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JAXA S-310ロケット 44号機 電離圏プラズマ層観測機器 打ち上げ


JAXA S-310ロケット 44号機 電離圏プラズマ層観測機器 打ち上げ



国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、2016年1月15日(金)、「電離圏プラズマ加熱現象の解明」を目的とした観測ロケットS-310-44号機を内之浦宇宙空間観測所から打上げ、ロケットは正常に飛翔し、内之浦南東海上に落下しました


ランチャーに搭載されたS-310ロケット1号機 実物大模型 (JAXA/ISAS内之浦宇宙空間観測所KS台地) 「 S-310ロケット - Wikipedia 」 より

ランチャーに搭載されたS-310ロケット1号機
実物大模型
(JAXA/ISAS内之浦宇宙空間観測所KS台地)
S-310ロケット - Wikipedia 」 より


打上げロケット S-310-44号機
打上げ日 2016年(平成28年)1月15日(金)
打上げ時刻 12時00分00秒 (日本標準時)
打上げ時天候 曇り 北の風2.0m/秒 気温 8.0℃
打上げペイロード 電離圏プラズマ高温度層発生メカニズムの解明用観測機器
打上げ期間 2016年(平成28年)
1月12日(火)~2月29日(月)
(実験予備期間を含む)
打上げ場所 内之浦宇宙空間観測所
(鹿児島県肝属郡肝付町)
打上げ目的 電離圏プラズマ加熱現象の解明
実験概要 電離圏プラズマ高温度層発生メカニズムの解明


冬の時期、緯度約25~32度の上空にはSq電流系と呼ばれる環状の電流がしばしば発生し、通常は南極や北極でしか見られない宇宙空間から地球へ飛び込んでくる電子の加速や加熱といった特異な現象が発生、こうした電子の作用によってGPS測位の精度や短波通信などが軽微ながら影響を受ける可能性があります


本実験では、Sq電流系が発生している空域へ観測ロケットを打ち上げ、搭載した観測機器によって観測を実施することにより、こうした現象のメカニズムの解明を目指しています


Sq電流系(※)の発生する上空を含む、高度約60kmから約1,000kmの大気の分子と原子が電離して電子とイオンが多量に存在している領域のことを電離圏と呼び、電離圏は地球以外の大気のある惑星にも存在することから、本実験により電離圏の理解が進むことで、地球以外の様々な惑星の大気や電離圏を考えていく上でも活かされ、加えて、GPS測位の精度や短波通信などへの影響を軽減することにも役立てられることが期待されています


今回のS-310-44号機の実験では、高温度層内のプラズマと電場、磁場等を測定しており、今後、JAXAや各大学において詳しい解析が実施される予定です


(※)Sq電流系:太陽からのエネルギー入射によって発生する大気の運動に起因する電離圏下部を流れる電流のことです




JAXA S-310ロケット 44号機 飛翔結果



「 JAXA 観測ロケットS-310-44号機実験の実施について 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 平成27年11月2日 」 より

ロケット機種 号機 S-310-44
打上げ時刻
(日本標準時)
12時00分00秒
発射上下角 75.5度
観測開始時刻
ノーズコーン開頭
打上げ60秒後
最高到達高度 161km
打上げ198秒後
着水時刻 打上げ388秒後

JAXA 観測ロケットS-310-44号機実験の実施について 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 平成27年11月2日
JAXA 観測ロケットS-310-44号機 打上げ結果について 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 平成28年1月15日」 より





S-310ロケット 諸元



S-310ロケットは、東京大学宇宙航空研究所(後の文部省宇宙科学研究所(ISAS)、現宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所(ISAS/JAXA))が開発した科学実験、観測用の単段式固体燃料ロケットで、製造は、アイ・エイチ・アイ・エアロスペース(元、日産自動車航空宇宙事業部)です


直径 31cm
全長 7.1m
重量 700kg
到達高度 190/210km
ペイロード 70/50kg
飛行時間 300秒
打ち上げコスト 約2億円

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関連記事

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関連記事を下記に紹介します



2016年1月15日 JAXA 観測ロケットS-310-44号機 打上げ結果について 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 平成28年1月15日

 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、平成28年1月15日(金)、「電離圏プラズマ加熱現象の解明」を目的とした観測ロケットS-310-44号機を内之浦宇宙空間観測所から打上げました。
 ロケットは正常に飛翔し、内之浦南東海上に落下しました。
 なお、打上げ時の天候は曇り、北の風2.0m/秒、気温8.0℃でした。
 これをもちまして、観測ロケットS‐310‐44号機実験は終了となります。
 今回の観測ロケットS-310-44号機打上げ実施にご協力頂きました関係各方面に、深甚の謝意を表します。
[参考]
 今回のS-310-44号機の実験では、電離圏下部に発生するSq電流系(※)中心付近で起きるプラズマ加熱現象の解明を目的として、高温度層内のプラズマと電場、磁場等を測定しました。今後、JAXAや各大学において詳しい解析が実施される予定です。
 なお、電離圏は地球以外の大気のある惑星にも存在することから、本実験の成果として深められる電離圏の理解は、地球以外の様々な惑星の大気や電離圏を考えていく上でも活かされていくことになります。
(※)Sq電流系:太陽からのエネルギー入射によって発生する大気の運動に起因する電離圏下部を流れる電流のこと。


2015年11月2日 JAXA 観測ロケットS-310-44号機実験の実施について 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 平成27年11月2日

 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、観測ロケットS‐310‐44号機実験につきまして、下記の通り実施することをお知らせいたします。

実験期間 : 平成28(2016)年1月12日(火)~2月29日(月)(実験予備期間を含む)
実験場所 : 内之浦宇宙空間観測所(鹿児島県肝属郡肝付町)
打上げ予定ロケット : S-310-44号機
打上げ予定日 : 平成28(2016)年1月12日(火) 12:00~12:30
実験概要 : 電離圏プラズマ高温度層発生メカニズムの解明
 冬の時期、緯度約25~32度の上空にはSq電流系と呼ばれる環状の電流がしばしば発生する。ここでは、通常は南極や北極でしか見られない宇宙空間から地球へ飛び込んでくる電子の加速や加熱といった特異な現象が発生し、こうした電子の作用によってGPS測位の精度や短波通信などが軽微ながら影響を受ける可能性がある。
 本実験では、Sq電流系が発生している空域へ観測ロケットを打ち上げ、搭載した観測機器によって観測を実施することにより、こうした現象のメカニズムの解明を目指す。
 また、Sq電流系の発生する上空を含む、高度約60kmから約1,000kmの大気の分子と原子が電離して電子とイオンが多量に存在している領域のことを電離圏と呼ぶ。電離圏は地球以外の大気のある惑星にも存在することから、本実験により電離圏の理解が進むことで、地球以外の様々な惑星の大気や電離圏を考えていく上で活かされていくことになる。加えて、GPS測位の精度や短波通信などへの影響を軽減することにも役立てられることが期待される。


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