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北陸新幹線 大阪延伸 敦賀-大阪間 敦賀以西をめぐる 4つの有力ルート


北陸新幹線 大阪延伸 敦賀-大阪間 敦賀以西をめぐる 4つの有力ルート



北陸新幹線は、1997年長野まで開業、2015年3月14日金沢まで開業、2025年度中に敦賀まで開業の予定がたった今、北陸新幹線の全線開業、つまり、大阪までの延伸(敦賀以西の建設)が現実的なものとなってきました

北陸新幹線は、整備新幹線 5路線の一つとして、日本海側周りで東京と大阪間を結ぶ 約 700kmの路線計画で、大阪までつながって初めて完成となります


北陸新幹線 大阪延伸 敦賀-大阪間 敦賀以西 初期の3ルート案 路線地図

北陸新幹線 大阪延伸 敦賀-大阪間 敦賀以西ルート案の路線変遷地図 赤点線が初期の候補3ルート 青点線が追加された2ルート

北陸新幹線・敦賀以西ルート検討図

(上) 「 北陸新幹線 - Wikipedia 」 (中) 「 なぜ滋賀県は北陸新幹線「米原ルート」に固執するのか? (1-6) ITmedia ビジネスオンライン 2016年11月18日 06時30分 」 (下) 「 報道発表資料:北陸新幹線敦賀・大阪間のルートに係る調査について - 国土交通省 」 より

敦賀-大阪間について、整備新幹線計画としては、「小浜市付近」を通る 「若狭ルート」が正規のルートなのですが、それに、北陸地方と京都 ・ 大阪間を最短経路で結ぶ「湖西ルート」、建設距離が最短となる「米原ルート」を合わせた 3ルートで検討されてきました (左上図、敦賀-新大阪間の 3本の細点線)

その後、2016年3月10日、北陸新幹線を運行する JR西日本で、独自に、小浜経由で、京都と敦賀を結ぶルートを検討していることが明らかとなり、この小浜京都ルート (左下図、敦賀-京都間中央のオレンジ色線) を加えた 4案が有力なルート案となりました


ところが、2016年3月10日、与党PT※では、明瞭な比較検討結果を示すことなく、「若狭ルート」、「湖西ルート」をはずし、現実味のない独自案 「小浜舞鶴京都ルート」に加え、2016年4月27日には、けいはんな学研都市経由の調査も国土交通省に求めるとしました (左下図、敦賀-新京都間最左の黄土色線)

実際、2016年11月11日公表された国土交通省の調査結果でも、「小浜舞鶴京都ルート」は、「費用対効果」が、新幹線建設に必要な条件 「1.0を上回ること」を満たさない 「0.7」しかないとして一蹴(事実上の却下)されています


その為、2016年11月11日現在、北陸新幹線 大阪延伸 敦賀-大阪間 敦賀以西ルート案としては、建設費の倍以上の利益をもたらす費用対効果 「2.2」の「米原ルート」と(政治的に少し盛ったのでは?と疑わせ、赤字路線の不安がよぎる)ぎりぎりの数字 「1.1」の「小浜京都ルート」が残る形となっています
※. 与党PT 与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム (PT)
与党検討委員会 与党PTの下部組織


北陸新幹線は、 東京-長野間が、長野五輪を翌年に控えた1997年に開業、長らく長野新幹線と呼ばれてきましたが、新幹線の開業としては、2011年3月の九州新幹線(博多-新八代間)以来4年ぶりとなる、2015年3月14日、北陸新幹線として 18年ぶりに金沢まで延伸、ようやく「北陸新幹線」の名も定着してきました



北陸新幹線 敦賀開業後 大阪延伸までのつなぎ フリーゲージトレイン(FGT、軌道可変電車)の導入



北陸新幹線では、大阪延伸までのつなぎとして、北陸新幹線敦賀開業に合わせ、九州新幹線の長崎ルートで採用される予定のフリーゲージトレイン(FGT、軌道可変電車)の導入を目指しており、敦賀駅に実験線も作られ、現在、研究開発が進められています

FGTの導入により、乗り換えの手間が省かれ、所用時間も 20~30分程短縮でき、効果絶大です




北陸新幹線 大阪延伸 敦賀-大阪間 敦賀以西の各ルート案 特徴 比較



敦賀から大阪市へのルートについては、1973年(昭和48年)11月13日に、小浜市付近を主要経由地とする若狭ルート(小浜ルート)の整備計画が決定されていましたが、その後、湖西線沿いを通り京都駅付近で東海道新幹線に接続する湖西ルート、敦賀からそのまま南下し、米原駅で東海道新幹線に接続する米原ルートを加えた 3ルートで検討が進められていました

地方自治法の規定に基づいて、関西の 8府県 4政令指定都市によって組織されている「関西広域連合」では、各ルートについて試算(2013年3月公表)、費用対効果の点から、米原ルートが「最も優位」として、2013年4月、米原ルートを支持していました


が、2016年1月26日の与党PTに対し、新たに、小浜京都ルート (JR西案)が提示されたこと等により、関西広域連合として 特定の案を推すことは難しくなったとして、2016年1月28日、米原ルート支持を白紙撤回しています

2016年3月10日、与党PTは、北陸新幹線 大阪延伸時の 敦賀-大阪間敦賀以西のルート案として、「米原ルート」、「小浜京都ルート(JR西案)」、「小浜舞鶴京都ルート(PT独自案)」の 3ルート案のみを国土交通省に調査依頼することに決めてしまい、さらに、京都-大阪間では、どこから出てきたのか良く分からないルート案、「けいはんな学研都市経由」時の調査もすることになりました


与党PTは、2016年11月11日、国土交通省調査結果が公表されたことを受け、2016年内の大筋合意を目指すとしています



敦賀-大阪間
のルート
建設
延長
建設費 工期 開業 所要時間 並行
在来線
試算
金沢-新大阪 敦賀-新大阪
米原ルート
(東海道新幹線
直通案)
46.1km 4,161億円 5年 2027年 1時間35分 北陸本線  滋賀
44km 5,100億円 45分 関西
米原ルート
(米原乗換案)
50km 5,900億円 10年 1時間41分 1時間07分 国土
46.1km 4,041億円 5年 2027年 1時間40分 滋賀
44km 3,600億円 50分 関西
小浜京都ルート
(JR西案)
140km 2兆0,700億円 15年 1時間19分 43分 湖西線  国土
130.3km 1兆3,606億円 13年 2035年 1時間33分 滋賀
130km 1兆3,600億円 40分 福井
若狭ルート 123km 9,500億円 33分 関西
湖西ルート 81km 7,700億円 35分 湖西線 関西
小浜舞鶴京都ルート
(PT独自案)
190km 2兆5,000億円 15年 1時間31分 1時間00分 山陰本線
舞鶴線
小浜線
国土
181.8km 1兆7,375億円 17年 2039年 1時間51分 滋賀
190km 2兆0,400億円 1時間00分 福井


敦賀-大阪間
のルート
運賃 ・ 料金 輸送需要
(開業初年度 輸送密度)
駅の設定 試算
金沢-新大阪 敦賀-新大阪
米原ルート
(東海道新幹線
直通案)
8,740円 13.5百万人/年 敦賀-長浜-米原 滋賀
33,000人/日 関西
米原ルート
(米原乗換案)
11,190円 6,560円 (36,100人キロ/日・km) 敦賀-米原 国土
10,340円 11.2百万人/年 敦賀-長浜-米原 滋賀
28,000人/日 関西
小浜京都ルート
(JR西案)
8,740円 5,380円 (41,100人キロ/日・km) 敦賀-小浜市附近(東小浜)-京都-新大阪 国土
8,420円 9.7百万人/年 滋賀
若狭ルート 26,000人/日 関西
湖西ルート 31,000人/日 関西
小浜舞鶴京都ルート
(PT独自案)
10,140円 6,460円 (34,700人キロ/日・km) 敦賀-小浜市附近(東小浜)-舞鶴市附近(東舞鶴)-京都-新大阪 国土
10,140円 8.0百万人/年 滋賀


敦賀-大阪間
のルート
総便益
(総便益比)
総費用 費用対便益
( 費用対効果)
試算 比較結果
総合 優劣順位
米原ルート
(東海道新幹線
直通案)
1兆1,104億円 3,390億円 3.28 滋賀 1 位
(200~286) 関西
米原ルート
(米原乗換案)
5,300億円 2,400億円 2.2 国土 2 位
4,935億円 3,090億円 1.60 滋賀
小浜京都ルート
(JR西案)
8,600億円 8,000億円 1.1 国土 3 位
(ただし、着工の条件を満たさない 赤字路線の疑い有り)
4,646億円 8,609億円 0.54 滋賀
若狭ルート (100) 関西
湖西ルート (133) 関西
小浜舞鶴京都ルート
(PT独自案)
7,100億円 9,700億円 0.7 国土
1,878億円 1兆0,208億円 0.18 滋賀


所要時間 金沢-新大阪 2016年9月23日現在、サンダーバード(在来線特急) 150分

駅の設定 滋賀県試算 (2016年9月23日公表)で明示されていない路線は、国土交通省調査結果 (2016年11月11日公表)を設定

並行在来線 各試算では明示されていないものの、JRから経営が分離(第3セクター化、または、廃止)される可能性のあるJR在来線

費用対便益(B/C) 費用対便益(B/C)は、時間短縮効果などの便益(Benefit)を建設費などの費用(Cost)で割ったもので、事業の妥当性を評価するための指標となっています

試算 国土 : 国土交通省調査結果 (2016年11月11日公表) / 滋賀 : 滋賀県試算 (2016年9月23日公表)
福井 : 福井県試算 (2016年6月16日公表) / 関西 : 関西広域連合試算 (2013年3月公表)

報道発表資料:北陸新幹線敦賀・大阪間のルートに係る調査について - 国土交通省 」、「 北陸新幹線「小浜ルート」と原発の意外な関係 「大阪延長」で議論が複雑化、カギ握る福井県 東洋経済 2015年12月25日 06:00 」、 「 新幹線、舞鶴経由は7千億円割高 福井県が独自試算を報告 福井新聞 06月17日 08:43 」、「北陸新幹線敦賀以西のルート選定 - Wikipedia 」 から 編集




北陸新幹線 米原ルート ( 名古屋始発も可能 投資額の 2~3倍の利益を生む 最優秀 最適ルート )



建設ルートが最短の為、建設費が最少となり、費用対便益( 費用対効果)が、東海道新幹線乗り入れ時、「3.28」(投資額の 3.28倍の利益を生む)(滋賀県)、当面、米原乗換になっても、「2.2」(国土交通省)~「1.60」(滋賀県)と試算され、経済性、費用対効果に最も優れ、北陸新幹線 大阪延伸 敦賀-大阪間 敦賀以西をめぐる 4つの有力ルート案の中で、唯一、現実性のあるルート案です

東海道新幹線に乗り入れることにより、新大阪(京都)はもちろんの事、名古屋始発も可能となり、需要次第で、静岡始発、東海道新幹線経由の東京始発北陸方面行の直通新幹線を走らせることもできるようになります


北陸地方と名古屋地区の間には、現在でも、北陸地方と京阪神地区間と比べてもそれ程大きな遜色のない本数の特急列車が走っていますので、米原付近で三叉路をつくり、京都、大阪方面、名古屋方面それぞれから直通できるようにすれば、北陸地方と名古屋地区との連絡もカバーできる点で大きなメリットがあります

ただし、北陸新幹線の東海道新幹線への乗り入れが前提で、2016年現在、東海道新幹線は線路容量限界まで列車本数を設定して目いっぱい走らせており、他線が東海道新幹線に乗り入れることは不可能な為、東海道新幹線を経由して、大阪、京都、名古屋方面に直通できるのは、東海道新幹線の線路容量に余裕のできる、東京-大阪間のリニア中央新幹線の開業を待つことになり、それまでは暫定的に米原で乗り換えることになります


当初、JR東海では、東京-大阪間のリニア中央新幹線の開業を、最大で 8年の前倒し、2037年、東京-大阪間全線開業を目指していますので、暫定米原乗り換えは一時的な辛抱ということになりそうです

参照 「 リニア中央新幹線 大阪延伸 前倒し 品川-大阪間 最速 2037年 全線開業


通常、新幹線は着工してからでも、開業まで、10~15年はかかりますので、他のルートで北陸新幹線を造るとすると、開業は、2030~2040年代になると想定され、実際、2016年11月11日公表された国土交通省の調査結果でも、着工予定は 2031年、米原ルートの開業は、10年後の 2041年、小浜京都ルートに至っては、15年後の 2046年の開業、リニア中央新幹線はとっくに東京-大阪間で全線開業している予定で、そもそも、乗換を前提に考える方が不自然です


もし、一時的にしろ乗換が発生し、不便(便益性を損なう)ということであれば、北陸新幹線 金沢-敦賀延伸開業時に導入が計画されている、FGT(フリーゲージトレイン)で直通、代替えさせる方法も考えられ、将来的に見た場合、リニア中央新幹線開業後、余裕ができるであろう東海道新幹線資産も活用でき、大阪、京都はもちろん、岐阜、愛知、静岡、神奈川各県からも北陸地方に新幹線で直通できる、最も優れたルートになると思われます



北陸新幹線 小浜京都ルート ( 赤字路線 & 京都止まりとなる疑い残る 我田引鉄ルート )



北陸新幹線 小浜京都ルートは、2015年8月までにJR西日本社内の勉強会で検討されていることが明らかになり、2016年3月10日、与党検討委員会(PT)で正式に検討されることになったルート案ですが、実際に JR西日本が研究していたのは、敦賀-京都間のみで、京都-大阪間は漠然としたものでした

敦賀から若狭湾沿いに小浜市付近に至るまでは若狭ルートと同様ですが、その後は、大阪につなぐより、そのまま南下し、京都駅につないだ方が路線が短くなる分建設費が安くなり、JR西日本にとって収益性が良くなるという発想です


京都-大阪間は、京都から、大深度地下トンネルで、大阪まで延伸することを想定しているとされますが、この案で大阪まで延伸する場合、関西広域連合が試算した 3ルート中 最長であった若狭ルートよりさらに長い建設距離となり、さらに、京都-大阪間は大深度地下トンネルで通すしかないと思われ、その為、難工事が予想され、建設コストも膨大なものとなり、事実上、京都が終着駅となる案 ・・・ とならないでしょうか


小浜京都ルートは、JR西日本が提案したルート案とされ、整備新幹線建設の前提である 新幹線の運営主体 JR西日本の同意を最も得易いルートであると(お金を使わせたい政財界を中心に、その太鼓持ちメディア等)喧伝する勢力もあるようですが、国土交通省調査結果 (2016年11月11日公表)では、建設費は 2兆700億円とされ、JR西日本がそこまで巨額の建設費を想定していたかどうか、疑問が残ります

建設費が巨額になると JR西日本が支払う施設使用料も高額なものとなりますので、京都-大阪間の建設に、JR西日本が難色を示す可能性が十分考えられます


少なくとも、資金面から全線での速やかな着工は難しく(2兆700億円ものお金どこにあるの?)、一旦、敦賀-京都間建設の後、京都-大阪間は別途検討となりかねません

別途検討となった瞬間、京都-大阪間建設は何時になるか、全く先の見えない「絵に描いた餅」状態、実現可能性のほとんどない状態となり、仮に、実現できたとしても、リニア中央新幹線より後になる可能性が高く、結局、米原ルートの方が、安く、早く、便利 ・・・ となりそうです


そもそも、現在でこそ、東海道新幹線の線路容量に余裕がないために別線(複々線化)計画が成り立つのであって、将来リニア中央新幹線ができると、東海道新幹線に北陸新幹線が乗り入れても、さらに余裕ができる線路容量 ・ 能力を使い切ることはないと考えられます (現在の、「のぞみ」、「ひかり」、「こだま」の比率から考えて、東海道新幹線はガラガラのローカル線になりそうです)

将来、無駄になることが分かっているのに、巨額の建設費を投じ、複々線化(東海道新幹線と北陸新幹線の別線並走)するなんて、無駄な二重投資以外の何物でもなくなってしまいます


加えて、国土交通省が出してきた新幹線建設に必要な条件 「1.0を上回ること」をぎりぎり満たす、費用対効果の「1.1」という数字 ・・・ あの手、この手でお手盛りした結果ようやく作り上げた数字で、本当は投資額すら回収できない赤字路線なんじゃないの? ・・・ と、疑わずにはいられません

新幹線が赤字? ・・・ 理解し難い話かと思いますが、実際、JR北海道では、2016年度(2017年3月期)の事業計画で、北海道新幹線は、111億円の収入に対して、支出が 160億円、差し引き 49億円程度の赤字になるとし、在来線網を半分程度にまで整理したいと言い出しています


むろん、北陸新幹線は、北海道新幹線とは桁違いの収入をもたらすと思いますが、支出(建設費=施設使用料等)まで桁違いになると、赤字も桁違いということになってしまいます

その時、JR西日本が何を言いだすか ・・・ これまで大阪環状線以外全て赤字の在来線を山陽新幹線の収益で支えてきましたが、北陸新幹線が収益を上げられない、その引き換え条件として、並行在来線に留まらず、JR西日本が抱える在来線網全体の大幅な整理縮小 ・ 分離 ・・・ むしろ、JR西日本の本当の狙いはそっちかもしれません



北陸新幹線 若狭ルート ( 与党検討委員会(PT)が 候補から外したため 絶滅危惧種に  2016年3月10日)



本来、北陸新幹線は、災害時に東海道新幹線が被災したときに備え、東京-大阪間を別ルートで結ぶ使命を持っており、災害に強い国土軸構築が目的であることを考えると、東京-大阪間で東海道新幹線と全く別ルートとなる若狭ルートが正統派と言え、整備新幹線計画でも、本ルートが規定されました


北陸新幹線 金沢-敦賀延伸 ルート図 路線地図

福井県新幹線建設推進課 整備新幹線ルート図/北陸ルート図:北陸新幹線 」 より
2016年11月18日

実際、小浜京都ルートを通そうと盛んに情報発信している福井県のホームページでは、2016年11月18日現在でも、「福井県新幹線建設推進課 整備新幹線ルート図/北陸ルート図:北陸新幹線」として、北陸新幹線 若狭ルート のみが堂々と太赤点線で掲示され、若狭ルートが正規のルートであることを自ら示しています

ところが、「喉元過ぎれば熱さを忘れる」とはよく言ったもので、北陸新幹線の持つ本来の使命などどこ吹く風、2016年3月10日、与党検討委員会(PT)は、北陸新幹線 若狭ルートを敦賀-大阪間の延伸ルート候補から外し、今正に葬り去られようとしています

その理由が、『京都を通らないから』という、露骨な我田引鉄論
今さら言うまでもないことですが、新幹線は国土の均衡ある発展を目指すために造るもの、一地方都市の為に造るものではありません

その中でも、北陸新幹線は、東京-大阪間交通の二重系化という、日本という国にとって重要な使命を帯びています
重ねて言います、一地方都市の為に造るものではありません

東海道新幹線が被災して、不通になったら、どうなってしまうのでしょう
航空機と高速道路だけでは、東京-大阪間の交通需要は賄えません
国家百年の計なんて言葉は、既に絶滅種となってしまったのでしょうか


リニア中央新幹線は、名古屋駅が東海道新幹線と重複しますので、東京-大阪間の完全な二重系化とは言えませんが、リスクを名古屋駅付近にピンポイント化、極小化できるとし、東京-大阪間の二重系化構築をリニアに譲るというのであれば、米原ルート (あえて言います たったの 44~50km です) をさっさと造って、リニア中央新幹線と北陸新幹線(米原以西は東海道新幹線経由)で二重系化とし、早期に新幹線ネットワークを構築するのが、我田引鉄論を排除した、最も理にかなった判断と思われます



北陸新幹線 湖西ルート ( 与党検討委員会(PT)が 候補から外したため 絶滅危惧種に  2016年3月10日)



北陸地方と京阪神地区との結びつきの強さのみにクローズアップすると、両地方を最短ルートで結ぶ湖西ルートが最も有利なルートとなりますが、2016年3月10日、与党検討委員会(PT)は、北陸新幹線 湖西ルートを敦賀-大阪間の延伸ルート候補から外してしまいました


北陸新幹線 大阪延伸 敦賀-大阪間 敦賀以西 湖西ルート 路線地図
札幌市営地下鉄 地上部分の高架シェルター(2004年1月)
札幌市営地下鉄 シェルター内部(自衛隊前駅・2005年4月)
その理由が、聞いてびっくり、『湖西ルートを推す委員がいなかったから』 ・・・ って、違うでしょ、「いなかった」からではなくて、「先に追い出しておいた」からでしょ

古くから綿々と有力ルートとして検討されてきたルートを推す委員がいない事の方がおかしいでしょ



比良おろし と 湖西線 (在来線)



比良山麓を走るJR西日本 湖西線 (在来線)は、全線高架で、「比良おろし」(ひらおろし)と呼ばれる強風を真横から受ける為、非常に大きな影響を受けており、1997年6月29日には、湖西線比良駅に停車中の貨物列車が横転するという事故も起き、2016年現在でも、しばしば、運休、もしくは、長距離列車の北陸本線への迂回運転が行われています

北陸新幹線が湖西ルートを通る際も、この「比良おろし」の影響を考慮しなくてはなりません


雪害対策として札幌市営地下鉄では、地上区間をアルミ合金製のシェルターで覆っており、「比良おろし」対策での採用もアリかな ・・・ まあ、強風対策では防音壁の兼用でも対応できるかも知れませんが
札幌市営地下鉄 地上部分の高架シェルター(2004年1月)(左中)
札幌市営地下鉄 シェルター内部(自衛隊前駅・2005年4月)(左下)

(左上)「 運転経路を当日に突如変更 豪華寝台特急「トワイライトエクスプレス」に何が? 乗りものニュース 」
(左中) (左下)「 札幌市営地下鉄南北線 - Wikipedia 」 より




北陸新幹線 敦賀-大阪間 若狭ルート実現に向け一歩前進? 2015年8月25日



京都府議会の自民党議員団と福井県議会の自民党県政会は、2015年8月25日、北陸新幹線の敦賀以西ルートについて、意見交換会を開き、京都府議員団の村田正治団長は、「(自民党会派としては)小浜(若狭)ルートでいきたいという方向をしっかり持たせていただいている」と述べ、若狭ルートの実現を目指す議員連盟を、会派内に立ち上げたいとの考えを示しました

また、会合後、京都府議員団の村田団長は、「府議団の意見として、(若狭ルートという)方向性は 99%決まっている。京都府は南北に広く、(南北をつなぐ若狭ルートの)新幹線は活性化の起爆剤になる。議連の立ち上げを検討していきたい」と述べ、福井県側と連携していく姿勢を示しました


この時期(2015年8月25日当時)は、まだ、小浜 ・ 京都ルート (JR西案)も出されておらず、中央リニア新幹線が 2030年代にできる可能性も示されていなかった為、派生ルート案である米原ルート、湖西ルートを退け、本来ルート案である若狭ルートに一本化することが、北陸新幹線 敦賀-大阪間 建設の近道と目されていました




新年早々 京都から不穏なニュース 北陸新幹線 小浜舞鶴京都ルートって何? 2016年1月1日



2016年1月1日新年早々、敦賀から、わざわざ遠回りして、地方小都市「舞鶴市」を経由して京都に向かうという、現実離れした有り得ないルート案、我田引鉄を絵に描いたような信じられないようなルート案 「小浜舞鶴京都ルート」なるものが京都から発せられました

当選、国土交通省調査結果(2016年11月11日公表)で、費用対効果 0.7、2兆5000億円投資して、1兆7500億円の投資効果しか得られない、残り 7500億円もの巨費(税金です)を、まるまるどぶに捨てる案として、一刀両断されました

参照 「 北陸新幹線 大阪延伸 敦賀-大阪間 敦賀以西 小浜舞鶴京都ルート 」




北陸新幹線 敦賀-大阪間 小浜京都ルート (JR西案)が有力? 2016年1月22日



北陸新幹線延伸、京都ルート有力…与党でも大勢 読売新聞 01月22日 07:16」では、北陸新幹線 敦賀-大阪間で、JR西の「小浜京都ルート」案が有力になったと報じています


北陸新幹線 大阪延伸 敦賀-大阪間 敦賀以西 小浜京都ルート 路線地図

北陸新幹線延伸、京都ルート有力…与党でも大勢 読売新聞 01月22日 07:16 」 より

ルート選定に一定の発言力を持つ大阪府の松井一郎知事(おおさか維新の会)は、2016年1月21日、与党検討委員会(PT)で、「ルートは国や与党に任せる」と述べ、これまで続けてきた「米原ルート」への支持を撤回しました

国の整備計画では、北陸新幹線は、「小浜市付近」を通ることが定められており、米原ルートへの変更には、審議会での議論など時間がかかることから、松井知事は支持を撤回したとみられています


北陸新幹線を運行するJR西日本では、独自に小浜経由で京都を通るルートを検討しており、与党内でも京都を通すべきとの意見が大勢になっているとのことです

政府与党では、2016年5月末をめどにルートを絞り込む考えですが、財源を巡って、難航も予想されています




北陸新幹線 敦賀-大阪間 与党検討委員会(PT)  3案に絞り込み 2016年3月10日



北陸新幹線の敦賀(福井県)-大阪間のルートを協議する与党の検討委員会(PT)(l※)は、2016年3月10日、これまで検討対象としてきた 5案の中から、京都駅を通らない若狭ルートと、沿線自治体から提案のなかった琵琶湖西側を通る湖西ルートを対象から外すことを確認、検討対象を、米原ルート、小浜京都ルート(JR西案)、小浜舞鶴京都ルート(西田 与党検討委員会(PT) 委員長案)の 3案に絞り込むことを決めました


北陸新幹線 大阪延伸 敦賀-大阪間 敦賀以西 3案に絞り込まれたルート案 路線地図

西村県議、「米原」は譲れない 北陸新幹線 中日新聞 03月17日 05:00 」 より

もともと整備新幹線計画で規定された正式なルートであるはずの若狭ルートが与党検討委員会(PT)の検討対象から外されたことに対し、丹波地域に「新京都駅」設置を求めていた亀岡、南丹、京丹波 2市1町の首長は、2016年3月11日、引き続き若狭ルート(小浜ルート)を要望することを確認しました


亀岡市の桂川孝裕市長は、「まだ与党委員会の案であり、政府の正式な案ではない」とし、「小浜-舞鶴-京都ルート」(小浜舞鶴京都ルート((西田 委員長案))では、JR山陰線が並行在来線になる恐れがあり、「地元負担が生じたり、要望している園部-綾部間の複線化が遅れたりするようなら、そのルートは賛成はできない」と話しています

※.与党の検討委員会 与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(PT)





北陸新幹線 敦賀-大阪間 JR西 JR東海 新大阪終点を要望 2016年3月24日



北陸新幹線の敦賀(福井県)-大阪間のルートを協議する与党の検討委員会にて、2016年3月24日、JR西日本とJR東海の両社は、山陽新幹線や中央リニア新幹線などとの接続を考慮し、新大阪駅を終点とするよう要望しました

与党検討委員会(PT)では、敦賀以西のルートのうち敦賀-京都間については、これまでに 3案に絞り込んだとし、京都-大阪間については、終着駅を新大阪、天王寺(大阪市)とする 2案があり、収支採算性などを調査する候補として両案とも残すかどうかが今後の焦点となっており、与党検討委員会(PT)では、スケジュールを前倒しして、2016年4月に結論をまとめる方向が示されています




北陸新幹線 敦賀-大阪間 けいはんな学研都市経由も調査 2016年4月27日



北陸新幹線の敦賀(福井県)から大阪までの延伸について議論している与党の検討委員会は、2016年4月27日、大阪の終着駅については、乗り換えを考慮、天王寺案を退け、新大阪とすること、2016年3月に決定している敦賀-大阪間の3ルートについて、建設費や所要時間などの調査を国土交通省に求めることを中間報告としてまとめました

また、京都-大阪間については、大阪府箕面市周辺を通る(東海道新幹線の)北側ルートを調査対象として想定していますが、京都、大阪、奈良にまたがる「けいはんな学研都市」(関西文化学術研究都市)付近を経由する南側ルートについても「参考として」調べるよう求めています


北陸新幹線 大阪延伸 敦賀-大阪間 敦賀以西 絞り込まれた3案に、けいはんな学研都市経由 を加えたルート案 路線地図

北陸新幹線終点は「新大阪」 国交省、延伸ルート調査へ 朝日新聞 2016年4月28日 16:53 」 より

検討委では、敦賀-大阪間について、米原(滋賀県)から東海道新幹線に乗り入れ、または、乗り換える「米原ルート」(現状、東海道新幹線には線路容量に余裕がないため、少なくともリニア中央新幹線ができるまでは「米原」乗換)、小浜(福井県)と京都を経由し大阪市内を終着とする「小浜京都ルート(JR西案)」、舞鶴(京都府)を通る「小浜舞鶴京都ルート(西田委員長案)」の 3案に絞り込むことを、2016年3月に決定しています

大阪側は、他の路線との乗り換えなどを考慮、終着駅を新大阪とし、京都-新大阪を最短で結ぶルートと、奈良県と京都府、大阪府にまたがる関西文化学術研究都市を通るルートについても調査、検討されます

大阪開業は「10年以内」とし、そのための予算措置を政府に強力に求めていく方針も確認されています

整備新幹線は着工の条件として運営企業(各JR社)の同意を必要としています


北陸新幹線 敦賀-大阪間の運営企業はJR西日本で、JR西日本では、自らが提案した小浜京都ルート (JR西案)以外のルートについて、大阪到着まで時間がかかるなどとして難色を示しています


関西空港への延伸については、「北陸新幹線整備計画の範囲外」であることを確認する一方、検討委とは別の場で早急に検討すべきとしています

国交省は秋にも調査結果をまとめ、それを受けて検討委で議論を再開、与党として年内にもルートを決定します




北陸新幹線 敦賀-大阪間 国土交通省試算に疑問 与党聞き取り始める 2016年11月22日



2016年11月18日付けの産経新聞では、「与党は(2016年11月)17日、北陸新幹線で未着工となっている福井県敦賀市以西の延伸について、同県小浜市から南下し京都経由で新大阪に至る「小浜京都ルート」とする方針を固めた」と報じましたが、実際は、所要時間や乗客数の想定等をめぐって、数々の問題点、疑問点が出されています


北陸新幹線 大阪延伸 敦賀-大阪間 敦賀以西 絞り込まれた3案に、けいはんな学研都市経由 を加えたルート案 路線地図 国土交通省調査結果

北陸新幹線延伸案 与党「小浜京都ルート」方針、来月最終決定へ 産経新聞 11/18(金) 7:55 」 より

産経新聞の報道によると、政府は、利便性や投資効果など新幹線の着工条件で最も優れていると判断、2016年12月下旬の与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(PT、座長 茂木敏充自民党政調会長)で最終決定し、政府 ・ 与党で合意する見通しとしています


与党は早期着工に向け、2017年度予算案に延伸周辺地域の環境影響評価や詳細な設計のための費用を前年度比で 2倍程度盛り込みたい考えを示したとしています


敦賀以西の延伸ルートをめぐっては、「小浜京都ルート」のほか、米原駅(滋賀県)で東海道新幹線につなぐ「米原ルート」と、小浜付近から舞鶴市(京都府)を経由して新大阪に至る「小浜舞鶴京都ルート」の 3案で、与党PTやその下部組織の敦賀 ・ 大阪間整備検討委員会で検討が進められてきました


国土交通省が、2016年11月11日に公表した 3ルートの試算では、小浜京都ルートは建設費が 約 2兆700億円と巨額で、約 6千億円で済む米原ルートの 3.45倍もの巨額の費用が掛かることが明らかとなりましたが、与党では、経済的な便益を建設費などの総費用で割った「費用対効果」は 「1.1」で採算のめど(1.0以上)があり、所要時間も最短、運賃が安く、「国民の理解を得やすい」(政府関係者)と主張しているそうです


「費用対効果」「1.1」は、赤字路線すれすれ、政治的な配慮を感じさせる数字で、そこに 約 2兆700億円もの巨費をつぎ込むことが「国民の理解を得やすい」という感覚は、完全に国民感覚からかい離していると思うのですが ・・・

それに、建設費が 3.45倍にもなるのに、運賃 ・ 料金が安くなるというのも不思議な話で、所要時間についても、米原で乗客に乗り換えさせることを前提に試算しており、北陸新幹線をそのまま東海道新幹線に乗り入れさせれば、所要時間 45分(関西広域連合試算(2013年3月公表))と、ほとんど変わらないはずなのですが ・・・


実際、国土交通省試算では、在来線特急より所要時間が 40分近く縮むため「新たな移動需要が生まれる」(幹線鉄道課)と主張し、開業初年度の 1キロあたりの乗客数を 現行在来線特急の 約 2.4倍の水準となる 1日平均 4万1100人としていますが、「乗客数の想定が現実的でない」(滋賀県関係者)等、その所要時間等を含め、問題点を指摘する声が強く、2016年11月22日から、与党が沿線自治体から聞き取りを始めています

参照 「 北陸新幹線 大阪延伸 敦賀-大阪間 敦賀以西 国土交通省調査結果 」





北陸新幹線 大阪延伸 敦賀-大阪間 与党PT 小浜京都ルート に決定 2016年12月20日



北陸新幹線の福井県敦賀市以西のルートについて議論する与党検討委員会(与党PTの下部組織)は、2016年12月7日、国会内で検討委員会を開き、福井県小浜市、京都府京都駅を経由して新大阪駅に至る「小浜京都ルート」に一本化することで大筋合意、2016年12月14日、小浜京都ルート が適切だとする報告をまとめました


北陸新幹線 敦賀-大阪間 与党検討委員会 小浜京都ルート 地図

<北陸新幹線>小浜・京都ルートで一本化へ 毎日新聞 2016年12月7日 21:34 」 より

この与党検討委員会の報告を受け、2016年12月20日、与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(与党PT)(西田昌司委員長(自民党参院議員))は、小浜京都ルートを採用することを正式決定しました


2016年11月11日に出された 国土交通省調査結果では、米原ルートが最も優れていたのも関わらず、2016年8月、自民党役員人事で政調会長となった 茂木敏充 座長のもと、筋の通らない理屈で小浜京都ルートが押し通され、わずか 3ヶ月余でのスピード決定となりました

参照 「 北陸新幹線 大阪延伸 敦賀-大阪間 敦賀以西 国土交通省調査結果 」


小浜京都ルートを望んでいた方たちにとっても(良識のある方にとっては)、釈然としない、後味の悪い思いをさせられているのではないでしょうか


京都-新大阪間については、東海道新幹線の北側を通る北回り案か、京都府南部を通る南回り案かの判断を先送りし、2016年度内に結論を出すとのことで、今後、2兆円を超える建設費の財源確保策を探る方針で、細なルートの調査に 1~2年、環境影響評価(環境アセスメント)に 4年前後かかる見通しとしています


与党検討委員会では、与党PTが絞り込んだ 3つのルート案の中で、敦賀-大阪間の路線距離、所要時間が最短であることを第一の理由として挙げていますが、地図を見れば明らかなように、単純に敦賀駅と京都駅を直線的に結べば、湖西ルートになります

敦賀-大阪間の路線距離、所要時間が最短となる湖西ルートを先にはずし、わざわざ、人口 3万弱 ※  の小浜市 (小浜駅)に寄り道させておいて、今さら『最短』を理由に掲げるのは筋kが通らず、露骨な『我田引鉄』のそしりを免れないでしょう

※.推計人口 2016年6月1日 29,494人 (小浜市 - Wikipediaより)
参照 「 北陸新幹線 大阪延伸 敦賀-大阪間 敦賀以西 小浜京都ルート 」



京都-大阪間 北回りルート案 南回りルート案



京都-大阪間に関しては、駅を設置せず直結させる北側ルート案と、JR京田辺駅と近鉄新田辺駅(いずれも京都府京田辺市)付近に新駅を設ける南側ルート案があり、与党検討委員会では、東海道新幹線の北側を走るルートが事業費などの観点で「優位」とする一方、地域開発の観点から、南側を走るルートを「有望」としています




北陸新幹線 敦賀-大阪間ルート 各県の立場 動き



富山県

小浜京都ルート (JR西案) 2016年3月15日


富山県議会の自民党系の最大会派は、福井県議会の小浜 ・ 京都ルート (JR西案)を推す決議に同調、同党県連の中川忠昭幹事長は「決断を評価したい。JR西も推している案であり、決議は順当」と福井県議会の決議を支持する考えを示しています

石川県

小浜京都ルート(JR西案) 谷本正憲石川県知事 2016年12月5日


石川県の谷本正憲知事は5日、与党の会合で、福井県・小浜から南下し京都を経由する「小浜京都ルート」を支持すると表明、理由として、「JR西日本が自ら提案したルートというのが一番大きい。富山、福井両県が明確に支持していることも大切にした」と述べました

米原ルート 石川県議会 2016年4月30日


石川県は、米原ルート以外の場合、中京圏との結びつきが弱くなる懸念を示しており、石川県議会は、2015年9月議会で、米原ルートの実現を目指す決議案を賛成多数で可決、米原ルート決議を主導した福村章県議は与党検討委員会の中間報告を受け、「国の調査結果が出れば、おのずと決まるだろう」とし、与党検討委員会の 3ルートの中で、米原ルートが有力との見方を示しています

一方、自民党県連会長代行の福村章県議は、「費用や工期など国土交通省の調査後に検討すべきだ。その結果も見ないでの決議は早計では」と疑問を呈しています


福井県が要望している小浜 ・ 京都ルート (JR西案)については、「問題は建設コストと工期。20年掛かるのではいけない」、「財源がしっかり確保され、早期に完成させられるとの調査結果が出るかどうかがポイント」とし、舞鶴ルート(西田委員長案)は、建設コストと工期、時間短縮効果などの観点で「問題にならないだろう」と述べています

福井県

小浜京都ルート(JR西案) 2016年5月8日


福井県議会は、2016年3月15日、小浜 ・ 京都ルート (JR西案)の年内決定と、大阪までのフル規格による全線整備を早期に実現することを求める決議案を可決、中京圏とのアクセス向上の検討も要望、西川一誠 福井県知事は、小浜 ・ 京都ルート (JR西案)が「最も妥当なルート」としています


福井県北陸新幹線建設促進同盟会の総会でも、2016年5月8日、北陸新幹線敦賀以西のルートについて、小浜市と京都駅を経由する小浜 ・ 京都ルート (JR西案)の2016年内決定などを政府、与党に求めていくよう決議しました

決議にはルート決定に加え、大阪までの早期全線整備や北陸-中京圏間の接続向上も盛り込まれており、金沢-敦賀間では、敦賀開業のさらなる前倒しや、敦賀、福井両駅で新幹線と在来線の乗り換えの利便性を確保するよう求めています


同盟会会長の西川一誠知事は、小浜 ・ 京都ルート (JR西案)を、「時間短縮効果が大きく、料金が安い。産業や観光振興など県の発展につながる」と評価、京都−大阪間は、「最短で、合理的に整備する必要がある」と述べ、東海道新幹線の北回りルートを支持しました

これまで同盟会が求めていた若狭(小浜)ルートは、京都駅を経由しないため与党検討委員会の議論から外れ、福井県などは、小浜 ・ 京都ルート (JR西案)が小浜市を通ることから、「若狭ルートの一つ」と位置付け、小浜 ・ 京都ルート (JR西案)支持に方針転換しています

滋賀県

米原ルート 2016年12月5日


滋賀県の三日月大造知事は、2016年3月10日、与党PTが 3案に絞り込んだことを受け、「地元の国会議員と連携し、観光面でも機運を高めて米原ルートを現実のものにしたい」と誘致活動を強化する考えを示しました

滋賀県内には、米原ルートや、小浜 ・ 京都ルート (JR西案)では、北陸線や湖西線が並行在来線となることへの懸念もあり、三日月知事は、「経営分離は認められないという主張はしながら、仮に並行在来線が生まれるときの費用負担については関西広域連合で議論したい」としています


小浜 ・ 京都ルート (JR西案)となった場合、JR湖西線が、「並行在来線」の検討対象となる問題で、大津市議会は、2016年3月22日、湖西線がJRから第三セクターに引き継がれると、運賃の大幅値上げや減便を招き、利便性が大きく低下する可能性があるとして、JR湖西線の経営分離に反対する決議を全会一致で可決しました

与党PT検討委員会の2016年12月5日のヒアリングに対し、滋賀県の三日月大造知事は、改めて、「早期の大阪延伸のためには、一番合理性がある」と強調し、想定される工事期間が最も短いのに加え、事業費も最も安く、費用対効果も3つのルートの中で最も優れているとして、引き続き、支持する考えを示しました

京都府

小浜舞鶴京都ルート(西田委員長案) 2016年2月17日


京都府の山田啓二知事は、2016年2月17日、与党検討委員会(PT)で、福井県小浜市付近と京都府北部の舞鶴市を経由して京都駅へ乗り入れ、関西国際空港(関空)につなげるルートの実現を要望、京都市の門川大作市長は、京都駅へ乗り入れ、関空につながるルートを要望しています

大阪府

国が決めること 2016年12月5日


与党検討委員会(PT)が、 3案に絞り込んだことを受けて、大阪府の山田啓二知事は、2016年3月11日、「府の意向は一定取り上げてもらった」と評価、若狭ルートがはずされたことに対して、「路線を決めるのは国であり、手当てをするのも府ではない」としています

さらに、大阪府の山田啓二知事は、2016年12月5日、、「ルートの決定は国に委ね、とにかく早期に大阪までつないでもらいたい。費用については決められたルールどおりに負担するが、事業費の抑制を図ってほしい」と述べました


与党PT検討委員会の2016年12月5日のヒアリングに対し、新井副知事が代理出席、「ルートの決定は国に委ねる」として、具体案に言及せず、年内に確実にルートを決定し、早期に着工することを要望しました







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報道発表資料 - 国土交通省
報道発表資料:北陸新幹線敦賀・大阪間のルートに係る調査について - 国土交通省
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鉄道・運輸機構 (独立行政法人 鉄道建設・運輸施設整備支援機構 旧 日本鉄道建設公団)
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