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損害賠償命令制度 とは


損害賠償命令制度 とは


犯罪被害者の負担を軽くするために創設



2008年にこの損害賠償命令制度ができるまで、犯罪被害者や遺族にとって、加害者への「損害賠償請求」は、精神的にも物理的にも大きな負担を強いられるものでした

それ以前は、刑事裁判と民事裁判は違うから、刑事裁判の手続の中で民事的な賠償を犯人に求めることはできないという考え方がされていた為、犯罪被害者は、刑事裁判で犯人の有罪を勝ち取っても、損害賠償を請求するには、お金と時間をかけて、改めて民事裁判を提起しなければなりませんでしたが、犯罪被害者にこのような負担をさせてよいのか?という問題意識から、『損害賠償命令制度』が創設されました


損害賠償命令制度では、損害賠償命令の申し立ては、地方裁判所に限られており、控訴審以降は使えませんが、刑事裁判の弁論終結までに、犯罪被害者や遺族が制度の利用を申し立てると、判決後にそのまま同じ裁判官が、民事責任追及のための手続を担当し、刑事裁判の訴訟記録をそのまま利用するので、犯罪被害者は、被害に遭ったことを立証しやすく、迅速に損害賠償を求めることができます


申立手数料は、請求金額に関わらず 2000円と少額で、刑事裁判後の審理の回数も「原則4回まで」と再度民事訴訟を起こすのと比較して負担は軽く、審理の結果は、民事裁判の確定判決と同一の効力を持ちます


ただ、もし刑事裁判で無罪判決がでた場合は、損害賠償命令の申し立ては却下されます




三重県朝日町中3女子強制わいせつ致死事件 損害賠償命令制度を利用



三重県朝日町で、2013年(平成25年)8月25日午後11時頃、帰宅途中の中学三年生の女子生徒(当時 15)を窒息死させ、わいせつ行為を行い、財布から現金約六千円を奪ったとして、強制わいせつ致死と窃盗の罪に問われた少年(19)の裁判員裁判では、女子生徒の遺族は、「刑事裁判の判決以外にも、生涯をかけて罪を償う自覚をしてほしい」として、この損害賠償命令制度を利用して、1億1000万円の損害賠償を少年に求める方針だと報じられています


  親子そろって反省の様子無し 三重中3女子 強制わいせつ致死犯(19)




川崎市中1男子殺害事件 現状 損害賠償命令制度は利用できない



損害賠償命令制度の利用は、地方裁判所に限られており、家庭裁判所における少年審判事件では、利用できませんので、川崎市の中1男子殺害事件では、損害賠償命令制度は利用できません


少年が事件を起こした場合、まず、警察か検察から「家庭裁判所」に送致され、少年審判を受けることになり、その中で、殺人など重い罪の事件について、大人と同じ処分が相当と判断された場合は、再び検察に送られ(逆送)ます


三重県朝日町の事件では、加害者が19歳と少年でしたが、家庭裁判所が事件を検察に送致(逆送)し、大人と同じように刑事裁判が開かれることになりましたので、損害賠償命令制度を利用できるようになりました


川崎市の中1殺害事件も、加害者は18歳と17歳の未成年とされていまが、家庭裁判所が事件を逆送して、大人と同じように刑事裁判が開かれることになった場合は、損害賠償命令制度の対象となります


  川崎中1殺害犯少年A(18)(川崎市)は少年院上がり 根っからのワル

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2015年3月22日 <三重中3女子殺害>19歳少年に遺族が1億円請求 「損害賠償命令制度」とは? 弁護士ドットコム 2015年3月22日(日)10:18

 三重県朝日町で2013年8月、中学3年生の女子生徒が殺害された事件で、裁判員裁判の初公判が3月上旬、津地裁で開かれた。被告人の少年(19)は強制わいせつ致死と窃盗の罪に問われており、検察側は「被害の結果や遺族の処罰感情を考慮し、懲役刑が相当」と主張している。判決は、3月24日に言い渡される予定だ。
 この公判の前に、女子生徒の遺族が「刑事裁判の判決以外にも、生涯をかけて罪を償う自覚をしてほしい」として、1億1000万円の損害賠償を少年に求める方針だと報じられた。刑事裁判の手続の中で被告人に賠償請求できる「損害賠償命令制度」に基づいて、民事的な責任も追及するのだという。
 遺族が利用した「損害賠償命令制度」。この名前を初めて聞く人もいるかもしれない。いったい、どのような制度なのだろうか。また、川崎市の中1殺害事件で逮捕された少年たちに対しても、この制度を利用して賠償請求できるのか。刑事事件にくわしい中村勉弁護士に聞いた。


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