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鶴田ダム ダム 改造方式一覧 既存ダム改造 堤体に穴を開ける


鶴田ダム ダム 改造方式一覧 既存ダム改造 堤体に穴を開ける



豪雨時のダム運用の幅を広げて浸水被害を防ぐ目的で、放流施設、放流能力を増強する手法が採用される例も、最近、増えてきています

その際の放流施設には二つのパターンがあり、一つは、既存の堤体自体に放流用の施設を設置するケースで、もう一つは、既存の堤体をかわすように、ダムの上流から下流に向けてバイパストンネルを構築するケースです


ダムの堤体に放流管を設置している代表的な現場は、鹿児島県内に建つ、1966年に完成した重力式コンクリートダムである鶴田ダムで、全体の工事完成予定 2017年度を目指して、堤体に放流管を設置するための穴を開け、放流管と発電管の合計5本を設ける工事が進んでいます


鶴田ダムの改造工事の現場 2016年2月撮影 鶴田ダムの改造工事の現場
2016年2月撮影

豪雨で脚光浴びるダム改造 日経コンストラクション 2016/06/21 」 より




鶴田ダムの堤体に放流管を増設する工事の概要

鶴田ダムの堤体に放流管を増設する工事の概要

(資料:国土交通省川内川河川事務所)




増設する放流管の のみ口は、堤体天端付近の洪水時最高水位の約 65m下にあり、堤体内の削孔長さは約 60mに及び、増設管としては、日本で一番深くて長いもので、自由断面掘削機を用いて 6~6.4m角の矩形断面を、毎時3m3のペースで堤体の下流面から掘り進めました

既存堤体に穴を開ける工事ですので、増設する管の周辺に発生する引張力が堤体に悪影響を与えるリスクが想定され、工事に際しては FEM 解析の実施や、事前に試験的に穴を開けるなどして、問題なく施工できることを確かめてから進めております


この工事によって、放流管の位置は、既存の位置よりも最大約 25m下がり、鶴田ダムの洪水調節容量は、それまでの約 1.3倍となる 9800万m3まで増加、ダム改造に要する事業費は 711億円となる見通しです




改造 ・ 改良による 既存ダム機能 ・ 有用性向上手法について

新たなダムを建設していくことは、物理的、地理的要因の他に、環境面の問題等もあって、現在の日本国内では、非常に困難なことになってきており、既存のダムを、改造、改良することにより、その機能、有用性を高めていくという手法に注目が集まってきています
経年によるインフラの老朽化が社会的な関心を集めるなか、既存施設をリニューアルして将来も役立てていこうという手法は、社会的理解の獲得という点でも有効です
国が管理するダムを中心に、現在、様々な改造事業が進んでおりますが、ダムの改造は、既存施設を運用しながら工事しなければならないという問題があり、技術的に難度の高い工事となります
その為、一口にダム改造と言っても、その内容、形態には様々な手法が存在、開発されてきています
国交省では、ダムの再開発技術をインフラ海外輸出のツールの一つに位置付けたいとの考えのもと、既に英文パンフレットを作成したり、2国間の防災協働対話などで改造技術のアピールを図ったりしています

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関連記事を下記に紹介します



2016年6月21日

豪雨で脚光浴びるダム改造 日経コンストラクション 2016/06/21


 ダムは「税金の無駄遣い」、「自然破壊」といったレッテルを貼られがちのインフラの代表格と言えるでしょう。構造物を造る箇所は、自然豊かな山間部になりますし、事業期間が長期にわたるので、当初の建設計画と実際に完成に至った時とでは、事業費や利水ニーズなどが大きく変わることが多いからです。
 しかし、ダムの重要性が見直される機運が出始めています。豪雨が多発する半面、降雨が少ない時期が目立ち始めるなど、極端な気象が数多く襲い掛かっているからです。気象庁が示す観測結果では、大雨の観測回数は長期的に上昇トレンドを描いており、今後の予想でも、大雨の発生頻度は増すと見込んでいます。
 豪雨による被害は、ダムだけでは防げません。それでも、ダムが川の流域の安全性を高めている点は、これまで以上に無視できなくなっています。
 このところ、国土交通省はダムの効用を広く伝えようという姿勢を強く打ち出しています。近年の豪雨では、ダムの活用による治水効果を具体的な数字を交えて積極的に公表。その重要性をアピールしています。

豪雨で脚光浴びるダム改造 日経コンストラクション 2016/06/21 」 より


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