係者によると、機体前部に配置していた飛行制御システムについて、安全性向上のため機体の前後に分散配置する必要に迫られたという。設計変更により、国土交通省から機体の安全性で承認を受ける「型式証明」の取得が遅れる見通しで、納入延期も不可避になった。
 MRJは70〜90席の小型機で、初納入先の全日本空輸や米国の航空会社などから計447機を受注している。しかし、5度目の納入延期で受注の一部がキャンセルされる可能性があるほか、開発費が膨らみ、三菱重工の業績をさらに圧迫する恐れがある。


2017年1月20日

MRJ納入、2年延期=20年半ばに、変更5回目―三菱重工 時事通信 01月20日 18:06


 三菱重工業が開発している国産初の小型ジェット旅客機、MRJ(三菱リージョナルジェット)の航空会社への納入時期が、現行計画の2018年半ばから20年半ばに2年延期されることが、20日分かった。納期の延期は5回目となる。機体を制御する電子機器の配置の見直しなど設計変更が必要となったため。今後の受注などへの影響が懸念され、同社の経営戦略に大きな痛手となりそうだ。
 三菱重工は23日、今後の開発体制やスケジュールを発表する。
 MRJの開発は子会社の三菱航空機(愛知県豊山町)が手掛ける。当初は13年に全日本空輸に初号機を納入する計画だったが、納期の変更を繰り返してきた。テロ対策での安全基準厳格化への対応に苦慮しており、今回も設計変更で商業運航の前提となる型式証明の取得が遅れると判断した。


2017年1月20日

「MRJ」初号機納入は最大で2年延期、2020年半ばに=関係筋 ロイター 01月20日 16:33


 三菱重工業<7011.T>の子会社が開発を進めている国産ジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」について、2018年半ばを予定していた航空会社への初号機の納入時期が最大で20年半ばに延期される見通しとなった。納期の延期は5回目。同社の宮永俊一社長が23日に会見して正式に発表する。
 MRJは三菱重子会社の三菱航空機(愛知県豊山町)が開発を手掛けており、初号機はANAホールディングス<9202.T>へ引き渡されることになっている。複数の関係筋によると、主要部品に不具合が起きる恐れがあり、設計変更が必要になったため納入が遅れるという。
 MRJは現在、当局による機体の安全性能の証明で商用運航に必要な「型式証明」の取得に向けて米国で飛行試験を実施しているが、設計変更により、型式証明の取得も予定から遅れる見通し。
 MRJの事業化を決定した08年当時は13年にANAへ引き渡す予定だったが、納期の延期は今回で5度目となる。昨年11月には三菱重の宮永社長を委員長とする「MRJ事業推進委員会」を設置し、グループ一丸となって開発を急いでいる。


2017年1月20日

MRJ納入、2020年前後に 5回目の延期 朝日新聞 01月20日 15:27


 三菱航空機が開発する国産初のジェット旅客機MRJの納入開始が、2018年半ばから2年程度先送りされることがわかった。開発が難航して、機体の大幅な設計変更が迫られたためだ。納期の延期は5回目で、当初予定から約7年の遅れになる。
 親会社の三菱重工業の宮永俊一社長が23日に記者会見で発表する。関係者によると、安全性を高めるため、機体前方に集中していた飛行制御システムを前後に分散させることになった。また、地上試験機も1機が不具合を起こし、全日空に納入する予定だった量産タイプの初号機を、その穴埋めに回さざるを得なくなっているという。こうした事態に対応するため、納入延期が避けられなくなったと見られる。
 MRJは客席数70〜90席の近距離ジェット旅客機。世界の航空会社などから計447機(キャンセル可能分含む)を受注している。今回の延期により、格好のアピールの場と期待している20年の東京五輪に納期が間に合わない可能性も出てきた。3300億円程度とされる開発費も増加が必至で、事業の黒字化に向けたハードルも高まっている。


2017年1月20日

国産旅客機 MRJ 航空会社への納入 2020年半ばに延期 NHK 01月20日 13:43


 半世紀ぶりの国産旅客機「MRJ」は、主要部品で設計の見直しが必要となったことから、「来年半ば」としていた航空会社への納入時期が、「2020年半ば」に延期されることが明らかになりました。納入の延期は5回目となりますが、三菱航空機では可能なかぎり前倒しの納入に努めるとしています。


2016年12月26日

MRJ、5回目の納期延期へ 三菱重 朝日新聞 2016年12月26日 04:58


 三菱重工業の宮永俊一社長は、朝日新聞などとのインタビューで、「2018年半ば」としている国産初のジェット旅客機MRJの納入開始時期について「現状をみて、そう簡単なことではない」などと語り、延期する考えを示した。延期は5回目。来月、納期の見直しを発表する方針だ。
 MRJは当初、13年に納入を始める予定だったが、設計変更などでこれまでに4回延期した。宮永社長はインタビューで、「機体への評価は国際的にも高い」と強調しつつ、「必要なテストがまだたくさんある。正直言って今の通りやってもなかなか難しい。(来年)1月中には対応を公表したい」と話した。


2016年11月1日

国産旅客機MRJ 納入時期がさらに遅れる可能性も NHK 2016年11月1日 02:01


 半世紀ぶりの国産旅客機として、三菱航空機が開発中のMRJは、機体の不具合などから初号機の納入が4回延期されていますが、設計の変更が必要なことなどから、「再来年の半ば」としている納入時期が、さらに遅れる可能性があることが明らかになりました。


2016年10月31日

MRJの納期、現段階で遅れると思わない=三菱重工社長 ロイター 2016年 10月 31日 15:04


 [東京 31日 ロイター] - 三菱重工業(7011.T)の宮永俊一社長は31日、国産小型旅客機MRJ(三菱リージョナルジェット)の納期について、現段階では遅れるとは思わないとし「今のスケジュールを守りたい」と述べた。


2016年10月4日

MRJ納期遅れに厳しい視線 全日空「路線計画に影響」 朝日新聞 2016年10月4日 19:21


 三菱航空機が開発しているMRJの納入開始が、2018年半ばから、さらに遅れる可能性が出てきたことに、顧客の航空会社が戸惑っている。実際に遅れれば5度目。受注をライバルに奪われかねないとの懸念が専門家から出ている。
 「大幅に遅れれば路線計画に影響が出かねない」。最初の納入先、全日本空輸の広報担当者は3日の取材にそう答えた。延期の可能性は9月末に知らされたという。
 全日空は08年に25機を発注。福岡、新千歳、中部などの空港と地方都市を結ぶ路線に使う計画だ。
 だが、納入開始の予定はすでに当初予定より5年遅れ。大きめの機材を使い続けざるを得ず、「路線の維持費用が想定より膨らんでいる」。
 日本航空も32機を注文しているが、「遅れる可能性について連絡は受けていない」。納入開始予定は全日空より先の21年。「状況を見守っている」という。


2016年10月2日

<MRJ納入延期検討>受注競争後れも イメージ悪化懸念 毎日新聞 10月02日 00:09


 三菱航空機が開発中のジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」について、2018年半ばとしていた初納入の時期を延期する検討に入ったことが1日明らかになった。一部部品の設計変更などが理由で、延期すれば5度目となる。小型機市場で先行するブラジルのエンブラエルは新型機を18年以降に順次発売する予定。MRJの市場投入が遅れれば、受注競争に影響を与える恐れがある。
 MRJは9月下旬、試験飛行の拠点となる米西部モーゼスレークの空港に移送されたばかり。現地は歓迎ムードに包まれただけに、業界関係者からは「延期の検討は残念。マイナスの印象を与える出来事は少なくしてほしい」などの声が漏れた。
 三菱航空機の関係者らによると、一部部品の改修や設計変更などを関係企業と協議中。機体の設計や量産体制の見直しを迫られ、全日本空輸への初納入が遅れる恐れがある。三菱航空機は昨年12月にも試験項目の追加などで納入延期を発表していた。


2016年10月2日

MRJ納入、5度目の延期 「新たな技術的問題が発生」 中日新聞 2016年10月2日


 三菱航空機(愛知県豊山町)が開発する国産初のジェット旅客機MRJ(三菱リージョナルジェット)の初納入の時期が、これまで目標としていた二〇一八年半ばから大幅に延び、一九年以降にずれ込む見通しとなった。三菱が量産一号機を納めるANAホールディングスに「新たな技術的問題が発生した」と伝えていたことが一日、分かった。
 機体の設計変更と量産工程の見直しが理由とみられる。MRJは、事業化が決まった翌年の〇九年から設計の見直しなどで納入延期を繰り返し、今回の延期が決まれば五回目。新たな納入目標の時期は未定という。
 国産旅客機の開発はYS11以来、半世紀ぶり。三菱は運航に必要な安全認証「型式証明」を一八年初めにも取得できるよう天候に恵まれる米北西部で飛行試験を重ねるため、九月二十九日(日本時間)に試験一号機を現地に移したばかりだった。
 一方、小型機メーカー大手のエンブラエル社(ブラジル)は、MRJと同じエンジンを搭載した新型機を一八年にも初納入する予定。初受注の段階で約五年先行していたMRJが納期で抜かれる可能性がある。


2016年10月1日

三菱航空機がMRJ納入延期リスクを顧客に通知、18年半ばに黄信号 ロイター 2016年10月1日 17:36


 三菱重工業<7011.T>傘下の三菱航空機が開発中の国産ジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」について、2018年半ばに予定している初号機の納入が遅れる可能性があることを顧客の航空会社に通知していたことが分かった。実際に納入が延期されれば5度目となり、受注活動などへの影響が懸念される。
 初号機の納入を受けるANAホールディングス<9202.T>傘下の全日本空輸によると、どの程度遅れる可能性があるかなど詳細は明らかにされていなかったが、「技術的な理由で引き渡しが遅れるリスクがあるとの知らせを受けた」という。これに対し、三菱重工側は「納入延期を決定した事実はない」としている。
 MRJは9月下旬、10月から始まる米国での飛行試験に向けて、試験1号機が愛知県営名古屋空港から飛行試験の拠点であるワシントン州モーゼスレークの空港に到着したばかり。8月下旬にも米国行きを目指したが、空調システムの不具合で2度、名古屋空港に引き返した。


2016年10月1日

MRJ納入開始、また延期か 三菱航空機、顧客に伝える 朝日新聞 2016年10月1日 12:24


 三菱航空機が、開発中の国産初のジェット旅客機MRJの納入開始について、予定していた2018年半ばから遅れる可能性があると顧客の航空会社などに伝えたことが1日わかった。実際に遅れれば5回目の延期となり、伸び悩む受注に水を差す恐れがある。
 関係者によると「技術的な問題で遅れるリスクがある」と伝えたという。三菱航空機は取材に対し、遅れる幅や詳しい原因を明らかにしていない。
 MRJでは8月下旬、空調システムに不具合が発生。日本から、飛行試験を本格化させるための米国拠点行きに2度失敗した。3度目で成功し、9月下旬、1カ月遅れで米拠点に着いたばかりだった。


2016年10月1日

<MRJ>初納入延期を検討…19年以降の可能性 毎日新聞 2016年10月1日 11:42


 三菱航空機が開発中のジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」について、2018年半ばに予定している初納入の延期を検討していることが1日明らかになった。一部部品の設計変更などが要因で、納入は19年以降にずれ込む可能性もある。延期が決まれば今回で5度目となり、受注活動への影響が懸念される。
 関係者によると、一部部品の改修や設計変更などを関係企業と協議中。これに伴い、機体の設計や量産体制の見直しを迫られる可能性があり、全日本空輸に対する初納入の時期が遅れる恐れが出てきたという。
 三菱航空機は昨年12月にも試験項目の追加などで、当時は17年4〜6月としていた納入時期を18年半ばに延期していた。
 MRJは今年9月下旬、愛知県営名古屋空港から、試験飛行の拠点となる米西部モーゼスレークの「グラント郡国際空港」に移送されたばかり。ただ、8月27、28両日にも米国行きを目指しながら、空調システムの不具合で2度も名古屋空港に引き返した経緯がある。米国移送は1カ月遅れとなり、トラブルが目立っていた。


2016年10月1日

MRJ、再び納入延期も=米飛行試験は予定通り―三菱航空機 時事通信 2016年10月1日 11:22


 三菱航空機(愛知県豊山町)が、開発中の国産初の小型ジェット旅客機MRJ(三菱リージョナルジェット)について、航空会社への納入開始時期が現行計画の2018年半ばから延期となる可能性を関係者に伝えていたことが1日、分かった。開発過程で一部設計の変更を検討する必要が出てきたもようで、実際に納入を延期すれば5回目となる。
 一方、MRJ試験機による本格的な飛行試験は予定通り、今月から米国で実施する。18年初頭には飛行試験を終えて商業運航に必要な「型式証明」を取得する方針で、引き続き18年半ばの納入開始に向け全力を挙げる構えだ。


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