JAXA イプシロンロケット とは 特徴 性能 名前の由来 強化型開発 |
JAXA イプシロンロケット とは 特徴 性能
M-Vロケットの約3分の2の打ち上げ能力と約3分の1の打ち上げ費用(30億円以下)を実現することが具体的な開発目標で、2012年(平成24年)時点では、4号機以降の定常運用段階で 38億円、将来的に 30億円以下での打ち上げを目指しています 1段目にはH-IIAロケット用補助ブースターを活用、一方2段目と3段目には世界最高性能と謳われたM-Vロケットの上段モータのモータ構造をさらに軽量化するとともに製造プロセスの簡素化を図る等の改良を施し、上段モータとして使用しています イプシロンロケット 名前の由来イプシロン (Ε) の名前は、ラムダ (Λ) ロケット、ミュー (Μ) ロケットなど日本で開発されてきた固体ロケット技術を受け継ぐ意味を込め、ラムダ (Λ) ロケット、ミュー (Μ) ロケットと同様に、ギリシア文字が用いられました 公式には、「Evolution & Excellence (技術の革新・発展)」、「Exploration (宇宙の開拓)」、「Education (技術者の育成)」に由来、「ε(イプシロン)」が数学で小さい数字を表し、イプシロンロケットが、ミュー (M) ロケットを受け継ぎながら、全く別次元に変身したロケットなため、「m(ミュー)」を横倒しにした「ε(イプシロン)」と命名されたことが明らかにされています イプシロンロケット 打ち上げシステムの革新イプシロンロケットで特筆すべきは、その打ち上げシステムで、ロケットの知能化を図り、ロケット搭載機器の点検をロケット自身に自律的に行わせることにより、世界中のどこからでも、ネットワークにただノートパソコンを接続するだけで、ロケットの管制が可能となります このような革新的打ち上げシステムはモバイル管制と呼ばれ、世界でも初めての試みで、世界で最もコンパクト、かつ射場に依存しない究極の管制システムです イプシロンロケット 打ち上げ準備の革新これまでのロケットの打ち上げには、地上での点検や組み立てに膨大な人手と時間が必要で、同じ固体燃料ロケットである、M-Vロケットの場合、第1段ロケットを発射台に立ててから打ち上げまでに、実に2ヵ月近くかかっていました イプシロンロケットでは、打ち上げシステムの革新により、打ち上げに向けた準備を世界のロケットの中でも最短となる、わずか一週間で行えるようにコンパクト化されています イプシロンロケット 打ち上げ能力 諸元
イプシロンロケット 実証機E-Xの構造系仕様イプシロンロケット実証機E-Xの構造系開発は、(第一段階として)短期間で確実な開発を進めるため、M-VロケットおよびH-IIA/Bロケット(以下、H-IIA)ですでに開発済みのコンポーネントを流用または一部改修して流用しています
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強化型イプシロンロケット開発強化型イプシロンロケット開発 概要「 JAXA 強化型イプシロンロケットの開発及び2号機の打上げ準備状況について 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 平成28年9月29日 」 より 強化型イプシロンロケット開発 ペイロード要求
「 JAXA 強化型イプシロンロケットの開発及び2号機の打上げ準備状況について 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 平成28年9月29日 」 より 強化型イプシロンロケット開発 機体システム仕様上 : 強化型イプシロン、下 : イプシロン試験機 単位 mm 「 JAXA 強化型イプシロンロケットの開発及び2号機の打上げ準備状況について 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 平成28年9月29日 」 より 注: PBS(Post Boost Stage: ポストブーストステージ)、PSDB(Power Sequence Distribution Box: 電力シーケンス分配器)、DAU(Data Acquisition Unit:データ収集装置)、OBC(On-Board Computer:誘導制御計算機)、SMSJ(Solid Motor Side Jet: 固体モータサイドジェット)、TVC(Thrust Vector Control: 推力方向制御) 「 JAXA 強化型イプシロンロケットの開発及び2号機の打上げ準備状況について 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 平成28年9月29日 」 より |
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イプシロン試験機 | 強化型イプシロン | |||||
基本形態 | オプション形態 | 基本形態 | オプション形態 | |||
全長 | 約 24.4m | 約 24.4m | 約 26.0m | 約 26.0m | ||
直径 | 最大径 | φ 2.6m | φ 2.6m | φ 2.6m | φ 2.6m | |
フェアリング径 | φ 2.5m | φ 2.5m | φ 2.5m | φ 2.5m | ||
全備質量 | 約 91.0ton | 約 91.2ton | 約 95.4ton | 約 95.7ton | ||
段構成 | 固体 3段式 | 固体 3段式 + PBS | 固体 3段式 | 固体 3段式 + PBS | ||
フェア リング |
投棄部 | 9187mm | 9187mm | 9187mm | 9187mm | |
非投棄部 | 1900mm | 1900mm | 450mm | 450mm | ||
第 3段 | モータ | KM-V2b (ノズル伸展) |
KM-V2b (ノズル伸展) |
KM-V2c (ノズル非伸展) |
KM-V2c (ノズル非伸展) |
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推進薬 | ポリブタジエン系 コンポジット |
ポリブタジエン系 コンポジット |
ポリブタジエン系 コンポジット |
ポリブタジエン系 コンポジット |
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姿勢制御 | スピン安定 | スピン安定 | スピン安定 | スピン安定 | ||
全備質量 | 約 2.9ton | 約 3.2ton | 約 2.9ton | 約 3.2ton | ||
P B S |
タンク | N/A | φ420 x 3基 | N/A | φ650 x 1基 | |
推進薬 | 1液ヒドラジン | 1液ヒドラジン | ||||
姿勢制御 | PBSスラスタ(3軸) | PBSスラスタ(3軸) | ||||
第 2段 | モータ | M-34c (φ2.2m) (ノズル伸展) |
M-34c (φ2.2m) (ノズル伸展) |
M-35 (φ2.6m) (ノズル非伸展) |
M-35 (φ2.6m) (ノズル非伸展) |
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推進薬 | ポリブタジエン系 コンポジット |
ポリブタジエン系 コンポジット |
ポリブタジエン系 コンポジット (SRB-Aと共通化) |
ポリブタジエン系 コンポジット (SRB-Aと共通化) |
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姿勢制御 | TVC+RCS | TVC+RCS | TVC+RCS | TVC+RCS | ||
全備質量 | 約 12.5ton | 約 12.4ton | 約 17.2ton | 約 17.2ton | ||
第 1段 | モータ | SRB-A | SRB-A | SRB-A | SRB-A | |
推進薬 | ポリブタジエン系 コンポジット |
ポリブタジエン系 コンポジット |
ポリブタジエン系 コンポジット |
ポリブタジエン系 コンポジット |
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姿勢制御 | TVC + SMSJ | TVC + SMSJ | TVC + SMSJ | TVC + SMSJ | ||
全備質量 | 約74.5ton | 約74.5ton | 約74.5ton | 約74.5ton | ||
誘導制御 | 慣性誘導 | 慣性誘導 | 慣性誘導 | 慣性誘導 |
イプシロンロケット 2号機 強化型イプシロン 実証開発項目イプシロンロケット 2号機 強化型イプシロン 実証開発項目 2段モータ
イプシロンロケット 2号機 強化型イプシロン 実証開発項目 電力シーケンス分配器(PSDB)打上能力向上のため、イプシロンロケットの第2段および第3段に搭載される電力シーケンス分配器(PSDB)の小型・軽量化を行った 試験機で採用したPSDB(機械式リレー)の機能要求・回路構成を踏襲し、機械式リレーを半導体リレーに置き換えた イプシロンロケット 2号機 強化型イプシロン 実証開発項目 構造系構㐀の簡素化や構㐀様式変更により、製㐀性向上と軽量化を実施 以上 「 JAXA | イプシロンロケット3号機について 」 より |
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イプシロンSロケットの開発イプシロンSロケットは、JAXAが開発した強化型イプシロンロケットをもとに、現在開発中の大型液体ロケットH3ロケットとのシナジー効果を発揮させて国際競争力を強化することを目的としたロケットです イプシロンSロケットの概要イプシロンロケットは、ペンシルロケットから60年以上に渡り蓄積してきた固体燃料ロケット技術を結集させたロケットで、宇宙基本計画(平成28年4月1日閣議決定)において基幹ロケットに位置付けられています これまでに第1段階として、イプシロンロケット試験機および強化型イプシロンロケットの開発を進め、イプシロンロケット4号機までの打上げに全て成功し、コンパクトな打上げ運用や世界トップレベルの衛星搭載環境、高い軌道投入精度などの成果を実現しています イプシロンSロケットはこれらに続く第2段階として、これまでの開発成果をもとにH3ロケットとのシナジー効果を発揮させ、打上げコスト低減と基幹ロケットの高い信頼性との両立や衛星の運用性向上等により国際競争力を強化することを目的としたロケットで、民間事業者が主体的に打上げ輸送サービス事業として担っていく体制を構築し、今後需要の拡大が予測される小型・超小型衛星の打上げ市場への本格参入を目指しています 「 JAXA | 「イプシロンSロケットの開発及び打上げ輸送サービス事業の実施に関する基本協定」の締結について 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 2020年(令和2年)6月12日 」 より 【プロジェクト名称】
【H3ロケットとのシナジー効果の発揮】H3ロケットとイプシロンで技術・部品・機器等を共通化し、開発の効率化、打上げ価格低減等を実現 「 JAXA | 「イプシロンSロケットの開発及び打上げ輸送サービス事業の実施に関する基本協定」の締結について 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 2020年(令和2年)6月12日 」 より 【イプシロンSロケットの特徴】打上げ能力 SSO軌道:600kg以上(高度350~700km)(エクストラ目標:800kg以上(高度350km)) LEO軌道:1,400kg以上(高度500km、軌道傾斜角31.1deg) 複数衛星打上げに対する拡張性を確保 軌道投入精度:高度誤差±15km以下、軌道傾斜角誤差を±0.15deg以下 衛星搭載環境:世界トップレベルの音響・振動・衝撃環境 標準打上げ価格:世界の小型衛星打上げ市場で競争可能な価格帯 打上げスロット:3か月に2機以上打上げ可能 契約から打上げまでの期間:12か月以内 衛星受領から打上げまでの期間:10日以内 レイトアクセス(打上げ前の搭載衛星へのアクセス):打上げ3時間前まで対応可能 「 JAXA | 「イプシロンSロケットの開発及び打上げ輸送サービス事業の実施に関する基本協定」の締結について 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 2020年(令和2年)6月12日 」 より |
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イプシロンロケット 射点 発射装置 (鳥瞰図)「 イプシロンロケット射点(鳥瞰図) 」 より |
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