三菱スペースジェット (旧MRJ) 1号機 初飛行成功 2015年11月11日
国産初の小型ジェット旅客機「MRJ」(Mitsubishi RegionalJet 三菱リージョナルジェット)は、自衛隊の随伴機が見守る中、愛知県営名古屋空港(愛知県豊山町)を、2015年11月11日午前9時35分、北に向かって離陸後、大きく右旋回、遠州灘沖の太平洋上空、自衛隊の演習空域にて、進行方向の調整や上昇、下降などの基本性能を確認、約1時間半後、再び、自衛隊の随伴機を伴って戻ってきた「MRJ」は、同名古屋空港に着陸しました
1時間27分間の初飛行、無事成功です
操縦士は、航空自衛隊を経て三菱重工業に入社し、約25年のテストパイロット経験を持つ安村佳之さん(58)で、「離陸速度に達すると、飛行機が『飛びたい』と言っているような感じで、ふわっと機体が浮き上がった」「MRJの操縦性は期待以上のものでした。大変快適なフライトでした」と語っています
飛行ルートは、当日の風向きにより、日本海側に北上するか、遠州灘沖に南下するかを決め、また、天候次第で、飛行が午後にずれ込んだり、翌日以降に延期されたりする可能性もあるとのことでした
国産旅客機の初飛行は53年ぶり
国産旅客機の初飛行は、プロペラ機「YS11」(日本航空機製造)が同名古屋空港で実施した1962年8月以来で、実に53年ぶりのこととなります
三菱スペースジェット (旧MRJ)は、92人乗りと78人乗りの 2種類を予定、航続距離は、3310~3380キロで、東京からフィリピン マニラへの直行飛行が可能で、米国の都市間やアジア主要都市間など、近距離多頻度輸送航路への就航を想定しています
三菱スペースジェット (旧MRJ)は、三菱重工業が 2008年、事業化を決定、開発にあたる子会社、三菱航空機を設立、当初は、2011年の初飛行を目指していましたが、設計の見直しなどで度々延期、今年(2015年)10月下旬にも予定していた初飛行も、操舵(そうだ)用ペダルの改修が必要となり、5度目の延期となっていました
2015年11月6日以降は、名古屋空港の滑走路を使い、離陸直前の時速約 220キロに迫る高速地上走行を実施、前輪を浮かして、後輪のみでの走行試験も行い、既に離陸直前まで来ていました
三菱スペースジェット (旧MRJ) 特設サイト 2015年11月2日
MRJが初飛行を行う愛知県営名古屋空港では、空港ターミナルビルの展望デッキが、2015年11月8日から閉鎖中、空港発着便の旅客関係者以外の駐車場利用も制限されています
空港周辺にも一般見学者向けスペースはなく、三菱航空機では、特設サイトで離着陸の様子を生中継する予定で、「空港周辺の混乱を避けるため、中継を見てほしい」と呼びかけています
インターネットの生中継は、2015年11月11日午前8時半ごろに始まり、機体が滑走路に移動した9時半頃には視聴者が急増、視聴できなくなりましたが、その時点での合計視聴数は、94万アクセスを超えていたとのことです
三菱航空機 MRJ 特設サイト
MRJ 特設サイト 初飛行ライブ映像
MRJ 特設サイト 生中継(USTREAM) MRJ First Flight Live
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