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JAXA S-210 ロケット とは 観測ロケット 概要 (運用終了)


JAXA S-210 ロケット とは 観測ロケット 概要 (運用終了)



S-210型ロケットは、電離層観測のため、高度 100km以上の上昇性能を満たすものとして計画され、Sは single(単段式)、210は 外径の210mmに由来します


S-210型ロケットは電離層観測のため高度100km以上の上昇性能を満たすものとして計画された。Sはsingle(単段式)、210は外径の210mmに由来。単段式ロケットは歴史的にはIX計画として開始された。

JAXA S-210 観測ロケット 宇宙科学研究所 」 より

単段式ロケットは、歴史的には IX計画として開始され、IXは inexpensiveの略で安価な観測ロケットを目標とした研究計画で、S-210に先行するものとして、2001年3月まで気象庁の岩手県三陸町陵里観測所で定常的に打上げられていた MT-135、それのスケールアップモデルである S-160があります


PT-210-1、2号機による、1966年夏、1967年春の試験飛翔では、いずれも、燃焼終了末期に機体に異常を生じましたが、その後接手部の補強、機体精度管理の向上等の対策を施した結果、S-210-1号機は 1969年夏初飛翔に成功し高度108kmに達しました

以後、内之浦から 12機(1号機を含め計 13機)、ま、た国立極地研究所によって南極基地から 31機が打上げられました


推薬は、南極用として低温特性のよいブタジエン系、中子はテーパ付き丸中子で、全燃焼砂時は 約 17秒、燃焼室材料はクロムモリブデン鋼、シリカガラス繊維補強のフェノール樹脂のアブレーション材を用い、尾翼はハニカム構造、エンジン外形は多少のボートテイルになっています

エンジン上部には一対のスピンモータが取付けられ、その上が計器部、計器部上部の 770mmは脱頭部で、スピンモータは発射後 45秒に点火、これにより機体に 2Hzのスピンを与え姿勢安定を図るものでした


ただ、通常はそれ以前に尾翼の製作誤差に起因する 1Hz程度のナチュラルスピンが発生し、これが機体のピッチング運動と達成して、時として数十度に及ぶ首振りを生じ、ある程度の姿勢精度が要求される場合にはそれが難点となっていました



JAXA 観測ロケット とは



観測ロケットは衛星打上げ用のロケットとは異なり、ロケット自身が宇宙空間を飛びながら落下するまでの間に観測を行なうもので、通常は 1段式、あるいは、2段式構成で、実験終了後、観測装置およびロケットは海上に落下します

観測機器はロケットの上段の頭胴部と呼ばれる場所に取り付けられ、飛翔中の空力加熱から保護するためにノーズコーンというとんがり帽子のような蓋をかぶせて打ち上げられます


観測はロケットが最高高度に達する前から、落下するまでの間に行われ、ロケットは上空のあらかじめ決められた高さでタイマによってノーズコーンを開き、観測機器のアンテナを伸ばしたり、観測のための試料を放出したり、いろいろな作業が設定されたタイマによって進められたのち、目的に応じた観測を行います

気球が到達可能な高度は 約 50kmまで、多くの人工衛星は 高度 250km以上を飛んでいますので、両者の間の空間を直接観測できるのは観測ロケットのみで、この空間は、中間圏や熱圏、電離圏と呼ばれている領域ですが、観測ロケットはこの空間に特異な現象を解明するために打ち上げられてきました


観測のテーマは全国の大学や研究機関に所属する研究者から提案されたものを評価 ・ 選定し決定され、宇宙科学研究所の観測ロケットは、天体物理学の観測、上層大気の研究、宇宙プラズマ物理学等に貢献し、日本の宇宙科学研究を支えてきました

宇宙科学研究所の工学チームも、姿勢制御システム、再突入技術、回収技術、航法技術等、新しい飛翔体システムを開発しています。

また、材料科学やライフ・サイエンスのための微小重力実験の分野でも、観測ロケットが使われています。


観測ロケットを使った実験では、計画立案から実験実施まで迅速な対応が可能であり、短期間で実験成果を得ることができるため、将来の人工衛星や惑星探査機などに搭載を予定している新しい観測装置や技術要素の機能や性能の確認試験としても優れた機動性を発揮しています。

現在、宇宙科学研究所で使用している観測ロケットは、S-310、S-520、SS-520の3機種です。


観測ロケットは毎年1~2機、鹿児島県大隅半島東端に位置する内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられています。

国内だけでなく海外でも観測ロケットの打上げを行っています。


S-310は国立極地研究所の南極での観測に、S-310とS-520は、ノルウェーのアンドーヤ・ロケット基地からオーロラの直接観測のために使われました。

SS-520はノルウェーのスピッツベルゲン島から磁気圏のカスプと呼ばれる領域の観測のためにも使われました。



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JAXA 観測ロケット 宇宙科学研究所 」 より


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