群馬サファリパーク 巡回車 女性従業員 クマに襲われ 死亡 過去にも |
群馬サファリパーク 巡回車 女性従業員 クマに襲われ 死亡 2016年8月16日群馬サファリパーク(群馬県富岡市)で、2016年8月16日午後1時10分頃、巡回車で巡回中の女性従業員が、ツキノワクマに襲われ死亡した事故で、安全対策として従業員が乗っていた巡回車(ジープ型の軽乗用車)の車窓に取り付けられていたパイプの防護力が、不十分だった可能性の高いことが明らかになってきました
群馬サファリパークなどによると、巡回の主な仕事は、車の中から動物と客を監視、客が自家用車のドアや窓を開けたりしないよう注意を呼びかける等の他、夕方には動物に窓から餌を投げ与えたりしており、巡回中、車からは降りないものの、異音などに気づけるよう、窓を閉めたまま作業することは難しいということです 襲ったのは放し飼いにされている 5歳のツキノワクマの雄で、体重 約 110キロ、体長 約 1.7メートルで、事故当時、同区域にはクマ 4頭がいて、斎藤清美さん(46)は、軽乗用車の巡回車で、見学客の安全確認などをする業務に1人で当たっていたということです 巡回用の車には、窓から動物に投げ与える麦やトウモロコシなどの餌が常備されており、他の施設関係者からは「えさを狙ったのではないか」と指摘する声も出ていますが、パークの矢島久弥お客様本部長は、「クマには毎日十分な量の餌を与えており、空腹から車両を襲ったとは考えにくい。本当に『なぜ』という気持ちだ」と話しています 安全防護策に統一基準なし同種の施設を運営する姫路セントラルパーク(兵庫県姫路市)では、巡回車に防護パイプをそれぞれ 2本ずつ設置してあり、姫路セントラルパークの担当者は、「1本だと多少の時間稼ぎになるが、防護用として十分とはいえない」とし、異音に気づけるように窓を開けているが、5センチ程度にとどめているということです 富士サファリパーク(静岡県裾野市)では、車の窓に格子状の鉄製の金網が設置してあり、従業員は、群馬の巡回車に防護用のパイプが1本しかなかったことの危険性を指摘、「事故車の映像を見た時は驚いた。当園では考えられない」と話しています 群馬サファリパークは、「窓からえさをやるため、金網だと窓から投げられないし、視界も悪くなる。(防護パイプ1本は)安全性と利便性の妥協点だった」と説明、「専門家の意見も取り入れながら最善策を模索したい」と話しています 巡回車の安全対策については、国等による統一基準はなく、今回の事故では、群馬サファリパーク独自の安全対策が不十分だった可能性が指摘されているものの、国による基準の設定について、ある施設関係者は、「基準がないから事故が起きるのではない」とする慎重意見もあり、環境省は、「事故の原因を把握した上で判断する」としています 環境省によると、サファリ形式の動物園については、「展示動物の飼養、及び、保管に関する基準」で、観客や巡回者の安全確保に必要な措置を講ずるよう求めていますが、詳細な基準はなく、対策はパークによって異なっています 群馬サファリパーク 営業再開 窓に鉄製の格子 再発防止策 県が確認 2016年8月20日群馬サファリパーク(群馬県富岡市)で、2016年8月16日、巡回車で巡回中の女性従業員が、ツキノワクマに襲われ死亡した事故を受け、パーク側が提出していた再発防止策について、2016年8月19日、群馬県は、県動物愛護センターの職員 2人がパークを訪れ、約 3時間にわたって再発防止策の妥当性を確認、群馬サファリパークは、2016年8月20日午前9時半から営業を再開します 群馬サファリパークは、2016年8月18日、巡回車の窓に鉄製の格子を取り付けるなどの再発防止策をまとめ、県に報告していました 群馬サファリパーク 再発防止策
など 1. 事故があった「日本ゾーン」で、巡回車の窓の外側に鉄製の格子を設置今回の事故で、クマに襲われた巡回車には、鉄製のパイプ(直径約 2センチ)が 1本、車窓の真ん中を横切る形で設置されただけだったのに対し、鉄製の格子をつけた巡回車は、事故があった日本ゾーンの他、トラ、ライオンゾーンに各 2台ずつ、計 6台が配置されます 鉄格子は 1マス 5センチ四方で、運転席側と助手席側の両窓に設置、運転者がえさを投げ与えたり良好な視界を保ったりするため、窓の中間には 約 13センチの隙間(すきま)が設けられています 2. 巡回車を常時 2台にするこれまで巡回車は原則 1台で、来場者の混雑時などに限って 2台としていましたが、今後は、各ゾーンの巡回車を常に 2台配置、異常時に迅速に対応できるようになります 今回の事故当時、女性従業員は、巡回車 1台で巡回しており、事故に気づいたのは、午後 1時15分頃、約 20分間隔で運転されている来場者見学バスの運転手で、クマが巡回車に侵入しているのを発見し、「車内にクマがいるのを見た」と別の従業員に連絡、駆け付けた別の従業員がクマを追い払い、女性従業員を管理事務所まで運び、119番通報していますが、その時点で、既に女性従業員に意識はなかったということです 3. ツキノワグマは当面、電柵の中に入れるツキノワクマについては、当面は電柵の中に入れて展示、見学客、従業員の車両に直接触れないようにし、女性従業員を襲ったツキノワクマについて、パークの矢島久弥お客様本部長は、「動物愛護法などに照らし、現時点で殺処分はしない予定だが、放し飼いも当面は行わず、獣舎内で管理する」としており、獣舎の中で飼育されます 4. 従業員の情報共有を夕方の 1回から朝夕の 2回に増やす動物の健康状態などの情報を従業員に周知するため、これまで夕方に 1回開いていた担当者会議を、朝の開園前にも開くとしています 群馬サファリパーク 過去にも 従業員や客が動物に襲われる 死傷事故発生 2016年8月16日群馬サファリパークは、1979年開園、約 36万平方メートルの園内に、約 100種、約 1000頭を飼育、園内を客がマイカーやバスで巡り見学するレジャーランドで、昨年(2015年)は、約 38万人が来場しています 群馬サファリパークでは、クマに襲われてもパイプで車内の安全は確保されるとしていましたが、今回の事故では、クマが押して外してしまったとみられ、群馬県警は巡回体制や安全管理に問題がなかったかなど調べています 群馬サファリパークで起きた 主な事故 履歴群馬サファリパークでは、今回の他、過去にも従業員や客が動物に襲われ死傷する事故が、度々起きています
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