H2Aロケット 31号機は、打上げから 約 27分51秒後の 11月2日15時47分51秒頃、ひまわり 9号 を正常に分離、ひまわり 9号は、予定の軌道に投入され、打ち上げは成功しました
ひまわり 9号は、その後、太陽電池パネルが正常に開き、11月2日19時現在、正常に通信しているとのことです
実況 終了しました
ひまわり 9号は予定された軌道に向けて、正常に分離されました
打ち上げ成功です
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ひまわり 9号 静止軌道 投入予定
ひまわり 9号は、2016年11月11日頃、ひまわり 9号自身のエンジンを噴射し、高度 約 3万6千キロメートルの静止軌道に投入され、ひまわり
8号が故障した際のバックアップ衛星として軌道上で待機し、2022年(平成34年)からメイン衛星として7年間、気象観測を行う予定です
ひまわり 9号 当初 2016年11月1日(火) 打ち上げ予定
当初、H-IIAロケット 31号機(H-IIA F31)は、2016年(平成28年)11月1日(火)に打ち上げられる予定でしたが、打上げ当日(11月1日)の発射準備作業時に天候の悪化が予想されるためとして、打上げは、翌
11月2日(水) 15時20分~18時18分(日本標準時)に延期されていました
JAXA H2Aロケット31号機 主要諸元
名称 |
H-ⅡAロケット 31号機 (H2A202型) |
全長 |
53 m |
全備質量 |
286 t (人工衛星の質量は含まず) |
誘導方式 |
慣性誘導方式 |
|
|
第1段 |
固体ロケット
ブースタ |
第2段 |
衛星
フェアリング
(4S型) |
全長 |
37 m |
15 m |
11 m |
12 m |
外径 |
4.0 m |
2.5 m |
4.0 m |
4.0 m |
質量 |
114 t |
151 t (2本分) |
20 t |
1.4 t |
推進薬質量 |
101 t |
130 t (2本分) |
17 t |
- |
推力 |
1,100 kN |
5,003 kN |
137 kN |
- |
燃焼時間 |
390 |
100 |
530 |
- |
推進薬種類 |
液体水素
液体酸素 |
ポリブタジエン系
コンポジット
固体推進薬 |
液体水素
液体酸素 |
- |
推進薬供給方式 |
ターボポンプ |
- |
ターボポンプ |
- |
比推力 |
440 s |
283.6 s |
448 s |
- |
姿勢制御方式 |
ジンバル
補助エンジン |
可動ノズル |
ジンバル
ガスジェット装置 |
- |
主 要 搭 載
電 子 装 置 |
誘導制御系機器
テレメータ送信機 |
- |
誘導制御系機器
レーダトランスポンダ
テレメータ送信機
指令破壊装置 |
- |
推力、比推力は、真空中 固体ロケットブースタは最大推力で規定
JAXA H2Aロケット 31号機 飛行計画
JAXA H2Aロケット 31号機(H-ⅡA ・ F31) は、ひまわり 9号を搭載し種子島宇宙センター大型ロケット第1射点より打ち上げられ、打上げ後まもなく機体のピッチ面を方位角
96度へ向けた後、所定の飛行計画に従って太平洋上を飛行します
H2Aロケット 31号機は、固体ロケットブースタを打上げ 約 1分48秒後(以下、時間は打上げ後の経過時間を示す)に、衛星フェアリングを 約
4分5秒後に分離、約 6分36秒後には第1段主エンジンの燃焼を停止、約 6分44秒後に第1段を分離します
引き続き、H2Aロケット 31号機は、約 6分50秒後に 第 2段エンジンの 第 1回目の燃焼が開始され、約 12分12秒後に燃焼を停止、慣性飛行を続けた後、約
23分50秒後に 第 2段エンジンの 第 2回目の燃焼を開始、約 27分7秒後に燃焼を停止、約 27分57秒後に 近地点高度 約 250km、遠地点高度
約 35976km、軌道傾斜角 22.4度の静止トランスファー軌道上でひまわり 9号を分離すします
JAXA H2Aロケット 31号機 打ち上げシーケンス
項番 |
事 象 |
打上げ後
経過時間 |
高度 |
慣性速度 |
1 |
リフトオフ |
0 分 0 秒 |
0 km |
0.4 km/s |
2 |
固体ロケットブースタ 燃焼終了 ※1 |
1 分 38 秒 |
45 km |
1.5 km/s |
3 |
固体ロケットブースタ 分離 ※2 |
1 分 48 秒 |
53 km |
1.5 km/s |
4 |
衛星フェアリング 分離 |
4 分 5 秒 |
142 km |
2.6 km/s |
5 |
第1段主エンジン 燃焼停止 (MECO) |
6 分 36 秒 |
218 km |
5.3 km/s |
6 |
第1段 第2段 分離 |
6 分 44 秒 |
222 km |
5.3 km/s |
7 |
第2段エンジン 第1回始動 (SEIG1) |
6 分 50 秒 |
225 km |
5.3 km/s |
8 |
第2段エンジン 第1回燃焼停止 (SECO1) |
12 分 12 秒 |
271 km |
7.7 km/s |
9 |
第2段エンジン 第2回始動(SEIG2) |
23 分 50 秒 |
264 km |
7.7 km/s |
10 |
第2段エンジン 第2回燃焼停止(SECO2) |
27 分 7 秒 |
250 km |
10.2 km/s |
11 |
ひまわり 9号 分離 |
27 分 57 秒 |
263 km |
10.2 km/s |
※1.燃焼室圧最大値の2%時点
※2.スラスト・ストラット切断
JAXA H2Aロケット 31号機 飛行経路
JAXA 「平成28年度 ロケット打上げ計画書 静止気象衛星ひまわり9号(Himawari-9)/H-IIAロケット31号機(H-IIA・F31)」 より
静止気象衛星 ひまわり 9号 (Himawari-9) の概要
静止気象衛星 ひまわり 9号は、2015年(平成27年)に運用を開始した ひまわり 8号と同一仕様の衛星として、世界最先端の観測能力を有する可視赤外放射計(AHI:Advanced
Himawari Imager)を搭載した新しい静止気象衛星で、開発費は 約 170億円とされます
|
|
ひまわり9号 軌道上イメージ外観図 |
©気象庁 JAXA 「平成28年度 ロケット打上げ計画書
静止気象衛星ひまわり9号(Himawari-9)/H-IIAロケット31号機(H-IIA・F31)」 より
静止気象衛星 ひまわり 9号 (Himawari-9) 運用計画
ひまわり 9号の軌道上試験が完了すると、新世代の静止気象衛星 2機による 15年間の観測体制が確立されます
ひまわり 9号は、その運用期間中、前半は、ひまわり 8号のバックアップ(ひまわり 8号の故障時代替)衛星として運用され、後半は、ひまわり 9号がメインとなり、ひまわり
8号がそのバックアップとして運用されます
参照 「 JAXA H2Aロケット 25号機 ひまわり 8号 打ち上げ 」
静止気象衛星 ひまわり 9号 (Himawari-9) 主要諸元
項目 |
諸元 |
名称 |
静止気象衛星 ひまわり 9号 (Himawari-9) |
目的 |
静止軌道上で可視赤外放射計による地球観測と通信機器による気象データ中継を行うこと |
予定軌道 |
種類 |
静止軌道(東経約140度) |
高度 |
約35,800km |
軌道傾斜角 |
0度 |
設計寿命 |
衛星バス |
15年以上 |
ミッション |
8年以上(運用7年+並行観測1年) |
質量 |
約3500kg (打上げ時) |
電力 |
約2600W (静止軌道初期) |
ミッション機器 |
可視赤外放射計(AHI:Advanced Himawari Imager)
可視域3バンド、近赤外域3バンド、赤外域10バンド |
地球観測通信系(観測ミッション送信、気象データ中継) |
ミッションデータハンドリング(MDHS) |
宇宙環境データ取得装置(SEDA) |
JAXA H2Aロケット31号機 落下物 落下予想区域 時間
JAXA H2Aロケット 打ち上げ基準
JAXAでは、全長 53メートル、重さ 286トンの H2Aロケットを安全、確実に打ち上げる為、打ち上げ基準が設定されています
従来の基準では、氷結層雲について、その厚さ 1.8km以内のみで判断していましたが、今回の打ち上げから、氷結層雲に関する基準が改められ、今後は、厚さ1.8km以上でも、レーダーで雲の内部状態を測定、反射強度が規定以下であれば、打ち上げ可能となります
これまで、H2Aロケットの打ち上げでは、氷結層雲による打ち上げ延期が 8機で発生していましたが、新基準で評価すると、その半分は打ち上げが可能なケースだったとのことで、今後は、打ち上げ延期の減少が期待され、コストダウンにも繋がります
2016年(平成28年)2月12日(金)に予定していた、H2Aロケット 30号機 の打ち上げでは、「射場近辺に規定以上の氷結層を含む雲(別紙参照)の発生が予想されること、および打上げ作業に支障のある強風が予想されることから、2016年(平成28年)2月17日(水)に、打上げ」が延期されました
打ち上げ基準 |
氷結層雲の厚さ |
1.8km以内 |
ただし、厚さ1.8km以上でも、レーダーで雲の内部状態を測定、反射強度が規定以下であれば、打ち上げ可能 (H2Aロケット 30号機 打ち上げ時から適用) |
風速 (最大瞬間風速) |
20.9m/s |
|
氷結層とは、雲の中で温度が0度から-20度になっている部分のことで、雲の中に氷の粒の層があるような状態になっています
氷結層雲等、H2Aロケット打ち上げの制約についての詳細は、「JAXA H2Aロケット とは 特徴 性能 制約 高度化計画」をご参照下さい
H2Aロケット H2Bロケット 打ち上げ回数 成功率
H2Aロケット 31号機 静止気象衛星 ひまわり 9号 の打ち上げにより、H2Aとしての打ち上げ成功回数は、31機打ち上げ中、30機の成功で、成功率は
96.8 %、同じエンジン (LE-7A ※) を使用している「H2B」を合わせた成功回数は、36機打ち上げ中、35機の成功となり、成功率は
97.2 % となります
国際的な信頼性の基準は 95 % とされています
※ LE-7A
LE-7Aは、H-IIロケット第一段に使われていたLE-7エンジンの改良型で、宇宙開発事業団(現JAXA)が、三菱重工業、石川島播磨重工業と共に開発した液体燃料ロケットエンジンで、H-IIAロケットの第一段に1基、H-IIBロケットの第一段には2基使用されています |
H2A と H2Bは、三菱重工業が製造、H2A 13号機からは打ち上げ業務も、宇宙航空研究開発機構(JAXA)から三菱重工業(MHI )に移管されています |
世界の主力大型ロケット 打ち上げ回数 成功率
日本は、大型ロケット打ち上げの成功率では、世界でもトップクラスですが、打ち上げ回数では、主要各国 地域より1桁少ないのが実情です
国 地域 |
ロケット名 |
打上回数 |
成功回数 |
成功率 |
日本 |
H2A |
31 |
30 |
96.8 % |
H2B |
5 |
5 |
100 % |
H2A + H2B |
36 |
35 |
97.2 % |
アメリカ |
アトラス |
387 |
340 |
87.9 % |
ファルコン |
19 |
15 |
78.9 % |
ヨーロッバ |
アリアン |
221 |
210 |
95.0 % |
ロシア |
プロトン |
401 |
354 |
88.3 % |
中国 |
長征 |
201 |
191 |
95.0 % |
諸外国のデーターは、「 2015年1月21日現在 三菱重工業調べ 」
打ち上げ ライブ中継 / JAXA 種子島ライブカメラ
※. |
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