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ソユーズロケット (ロシア) とは |
ソユーズロケット (ロシア) とは
ソユーズロケットは、中心に二段構成のロケットがあり、その周りに4基のロケットが存在、日本やアメリカでは周辺の 4基は補助ロケットの位置づけになりますが、ソユーズにおいてはこれらを 1段目としています ソユーズ計画でのソユーズの有人打ち上げに使われる他、国際宇宙ステーションへのプログレス補給船の輸送、スターセムやアリアンスペースの商用打ち上げなどに利用される等多用途に使用され、国際宇宙ステーション (ISS) の建設以降は、アメリカのスペースシャトルと並ぶ ISS への輸送手段の一つとなり、プログレスを利用して物資を輸送、スペースシャトル退役後は、ISS への唯一の有人輸送ロケットとなり、ISS へのクルーを運んでいます ソユーズロケット の構成ソユーズロケット 1段目ソユーズロケットの1段目は、ブースターロケットのように中心となるロケットの回りに取り付けられた4機の円錐形のロケットで、それぞれのロケットには 1組のターボポンプ、4個の燃焼室を備える 1基のロケットエンジン、外側に 2基のバーニアスラスタを備えています 初代ソユーズには RD-107エンジンが、ソユーズUとソユーズU2にはRD-117エンジンが使われ、ソユーズFGとソユーズ2にはRD-107Aが使われています ソユーズU2はロケット燃料にシンチンを使用しています ソユーズロケット 2段目2段目は中央のロケットで、ロケットエンジンは 1基、全体的には 1段目ロケットと同じような構成ですが、1組のターボポンプと 4個の燃焼室に加え 4基のバーニアスラスタがあり、2段目は 1段目の 4機のロケットと密着させるため底部に向かうほど細くなっています 初代ソユーズにはRD-108(РД-108)エンジンが、ソユーズUとソユーズU2にはRD-118エンジンが使われ、ソユーズFGとソユーズ2にはRD-108Aが使われています ソユーズU2ではロケット燃料にシンチンを使用しています ソユーズロケット 3段目3段目には、RD-0110エンジンを使ったブロックIと、RD-0124エンジンを使った改良型ブロックIの 2種類があり、ソユーズ2-1bには改良型ブロックIが使われています 段間分離部はトラス構造になっており、大気圏内飛行時には乱流が発生するものの、トラスの間から燃焼ガスを逃す役割を持っており、3段目を点火してから 2段目を分離する事ができるので、分離時に残留推力によって衝突する危険性を避けられる構造となっています ソユーズ宇宙船 (ロシア) とは
当初はソ連の宇宙ステーション「サリュート」や「ミール」への連絡に使用され、登場から 40年以上経た現在でも、国際宇宙ステーション (ISS) へアクセスする唯一の有人宇宙船で、国際宇宙ステーション (ISS) からの緊急時の脱出・帰還用としても使用されています 名称の「ソユーズ」は、ロシア語本来の読みとしては「サユース」が近く、ロシア語で「団結、結合」という意味の他、「同盟」、「連邦」、「連合」、「組合」という意味を持ちます ソユーズ宇宙船は、ほぼ球形の軌道船、釣鐘型の帰還船、円筒形の機械船の 3つのモジュールから構成され、その内、地上まで帰還するのは、中央部にある帰還船のみで、他のモジュールは再突入の際に切り離され、大気圏に突入して燃え尽きます ソユーズ宇宙船は、機械船の側面に大きく張り出された二枚の太陽電池パネルが大きな特徴で、宇宙空間での使用電力を補っています ソユーズ初期型は、計画変更に伴う数回のマイナーチェンジを経て 1967年4月の1号機から1981年5月の40号機まで運用され、1979年12月には改良型のソユーズTが登場、T-1からT-15まで運用されました この機体は宇宙ステーションとドッキングすることが前提としており、太陽電池パネルを設置していない機体も多く存在します 1987年にはさらなる改良型のソユーズTMが登場、TM-1からTM-34(2002年)まで運用された後、2002年10月から改良型のソユーズTMAが運用され始め、2010年10月初めにはソユーズTMAをデジタル制御化したソユーズTMA-Mが運用開始、2016年7月には最後の改良型となるソユーズMSが運用開始しています TMA型、または、TMA-M型に搭乗するには、下記の条件があります 身長が150 - 190cm(TM型は164 - 182cm) 体重が50 - 90kg(TM型は56 - 85kg) また、ソユーズとほぼ同型で、地上帰還能力や生命維持機構を搭載しない、輸送船に特化されたタイプである「プログレス」もあり、こちらもサリュート時代から使用され、食料や酸素、推進剤、予備品などの物資輸送に活用されています 初代プログレスは42号まで、改良型のプログレスMは67号まで、プログレスM1は11号まで使われ、最新型はプログレスM改良型が使われています ソユーズ宇宙船 軌道船モジュール
ソユーズ宇宙船 軌道船モジュールは、軌道上で乗員が主に活動する区画で、実験用の機器、トイレなどの居住設備、船外活動のための気密室(エアロック)があり、エアロックはサリュート6とドッキングするようになる前の初期の頃使用されました ソユーズ宇宙船 軌道船モジュールには、ソユーズ同士や、ミールやISSといった宇宙ステーションなどとのドッキング装置も備え、打ち上げ前にクルーがソユーズに乗り込む際のハッチも軌道船モジュールにあり、ソユーズ宇宙船打ち上げ時、および、地球帰還時には、軌道船内からもう一つハッチを経由し帰還船の座席に移動します ソユーズ宇宙船 軌道船モジュールのイラストにある出っ張りは、ドッキングする際に使用するレーダーで、このイラストはソユーズTのものであり、以後は出っ張りはなくなっています ソユーズ宇宙船 軌道船モジュールは、大気圏再突入際は、帰還船と切り離され、大気圏内で燃え尽きます ソユーズ宇宙船 帰還船モジュール
1~33人乗りで、中では、乗員は足を集めるように扇形に座ります 大気圏再突入のために機械船から分離された後は、過酸化水素を利用した一液式スラスタを用いて適切な姿勢を維持し、突入時の最大加速度を軽減します 地表近くでは、格納されたパラシュートを開いて減速、地上 約 0.8mまで降下した際(着地直前)、帰還船の下に取り付けられた小型の固体ロケットを噴射、エアクッション効果を利用して地表に軟着陸します 帰還船の表面はアブレータによりコーティングされており、これは接着剤が固まったようなもので、化学繊維に含浸させて固めることにより強度を維持、軌道飛行時にはアブレータの上を 8枚の断熱ブランケットが覆っており、軌道飛行時に帰還船を高温・低温・塵から保護していますが、大気圏再突入前のモジュール切り離しの際に外され、再突入時にはアブレータ自体が溶けて熱分解する際の融解熱と分解熱、および、炭化したアブレータによって内部を保護します アメリカのスペースシャトルで使用された耐熱タイルのように再利用することはできませんが、耐熱タイルほど脆くない利点があります 初期のソユーズでは、2人搭乗時は与圧服を着用可能でしたが、3人搭乗時は狭いため、帰還時に与圧服を着用しておらず、ソユーズ 11号で帰還時に帰還船の空気が漏れ、上空で乗員が 3人とも窒息死した事故の後は、安全のために与圧服を着るようになり、一時的に乗員は最大2人に減らされていましたが、1976年に登場した改良型のソユーズT型から、与圧服を着た状態で 3人が搭乗可能になっています ソユーズ宇宙船 機械船モジュール
姿勢制御スラスタや、軌道制御と大気圏再突入時に使うメインエンジン 1基、および、その燃料タンク、飛行士の生命維持のために必要な酸素や水などが搭載されています 推進剤は、ヒドラジン系(非対称ジメチルヒドラジンと四酸化二窒素)が使用されています ソユーズ宇宙船 機械船モジュールには、ソユーズ宇宙船の大きな特徴を成す、横に長い太陽電池パネルが取り付けられており、打上げ時には折り畳まれて格納、軌道投入後に展開されます ソユーズ宇宙船 機械船モジュールは、軌道船と同じく、大気圏再突入時、帰還船と切り離され、大気圏内で燃え尽きます |
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