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小惑星探査機 はやぶさ2 地球スイングバイ 加速 減速 スウィングバイ とは


小惑星探査機 はやぶさ2 地球スイングバイ 実施結果 2015年12月14日



小惑星探査機 はやぶさ2 は、2015年(平成27年)12月3日(木)の夕方から夜にかけて地球スイングバイを実施、12月3日19時08分(日本時間)、地球に最接近、ハワイ諸島付近の太平洋上空約 3,090kmを通過しました


小惑星探査機 はやぶさ2 は、地球スイングバイによって、軌道を約 80°変針、スピードは、秒速約 1.6km増速、秒速約 31.9km(太陽に対する速度)となり、目標としていた数値を達成、NASA深宇宙ネットワーク局、ESA(欧州宇宙機関)深宇宙ネットワーク局の支援を受けた探査機運用、軌道の計測と計算により、小惑星探査機 はやぶさ2 の状態は正常で、目標としていた軌道上を順調に航行していることが確認されました


12月14日0時(日本時間)時点のはやぶさ2は、地球から約415万km、太陽から約1億4千485万km、巡航速度は秒速約32.31km(太陽に対する速度)で、スイングバイ後、太陽の重力の影響でさらに加速しており、いよいよ、小惑星探査機 はやぶさ2 は、地球を離れ、一路、小惑星 「Ryugu(リュウグウ)」 へ向かいます



小惑星探査機 はやぶさ2 の軌道概念図

小惑星探査機 はやぶさ2 の軌道概念図

JAXA 小惑星探査機「はやぶさ2」の地球スイングバイ実施結果について
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 平成27年12月14日
」 より




小惑星探査機 はやぶさ2 は、地球スイングバイ後、搭載している 7つのフィルタを使ってカラー画像を取得することが可能な ONC-T 光学航法カメラ(望遠)で地球を撮影、そのうち3色の画像を使って作成したものが次の画像です



12月4日13時09分(日本時間)撮影 地球中心からの距離約34万km 画像右上にオーストラリア大陸、右下に南極大陸が見えています

12月4日13時09分(日本時間)撮影 地球中心からの距離約34万km
画像右上にオーストラリア大陸、右下に南極大陸が見えています

JAXA 小惑星探査機「はやぶさ2」の地球スイングバイ実施結果について
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 平成27年12月14日
」 より





加速スウィングバイ と 減速スウィングバイ とは 2015年3月3日



探査機が地球から遠く離れた小惑星、惑星探査に向かうには、加減速に大きなエネルギーを必要とし、その為に必要な燃料全てを限られた大きさの探査機に積み込むと、必要な探査機器のスペースを削ってしまうことになります

スウィングバイとは、積み込む燃料を抑えながら、大きな加減速を行う為の仕組みで、探査機が公転している惑星の後ろを通過すれば加速を、前を通過すれば減速を行うことができ、それぞれを「加速スウィングバイ」「減速スウィングバイ」といいます


地球より内側の天体、「水星」「金星」に向かう際は減速、外側の天体、「小惑星」や「火星」「木星」等他の惑星に向かう際は、加速が必要で、小惑星探査機「はやぶさ2」は、地球を使って加速スウィングバイを行います



スウィングバイ 説明
等速スウィングバイ 話を分かり易くするため、まず惑星が静止している状態を仮定します

探査機が惑星に近づいている時、距離が小さくなればなるほど、引力は大きくなり、探査機は惑星に引き寄せられていきます

そのとき、探査機の速度は、進もうとする方向と惑星との引力との関係で、徐々に速くなりますが、探査機が惑星の後ろを通過して、惑星から離れようとすると、今度は逆に、引力で引っ張られるために、探査機の速度は遅くなってしまい、結果、速度は元に戻り、探査機の進む方向が変わっただけとなります

静止した重力場
黄が探査機、点線が探査機の軌道、惑星の引力により、探査機が描く軌道は惑星を中心とする双曲線となります
加速スウィングバイ 加速スウィングバイ

実際の惑星は太陽の周りを公転していて、常に移動していますので、探査機が惑星に近づいている時、惑星は探査機を引き寄せながら、探査機に近づいていきます

そして、探査機が惑星の後ろを通過した後は、探査機と同じ方向へ進むことになるので、惑星に引き寄せられるときに増えた速度を相殺することはありません
つまり、探査機が近ずく際に増した速度より、離れていくときの遅くなる速度の方が小さいため、加速力だけを生かすことができます

緑は惑星の公転速度、水色は探査機の惑星に対する速度で、引力圏に侵入する時と脱出する時で等しく、赤は探査機の惑星に対する速度と、惑星の公転速度の合成速度を示し、惑星の公転方向に対して、探査機が後方を通過した場合、離脱時に増速します
減速スウィングバイ 減速スウィングバイ

逆に、惑星の公転方向に対して、探査機が前方を通過した場合、探査機が惑星に近づいている時の探査機を引き寄せ加速する力より、離脱時に引っ張って減速する力の方が大きくなりますので、探査機は減速します

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関連記事を下記に紹介します



2015年12月14日 JAXA 小惑星探査機「はやぶさ2」の地球スイングバイ実施結果について 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 平成27年12月14日

 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、地球スイングバイ後の小惑星探査機「はやぶさ2」の軌道の計測と計算を行い、「はやぶさ2」が目標としていた軌道上を順調に航行していることを確認しましたのでお知らせします。
 「はやぶさ2」は、平成27(2015)年12月3日(木)の夕方から夜にかけて地球スイングバイを実施し、19時08分(日本時間)に地球に最接近、ハワイ諸島付近の太平洋上空約3,090kmを通過しました。地球スイングバイによって軌道を約80°曲げ、スピードは秒速約1.6km上がって秒速約31.9km(太陽に対する速度)となり、目標としていた数値を達成しました。NASA深宇宙ネットワーク局、ESA(欧州宇宙機関)深宇宙ネットワーク局の支援を受けた探査機運用により、現在「はやぶさ2」の状態は正常であることを確認しています。


2015年3月3日 JAXA小惑星探査機「はやぶさ」物語|「はやぶさ」とは|原理「スウィングバイ」と「万有引力の法則」

原理
「スウィングバイ」と「万有引力の法則」
「スウィングバイ」は、少ない燃料(推進剤)しか積めない惑星探査機が遠くまで行く時に惑星の重力を使って加速する方法。実は、これは「万有引力の法則」が関係しています。
リンゴの実が枝から落ちる様子をみたニュートンが発見したという話で有名な「万有引力の法則」。真相は、月が地球に向かって落下していく割合、加速度をニュートンは算出しました。その結果、「月が落ちるようにリンゴも落ち、リンゴが落ちるように月もまた、降ってきている」という、もともと月の話から「万有引力の法則」を発見したようです。


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