イージスアショア (陸上型イージス) 東西 2ヵ所配備 秋田市 山口県萩市 2017年11月16日
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政府は、北朝鮮の相次ぐ弾道ミサイル発射に対抗するため、新たに東西日本に 1基ずつ配備、2023年度に運用を始める方針の弾道ミサイル迎撃システム「イージスアショア」
(陸上型イージス)の配備候補地を、陸上自衛隊の秋田県秋田市の新屋(あらや)演習場と山口県萩市のむつみ演習場の 2ヵ所に絞り、 2017年11月上旬、地元と調整に入りました
政府関係者によると、政府は新型迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」搭載のイージスアショアを 2基配備すれば、日本列島全体をカバーできると想定、運用主体となる陸上自衛隊の既存施設の中から
2ヵ所が選定されました
政府は当初、地元の電波障害などの懸念を軽減するため、既存の航空自衛隊のレーダーサイト基地である加茂分屯基地(秋田県男鹿市)や佐渡分屯基地(新潟県佐渡市)などを配備場所とする可能性を探っていましたが、「十分な敷地面積を確保する必要がある」(政府関係者)との判断から見送られることになりました
政府関係者によると、陸上自衛隊が警備しやすい利点もあるということです
イージスアショア (陸上型イージス) の導入の閣議決定は 2017年12月を予定しており、米ロッキード・マーチン社製のイージスアショア 本体費用は
1基あたり 800億円で、2基 計 1600億円が見込まれています
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政府は 2018年度当初予算には調査費を計上し、地質や電波障害の有無などを調べる他、米国から専門家を招いて導入に向けた検討を進める方針です
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(①②写真) ルーマニアのデベセル空軍基地に配備された「イージス・アショア」のデッキハウス 2016年5月撮影
(③図) 陸上型イージス、秋田・山口に配備 政府調整イメージ図
(④地図) イージスアショア (陸上型イージス) 配備候補地 地図
(⑤写真) ミサイル巡洋艦レイク・エリーから発射されるRIM-161スタンダード・ミサイル(SM-3)
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(①写真) 「 陸上型イージスが優勢、日本のミサイル防衛強化策=関係者 ロイター 05月13日 16:21 」 (②③写真) 「 日米企業がイージスレーダーの共同開発を検討、ミサイル防衛強化=関係者 ロイター 05月23日 14:14 」 (③図) 「 陸上型イージス、秋田・山口に配備…政府調整 読売新聞 2017年11月11日 08:38 」 (④写真) 「 スタンダードミサイル - Wikipedia 」 (⑤写真) 「 スタンダードミサイル - Wikipedia 」 より
イージスアショア (陸上型イージス) 巡航ミサイル迎撃機能付加 2017年10月18日
複数の政府関係者が明らかにしたところによりますと、政府は 2023年度をめどにイージスアショアを国内に 2ヵ所配備する方針で、日米が共同開発中の新型迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」を搭載、高度
1000キロメートル超を搭載することにより、弾道ミサイルの迎撃が可能となります
合わせて、巡航ミサイルにも対処できる多機能型の対空ミサイル「SM6」(スタンダード ミサイル 6)を搭載する方向です
スタンダード ミサイル 6 (SM-6) とは
RIM-174スタンダードERAM(RIM-174 Standard Extended Range Active Missile (ERAM))、または、スタンダード・ミサイル6
(SM-6) は、アメリカ海軍で運用中の長射程艦対空ミサイルで、固定翼機、ヘリコプター、UAV、対艦巡航ミサイルなどを対象とする一方、対艦ミサイルとしての能力も合わせ持つ、多機能型ミサイルです
米国では、巡航ミサイルや戦闘機など低空からの攻撃と弾道ミサイルの脅威に同時対処する構想を「IAMD(統合防空ミサイル防衛)」と称し、迎撃ミサイルや情報共有システムなどの開発と実戦配備が進められています
イージスアショア (陸上型イージス) 東西 2ヵ所配備 男鹿 対馬 他 2017年9月24日
北朝鮮の弾道ミサイルの脅威などに備えて新たに導入する陸上配備型の迎撃ミサイルシステム「イージスアショア」 (陸上型イージス)について、主として、日本海側の地域に、東西
1基ずつ 計 2ヵ所に配備する方向で検討が進められています
既存の自衛隊施設内での配備を前提に候補地選びが進められており、2017年9月24日現在、
東日本は、
航空自衛隊 加茂分屯基地 (秋田県男鹿市)、
航空自衛隊 佐渡分屯基地 (新潟県佐渡市)、
西日本は、
航空自衛隊 海栗島分屯基地 (長崎県対馬市)、
航空自衛隊 福江島分屯基地 (長崎県五島市)
などが候補として挙がっていました
「 弾道ミサイル防衛 (BMD) イージスアショア 当初配備検討地 」 (参照) |
イージスアショア (陸上型イージス) 導入 防衛省 事項要求 2017年9月1日
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防衛省は米軍再編関連経費などを含め、2018年度予算概算要求として、2017年度当初予算比 2.5%増と過去最大となる 5兆2551億円を計上、北朝鮮弾道ミサイルへの対応等で、防衛力の強化を図ります
弾道ミサイル対応のイージス艦用新型迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」取得に 472億円、防空用の警戒管制システムの改修に 107億円を盛り込み、イージス艦の迎撃システムを地上配備型にしたイージスアショア
(陸上型イージス)は、金額を明示しない事項要求となっています
離島防衛では、南西諸島に新編する部隊の施設整備費として 552億円が計上されています
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防衛省 2018年度 概算要求 主な内容 ()内 億円単位 計上額
「 防衛省概算要求、過去最大5兆2551億円 産経新聞 09月01日 08:19 」 より
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研究開発費としては、離島奪還作戦を想定した新型の地対地ミサイル「島嶼(とうしょ)防衛用高速滑空弾」 100億円、長射程の新型対艦ミサイル 77億円、電子機器を無効化する「電磁パルス(EMP)」弾
14億円、ブースト段階の弾道ミサイル、迫撃砲弾、小型無人機などを迎撃対象とする、高出力レーザーシステムの研究費として 87億円も盛り込まれています
その他、宇宙ごみ(スペースデブリ)などから衛星を守る部隊の創設に向け、宇宙監視システムの設計費に 44億円が計上されました
イージスアショア (陸上型イージス) 導入へ予算案計上 THAADは見送り 2017年6月23日
(上) 弾道ミサイル防衛のイメージ図
「 <陸上型イージス>年末の予算編成時に基本設計費を計上へ 毎日新聞 08月17日 21:09 」 より
(下) 主な迎撃ミサイルシステム比較図
「 陸上配備型イージス導入へ 日米防衛相会談で表明見通し 朝日新聞 08月17日 11:50 」 より
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防衛省は、北朝鮮の弾道ミサイルへの対処能力を高める為、陸上配備型の新たな迎撃ミサイルシステム 「イージス ・ アショア」 の導入に向けた関連経費を
2018年度当初予算案に計上するよう要求する方針を固めました
もう一つの選択肢として挙げられた 「サード」(THAAD 高高度迎撃ミサイルシステム)の導入は見送られる公算です
防衛省は、2017年度予算では、コンピューターのシミュレーションなど新装備の導入に向けた調査費を計上していますが、防衛省内で装備品のあり方などを検討する
「統合機動防衛力構築委員会」 (委員長 若宮健嗣防衛副大臣)を、2017年7月に開き、イージス ・ アショアが適当との意見をまとめる方向で、2018年度予算では
イージス ・ アショア に限定した調査費として、概算要求を経て2018年度予算案に計上される見込みです
日本の弾道ミサイル防衛(BMD)は、イージス艦の迎撃ミサイル「SM3」が大気圏外で迎撃、撃ち漏らせば地対空誘導弾「PAC3」が大気圏内で迎え撃つ二段構えで、イージス
・ アショアの導入でイージス艦のみに頼っている部分を補完 ・ 強化することができます
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日米企業連合 2陣営 イージスレーダー共同開発 ミサイル防衛強化 2017年5月23日
米レイセオンと三菱電機、米ロッキード ・ マーチンと富士通の 2陣営が、それぞれ、弾道ミサイル防衛の要であるイージスシステムのレーダーについて、日本の高性能半導体を使い、探知性能を向上させる能力向上共同開発の検討が進められており、日本が建造中のイージス艦、さらに導入を検討中のイージスアショア (陸上型イージス)も、いずれかもこの新開発のレーダーを積む可能性があります
レイセオン、ロッキードとも、三菱電機と富士通がそれぞれ手掛ける半導体に注目しており、青色発光ダイオードの材料として知られる窒化ガリウム(GaN)を素子に使った高性能の半導体で、消費電力の低さと高い出力が特徴、レーダーを小型化しつつ、探知距離や識別能力を大幅に引き上げることができます
防空戦闘を得意とし、弾道ミサイル防衛の中核装備であるイージス艦は、上空警戒と低空警戒の 2種類のレーダーを積んでおり、米海軍は 2018年から配備を始める上空用の新型レーダーに、レイセオンが自社製GaNを使って開発した「SPY6」を採用しています
低空用については、従来のものを使い続ける見込みで、米レイセオン社は、これをGaNの技術に定評のある三菱電機と新たに開発したい考えで、米軍の次期イージスレーダーの受注を逃したロッキードも、富士通のGaNを使って自社のレーダーの性能を高めようとしています
北朝鮮は、2017年5月14日、初めて高度 2000キロ超に達した中距離弾道ミサイルに続き、2017年5月21日には、固体燃料を使った別の中距離弾道ミサイルを移動式発射台から発射するなど、ミサイル開発を急ピッチで進めており、ミサイル防衛を強化中の日本は
7隻目のイージス艦を 2020年に、8隻目を 2021年に就役させる予定で、共同開発が間に合えば、この 2隻にはいずれかの陣営のレーダーを積む可能性があります
さらに導入を検討中で、遅くとも 2023年度までに配備を終えることを視野に入れているとされている、イージスアショア (陸上型イージス)についても、この新型レーダーを搭載する可能性があります
防衛装備品の共同開発は、日米とも政府が主導することになり、両国政府とも 2陣営の協議に関心を寄せているとされますが、現時点で関与はしていない模様です
日本の防衛省は、ロイターの取材に対し、「企業活動に関する事柄であり、コメントする立場にない」と回答しており、東京の米国大使館を通して米政府にもコメントを求めたが、現時点で得られていないとし、レイセオン、三菱電機、ロッキードは、コメントを控えると回答、富士通のコメントは得られていないとしています
日米は、現在、イージスシステムから発射する迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」を共同開発中で、レーダーの共同開発が実現すれば、両国が弾道ミサイル防衛技術の強化に取り組む2つ目の案件となります
迎撃しにくい 「ロフテッド軌道」 政府が危機感 2017年5月16日
「 迎撃しにくい「ロフテッド軌道」、政府が危機感 北朝鮮 読売詳報_緊急特集グループ 読売新聞 2017年05月16日 」 より
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政府は、北朝鮮が、2017年5月14日に発射した弾道ミサイルが通常より高い高度に打ち上げる「ロフテッド軌道」で発射され、高度 2000キロ超に達したことに危機感を強めています
ロフテッド軌道は落下速度が速いことなどから、現状のミサイル防衛態勢では迎撃が容易ではないとされ、政府は、ロフテッド軌道による発射にも対応可能な新型迎撃ミサイルなどの新装備導入に向け、検討を急いでいます
稲田防衛相は、2017年5月15日、「新たな迎撃ミサイル等の導入によって、ロフテッド軌道による攻撃への対処も含め、我が国の弾道ミサイル迎撃能力はよりいっそう向上する」と語っています
日米両政府が共同開発し、今年度中に開発完了を予定している迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」の導入が念頭にあるとみられています
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防衛省 イージスアショア (陸上型イージス) 導入 ミサイル防衛強化 2017年5月13日
「 ミサイル防衛強化「陸上型イージス」導入の方向 北朝鮮 読売詳報_緊急特集グループ 読売新聞 2017年05月13日 」 より
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政府は北朝鮮による相次ぐ弾道ミサイル発射を受け、ミサイル防衛態勢強化策として、「イージスアショア」と呼ばれる陸上型イージスシステムを導入する方向で最終調整に入ったことが、2017年5月13日、複数の政府関係者によって明らかになりました
実際の導入は数年後とみられ、防空能力や費用対効果の面で、米最新鋭ミサイル防衛システム「最終段階高高度地域防衛(THAAD)」よりも適していると判断されました
現在のミサイル防衛態勢は、イージス艦に搭載された迎撃ミサイル「SM3」が最高高度 約 500キロの大気圏外で迎撃、撃ち漏らした場合は地対空誘導弾「PAV3」が地上十数キロで撃ち落とす二段構えとなっています
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イージスアショア (陸上型イージス) と THAAD (サード : 最終段階高高度地域防衛) の比較
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イージスアショア |
THAAD |
特徴 |
地上配備型イージスシステム
(固定式) |
大気圏外や大気圏突入後の迎撃
(移動式) |
1基あたりの費用
(防衛省試算) |
800億円
※.2017年12月12日
「1基1千億円弱」に修正 |
1250億円 |
日本全土の防衛に必要な基数 |
2基 |
6基 |
総額 |
1600億円
※.2017年12月12日
「2千億円程度」に修正 |
7500億円 |
実績 |
米軍が、ルーマニアに配備済み
2018年ポーランドに配備予定 |
米軍は、2015年5月時点で、
5個中隊を運用中
2017年3月、在韓米軍への配備開始 |
関連記事 「 弾道ミサイル防衛 (BMD) とは 日本の弾道ミサイル防衛 現状と課題 」 (別タブ(ウィンドウ)が開きます)
イージスアショア計画撤回 落下物(ブースター)の危険 大幅改修必要 2020年6月24日
河野太郎防衛相は、2020年6月15日、秋田県と山口県で進めていた地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の配備計画を停止すると発表、2020年6月24日の国家安全保障会議(NSC)で計画撤回を決定しました
イージス・アショアから発射される改良型迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」は発射後、ブースター(推進エンジン)を分離させますが、これを周辺住宅などに落下させないためには大幅改修が必要と判明したためとしています
SM3ブロック2Aミサイルは日米両政府が共同開発中の最新鋭迎撃ミサイルで、陸上自衛隊新屋演習場(秋田市)と山口県の陸自むつみ演習場(萩市、阿武〈あぶ〉町)への配備を計画していました
米国側の情報に基づき、ブースターは演習場内か海上に落下させられると判断、いずれの地元でもそのように説明していました
内陸にあるむつみ演習場からミサイルを発射した場合、切り離された重さ200キロ強の推進装置ブースターが住宅地などに落下する恐れが指摘されていました
防衛省は当初、米側と調整した上で、ミサイルを制御するソフトウエアを改修し、ブースターの落下位置をコントロールすることを計画、この方法により「ブースターを確実に演習場内に落下させる」と約束し、地元の理解を取り付けていました
ところが、日米で協議を進める中で、米側から 2020年2月ごろ、むつみ演習場でブースターを演習場内か海上に落下させるためにはソフトウエアだけではなく、ミサイルや発射装置などハードウエアを改修しない限り、ブースターが演習場外に落下する可能性を排除できないと伝えられ、さらに、2020年5月下旬、演習場内に落下させる為の改修には
2000億円前後の費用と 12年前後の期間を要することも伝達され、計画撤回の判断に至ったとのことです
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