JAXA H2Aロケット30号機 主要諸元
名称 |
H-ⅡAロケット 30号機 (H2A202型) |
全長 |
53 m |
全備質量 |
286 t (人工衛星の質量は含まず) |
誘導方式 |
慣性誘導方式 |
|
|
第1段 |
固体ロケット
ブースタ |
第2段 |
衛星
フェアリング
(4S型) |
全長 |
37 m |
15 m |
11 m |
12 m |
外径 |
4.0 m |
2.5 m |
4.0 m |
4.0 m |
質量 |
114 t |
151 t (2本分) |
20 t |
1.4 t |
推進薬質量 |
101 t |
130 t (2本分) |
17 t |
- |
推力 |
1,100 kN |
5,003 kN |
137 kN |
- |
燃焼時間 |
390 |
100 |
530 |
- |
推進薬種類 |
液体水素
液体酸素 |
ポリブタジエン系
コンポジット
固体推進薬 |
液体水素
液体酸素 |
- |
推進薬供給方式 |
ターボポンプ |
- |
ターボポンプ |
- |
比推力 |
440 s |
283.6 s |
448 s |
- |
姿勢制御方式 |
ジンバル
補助エンジン |
可動ノズル |
ジンバル
ガスジェット装置 |
- |
主 要 搭 載
電 子 装 置 |
誘導制御系機器
テレメータ送信機 |
- |
誘導制御系機器
レーダトランスポンダ
テレメータ送信機
指令破壊装置 |
- |
推力、比推力は、真空中 固体ロケットブースタは最大推力で規定
JAXA H2Aロケット 30号機 飛行計画
JAXA H2Aロケット 30号機 (H-ⅡA F30) は、ASTRO-H (すざく後継機)、および、小型副衛星(ピギーバック衛星)を搭載し、種子島宇宙センター大型ロケット第1射点より打ち上げられ、打上げ後まもなく機体のピッチ面を方位角
104度へ向けた後、太平洋上を飛行します
H2Aロケット 30号機は、固体ロケットブースタを打上げ約 1分 48秒後 (以下、時間は打上げ後の経過時間を示す)に、衛星フェアリングを約
4分 15秒後に分離、約 6分 38秒後には 第 1段主エンジンの燃焼を停止、約 6分 46秒後に第 1段を分離、約 6分 52秒後に 第2段エンジンの燃焼が開始、約
13分 24秒後に燃焼を停止、約 14分 14秒後に 高度約 575km、軌道傾斜角 31.0度の円軌道上で ASTRO-Hを分離します
H2Aロケット 30号機は、ASTRO-Hを分離後も、慣性飛行を続け、約 22分 34秒から 37分 34秒までの間に、小型副衛星搭載機構に対し分離信号を送出します
JAXA H2Aロケット 30号機 打ち上げシーケンス
項番 |
事 象 |
打上げ後
経過時間 |
高度 |
慣性速度 |
1 |
リフトオフ |
0 分 0 秒 |
0 km |
0.4 km/s |
2 |
固体ロケットブースタ 燃焼終了 |
1 分 39 秒 |
48 km |
1.5 km/s |
3 |
固体ロケットブースタ分離 |
1 分 48 秒 |
56 km |
1.5 km/s |
4 |
衛星フェアリング分離 |
4 分 15 秒 |
170 km |
2.5 km/s |
5 |
第1段主エンジン燃焼停止 (MECO) |
6 分 38 秒 |
311 km |
4.8 km/s |
6 |
第1段 第2段分離 |
6 分 46 秒 |
322 km |
4.8 km/s |
7 |
第2段エンジン第1回始動 (SEIG) |
6 分 52 秒 |
330 km |
4.8 km/s |
8 |
第2段エンジン燃焼停止 (SECO) |
13 分 24 秒 |
579 km |
7.6 km/s |
9 |
ASTRO-H分離 |
14 分 14 秒 |
579 km |
7.6 km/s |
10 |
ChubuSat-2分離 |
22 分 34 秒 |
575 km |
7.6 km/s |
11 |
ChubuSat-3分離 |
27 分 34 秒 |
573 km |
7.6 km/s |
12 |
鳳龍四号分離 |
32 分 34 秒 |
571 km |
7.6 km/s |
13 |
米国商業超小型衛星分離開始 |
37 分 34 秒 |
569 km |
7.6 km/s |
JAXA H2Aロケット 30号機 飛行経路
JAXA 「平成27年度 ロケット打上げ計画書 X線天文衛星(ASTRO-H)/小型副衛星/H-IIAロケット30号機(H-IIA・F30)」 より
JAXA H2Aロケット 30号機 搭載 X線天文衛星 「ひとみ」 ( ASTRO-H )
X線天文衛星 「ひとみ」 ( ASTRO-H ) 主要諸元
X線天文衛星 「ひとみ」 ( ASTRO-H )は、ブラックホール、超新星残骸、銀河団など、X線やガンマ線で観測される高温 高エネルギーの天体の研究を通じて、宇宙の構造とその進化の解明を行うことを目的とする天文衛星です
X線天文衛星 「ひとみ」 ( ASTRO-H )は、「すざく」の後継として開発され、JAXA(宇宙航空研究開発機構)、NASA(米航空宇宙局)をはじめ、国内外の大学、研究機関の
200人を超える研究者が開発に参加、日本側の費用負担は、打ち上げ費を含め 310億円、大規模な国際協力で開発されたX線天文学の旗艦ミッションで、4種類の新型観測システムが搭載され、現行機
「すざく」に比べ、10倍から 100倍も暗い天体の分光観測が可能となります
X線天文衛星(ASTRO-H)
軌道上外観図
JAXA 「平成27年度 ロケット打上げ計画書
X線天文衛星(ASTRO-H)/小型副衛星/
H-IIAロケット30号機(H-IIA・F30)」 より
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|
新世代の科学衛星 X線天文衛星 「ひとみ」 ( ASTRO-H )は、
1.初めてのマイクロカロリメータによる超高分解能分光観測、
2.硬X線望遠鏡による10-80キロ電子ボルト(keV)の高精度撮像分光観測、
3.0.3keVから600keVまでの3桁以上もの広帯域の高感度同時観測を通じて、
ブラックホールの周辺や超新星爆発など高エネルギーの現象に満ちた極限宇宙の探査や高温プラズマに満たされた銀河団の観測を行い、宇宙の構造やその進化を探ることを目的としています
|
項目 |
諸元 |
名称 |
X線天文衛星(ASTRO-H) |
予定軌道 |
|
計画値 |
決定値 |
種類 |
円軌道 |
遠地点高度 |
575.0km |
576.5km |
近地点高度 |
574.0km |
574.4km |
軌道傾斜角 |
31度 |
31度 |
周期 |
96.2分 |
96.2分 |
設計寿命 |
3年 |
質量 |
約 2.7 t |
発生電力 |
EOL(End of Life) 3年 3500W |
ミッション機器 |
硬X線望遠鏡 |
HXT:Hard X-ray Telescope |
軟X線望遠鏡 |
SXT-S,SXT-I:Soft X-ray Telescope-S,-I |
硬X線撮像検出器 |
HXI:Hard X-ray Imager |
軟X線分光検出器 |
SXS:Soft X-ray Spectrometer |
軟X線撮像検出器 |
SXI:Soft X-ray Imager |
軟ガンマ線検出器 |
SGD:Soft Gamma-ray Detector |
X線天文衛星 「ひとみ」 ( ASTRO-H ) 名前の由来
JAXAでは、「ひとみ」命名の由来について、瞳は目の中で光を吸い込む部分であり、観測対象のブラックホールは「宇宙の瞳」ともいえることから、衛星「ひとみ」で「宇宙の瞳」を観測するとし、「熱い宇宙の中を見る」との意味もあり、また、竜の絵に瞳を書き込んだ途端に、竜が天に昇ったという「画竜点睛(がりょうてんせい)」の故事を引き合いに、衛星「ひとみ」はエックス線天文学において、最も肝要なミッションになってほしいとの願いも込めたということです
尚、東京大学中須賀 ・ 船瀬研究室で開発され、現在運用中の超小型衛星PRISMの愛称も「ひとみ」で、今回のASTRO-Hの命名にあたり、同研究室には「ひとみ」を用いることの了解を頂いているとのことです
X線天文衛星 「ひとみ」 ( ASTRO-H ) クリティカル運用期間終了 2016年2月29日
JAXA(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)は、2016年2月29日、X線天文衛星 「ひとみ」 ( ASTRO-H )について、冷却システムの立上げ、軟X線分光検出器(SXS
:Soft X-ray Spectrometer)の試験動作、伸展式光学ベンチ(EOB :Extensible Optical Bench)の伸展など、重要なシーケンスが正常に実施されたことを確認、衛星の状態は正常で、クリティカル運用期間(※1)を終了すると発表しました
打上げ後、2016年2月17日より、SXSの冷却システムを試験運用のため動作させ、2016年2月22日、絶対温度50ミリ度(摂氏マイナス273.1度)に到達したことを確認し、今後、衛星搭載機器の初期機能確認を約1ヶ月半、その後キャリブレーション(較正)観測(※2)を約1ヶ月半かけて実施する予定です
(※1).クリティカル運用期間
ロケットから衛星が分離した後、衛星の太陽電池パドル等の展開、姿勢制御機能、冷却システム立上げ完了、EOB伸展及び衛星を追跡管制する地上系設備の機能の確認など、衛星の一連の健全性を確立するまでの期間
(※2).キャリブレーション(較正)観測
衛星に搭載された観測機器の個性を把握し、観測精度を高めるために、これまでによく観測されてきた天体などを観測すること
X線天文衛星 「ひとみ」 ( ASTRO-H ) 通信途絶 2016年4月1日
X線天文衛星 「ひとみ」 ( ASTRO-H )は、2016年3月26日の運用開始時(午後4時40分頃)に衛星からの電波を正常に受信できず、2016年3月26日深夜から27日未明にかけ、それぞれ
3~4分間電波が 2度届いていますが、その後は通信が途絶えています
倉敷科学センター(岡山県倉敷市)が、2016年3月28日夜、成功した撮影画像では、7秒周期で明るさが変化しており、X線天文衛星 「ひとみ」 (
ASTRO-H )はぐるぐるとスピンしている可能性があります
宇宙空間をレーダーで監視している 米国防総省 戦略軍統合宇宙運用センター は、2016年3月27日、2016年3月26日17時20分頃、高度
575キロで地球を周回しているX線天文衛星 「ひとみ」 ( ASTRO-H )の周辺に 5個の物体があるのを確認したと発表、2016年3月27日深夜(日本時間)、「ひとみが
5個の物体に分解した」という情報をツイッターで公表、JAXA(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)では、2016年3月27日18時40分頃、同センターから「ひとみの周辺に複数の物体がある」という連絡を受けています
JAXAは、2016年4月1日、会見を開き、X線天文衛星 「ひとみ」 ( ASTRO-H )の中で何らかの異常が発生し、一部が破損したのではないかという見方を示す一方、本体から分かれたとみられる物体は大きさが
1メートル前後とみられるものの、衛星のどの部分かは分からないとし、破損の原因としては、宇宙ゴミがぶつかった可能性は低いとみているとのことです
JAXAは、破損したとみられる物体が確認されたあとも、ごくまれに数秒間だけ、衛星から電波が届くこともあることから、衛星の機能はある程度残っている可能性があるとみて、引き続き、復旧の可能性を探る考えを示しました
X線天文衛星 「ひとみ」 ( ASTRO-H ) 姿勢制御系異常で高速回転 破損か 2016年4月8日
JAXA(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)は、2016年4月8日、交信不能になっているX線天文衛星 「ひとみ」 について、姿勢制御系の異常で機体が高速回転し、太陽電池パネルなどが分離した可能性があると発表、姿勢を変化させる装置や化学エンジン、センサーを含めた姿勢制御系を中心に調査し、原因の絞り込みを進めています
姿勢異常は、2016年3月26日午前4時10分頃から始まったとみられ、当初のゆっくりとした回転から、最後に交信した同 9時52分から分離したと推定される同10時40分前後までに、高速回転などの異常が起きた可能性があり、東京大などの観測結果から、X線天文衛星
「ひとみ」 は、現在約 5.2秒に 1回の高速で回転していると推定
X線天文衛星 「ひとみ」 ( ASTRO-H )は、構造上 3秒に 1回以上の回転で、太陽電池パネルや打ち上げ後に展開したX線望遠鏡などが分離する恐れがあります
X線天文衛星 「ひとみ」 ( ASTRO-H ) 復旧断念 2016年4月28日
JAXA(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)は、2016年4月28日、交信不能になっているX線天文衛星 「ひとみ」 について、下記の理由から、復旧の見込みがなく、今後の運用を断念し、原因の究明に専念すると発表しました
(1) |
|
物体の分離に至る推定メカニズムについてシミュレーションを含めた解析の結果がほぼ確定し、構造的に弱い部位である太陽電池パドルが両翼とも根元から分離した可能性が高い
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(2) |
|
物体が分離した後も電波を受信できていたことを根拠とし、通信の復旧の可能性があると考えていたが、得られた電波の周波数が技術的に説明できないこと等から、受信した電波はASTRO-Hのものではなかったと判断される |
また、複数の海外機関からも太陽電池パドルの両翼分離を示唆する情報を得たことから、これらの情報に基づき、JAXAでは、今後衛星が機能回復することは期待できない状態にあるとの判断に至りました
JAXAでは、衛星の復旧に向けた活動は取りやめ、今後、今回の異常に至った原因究明に専念することとし、ASTRO-Hとしての設計/製造/検証/運用の各段階において今回の事態に至った要因を調査し、背後要因も含めた原因を徹底的に究明するとしています
参考補足資料 「 X線天文衛星ASTRO-H「ひとみ」の今後の運用に係る補足説明資料 」 JAXAより
X線天文衛星 「ひとみ」 ( ASTRO-H ) NECがJAXAに5億円支払いで 調停成立 2017年9月5日
打ち上げから 1ヶ月余りで損壊し、運用を断念したX線天文衛星 「ひとみ」 ( ASTRO-H )について、JAXA(宇宙航空研究開発機構)は、2017年9月5日、運用を担当していたNECがJAXAに解決金5億円を支払う内容で、東京簡裁で調停が成立したと発表しました
2016年(平成28年)2月17日に打ち上げられたX線天文衛星 「ひとみ」は、約 1ヶ月後の2016年3月26日に姿勢異常を起こした後、太陽電池パネルが分離するなど機体が大きく損壊、観測継続が不可能となりました
その後のJAXAの調査で、運用を担当していたNECが、姿勢制御プログラムの修正業務において、修正したプログラムに誤りがあり、ひとみが分解する原因の一つになったとして、2017年2月、JAXAは東京簡裁にNECの責任を問う民事調停を申し立てていました
X線天文衛星 「ひとみ」は日本が中心となり、米欧との協力で開発した天文衛星で、開発費の日本負担分は打ち上げ費用を含め 約 310億円、解決金の
5億円は国庫に返納されます
文部科学省は、ひとみの代替機の開発を進めており、また、NECは「JAXAの期待に応えることができなかったことへの反省と道義的責任を感じ、(調停を)受け入れた」とコメントしています
JAXA H2Aロケット 30号機 搭載 小型副衛星 (ピギーバック衛星) 概要
No. |
外観 |
概要 |
1 |
|
名称 |
ChubuSat-2 |
開発機関 |
名古屋大学 |
ミッション |
放射線観測
アマチュア無線の中継 |
サイズ |
約 H 63×W 56×D 55 [cm] |
質量 |
約 50 [kg] |
2 |
|
名称 |
ChubuSat-3 |
開発機関 |
三菱重工業(株) |
ミッション |
温室効果ガスの影響把握
デブリ環境観測 |
サイズ |
約 H 63×W 55×D 63 [cm] |
質量 |
約 52 [kg] |
3 |
|
名称 |
鳳龍四号 |
開発機関 |
九州工業大学 |
ミッション |
放電実験
プラズマ密度計測
真空アーククラスタ実証
デジシンガー |
サイズ |
約 H 45×W 42×D 43 [cm] |
質量 |
約 10 [kg] |
4 |
|
名称 |
米国商業
超小型衛星 ※ |
開発機関 |
有人宇宙
システム(株) |
ミッション |
キューブサットを用いたコンステレーションによるリモートセンシング (有償) |
サイズ |
約 H 50×W 56×D 35 [cm]
( 3Uサイズ 8基 ) |
質量 |
約 65 [kg]
( 分離機構を含む ) |
※.ロケットからの分離信号送出を受けて、衛星搭載機構から8基の超小型衛星(キューブサット)を分離する
JAXA 「平成27年度 ロケット打上げ計画書 X線天文衛星(ASTRO-H)/小型副衛星/H-IIAロケット30号機(H-IIA・F30)」 より
JAXA H2Aロケット30号機 落下物 落下予想区域 時間
JAXA H2Aロケット 打ち上げ基準
JAXAでは、全長 53メートル、重さ 286トンの H2Aロケットを安全、確実に打ち上げる為、打ち上げ基準が設定されています
従来の基準では、氷結層雲について、その厚さ 1.8km以内のみで判断していましたが、今回の打ち上げから、氷結層雲に関する基準が改められ、今後は、厚さ1.8km以上でも、レーダーで雲の内部状態を測定、反射強度が規定以下であれば、打ち上げ可能となります
これまで、H2Aロケットの打ち上げでは、氷結層雲による打ち上げ延期が 8機で発生していましたが、新基準で評価すると、その半分は打ち上げが可能なケースだったとのことで、今後は、打ち上げ延期の減少が期待され、コストダウンにも繋がります
2016年(平成28年)2月12日(金)に予定していた、H2Aロケット 30号機 の打ち上げでは、「射場近辺に規定以上の氷結層を含む雲(別紙参照)の発生が予想されること、および打上げ作業に支障のある強風が予想されることから、2016年(平成28年)2月17日(水)に、打上げ」が延期されました
打ち上げ基準 |
氷結層雲の厚さ |
1.8km以内 |
ただし、厚さ1.8km以上でも、レーダーで雲の内部状態を測定、反射強度が規定以下であれば、打ち上げ可能 (H2Aロケット 30号機 打ち上げ時から適用) |
風速 (最大瞬間風速) |
20.9m/s |
|
氷結層とは、雲の中で温度が0度から-20度になっている部分のことで、雲の中に氷の粒の層があるような状態になっています
氷結層雲等、H2Aロケット打ち上げの制約についての詳細は、「JAXA H2Aロケット とは 特徴 性能 制約 高度化計画」をご参照下さい
H2Aロケット H2Bロケット 打ち上げ回数 成功率
今回の H2Aロケット 30号機 X線天文衛星 ASTRO-H (すざく後継機) の打ち上げにより、H2Aとしての打ち上げ成功回数は、30機打ち上げた中、29機の成功で、成功率は96.7パーセント、同じエンジン
(LE-7A ※) を使用している「H2B」を合わせた成功回数は、35機打ち上げた中、34機の成功となり、成功率は 97.0 % となります
国際的な信頼性の基準は 95 % とされています
※ LE-7A
LE-7Aは、H-IIロケット第一段に使われていたLE-7エンジンの改良型で、宇宙開発事業団(現JAXA)が、三菱重工業、石川島播磨重工業と共に開発した液体燃料ロケットエンジンで、H-IIAロケットの第一段に1基、H-IIBロケットの第一段には2基使用されています |
H2AとH2Bは、三菱重工業が製造、H2A13号機からは打ち上げ業務も、宇宙航空研究開発機構(JAXA)から三菱重工業に移管されています |
世界の主力大型ロケット 打ち上げ回数 成功率
日本は、大型ロケット打ち上げの成功率では、世界でもトップクラスですが、打ち上げ回数では、主要各国 地域より1桁少ないのが実情です
国 地域 |
ロケット名 |
打上回数 |
成功回数 |
成功率 |
日本 |
H2A |
30 |
29 |
96.7 % |
H2B |
5 |
5 |
100 % |
H2A + H2B |
35 |
34 |
97.1 % |
アメリカ |
アトラス |
387 |
340 |
87.9 % |
ファルコン |
19 |
15 |
78.9 % |
ヨーロッバ |
アリアン |
221 |
210 |
95.0 % |
ロシア |
プロトン |
401 |
354 |
88.3 % |
中国 |
長征 |
201 |
191 |
95.0 % |
諸外国のデーターは、「 2015年1月21日現在 三菱重工業調べ 」
打ち上げ ライブ中継 / JAXA 種子島ライブカメラ
JAXA H2Aロケット 30号機 打上げ ライブ中継 パブリックビューイング
H2Aロケット 30号機による、X線天文衛星(ASTRO-H)打上げのライブ中継を公開する、パブリックビューイングが全国各地で開催されます
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