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アリアン ロケット (欧) 防衛省 Xバンド通信衛星 「きらめき1号」 打ち上げ


アリアン ロケット (欧) 防衛省 Xバンド通信衛星 「きらめき1号」 (DSN-1) 打ち上げ 成功



アリアン5ロケット

アリアン5ロケット 「 アリアン5 - Wikipedia 」 より

Xバンド防衛通信衛星「きらめき1号」を載せたアリアンスペース社(仏)のアリアン5 (Ariane 5)ロケットが、2018年4月6日6時34分(日本時間)に仏領ギアナから打上げられ、「きらめき1号」は、ロケットから正常に分離されたことを確認、打ち上げは成功しました

今後、静止軌道上での性能確認試験を経て、2018年7月を目途に運用を開始する予定です


防衛省は、同省が初めて運用するXバンド通信衛星 「きらめき1号」 (DSN-1)を、2016年7月13日に、ギアナ宇宙センターから欧州宇宙機関 (ESA)が使用するアリアン5 (Ariane 5)ロケットにより打ち上げる予定でしたが、ギアナへの輸送中、輸送コンテナが損傷、「きらめき1号」のアンテナにも変形がみつかり、打ち上げが延期されていました

Xバンド通信衛星 「きらめき1号」 (DSN-1)は、2016年5月26日、民間機で打ち上げ予定地の南米北部フランス領ギアナに輸送しましたが、コンテナ側面に、貨物室とコンテナ内の気圧差が原因とみられる 40~50センチのへこみが見つかり、「きらめき1号」もアンテナが変形、アンテナを造り直すには試験を含めて 1年以上かかるとみられていました


「きらめき1号」 (DSN-1)を日本に持ち帰り、事業者による修理等を行ない、防衛省は、2018年3月20日、事業者((株)ディー・エス・エヌ)によるXバンド通信衛星 「きらめき1号」 (DSN-1)の修理が完了、2018年4月6日6時34分(日本時間)に打ち上げることを発表していました

「きらめき1号」 (DSN-1)が使用するXバンドと呼ばれる周波数帯は、気象の影響を受けにくく、軍事用に適しているとされ、防衛省では、これまで商用衛星を借りて同周波数帯の通信を運用していましたが、その寿命が近づいていることから、高速・大容量化した独自の衛星を、2016年7月13日の「きらめき1号」 (DSN-1)の打ち上げを手始めに、 2020年度末までに計 3機打ち上げる計画を進めていました


「きらめき1号」 (DSN-1)と「きらめき2号」 (DSN-2)の運用終了までの経費は 1288億円を見込まれていますが、衛星打ち上げまでは民間企業で作る特定目的会社が請け負う方式の為、打ち上げ延期となっても国費負担は発生しないとのことです

「きらめき2号」 (DSN-2)は予定通り 2017年1月24日に打ち上げられ、「きらめき1号」 (DSN-1)に先んじて 2017年4月に運用を開始、3機がすべて打ち上がれば通信容量は現在の 4倍に増強されますが、「きらめき1号」 (DSN-1)の延期でしばらくは1機体制となっていました


防衛省は「きらめき1号」 (DSN-1)の代わりに現行の商用衛星を借り続けることとしており、そのための契約費を確保する方向で調整、現行衛星の契約には、年間 約 100億円を支出しているということでした

「きらめき1号」 (DSN-1)が国の安全保障用の人工衛星にもかかわらず、欧州のローンチ・ヴィークル(launch vehicle)(キャリア・ロケット(carrier rocket))であるアリアン5で打ち上げられる理由は、「きらめき1号」 (DSN-1)は衛星重量が重く、H-IIAの静止軌道打ち上げ能力では、通信衛星の搭載燃料を減らさざるを得なくなり、要求される衛星寿命の15年を満たせないためで、一方、「きらめき2号」 (DSN-2)は、H-IIAの打ち上げ能力でもその軌道上寿命が要求を満足できる為とされています



「きらめき1号」の打ち上げにアリアン5が使用される理由について


H-IIAロケット33号機打ち上げ経過記者会見後ブリーフィングでの質疑応答
鹿児島テレビ
「きらめき」関連はあと2機の打ち上げがあるが、今回「きらめき2号」のみがH-IIAを選んだ理由と、他の打ち上げで選択しなかった理由は何か。
早坂 スカパーJSAT株式会社 執行役員 技術運用部門 衛星技術本部長代行
選択しなかった理由というのは、もう1機のDSN1と呼んでおります「きらめき1号」の方が衛星全体の重量がかなり重いということで、仮にこれをH-IIAで打ち上げると軌道上の寿命の要求値を満足できないということがありました。従いましてそちらの方はアリアン5ということで来年打ち上げる予定です。一方のこちらの「きらめき2号」ですが、重量的にH-IIAで十分に打ち上がって、しかも軌道上寿命が要求を満足できるということですので、それからもちろん経済的な理由もございます。そして今回選ばせていただいたということになります。

宇宙作家クラブ ニュース掲示板 2017年3月20日 21時06分 」 より



Xバンド通信衛星 「きらめき1号」 衛星本体の損傷確認 2016年度中 打ち上げ困難 2016年6月17日


防衛省が、2016年7月12日に Ariane 5 ECAロケットを使って打ち上げを予定していた Xバンド通信衛星 「きらめき1号 (DSN 1)」について、ギアナへの空輸の際発生した、輸送コンテナが変形する事象により、衛星本体への損傷が確認され、2016年度中の打ち上げは困難となった模様です

スカパーJSAT コメント

「スカパーJSATは、子会社である株式会社ディー ・ エス ・ エヌが、防衛省より受注した「Xバンド衛星通信中継機能等の整備 ・ 運営事業」に関連し、同社より衛星調達業務を請け負っております。今般、本事業衛星 1号機を打上場所であるギアナ宇宙センターへ輸送中に、輸送コンテナが変形する事象が発生したことが確認されました。調査の結果、1号機及びそれに相乗りする自社衛星 Superbird-8への損傷も認められたため、今年度中の衛星打ち上げは困難と見込まれます。」


Xバンド通信衛星 「きらめき1号」 防衛省 延期を表明 2016年11月25日


防衛省は、2016年11月25日、2016年7月の打上げを予定していた「きらめき1号」の打ち上げについて、南米ギアナへの輸送時に損傷が発生、事業者による修理等を行っているため、現時点(2016年11月25日)における新たな打上げ予定を、2018年(平成30年)3月から2018年(平成30年)9月と表明しました




次期Xバンド衛星通信網構築について



Xバンド衛星通信網の現状



Xバンド通信は、他の帯域に比べ気象等の影響を受けにくく、確達性の高い安定した通信が可能で、地形等による遮蔽物の影響を受けにくい点で地上間の無線通信に比し有利となります

現状、自衛隊の指揮、統制や情報通信は民間衛星 3機を利用していますが、その民間衛星の運用が 2020年までに終了する為、その後継機として計画、開発され、Xバンド通信衛星 「きらめき1号」が使用するXバンド通信は、高速化や大容量化が可能で、新たに動画や画像送信の機能も加わる予定です


防衛省 ・ 自衛隊は、現在、主として作戦部隊の指揮統制を目的とした衛星通信における基幹通信として、スーパーバード B2号機、同 C2号機、及び、同 D号機の 3機によるXバンド衛星通信システムを運用していますが、このうち B2号機、及び、D号機の 2機が2015年度(平成27年度)中に設計寿命を迎えるため、後継衛星の整備が急務となっています



次期Xバンド衛星通信整備事業のイメージ 現状

次期Xバンド衛星通信整備事業に関する基本的な考え方 」 より




次期Xバンド衛星通信網構想



人工衛星は、打上げ後は改修できないため、設計寿命を迎える2028年(平成40年)頃までの、防衛省 ・ 自衛隊の通信所要を見据え、それを充足できる能力を備えさせる必要があります


次期Xバンド衛星通信網の構築に当たっては、抗たん性に優れた高速大容量通信を可能にするとともに、通信方法や通信器材も含めた通信システム全体の統合を進めていくことが不可欠です

そしてその延長上には、特定の部隊間に限ることなく、自衛隊の全ての部隊が他の全ての部隊のセンサーとなり、対処部隊となって、あたかもひとつの有機体であるかのように機能する態勢の実現も視野に入ってくることとなります


次期Xバンド衛星通信整備事業のイメージ 将来

次期Xバンド衛星通信整備事業に関する基本的な考え方 」 より


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参考情報


防衛省・自衛隊:次期Xバンド衛星通信整備事業
Xバンド防衛通信衛星 - Wikipedia
アリアン5 - Wikipedia
ローンチ・ヴィークル - Wikipedia

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関連記事

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関連記事を下記に紹介します



2018年4月6日

防衛省・自衛隊:Xバンド防衛通信衛星「きらめき1号」の打上げ結果について 防衛省 平成30年4月6日


 Xバンド防衛通信衛星「きらめき1号」については、本日、6時34分(日本時間)に仏領ギアナから打上げられ、ロケットから正常に分離したことが確認されました。
 今後、静止軌道上での性能確認試験を経て、本年7月を目途に運用を開始する予定です。


2018年3月20日

防衛省・自衛隊:Xバンド防衛通信衛星「きらめき1号」打上げについて 防衛省 平成30年3月20日


 平成28年5月に打上げ場所(仏領ギアナ)への輸送時に損傷が発生し、打上げが延期されていたXバンド防衛通信衛星「きらめき1号」については、事業者((株)ディー・エス・エヌ)による修理が完了し、下記のとおり打上げを行うこととなりましたので、お知らせします。

打上げ日時: 平成30年4月6日(金)6時34分(予定)(日本標準時)
打上げ場所: 仏領ギアナ(南米)
打上げ業者: アリアンスペース社(仏)
 なお、「きらめき2号」は、平成29年1月24日に種子島宇宙センターから打上げられ、同年4月1日より運用を開始しています。


2017年3月20日

宇宙作家クラブ ニュース掲示板 2017年3月20日 21時06分


 鹿児島テレビ
 「きらめき」関連はあと2機の打ち上げがあるが、今回「きらめき2号」のみがH-IIAを選んだ理由と、他の打ち上げで選択しなかった理由は何か。
 早坂 スカパーJSAT株式会社 執行役員 技術運用部門 衛星技術本部長代行
 選択しなかった理由というのは、もう1機のDSN1と呼んでおります「きらめき1号」の方が衛星全体の重量がかなり重いということで、仮にこれをH-IIAで打ち上げると軌道上の寿命の要求値を満足できないということがありました。従いましてそちらの方はアリアン5ということで来年打ち上げる予定です。一方のこちらの「きらめき2号」ですが、重量的にH-IIAで十分に打ち上がって、しかも軌道上寿命が要求を満足できるということですので、それからもちろん経済的な理由もございます。そして今回選ばせていただいたということになります。


2016年11月25日

防衛省・自衛隊:Xバンド防衛通信衛星「きらめき2号」打上げについて 防衛省 平成28年11月25日


 防衛省は平成24年度に(株)ディー・エス・エヌ(代表企業:スカパーJSAT(株))と事業契約を行い、製造を行ってきたXバンド防衛通信衛星「きらめき2号」の打上げについて、下記のとおり決定いたしましたので、お知らせいたします。

打上げ予定日 : 平成29年1月24日(火)
打上げ時間帯 : 16時44分~17時58分
打上げ予備期間 : 平成29年1月25日~平成29年2月28日
打上げ場所 : 種子島宇宙センター
打上げ業者 : 三菱重工業(株)(スカパーJSAT(株)からの再委託契約業者)
※上記日時は、日本標準時を記載
なお、本年7月の打上げを予定しておりました「きらめき1号」につきましては、南米ギアナへの輸送時に損傷が発生し、事業者による修理等を行っているため、現時点における新たな打上げ予定を平成30年3月から同年9月としています。


2016年7月19日

防衛省の損傷した通信衛星、18年6月ごろに打ち上げ延期=関係者 ロイター 2016年7月19日 14:26


 輸送中に損傷した恐れがあるとして、防衛省が見合わせていた通信衛星の打ち上げを、2018年6月ごろまで延期する方向で調整していることがわかった。複数の関係者によると、アンテナが変形し、作り直す必要があると判断した。南西方面の防衛に軸足を移す自衛隊は、機動力の向上や陸・海・空の統合運用を進めているが、それを支える通信基盤の整備に遅れが生じる。
 この衛星はXバンドと呼ばれる周波数帯に対応しており、気象の影響を受けにくく、軍事用に適している。防衛省は、これまで商用衛星を借りて同周波数帯の通信を運用。寿命が近づいていることから、高速・大容量化した独自の衛星を2020年度末までに計3機打ち上げる計画を進めてきた。
 今年7月に1号機を軌道上に乗せる予定だったが、打ち上げ地の南米仏領ギアナへ空輸中、気圧差でコンテナが損傷。防衛省は当初、半年程度の打ち上げ延期の可能性があるとしていた。
 しかし、現地で内部を調べたところ、アンテナに変形がみつかった。アンテナを造り直すには試験を含めて1年以上かかることから、現時点では18年6月ごろまで発射を遅らせることを検討している。
 今後、日本に持ち帰って詳しく調べる。打ち上げ時期がさらに遅れたり、逆に早まる可能性もある。防衛省の担当部は「まだ打ち上げ時期を決められる段階ではない。できるだけ早められるようにしたい」としている。


2016年6月17日

防衛省、Xバンド通信衛星「きらめき1号」の年内打ち上げを断念・運搬途中の損傷が確認 MarketNewsline 6/17 17:07


 防衛省が7月12日にAriane 5 ECAロケットを使って打ち上げを予定していたXバンド通信衛星「きらめき1号(DSN 1)」について、ギアナへの空輸の際に衛星本体に損傷が生じ、年内の打ち上げが中止となったことが、衛星の運用事業者となるスカパーJSAT <9412> の発表で明らかとなった。
 スカパーJSATでは、今回生じた問題について、
 スカパーJSATは、子会社である株式会社ディー・エス・エヌが、防衛省より受注した「Xバンド衛星通信中継機能等の整備・運営事業」に関連し、同社より衛星調達業務を請け負っております。今般、本事業衛星1号機を打上場所であるギアナ宇宙センターへ輸送中に、輸送コンテナが変形する事象が発生したことが確認されました。調査の結果、1号機及びそれに相乗りする自社衛星Superbird-8への損傷も認められたため、今年度中の衛星打ち上げは困難と見込まれます。
 とコメントしている。


2016年5月30日

通信衛星:打ち上げ延期も 防衛省発表、損傷の可能性 毎日新聞 2016年5月30日 21時02分


 防衛省は30日、同省が初めて運用する通信衛星の7月13日の打ち上げを延期する可能性があると発表した。衛星を輸送したコンテナが損傷しており、衛星自体も損傷した可能性があるため。日本が今後拡大する安全保障分野の宇宙活用の目玉だが、半年以上遅れる可能性もある。
 衛星はXバンド通信衛星「きらめき1号」。今月26日、民間機で打ち上げ予定地の南米北部フランス領ギアナに運んだが、コンテナ側面に40〜50センチのへこみが見つかった。貨物室とコンテナ内の気圧差が原因とみられる。今後、部品交換のため日本に持ち帰る可能性もある。
 自衛隊の指揮・統制や情報通信は民間衛星3機を利用していたが、運用が2020年までに終了する。Xバンド衛星は特定の周波数を用いるため高速化や大容量化が可能で、新たに動画や画像送信の機能も加わる。


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