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JAXA H2Aロケット 28号機 情報収集衛星 光学5号機 打ち上げ


JAXA H2Aロケット 28号機 情報収集衛星 光学5号機 打ち上げ



情報収集衛星光学5号機が、2015年3月26日(木)10時21分、種子島宇宙センター 大型ロケット発射場から、H-IIAロケット28号機により打ち上げられ、21分後の10時43分、情報収集衛星 光学5号機の正常分離を確認、打ち上げは成功しました


今回のH2Aロケット28号機打ち上げに成功により、連続成功回数は22回、H2Aロケットの年度当りの打ち上げペースは、平均 1.8回に対し、2014年度の年度内打ち上げ回数は 5回となり、過去最多の打ち上げ回数であった 2006年度(注1)の 3回を上回り、記録更新となりました


H2Aロケット25号機 打ち上げ写真

写真は、H2Aロケット25号機
JAXAデジタルアーカイブス

打上げロケット H2Aロケット28号機 (H-IIA F28)
打上げ日 2015年(平成27年)3月26日(木)
打上げ時刻 10時21分 (日本標準時)
打上げペイロード 情報収集衛星 光学5号機
Information Gathering Satellite (optical #5)
打上げ時の天候 晴れ 東の風(5.0m/s) 気温17.1℃
打上げ時間帯 10時21分~10時33分
(日本標準時)
打上げ予備期間 平成27年3月27日(金)~
平成27年4月10日(金)
打上げ場所 種子島宇宙センター
大型ロケット発射場
打上げ実施 三菱重工業株式会社
宇宙航空研究開発機構
打上げ費用
衛星開発費
約106億円/約324億円


注1. 日刊工業新聞 2015年03月25日 「三菱重工・JAXA、あす情報収集衛星「光学5号機」打ち上げ-H2A28号機」 では、「過去最多の打ち上げは05年度の3回」と報じていますが、2005年度の打ち上げ回数は、2006年1月24日(F-8)、2006年2月18日(F-9)の2階に対し、2006年度の打ち上げ回数は、2006年9月11日(F-10)、2006年12月18日(F-11)、2007年2月24日(F-12)で過去最多の3回であることから、日刊工業新聞の誤植(2006年度を2005年度と誤植)と思われます




情報収集衛星 「情報収集衛星光学5号機」 とは



H2Aロケット28号機が搭載する「情報収集衛星光学5号機」は、2009年に打ち上げられ、現在、設計寿命(5年)を迎えた「情報収集衛星光学3号機」の後継となる予定で、撮影能力の向上により、従来より小さな物や細かい動きが識別できるとされています


現在、情報収集衛星は、「光学衛星」と「レーダー衛星」の各2基が北極と南極の上空を通る高度400~600kmの極軌道を回っており、地球上のあらゆる地点を、1日1回以上撮影できる運用体制が、当初計画より10年遅れとなる 2013年(平成25年)4月に確立、現在は、2015年(平成27年)2月1日に打ち上げられた「情報収集衛星 レーダ予備機」を合わせ、5基で運用されています



情報収集衛星とは



情報収集衛星 (Information Gathering Satellite : IGS)の法令上の定義は、「我が国の安全の確保、大規模災害への対応その他の内閣の重要政策に関する画像情報の収集を目的とする人工衛星」である(内閣官房組織令第四条の二第2項第1号)となっていて、1998年の北朝鮮による弾道ミサイル発射を受けて導入されました


国の安全保障や災害関連の情報を集めるのが目的で、内閣衛星情報センターによって運用され、収集された画像は、内閣官房の内閣情報調査室によって分析されていますが、安全保障に関わる情報収集衛星の情報や撮影した画像は、2014年施行された特定秘密保護法の特定秘密に指定されいて、公開されません


災害状況の把握など、安全保障目的以外への活用例として、内閣官房のホームページでは、2014年11月、小笠原諸島周辺でサンゴを密漁しているとみられる中国漁船の動向を情報収集衛星を使って調べ、分析した結果が公開され、中国漁船が昼の間、島から離れ、夜になると、日本の領海に入る動きを繰り返していることが分かったのは、情報収集衛星の成果とされています


こうした情報収集衛星の開発費等として、2015年度の予算案では、614億円が計上されています


「光学衛星」


宇宙空間の上空から日中の晴天時に、通常のデジカメと同様、可視光で地上を撮影するのが「光学衛星」です
「情報収集衛星光学5号機」 の識別可能な物体の大きさは、地上の車の種類が判別できるレベルである約30センチとみられ、約1メートルであったの光学1号機と比べ解像度は約3倍、約60センチとされる光学3号機の2倍へと高性能化されています


「レーダー衛星」


電波望遠鏡と同様の原理を用いて、夜間や悪天候でも雲を突き抜けて地上を撮影できるのが「レーダー衛星」です
今回打ち上げた「レーダ衛星予備機」の基本性能は、運用中の3、4号機と同じですが、信頼性を向上させていて、地上にある1メートルの物体を見分ける能力があるとされています




H2Aロケット H2Bロケット 打ち上げ回数 成功率



今回の「H2Aロケット 28号機 情報収集衛星 光学5号機」打ち上げ成功により、H2Aとしての打ち上げ成功回数は、28機打ち上げた中、27機の成功で、成功率は96.4パーセント、同じエンジン (LE-7A ※) を使用している「H2B」を合わせた成功回数は、32機打ち上げた中、31機の成功で、成功率は 96.9 % となりました

国際的な信頼性の基準は 95 % とされています



※ LE-7A
LE-7Aは、H-IIロケット第一段に使われていたLE-7エンジンの改良型で、宇宙開発事業団(現JAXA)が、三菱重工業、石川島播磨重工業と共に開発した液体燃料ロケットエンジンで、H-IIAロケットの第一段に1基、H-IIBロケットの第一段には2基使用されています

H2AとH2Bは、三菱重工業が製造、H2A13号機からは打ち上げ業務も、宇宙航空研究開発機構(JAXA)から三菱重工業に移管されています



世界の主力大型ロケット 打ち上げ回数 成功率


日本は、大型ロケット打ち上げの成功率では、世界でもトップクラスですが、打ち上げ回数では、主要各国 地域より1桁少ないのが実情です


国 地域 ロケット名 打上回数 成功回数 成功率
日本 H2A 28 27 96.4 %
H2B 4 4 100 %
H2A + H2B 31 30 96.9 %
アメリカ アトラス 387 340 87.9 %
ファルコン 19 15 78.9 %
ヨーロッバ アリアン 221 210 95.0 %
ロシア プロトン 401 354 88.3 %
中国 長征 201 191 95.0 %

諸外国のデーターは、「 2015年1月21日現在 三菱重工業調べ 」





打ち上げ ライブ中継 / JAXA 種子島ライブカメラ



JAXA|種子島ライブカメラ
H-IIAロケット28号機 打上げ H-IIA Rocket F28 Launch - YouTube (おすすめ)
放送予定 NVS-ネコビデオ ビジュアル ソリューションズ- 10:21~10:33 (JST)
H-IIAロケット28号機 打上げ【現地中継】 - 2015-03-26 1000開始 - ニコニコ生放送




参考情報



情報収集衛星の詳細、及び、 打ち上げ 構築 スケジュールにつきましては、下記をご参照下さい

  JAXA 情報収集衛星 (IGS) 打ち上げ 構築 スケジュール

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関連記事

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関連記事を下記に紹介します



2015年3月26日 情報衛星打ち上げ成功=光学5号機、H2Aで―鹿児島 時事通信 2015年3月26日(木)13:10

 三菱重工業と宇宙航空研究開発機構は26日午前10時21分、政府の情報収集衛星光学5号機を搭載したH2Aロケット28号機を鹿児島県・種子島宇宙センターから打ち上げた。衛星は約20分後にロケットから分離され、地球周回軌道に投入された。打ち上げは成功した。H2Aは22機連続の成功で、成功率は96.4%となった。
 打ち上げは情報収集衛星レーダー予備機を搭載した2月1日のH2A27号機以来。2014年度は5回目で、1年間の打ち上げ回数は過去最多となった。三菱重工の石井泉防衛・宇宙ドメイン副ドメイン長は記者会見で、「下半期で4機。短期間で多数の打ち上げを完遂したことは、大変な自信になる」と述べた。


2015年3月26日 情報収集衛星を搭載、H2Aの打ち上げ成功 読売新聞 2015年3月26日(木)12:58

 政府の情報収集衛星「光学5号機」を載せたH2Aロケット28号機が26日午前10時21分、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた。
 内閣衛星情報センターは「衛星は予定の軌道に投入された」と発表し、打ち上げは成功した。
 情報収集衛星は、他国の軍事関連施設などを監視する事実上の偵察衛星。高性能デジタルカメラで昼間に地上の様子を撮影する「光学衛星」2基と、電波で夜間も観測できる「レーダー衛星」3基が運用中で、世界のあらゆる場所を1日1回以上、監視できるとされる。


2015年3月26日 H-IIAロケット28号機による情報収集衛星光学5号機の打上げ結果について 三菱重工業株式会社 宇宙航空研究開発機構 2015年3月26日 12:00

 三菱重工業株式会社及び宇宙航空研究開発機構は、種子島宇宙センターから平成27年3月26日10時21分(日本標準時)に、情報収集衛星光学5号機を搭載したH-IIAロケット28号機(H-IIA・F28)を予定通り打ち上げました。
 ロケットは正常に飛行し、情報収集衛星光学5号機を分離したことを確認しました。
 今回のH-IIAロケット28号機打上げ実施にご協力頂きました関係各方面に深甚の謝意を表します。
 なお、ロケット打上げ時の天候は晴れ、東の風(5.0m/s)、気温17.1℃ でした。


2015年3月26日 「北」監視能力の向上期待 情報収集衛星打ち上げ成功 産経新聞 2015年3月26日(木)11:02

 政府の情報収集衛星・光学5号機を搭載したH2Aロケット28号機が26日午前10時21分、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた。衛星は予定の軌道に投入され、打ち上げは成功した。高精細の撮影が可能な新機種で、正常に機能すれば北朝鮮の軍事施設などの監視能力が大きく向上する。
 光学5号機は設計上の寿命を迎えた3号機の後継機。識別可能な物体の大きさは約30センチとみられ、約1メートルの1号機と比べ解像度は3倍、約60センチとされる3号機の倍に高性能化した。
 一般に約30センチの解像度は地上の車の種類が判別できるレベルとされ、安全保障への貢献が期待される。開発費は324億円、打ち上げ費用は106億円。


2015年3月26日 <情報収集衛星>H2Aで打ち上げ成功 毎日新聞 2015年3月26日(木)10:50

 三菱重工業と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は26日午前10時21分、政府の情報収集衛星を搭載した国産ロケット「H2A」28号機を鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げた。衛星は分離され、打ち上げは成功した。
 情報収集衛星は、他国の軍事関連施設の監視や災害時の状況把握に利用。デジタルカメラと同じ仕組みで地上を撮影する光学衛星と、夜間や悪天候でも撮影できるレーダー衛星があり、内閣衛星情報センターが運用する。
 現在、光学衛星2基、レーダー衛星2基とその予備機1基の計5基を配備している。いずれも高度400~600キロの軌道を周回し、地球上のあらゆる地点を24時間以内に1回以上撮影できる態勢になっている。
 今回打ち上げたのは光学5号機で、2009年に打ち上げられ、設計寿命(5年)を迎えた光学3号機の後継となる。最新の商用光学衛星は地上の約30センチの物体を判別できるとされるが、政府は今回の衛星の詳細な仕様を公表していない。


2015年3月26日 H2A打ち上げ成功 情報衛星を軌道投入[速報] 南日本新聞 2015年3月26日(木)10:46

 H2Aロケット28号機に搭載された政府の情報収集衛星「光学5号機」は、26日午前10時21分の打ち上げから約20分後、予定の軌道で分離され、打ち上げは成功した。
 H2Aの打ち上げは7号機から22機連続の成功で、成功率96.4%。本年度の主力大型ロケットの打ち上げは5機目で、過去最多を更新した。


2015年3月25日 政府情報収集衛星26日打ち上げ…撮影能力向上 読売新聞 2015年3月25日(水)14:51

 三菱重工業と宇宙航空研究開発機構は、政府の情報収集衛星「光学5号機」を26日午前10時21分、鹿児島県の種子島宇宙センターからH2Aロケット28号機で打ち上げる。
 情報収集衛星は、他国の軍事関連施設などを監視する事実上の偵察衛星。高性能デジタルカメラで昼間に地上の様子を撮影する光学衛星と、夜間に電波で監視するレーダー衛星の2種類ある。光学5号機は、設計上の寿命を迎えた光学3号機の後継機。撮影能力の向上で、従来より小さな物や細かい動きが識別できるという。


2015年3月25日 三菱重工・JAXA、あす情報収集衛星「光学5号機」打ち上げ-H2A28号機 日刊工業新聞 2015年03月25日

 三菱重工業と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は26日に、情報収集衛星「光学5号機」を国産ロケット「H2A」28号機に搭載し、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げる。現在、運用中の光学衛星3号機の後継機。
 H2Aの打ち上げに成功すれば連続22回に達し、2014年度の打ち上げは過去最多の5回となる。
 情報収集衛星は、政府が導入した事実上の偵察衛星。現在、昼間にカメラで撮影できる「光学衛星」2機と、くもりや夜間でも観測できる「レーダー衛星」2機の計4機を運用。世界のあらゆる場所を1日1回以上監視している。政府は4機による運用体制を維持する計画だ。


2015年3月24日 H2Aロケット、26日打ち上げ|佐賀新聞LiVE 2015年03月24日 16時38分

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業は24日、政府の情報収集衛星光学5号機を搭載したH2Aロケット28号機を、26日午前10時21~33分に種子島宇宙センター(鹿児島県)から打ち上げると発表した。
 成功すれば、2014年度のロケット発射は5機目で単年度では過去最多。2月1日に打ち上げたH2Aロケット27号機からの間隔は53日間で、過去最短の記録となる。


2015年3月24日 JAXA H-IIAロケット28号機による情報収集衛星光学5号機の打上げ時刻及び打上げ時間帯について 三菱重工業株式会社 宇宙航空研究開発機構 2015年3月24日 14:00

 三菱重工業株式会社及び宇宙航空研究開発機構は、種子島宇宙センターからの情報収集衛星光学5号機/H-IIAロケット28号機(H-IIA・F28)の打上げ時刻及び打上げ時間帯を、下記の通り決定いたしましたので、お知らせいたします。
 記 打上げ日:平成27年3月26日(木) 打上げ時刻:10時21分(日本標準時) 打上げ時間帯:10時21分~10時33分(日本標準時) 打上げ予備期間:平成27年3月27日(金)~平成27年4月10日(金)


2015年2月3日 JAXA H-IIAロケット28号機の打上げについて 三菱重工業株式会社 宇宙航空研究開発機構 平成27年2月3日

 三菱重工業株式会社および宇宙航空研究開発機構は、H-IIAロケット28号機による情報収集衛星光学5号機の打上げについて、下記のとおり実施することを、お知らせいたします。
 記 打上げ予定日:  平成27年3月26日(木) 打上げ予定時間帯:  10時00分~12時00分(日本標準時) 打上げ予備期間:  平成27年3月27日(金)~平成27年4月10日(金) 打上げ場所:  種子島宇宙センター 大型ロケット発射場


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