JAXA H2Aロケット 32号機 防衛省通信衛星 「きらめき 2号」 打ち上げ |
JAXA H2Aロケット 32号機 防衛省通信衛星 「きらめき 2号」 (DSN-2) 打ち上げXバンド防衛通信衛星 2号機 「きらめき 2号」 (DSN-2) を搭載した H-IIAロケット 32号機(H-IIA F32)は、種子島宇宙センター 大型ロケット発射場より、2017年(平成29年)1月24日(火)16時44分00秒、MHI (三菱重工業株式会社)、および、JAXA (国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)によって予定通り打ち上げられました |
写真は、H2Aロケット25号機 |
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H-IIAロケット 32号機(H-IIA F32)は、計画通り飛行し、Xバンド防衛通信衛星2号機 「きらめき 2号」 (DSN-2) を正常に分離した事が確認されており、打ち上げは成功しました ※.Xバンド防衛通信衛星 2号機 「きらめき2号」 (DSN-2) は、防衛省がスカパーJSAT株式会社の子会社である株式会社ディー・エス・エヌに発注した「Xバンド衛星通信中継機能等の整備・運営事業」に係るものです Xバンド通信衛星 「きらめき1号」 防衛省 延期を表明 「きらめき2号」 が先に 2016年11月25日防衛省は、2016年11月25日、2016年7月の打上げを予定していた「きらめき1号」 (DSN-1) の打ち上げについて、南米ギアナへの輸送時に損傷が発生、事業者による修理等を行っているため、現時点(2016年11月25日)における新たな打上げ予定を、2018年(平成30年)3月から2018年(平成30年)9月と表明していますので、「きらめき2号」 (DSN-2) の方が「きらめき1号」 (DSN-1)より先に打ち上げられることになりました
JAXA H2Aロケット31号機 主要諸元 (参考)
推力、比推力は、真空中 固体ロケットブースタは最大推力で規定 JAXA H2Aロケット 31号機 飛行計画 (参考)JAXA H2Aロケット 31号機(H-ⅡA ・ F31) は、ひまわり 9号を搭載し種子島宇宙センター大型ロケット第1射点より打ち上げられ、打上げ後まもなく機体のピッチ面を方位角 96度へ向けた後、所定の飛行計画に従って太平洋上を飛行します H2Aロケット 31号機は、固体ロケットブースタを打上げ 約 1分48秒後(以下、時間は打上げ後の経過時間を示す)に、衛星フェアリングを 約 4分5秒後に分離、約 6分36秒後には第1段主エンジンの燃焼を停止、約 6分44秒後に第1段を分離します 引き続き、H2Aロケット 31号機は、約 6分50秒後に 第 2段エンジンの 第 1回目の燃焼が開始され、約 12分12秒後に燃焼を停止、慣性飛行を続けた後、約 23分50秒後に 第 2段エンジンの 第 2回目の燃焼を開始、約 27分7秒後に燃焼を停止、約 27分57秒後に 近地点高度 約 250km、遠地点高度 約 35976km、軌道傾斜角 22.4度の静止トランスファー軌道上でひまわり 9号を分離すします JAXA H2Aロケット 31号機 打ち上げシーケンス (参考)
※1.燃焼室圧最大値の2%時点 JAXA H2Aロケット 31号機 飛行経路 (参考)JAXA 「平成28年度 ロケット打上げ計画書 静止気象衛星ひまわり9号(Himawari-9)/H-IIAロケット31号機(H-IIA・F31)」 より 防衛省Xバンド通信衛星 「きらめき 2号」 (DSN-2) とは防衛省Xバンド通信衛星 「きらめき 2号」 (DSN-2) は、防衛省が初めて保有 ・ 運用する通信衛星で、Xバンドという周波数帯の電波を使い、これまで使ってきた民間衛星より高速、大容量の通信ができるようになり、画像送信や陸海空 3自衛隊の部隊間の直接通信も可能で、一元的な指揮統制に使われます 防衛省は 2020年度末までに 3機を打ち上げる計画で、「きらめき 1号」 (DSN-1) は発射場のある南米ギアナへの輸送中に損傷、2016年7月の予定だった打ち上げが 2018年に延期されたため、「きらめき 2号」 (DSN-2) が先行、運用期間は 約 15年間とされています 防衛省によると、これまでの民間衛星は音声やファクスなどにしか使えず、部隊間通信にも制限があったため、2011年に後継 3機の導入を決め、すべて運用されると、通信容量は現在の 4倍に増え、太平洋からインド洋までをカバーするということで、全機の運用終了までの総経費は 約 2300億円とのことです 2017年1月24日現在、防衛省 ・ 自衛隊は、民間企業のスカパーJSATが運用する商用の通信衛星「スーパーバード」のうち、3機に搭載されている機能の一部を利用する形で通信を行っていますが、このうち 2機の衛星が設計寿命を迎えたことや、自衛隊内での情報共有が困難で、より高速 ・ 大容量の通信を行う必要が生じたことなどから、新たに 3機の通信衛星が打ち上げられることになりました この 3機の通信衛星は「きらめき」という愛称で呼ばれており、運用が開始されれば、海外に展開する自衛隊との通信のやりとりが、画像や動画などを交えてより円滑にできるようになり、また、将来的には、自衛隊のすべての部隊が、他のすべての部隊のセンサーとなり、一体になっての作戦などが実施できるようになる可能性も広がるということです 安全保障に関わる衛星の為、衛星の質量、寸法などは明らかにされておらず、また、打ち上げロケット H2A 32号機の飛行計画も非公開、運用軌道も、地球の赤道上高度 約 3万5800kmの静止軌道という以外不明となっていますが、自衛隊が主に活動する太平洋上やインド洋上空へ配備されるものと思われます 「きらめき」の調達や運用は、防衛省から PFI (Private Finance Initiative)によって委託を受けた民間企業のディー ・ エス ・ エヌが担当、そのうち運用は、同社を構成する一社のスカパーJSATが担当、衛星の製造は日本電気(NEC)と三菱電機などが担当しました 次期Xバンド衛星通信網構築についてXバンド衛星通信網の現状Xバンド通信は、他の帯域に比べ気象等の影響を受けにくく、確達性の高い安定した通信が可能で、地形等による遮蔽物の影響を受けにくい点で地上間の無線通信に比し有利となります 現状、自衛隊の指揮、統制や情報通信は民間衛星 3機を利用していますが、その民間衛星の運用が 2020年までに終了する為、その後継機として計画、開発され、Xバンド通信衛星 「きらめき1号」 (DSN-1) 「きらめき 2号」 (DSN-2) が使用するXバンド通信は、高速化や大容量化が可能で、新たに動画や画像送信の機能も加わる予定です 防衛省 ・ 自衛隊は、現在、主として作戦部隊の指揮統制を目的とした衛星通信における基幹通信として、スーパーバード B2号機、同 C2号機、及び、同 D号機の 3機によるXバンド衛星通信システムを運用していますが、このうち B2号機、及び、D号機の 2機が2015年度(平成27年度)中に設計寿命を迎えるため、後継衛星の整備が急務となっています 「 次期Xバンド衛星通信整備事業に関する基本的な考え方 」 より 次期Xバンド衛星通信網構想人工衛星は、打上げ後は改修できないため、設計寿命を迎える2028年(平成40年)頃までの、防衛省 ・ 自衛隊の通信所要を見据え、それを充足できる能力を備えさせる必要があります 次期Xバンド衛星通信網の構築に当たっては、抗たん性に優れた高速大容量通信を可能にするとともに、通信方法や通信器材も含めた通信システム全体の統合を進めていくことが不可欠です そしてその延長上には、特定の部隊間に限ることなく、自衛隊の全ての部隊が他の全ての部隊のセンサーとなり、対処部隊となって、あたかもひとつの有機体であるかのように機能する態勢の実現も視野に入ってくることとなります 「 次期Xバンド衛星通信整備事業に関する基本的な考え方 」 より JAXA H2Aロケット31号機 落下物 落下予想区域 時間 (参考)
JAXA H2Aロケット 打ち上げ基準JAXAでは、全長 53メートル、重さ 286トンの H2Aロケットを安全、確実に打ち上げる為、打ち上げ基準が設定されています 従来の基準では、氷結層雲について、その厚さ 1.8km以内のみで判断していましたが、今回の打ち上げから、氷結層雲に関する基準が改められ、今後は、厚さ1.8km以上でも、レーダーで雲の内部状態を測定、反射強度が規定以下であれば、打ち上げ可能となります これまで、H2Aロケットの打ち上げでは、氷結層雲による打ち上げ延期が 8機で発生していましたが、新基準で評価すると、その半分は打ち上げが可能なケースだったとのことで、今後は、打ち上げ延期の減少が期待され、コストダウンにも繋がります 2016年(平成28年)2月12日(金)に予定していた、H2Aロケット 30号機 の打ち上げでは、「射場近辺に規定以上の氷結層を含む雲(別紙参照)の発生が予想されること、および打上げ作業に支障のある強風が予想されることから、2016年(平成28年)2月17日(水)に、打上げ」が延期されました
氷結層とは、雲の中で温度が0度から-20度になっている部分のことで、雲の中に氷の粒の層があるような状態になっています H2Aロケット H2Bロケット 打ち上げ回数 成功率H2Aロケット 32号機 防衛省通信衛星 「きらめき 2号」 の打ち上げにより、H2Aとしての打ち上げ成功回数は、32機打ち上げ中、31機の成功で、成功率は 96.9 %、同じエンジン (LE-7A ※) を使用している「H2B」を合わせた成功回数は、38機打ち上げ中、37機の成功となり、成功率は 97.4 % となりました 国際的な信頼性の基準は 95 % とされています
世界の主力大型ロケット 打ち上げ回数 成功率日本は、大型ロケット打ち上げの成功率では、世界でもトップクラスですが、打ち上げ回数では、主要各国 地域より1桁少ないのが実情です
諸外国のデーターは、「 2015年1月21日現在 三菱重工業調べ 」 打ち上げ ライブ中継 / JAXA 種子島ライブカメラ
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