JAXA 金星探査機 あかつき 金星周回軌道投入 |
JAXA 金星探査機 あかつき 軌道修正成功 観測期間 5年超に延長 2016年4月8日金星探査機 「あかつき」は、昨年(2015年)12月に周回軌道に投入されましたが、約 2年後に日陰に入る時間が長くなり、観測を継続できない恐れがあり、JAXA(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)では、2016年4月8日、金星を周回する金星探査機 「あかつき」の軌道修正に成功、それにより、観測期間を 5年以上に延長できたと発表しました JAXAによると、金星探査機 「あかつき」は、2015年12月の軌道投入後、高度 1000~36万キロの長い楕円(だえん)軌道を、1周10.5で周回していましたが、必要な電力は太陽電池で賄っており、計算の結果、約 800日後にバッテリーの持続時間を超える日陰を飛行することが分かりました 周回周期を 10.8日とする軌道に移せば、約 2000日後まで長時間の日陰にならないことが判明、2016年4月4日に姿勢制御用エンジンを 15秒間噴射、測定の結果、想定通りの軌道修正が行われたことが確認されました JAXA 金星探査機 あかつき 金星周回軌道投入 成功を確認 2015年12月9日JAXA(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)は、2015年12月9日、金星探査機 「あかつき」を金星周回軌道に投入することに成功したことを発表しました 金星探査機 「あかつき」 は、2015年12月7日に行った、姿勢制御用エンジン噴射後の軌道の計測と計算の結果、周回周期、約 13日 14時間、近金点高度約 400km、遠金点高度約 44万kmの楕円周回軌道を、金星の自転と同じ方向に周回していることが確認されました 通常、個別に、 1分以内の噴射にしか想定されていない姿勢制御用エンジン 4基を同時に、また、均等に噴射する必要があったにもかかわらず、20分間の連続噴射に成功したのは、快挙と言えます 現在、探査機の状態は正常で、今後、搭載している科学観測機器である 2μmカメラ (IR2)、雷 ・ 大気光カメラ (LAC)、超高安定発振器 (USO) の立上げ、および、機能確認を行う予定で、既に機能確認済みの3つの観測機器 (1μmカメラ(IR1)、中間赤外カメラ (LIR)、紫外イメージャ (UVI)) と合わせて、約 3か月間の初期観測を行うとともに、軌道制御運用を行い、徐々に金星を 9日間程度で周回する楕円周回軌道へと移行し、2016年(平成28年)4月頃からは、定常観測に移行します JAXA 金星探査機 あかつき 軌道計算結果 (2015年12月9日時点)
JAXA 金星探査機 あかつき 再挑戦 金星周回軌道投入 2015年12月7日金星探査機 「あかつき」 は、前回の挑戦(2010年12月7日)から偶然にも 5年後の丁度同じ日となる、2015年12月7日午前8時51分、金星の上空約 500キロで、4台の姿勢制御用小型エンジンを 20分間、一斉に逆噴射、機体の速度を秒速約 38.4キロから、秒速約 38.2キロに落とし、高度数百キロ~約50万キロの楕円(だえん)軌道で、金星を周回する軌道へ投入されます 2015年12月7日 9時23分過ぎ、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、金星探査機 「あかつき」 の姿勢制御用エンジンを計画通り約 20分間(午前8時51分29秒から9時11分57秒までの1228秒間)噴射し、予定通りの噴射時間、噴いている方向と噴射量もほぼ予定通りであったことを確認したと発表しました 現在、探査機の状態は正常、姿勢制御用エンジン噴射後の探査機軌道の計測と計算を行っており、目標とする周回軌道への投入結果の判明までには2日程度かかる見込みとのことですが、噴射が予定通り行われたことで、初予定した軌道に入ることの期待は大変、持てると考えているとしています また、既に観測プログラムを送っており、2015年12月7日午後2~5時の間に観測を開始する事も明らかにしましたが、初期段階のためアンテナに制約があり、初期観測データが届くのも、2~3日後になるとのことです 地球と金星の距離は、2015年12月7日現在、約1億5000万キロで、電波による指令が届くまで 8分19秒かかる為、金星探査機 「あかつき」 は、事前に送信されたプログラムに基づいて噴射を行い、4基合わせても主エンジンの 5分の1の力しか出せない姿勢制御用の小型エンジンの不調等で十分減速できない場合は、機体の向きを反転させ、反対側にある別の姿勢制御エンジンを使用することも想定されていました 5年前の2010年12月7日に、エンジンの故障で投入に失敗後、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、機体の動作確認をしながら、今回の金星への再接近というチャンスをうかがってきましたが、残りの燃料は打ち上げ時の 33割しか残っておらず、機体の設計寿命も超えている為、再挑戦のチャンスは 1回限り、成功すれば日本の探査機として初めて地球以外の惑星の周回軌道に乗ることになります 当初は、2016年末の再挑戦を検討したが、機体が太陽の高熱などで劣化している恐れがあり、2015年11月の投入を目指し、その後の詳しい計算の結果、2015年12月上旬が最適と判断されました 金星探査機 「あかつき」 は、メインエンジンが故障しているため、通常は1秒以下しか連続噴射しない、姿勢制御用の小さなエンジンが8個ありますが、今回は、そのうち4個を 20分間前方に噴射して減速、金星周回軌道に乗せる計画です 当初予定していた、金星の赤道上空、近地点高度約300km、遠地点高度約8万kmに載せるには推力が不足していますので、金星の周りを30時間で回る軌道に乗せることは断念し、金星のまわりを約8.7日間かけて回る、近地点高度数百km、遠地点高度40万kmの楕円軌道に乗せる予定で、金星周回軌道投入後、約3カ月程かけて機器のチェックを行い、16年4月頃から本格的な観測がスタートします JAXA 金星探査機 あかつき 再投入に向け軌道修正 2015年7月9日JAXA(宇宙航空研究開発機構)は、2015年7月9日、2010年に金星周回軌道への投入失敗後、今年(2015年)12月の再投入を目指している金星探査機「あかつき」について、現在の軌道のまま金星に接近すると、太陽の重力の影響で金星に落下する可能性があることが判明し、2015年7月17日から3回に分けて姿勢制御用の小型エンジンを噴射し、軌道修正を行うと発表しました 姿勢制御用の小型エンジンの噴射は、2015年7月17日、24日、31日の3回に分けて実施し、通常は姿勢制御に使っている小型エンジンを、1回目94秒間、2回目276秒間の予定で、その結果を踏まえて3回目の噴射時間を決める予定ですが、燃焼効率等によって修正量を調整し、3回で予定の軌道修正を達成できなかった場合は4回目も検討されます 姿勢制御用の小型エンジンは、これまで1秒以内程度の短時間しか燃焼させたことがなく、今回、数十秒以上と長時間にわたって噴射させ、3回の噴射で徐々に軌道を修正するのは、初の試みとなります 軌道修正は、2011年にも3回行っていますが、その時使用したのは、ボトム側(メインエンジン側)に配置された4本の姿勢制御エンジンで、今回の軌道修正では、反対側にあるトップ側の姿勢制御エンジン4本を初めて長時間駆動させことになります トップ側の姿勢制御エンジンは、2015年12月の再投入時にも使用する予定で、その時のための性能試験も兼ねることになります JAXA 金星探査機 あかつき 第一関門 太陽近くを無事通過 2015年2月11日金星探査機 「あかつき」は、2015年2月11日、機体が高熱にさらされ、機器が故障する恐れがある為第一関門とされた、太陽に最も近い地点となる、太陽までの距離約 9000万km地点を通過、その後、エンジンや通信機器の状態を調べた結果、故障につながる異常な温度上昇はなかったことが確認されました 2015年8月下旬にも、再び太陽の近くを通過する予定で、これが第二の関門となります JAXA 金星探査機 あかつき 金星周回軌道投入 失敗 2010年12月7日2010年12月7日、金星探査機「あかつき」は、速度を落として金星周回軌道に入るため、 メインエンジンを逆噴射しましたが、途中でエンジン噴射が停止したため減速できず、金星を通り過ぎてしまい、緊急事態発生時に自動的に入る「セーフホールドモード」に切り替わりました 「セーフホールドモード」とは、特定面だけが太陽光を浴びて高温になるのを避けるため、自動的にゆっくり回転する状態で、小惑星探査機「はやぶさ」も通信途絶状態になった際、自動的にこのモードに切り替わりました また、逆噴射に使用されたのは、初の国産エンジンで、世界初となるセラミックを採用したもので、異常な高温で破損した疑いが持たれています JAXA H2Aロケット17号機 金星探査機 あかつき 打上げ 2010年5月21日金星探査機 「あかつき」 (PLANET-C) は、2010年5月21日、JAXA H2Aロケット17号機 によって打上げられ、打ち上げ直後に予定していた金星に向かうための軌道修正の作業も不要となる程予定軌道に正確に載り、途中、地球の画像を撮影する余裕ができるなど、極めて順調に航行を続けました JAXA 金星探査機 あかつき (PLANET-C) とは金星の自転周期は、243日で大変ゆっくり回っていますが、「スーパーローテーション」と呼ばれる猛スピードの風がすべての場所で自転と同じ方向に吹いていて、その風速は上空60kmで時速400km(風速毎秒100m)、自転速度の60倍もの速さの突風が吹いています 金星探査機 「あかつき」 は、このような不思議な現象がなぜ起きるのかを調べます 金星は、高温の二酸化炭素の大気に包まれ、分厚い硫酸の雲で覆われていますが、その雲がどのように作られるのかを調べたり、金星にも雷があるのかどうか調べたりするのも「あかつき」の探査の目的です 違った光の波長で調べると、大気中の異なる高度の現象が見え、立体的な情報を得ることができることから、「あかつき」には5つのカメラが搭載されており、赤外線から紫外線までの異なる波長の光で同時に、金星の大気の広い範囲を連続的に撮影して、大気の三次元的な運動を明らかにします また、近赤外線のカメラは、厚い硫酸の雲の下にある地面まで見ることができ、気象現象はもちろんのこと、活火山があるかどうかなども分かるかも知れません 大気の動く様子を三次元でとらえる衛星は、地球では「ひまわり」のような気象衛星がありますが、他の惑星には行ったことは無く、「あかつき」は世界で初めての惑星気象衛星と言えます 金星探査機 「あかつき」 は、近地点高度数百km、遠地点高度40万kmの楕円軌道を通ることから、 近いところからは金星の大気や雲のようすをクローズアップで、遠いところからは惑星全体の広範囲での大気の運動を観測でき、また、「あかつき」が地球から見て金星の背後に隠れていくとき、「あかつき」から送信される電波は金星大気をかすめるようにして地球に届きますので、この電波を分析し、金星大気の温度や微量ガスの層構造を2~4年間に渡って調査、観測する計画です 燃料が無くなって観測を終えた後は、金星の重力により、金星に落下する予定です JAXA 金星探査機 あかつき 緒元
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