JAXA H2Bロケット 6号機 こうのとり 6号機 (HTV6) 打ち上げ |
JAXA H2Bロケット 6号機 こうのとり 6号機 (HTV6) 打ち上げ 2016年12月9日宇宙ステーション補給機 「こうのとり」 6号機 (HTV6)、ISS用バッテリー、小型衛星 7機を搭載した H2Bロケット 6号機 は、2016年(平成28年)12月9日(金)22時26分47秒、予定通り、種子島宇宙センター 大型ロケット発射場 第2射点から打ち上げられ、打ち上げから 約 15分11秒後、正常に、こうのとり 6号機 (HTV6)を分離、打ち上げは成功しました
JAXA こうのとり 6号機 (HTV6) ISS ドッキング 完了 2016年12月14日宇宙ステーション補給機 「こうのとり」 6号機 (HTV6)は、2016年12月13日日夜、国際宇宙ステーション(ISS)に接近、12月13日19時39分(日本時間)にISSロボットアームにより把持、12月14日3時24分(日本時間)に、ISSロボットアーム運用によりISSとの結合を完了、14日夜から積み荷を降ろす作業が始まる予定です その後、「こうのとり」 6号機 (HTV6)は、国際宇宙ステーション(ISS)での不用品を積み込んだ後、2017年1月下旬~2月上旬にISSを離脱し、「宇宙ごみ」除去を目指す実験を行った後、地球大気圏に再突入し、不用品とともに燃え尽きます 宇宙ステーション補給機 「こうのとり」(HTV) 6号機 注目のペイロード 輸送力は世界最大今回、H2Bロケット 6号機で打ち上げられた こうのとり 6号機 (HTV6)には、日本製の大型リチウムイオン電池、新冷却システムの実験装置、宇宙放射線の高精度なリアルタイム測定装置、超小型衛星 7個などの他、飲料水 600リットルや食品、衣料など ISSへの補給物質が積まれ、その搭載輸送量は 計 約 5.9トンとなり、こうのとり(HTV)史上最大の輸送重量となりました こうのとり(HTV)は、2016年12月9日現在、日米ロの補給機の中で最大の輸送力を誇っており、ISS用大型リチウムイオン電池を運べるのは、こうのとり(HTV)だけで、また、今月1日(2016年12月1日)には、ロシアの無人宇宙ステーション補給機 「プログレス」を載せたソユーズロケットが打ち上げに失敗しており、これまで 100%の打ち上げ成功率を誇る 「こうのとり」(HTV)の重要性がさらに高まっています 高度 約 400キロにある ISSへのドッキングは、2016年12月13日夜から 14日未明を予定しています ISS用バッテリー 「GSユアサ」(京都市)製 リチウムイオン電池H-IIBロケット6号機により打ち上げられる宇宙ステーション補給機「こうのとり」6号機では、日本製のリチウムイオン電池を使った国際宇宙ステーション(ISS)用新型バッテリを輸送、「こうのとり」にしかできない新型バッテリの輸送で、日本がISS運用に不可欠な役割を担います
このリチウムイオン電池を使用した新型バッテリー寿命は 約 10年、また、現在の米国製ニッケル水素バッテリーの 3倍の出力があり、現在、ISSに搭載されているバッテリーは48個ですが、新型バッテリーでは 24個で賄うことができます 現在、ISSのバッテリーを輸送できるのは「こうのとり」(HTV)のみの為、「こうのとり」 6号機で最初の 6個を運び、今後 「こうのとり」 9号機までで 残り 18個を運ぶ計画となっています 小型衛星 7機JAXAでは、2012年以降、国際宇宙ステーション(ISS)日本実験棟「きぼう」から、超小型衛星 147機を放出しており、従来は、同時に 6Uしか放出できなかったのに対し、今回、新たに開発、放出能力を倍増させた 12Uの放出装置も搭載されており、小型衛星 7機と合わせ、「こうのとり」(HTV) 6号機で「きぼう」に運ばれ、日本実験棟「きぼう」から、小型衛星を宇宙空間に放出します 「こうのとり」(HTV) 6号機で「きぼう」に運ばれる小型衛星は、下記の 7機で、いずれも 10センチ角の 1Uサイズから 1U 2個分の 2U、同 3個分の 3Uサイズまでの超小型衛星です 「 「こうのとり」6号機に搭載する超小型衛星7基を公開しました「きぼう」での実験 - 宇宙ステーション・きぼう広報・情報センター JAXA 2016年11月 7日 」 より 宇宙エレベーターへ第一歩 テザー展開技術を実証 基礎データを取得 STARS-C 静岡大学「こうのとり」(HTV) 6号機が国際宇宙ステーション(ISS)に運んだ、テザー展開技術実証用の超小型衛星 「STARS-C」(静岡大学)を使用して、宇宙と地球をケーブルでつないで人や物資を運ぶ未来技術「宇宙エレベーター」の基礎実験が 2017年早々にも始まることになりました 宇宙エレベーターは、高度 3万6000キロメートルの静止軌道上から、上と下にそれぞれ 3万6000キロメートルのケーブルを延ばし、ケーブルをつたって、地上から静止軌道上に人や物資を往復させる宇宙エレベーター計画で、大手ゼネコンの大林組が大学などと共同研究を進めており、 2050年の完成を目指している未来技術です 実現に向けては、鉄よりはるかに強くて軽い材質のケーブルや、宇宙で数万キロメートルに及ぶケーブルを真っすぐに延ばす方法などを開発する必要があり、今回の超小型衛星 「STARS-C」(スターズシー)(愛称 : はごろも)は、静岡大の山極芳樹教授らのグループが作製、一辺十センチの立方体の衛星二基で構成されており、内蔵した直径 0.4ミリ、長さ百メートルのケーブルを伸ばして、宇宙でのケーブルの挙動や摩擦など、基礎データを取得します 一般的に、衛星は放出後、軌道上で運用が始まると愛称で呼ばれるようになります はごろも(STARS-C スターズシー)は、2016年12月19日午後5時50分頃、南米上空約四百キロで、国際宇宙ステーション(ISS)から軌道上に放出、一時間半で軌道を一周、浜松市上空を一日に 5~10回通過、同年12月20日、午前11時すぎ、静大浜松キャンパスにて、はごろも(STARS-C スターズシー)からのツーツーツーというモールス信号を受信しました モールス信号からは、衛星の電圧や電池残量を確認できるということで、はごろもが発信するモールス信号はアマチュア無線で誰でも受信できるとのことです 世界初 宇宙ごみ除去実験「こうのとり」(HTV) 6号機は、2017年1月下旬~2月上旬頃、不要設備などを積んで ISSを離脱、人工衛星の残骸など、地球の軌道を回る宇宙ごみ(宇宙デブリ)除去の実験を世界に先駆けて行います 宇宙デブリは、高速で飛行している為、その遠心力と地球の重力とが釣り合う形で、長期間、あるいは、ほぼ無限に地球の周りを回り続けており、そのスピード故に人工衛星や有人宇宙船にとって、非常に危険な存在で、2020年には、宇宙デブリ除去専用の人工衛星を打ち上げ、実際のごみを回収する計画が進められています 「こうのとり」(HTV) 6号機では、デブリを模した装置(重さ 20キロ)を付けたワイヤ(長さ 700メートル)に電気を流し、地球の磁場で発生する「ローレンツ力」を利用してデブリの飛行速度を落とすことで、遠心力と重力のバランスを崩し、地球の重力による地球へ落下(大気圏で燃え尽きる)を試みる予定でしたが、実験のために機体から伸ばす機器が動作せず、失敗に終わりました JAXA H2Bロケット 6号機 飛行計画H2Bロケット 6号機 (H-ⅡB ・ F6)は、「こうのとり」 6号機を搭載し、種子島宇宙センター大型ロケット第 2射点より打ち上げられ、打上げ後まもなく機体のピッチ面を 方位角 108.5度へ向けた後、所定の飛行計画に従って太平洋上を飛行します その後、H2Bロケット 6号機は、固体ロケットブースタを打上げ 約 2分4秒後、及び、約 2分7秒後 (以下、時間は打ち上げ後の経過時間を示す)に、衛星フェアリングを 約 3分40秒後に分離、約 5分47秒後には 第 1段主エンジンの燃焼を停止し、約 5分54秒後に第 1段機体を分離します 引き続き、約 6分1秒後に 第 2段エンジンの燃焼を開始、約 14分20秒後に燃焼を停止、約 15分11秒後、近地点高度 約 200km、遠地点高度 約 300km、軌道傾斜角 51.7度の楕円軌道上で、「こうのとり」6号機を分離します この後、ミッション終了後のロケット第2段機体について、南太平洋上への制御落下を行います
H2Bロケット 6号機 第 2段機体の制御落下
H2Bロケットの第 2段機体は、「こうのとり」を軌道まで送り届ける都合上、一緒に地球をまわる軌道に乗り、「こうのとり」分離後は、そのまま放っておいても数日で大気圏に再突入し、燃え尽きますが、その間に他の衛星に衝突する可能性や、燃え残った部品が地上に落下する可能性を考慮し、H2Bロケットの第 2段機体については、制御落下という手法を用い、早期に、太平洋等の海上に落下させます H2Bロケットの第 2段機体は、「こうのとり」を軌道に送り届けた後、地球を 1周させ、続いて機体の健全性を確認した上で、地上からの指令で 第 2段機体ロケットのエンジンに点火して逆噴射、軌道速度を失った第 2段機体は地球の大気圏に再突入し、燃え尽きます H2Bロケット第 2段機体の制御落下は、H-IIB 2号機から実施され、すべて狙った水域への落下に成功しています H2Bロケット 6号機 落下物の落下予想区域 (1/2) 「 平成28年度 H-IIBロケット6号機 打上げ計画書 」 より JAXA H2Bロケット 6号機 とは 特徴 性能JAXA H2B(H-IIB)(エイチツービー、エイチニービー)ロケッ 6号機トは、国際宇宙ステーション(ISS)への物資補給を行なう宇宙ステーション補給機(HTV、H-II Transfer Vehicle)を打ち上げるため、H-IIAロケットの打ち上げ能力の向上策として、H-IIAロケットの設備と技術を元に、H-IIAロケットでは1基だった1段目のエンジン(LE-7A)を、2基束ねる(クラスター化する)事により能力向上を図った、日本最大の基幹大型ロケットです H-IIAロケットの能力向上案(H-IIA+)は、2003年(平成15年)に「開発研究」が開始され、2005年(平成17年)に、H-IIBロケットとなり「開発」フェーズへと移行、2009年(平成21年)9月11日に試験機 1号機が打ち上げられました
JAXA H2Bロケット 6号機 主要諸元
※1:真空中 固体ロケットブースタは最大推力で規定 宇宙ステーション補給機 「こうのとり」(HTV) とは宇宙ステーション補給機 「こうのとり」 (HTV H-II Transfer Vehicle) とは、国際宇宙ステーション(ISS)への物資補給を行なう為にJAXA(宇宙開発事業団(NASDA)と後継法人の宇宙航空研究開発機構 (JAXA) )が開発した、無人宇宙補給機です 宇宙ステーション補給機 「こうのとり」(HTV) 6号機 概要宇宙ステーション補給機 「こうのとり」 6号機は、種子島宇宙センターから H2Bロケット 6号機 (H-ⅡB F6)により打ち上げられ、高度200km/300kmの楕円軌道へ投入されます 軌道投入後、地上監視のもと、予め登録しておいたコマンドシーケンスや姿勢制御系の自動シーケンスなどによって、高度 350~460kmの国際宇宙ステーション(ISS)に対して、安全にランデブ飛行を行いながら、ISSへ接近、所定の位置に相対停止した後は、ISSのロボットアームにて把持され、ISSに結合 ・ 係留し、補給物資をISSへ移送します その後、ISSで不要となった廃棄物品を「こうのとり」 6号機に移送し、ISSから離脱、再突入軌道へ移行、大気圏内で摩擦熱により、焼却処分されます
H2Aロケット H2Bロケット 打ち上げ回数 成功率 実績日本の大型基幹ロケットである、H2Aロケット、H2Bロケットは、第一段ロケットエンジンとして、同じエンジン (LE-7A ※) を、H2Aロケットでは、LE-7Aを一基、H2Bロケットでは二基使用しています 複数のエンジンを使用することをクラスター化(束ねる意)といい、一基の大出力高性能エンジンを開発 ・ 使用するより、そこそこ性能のエンジンを束ねることで大出力化する方がコスト面で有利とされ、世界の主要ロケットは、通常、クラスター化エンジンを使用しています 世界と日本 主力大型ロケット 打ち上げ回数 成功率 実績国際的な信頼性の基準は 95 % とされ、日本は、大型ロケット打ち上げの成功率では、世界でトップクラスですが、打ち上げ回数では、主要各国 地域より 1桁少ないのが実情です
諸外国のデーターは、「 2015年1月21日現在 三菱重工業調べ 」
打ち上げ ライブ中継 / JAXA 種子島ライブカメラ
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