JAXA H2Aロケット 18号機 準天頂衛星 みちびき初号機 打ち上げ |
JAXA H2Aロケット 18号機 準天頂衛星 みちびき初号機 打ち上げ準天頂衛星 みちびき初号機 を搭載した H-IIAロケット 18号機(H-IIA F18)は、種子島宇宙センター 大型ロケット発射場より、2010年(平成22年)9月11日(土)20時17分00秒(日本標準時)、MHI (三菱重工業株式会社)、および、JAXA (国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)によって正常に打ち上げられました ロケットは正常に飛行し、打上げ後約28分27秒に「みちびき」を正常に分離した事を確認、打ち上げは成功しました |
写真は、H2Aロケット25号機 |
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JAXA H2Aロケット18号機 主要諸元
推力、比推力は、真空中 固体ロケットブースタは最大推力で規定 JAXA H2Aロケット 18号機 飛行計画ロケットは、打上げ後まもなく機体のピッチ面を方位角93度へ向けた後、所定の飛行計画に従って太平洋上を飛行する 固体ロケットブースタを打上げ約1分47秒後(以下、時間は打ち上げ後の経過時間を示す)に、衛星フェアリングを約4分10秒後に分離し、約6分36秒後には第1段主エンジンの燃焼を停止し、約6分44秒後に第1段を分離する 引き続いて、約6分50秒後に第2段エンジン第1回目の燃焼を開始し、約12分32秒後に燃焼を停止し、慣性飛行を続け、約24分34秒後に第2段エンジン第2回目の燃焼を開始し、約27分35秒後に燃焼を停止して、約28分26秒後に近地点高度約250km、遠地点高度約36140km、軌道傾斜角約31.9度の所定の軌道上で「みちびき」を分離する JAXA H2Aロケット 18号機 飛行シーケンスJAXA H2Aロケット 18号機 飛行経路JAXA 「平成22年度夏期ロケット打上げ計画書 準天頂衛星初号機「みちびき」/H-ⅡAロケット18号機(H-ⅡA・F18)」 より JAXA H2Aロケット18号機 落下物 落下予想区域 時間
準天頂衛星システム 準天頂衛星初号機 みちびき とは 概要
ユーザは、米国のGPS(Global Positioning System)と本システムを組み合わせて使うことにより、山間地やビル陰等でも、高度な衛星測位サービスを享受することが可能となる 準天頂衛星初号機(みちびき)は、QZSSを構成する主要システムの1つであり、JAXAが経済産業省との協力のもとに開発している衛星バスシステムに、高精度測位実験システム搭載系(測位ペイロード)をミッション機器として搭載した衛星である 「 みちびきとは|みちびきについて|みちびき(準天頂衛星システム:QZSS)公式サイト - 内閣府 」 より 米国のGPS(Global Positioning System)(全地球測位システム)衛星が文字通り、全地球を周回し、全世界をカバーするのに対し、日本版GPS、準天頂衛星は、地球の自転を利用して、日本上空近辺のみを飛行する特異な軌道を持ち、当面運用される 4基の内 3基が常に日本上空付近を飛行することから準天頂衛星と呼ばれます 「準天頂衛星システム」は、米国のGPS衛星と互換性のある位置情報電波を使用、米国GPSのみを利用する際の誤差 約 10メートル、欧州測位衛星 ガリレオの誤差 約 1メートルに対し、米国GPSと「準天頂衛星システム」を組み合わせて使うことにより、山間地やビル陰等でも、高度な衛星測位サービスを享受することが可能(補完機能)となり、また、軌道やクロックの補正情報を送信することにより、さらに高精度な測位を実現(補強機能)、その誤差を最高で数センチに縮めることができると期待されています 自動車の自動走行や無人飛行機の自動飛行をはじめ、無人の除草作業といった農業分野、地震や津波、テロなどの情報を、準天頂衛星 みちびきを経由していち早く伝える防災分野などでの活用を目指しています 準天頂衛星 みちびき 2、3、4号機は、高さ 約 6.2メートル、軌道上展開後の全長 約 19メートル、設計寿命は、2010年に打ち上げた初号機よりも 3年長い 15年以上とされ、さらに、2023年度までに、準天頂衛星を 7基体制に拡充し、米国GPSシステムが不要となる、日本独自の位置測位システムの構築も目指しています 準天頂衛星システム 準天頂衛星 みちびき の軌道について衛星の軌道には、例えば、北極と南極上空を通って、地球を南北に飛行する極軌道があります 南北方向に、24時間で地球を 1周する速度で飛行すると、地球は 24時間で 1回転(自転)していますので、24時間後、衛星は、同一緯度の 24分の360度西の位置、つまり、15度西の位置を通過し、そして、24時間後には、また、同一地点の上空に戻ってくることになります 地球観測衛星等、全世界にわたって、地上の定点観測を行いたい場合等に使われる軌道です また、よく知られている衛星軌道として、衛星放送(BS放送、CS放送)等でお馴染みの静止軌道があります 赤道上空を東向きに 24時間で地球を 1周する速度で飛行させると、地球の自転速度に同期して、地上からは同じところに留まっている、動いていないように見える ・・・ これが、静止衛星、静止軌道です この時、その静止衛星の真下、赤道上の地上からは、静止衛星は、正に天頂の 1点に留まっているように見える、完全で理想的な天頂衛星となるのですが、残念ながら、この天頂衛星を実現できるのは、赤道上だけです
北半球にある日本の上空に遠地点がくるよう、そして、そのちょうど反対側の南半球(オーストラリアのあたり)に近地点がくるよう、楕円軌道で、24時間で地球を 1周する速度で衛星を飛行させると、その衛星を地上から見ると、衛星軌道は北側が小さく、南側の大きな、ひょうたん型の8の字軌道を描いているように見えます やがて、衛星は、南の空に飛び去ってしまうのですが、南半球では、地球の近地点を通過するため、実際の衛星の移動距離は短いもので済み、(コーナーの外側より内側の方が、移動距離が短くなり、同じ速度であれば、通過所要時間も短くて済むのと同じで)、短い時間で通り抜けてしまい、程なく、日本の上空に舞い戻ってきて、また、まった~~りと、長時間、日本上空に滞在してくれます 注.日本の真上に滞在できる時間は 7~ 9時間程度、北半球には 約 13時間、南半球には 約 11時間留まります この軌道を準天頂軌道と呼び、旧郵政省電波研究所(現 情報通信研究機構)の研究者が 1972年(昭和47年)に考案したもので、はからずも、1998年(平成10年)、打ち上げに失敗した通信衛星が予定外の軌道を飛行し始めた際、衛星が日本の真上を通過するとき、東京 丸の内の高層ビル街でも安定して電波を受信できることが実証され、準天頂軌道実用化への道が開かれました 準天頂衛星システムを構成する 準天頂衛星 みちびき は、3機が 8時間ごとに順番に現れ、少なくとも 1機以上の衛星が仰角70度以上の「ほぼ」天頂付近に位置し、4機体制の準天頂衛星システムは、この準天頂軌道を周回する 3機の準天頂衛星と、赤道上空の静止軌道に配置する 1機の静止衛星で構成しています 準天頂衛星システム 準天頂衛星初号機(みちびき) 主要諸元
準天頂衛星システム みちびき 測位制度 と 送信信号 との対応 一覧準天頂衛星システム 「みちびき」のシステムでは、測量誤差が 数cm(センチメータ級)、1m以下(サブメータ級)、従来のGPSと同じ誤差 10m程度と、精度に応じた 3つのサービスが提供され、それぞれ信号の種類が異なりますので、サービスに応じたアンテナやソフトを搭載した機器が必要です 例えば、現在流通しているスマートフォンにも「みちびき」の信号に対応した製品がありますが、精度としては従来のGPSと同じ(誤差 10m程度)で、「センチメータ級」や「サブメータ級」の測位はできません 準天頂衛星システム 「みちびき」の信号に対応した製品としては、現状、「みちびき」の信号に対応したスマートフォンやカーナビ、電波時計などが発売されており、内閣府の準天頂衛星システムウェブサイトにも記載されていますが、これら製品のうち、対応信号が「L6」となっているものがセンチメータ級に、「L1S」となっているものが「サブメータ級」の測位に対応するもので、それ以外の信号は基本的に現在のGPSに相当する精度のみの対応となります 現在、センチメータ級に対応したアンテナを積んだ農業機械や建設機械で、自動運転の試験が行われており、夜間に自動運転で作業させたり、複数台を隊列走行させたりといった試験が行われています 数 cm 単位という高精度の位置測位によって、カーナビであれば、走行中の車線まで把握できたり、位置情報をクルマどうしで交換し合うことで自動運転も可能になったり、建設機械であれば、ブルドーザーを cm 単位で制御したりといったこともできるようになり、また、横断歩道や階段の位置など道路の詳細な情報も把握でき、スマートフォンなどを利用した歩行ナビゲーションに反映できるということです
JAXA H2Aロケット 打ち上げ基準JAXAでは、全長 53メートル、重さ 286トンの H2Aロケットを安全、確実に打ち上げる為、打ち上げ基準が設定されています 従来の基準では、氷結層雲について、その厚さ 1.8km以内のみで判断していましたが、今回の打ち上げから、氷結層雲に関する基準が改められ、今後は、厚さ1.8km以上でも、レーダーで雲の内部状態を測定、反射強度が規定以下であれば、打ち上げ可能となります これまで、H2Aロケットの打ち上げでは、氷結層雲による打ち上げ延期が 8機で発生していましたが、新基準で評価すると、その半分は打ち上げが可能なケースだったとのことで、今後は、打ち上げ延期の減少が期待され、コストダウンにも繋がります 2016年(平成28年)2月12日(金)に予定していた、H2Aロケット 30号機 の打ち上げでは、「射場近辺に規定以上の氷結層を含む雲(別紙参照)の発生が予想されること、および打上げ作業に支障のある強風が予想されることから、2016年(平成28年)2月17日(水)に、打上げ」が延期されました
氷結層とは、雲の中で温度が0度から-20度になっている部分のことで、雲の中に氷の粒の層があるような状態になっています H2Aロケット H2Bロケット 打ち上げ回数 成功率H2Aロケット 18号機 準天頂衛星 みちびき初号機の打ち上げにより、H2Aとしての打ち上げ成功回数は、18機打ち上げ中、17機の成功で、成功率は 94.4 %、同じエンジン (LE-7A ※) を使用している「H2B」を合わせた成功回数は、19機打ち上げ中、18機の成功となり、成功率は 94.7 % となりました 国際的な信頼性の基準は 95 % とされています
H2A H2B ロケット および 世界の主力大型ロケット 打ち上げ回数 成功率日本は、大型ロケット打ち上げの成功率では、世界でもトップクラスですが、打ち上げ回数では、主要各国 地域より 1桁少ないのが実情です
諸外国のデーターは、「 2015年1月21日現在 三菱重工業調べ 」 打ち上げ ライブ中継 / JAXA 種子島ライブカメラ
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