那覇空港 とは 概要
那覇空港(Naha Airport)は、沖縄県那覇市に立地、沖縄の玄関口として国内外各地と沖縄とを結ぶ拠点空港であるとともに、沖縄県内離島と沖縄本島を結ぶ沖縄地域のハブ空港としても重要な役割を果たしており、空港法
第4条1項6号に該当する空港として、政令で定める空港に区分される主要空港です
那覇空港 全景 (上) 「 総合的な調査及び構想・施設計画段階のとりまとめ 」
(下) 「 日本の空の南玄関 那覇空港 2013年 」 より
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所在地 |
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沖縄県那覇市字鏡水 |
運営者 |
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国土交通大臣 |
運用時間 |
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24時間 |
標高 |
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4 m (13.1 ft) |
座標 |
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北緯26度12分20秒
東経127度39分03秒 |
滑走路 |
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方向 |
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長さ x 幅 (m) |
18/36 |
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3,000m x 45m |
那覇空港を含む施設は、太平洋戦争後のアメリカ軍占領下を経て、那覇飛行場(Naha Airfield) となり、返還後は、航空自衛隊と民間との共用空港として運用、航空自衛隊那覇基地(JASDF
Naha Air Base) 管理下の施設では、各官公庁の航空諸施設が併設されており、基地の総面積は 約 212万m²(64万坪)となっています
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那覇空港 年間発着回数 着陸回数は 10年前の 1.4倍 右肩上がり 進む過密運用
国土交通省大阪航空局によると、2016年度の民間機のほか自衛隊機も含めた那覇空港(沖縄県那覇市)への着陸回数が、前年度比 5.7%増の 8万3189回(速報値)となり、年間
8万回台に突入しました
那覇空港の着陸回数は右肩上がりで増加しており、滑走路の使用状況は、10年前(2006年)の 5万9409回に比べ 1.4倍になっています
離陸も含めた離着陸回数としては、年間 16万6千回以上となり、那覇空港の 1本滑走路で航空機が円滑に発着できる能力(滑走路処理容量)とされる年間
13万5千回を上回る過密運用が進んでいます
滑走路 2本への増設前の那覇空港は、滑走路 1本の空港として福岡空港に次いで過密で、2020年3月末の供用開始を目指して第2滑走路の建設が進められていました
2本目の滑走路が完成した後の滑走路処理容量でも、年間 18万5千回(回転翼機、深夜発着機は含まず)と試算されており、現状の離着陸回数の 1.11倍にとどまる為、さらなる発着増への対策として、経済界からは旅客ターミナルの新設移転を求める声が上がっています
国内主要空港の年間発着回数 (単位:万回) (2013年度)
「 福岡空港滑走路増設に係る環境影響評価書(要約書) 」 より
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那覇空港は、国内主要空港の年間発着回数では 4位で、滑走路 2本への増設前、滑走路 1本の空港としては、滑走路増設事業の進む福岡空港に次いで、2位となっています
利用者数でも、国内主要空港で、東京国際空港(羽田空港)、成田国際空港、新千歳空港、福岡空港、関西国際空港に次いで、那覇空港は 第
6位(2013年度、うち国内線旅客数では 第 4位)となっています
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那覇空港 路線網と便数 (2013年2月現在)
那覇空港 ANA国際物流ハブ 土曜運航休止 青島 アモイ運休 収益改善 2017年8月23日
全日本空輸(ANA)は、2017年8月23日、那覇空港を拠点とする国際物流ハブ事業で、貨物取り扱い量の少ない土曜深夜に運航する 計 20便を
2017年10月29日から休止すると発表、未明の時間帯に那覇空港に貨物専用機を集めるハブ路線は、月~金曜の平日運航となります
また、米国向けの貨物が多い中国 青島(チンタオ)、アモイの 2空港は 週 10便の那覇路線を運休し、成田空港経由とし、那覇空港の貨物便は、週
28便の減便、ANAは路線の改編で国際貨物事業の収益の改善を図るとしています
那覇空港は、アジアの主要都市を 4時間圏内に多く含み、24時間運用が可能でダイヤの自由度が高いことなどから、夕方以降に集めた貨物を翌朝までに目的地へ届けられる高速輸送が強みとなっており、国際物流ハブ事業は、現在、国内線
4空港、国際線 9空港に路線を展開、週 6日で 120便を運航していますが、多くの企業では、日曜は休みの為、土曜に集めた荷物を日曜朝までに高速で輸送するメリットがあまりなく、貨物量が平日と比べて少ないことから、土曜は運休することになりました
また、青島、アモイを結ぶ路線については、沖縄から出る貨物の量が少ない上、那覇空港からさらに成田や羽田を経由して米国に向かう貨物が多数を占めるなど、那覇を経由する必要性が低く、輸送効率が悪い為、青島、アモイと成田を結ぶ路線を増便して、ANAの貨物事業全体の効率化を図っていきます
那覇空港は、2009年に ANAの物流ハブ事業が始まったことで貨物取扱量が大きく増え、2016年の国際貨物取扱量は 17万6千トンと、成田、関空、羽田に続く、国内
4番目の空港となっていますが、沖縄の発着貨物量が当初の想定を下回るなど、事業の黒字化には至っていません
ハブ事業を運営するANAカーゴは、「沖縄が国内やアジアの主要都市を結ぶ重要な拠点であることには変わりはない」として、那覇空港のハブ機能は引き続き維持・強化していく方針を表明しています |
那覇空港 滑走路増設事業 全長 2700m 第2滑走路増設 2020年3月26日 供用開始
那覇空港は、旅客需要増による容量の限界が近づいている上、航空自衛隊との共用空港であるため、近年急速に活発化している東シナ海での中国軍機の動向に対応して、航空自衛隊戦闘機のスクランブル発進も増加しており、他県との陸上交通手段を持たない沖縄県の交通事情として、那覇空港の滑走路増設事業は急務のこととなっています
那覇空港 第 2増設滑走路 完成イメージ図
「 那覇空港プロジェクト―那覇空港の概要 」 より
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増設滑走路は既存滑走路との間隔 1,310m のオープンパラレル、長さ 2,700m、公有水面の埋立て 約 160haの計画で、総事業費は 1,816億円を予定しています
対応できる航空機として、航空機コード : コードF(翼幅65m以上80m未満)を満たし、2016年9月20ひ現在、世界最大の旅客機、A-380-800型旅客機
: 全幅79.75m、全長72.73m、全高24.40mも利用可能です |
国土交通省は、2008年1月25日までに、正式に滑走路の増設の方針を固め、2012年9月に滑走路増設事業の環境影響評価準備書が提出、2014年1月着工、2014年3月1日起工式、5年後の
2019年12月に完成予定、2020年3月末の供用開始を目指していました
「 那覇空港プロジェクト―那覇空港の概要 」 より
滑走路増設工事の手順と概要 (写真:内閣府沖縄総合事務局)
「 那覇空港プロジェクト―那覇空港の概要 」 より
那覇空港 滑走路増設 施設計画図(案)
「 参考資料1 那覇空港滑走路増設案に関する施設計画段階レポート 」 より
構想段階で選定された滑走路増設案、及び、現ターミナル地域整備基本計画図
「 参考資料1 那覇空港滑走路増設案に関する施設計画段階レポート 」 より
概算事業費 |
約 1,900億円 |
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増設滑走路及び連絡誘導路 |
1式 |
約 1,800億円 |
管理施設 |
1式 |
約 100億円 |
那覇空港 増設滑走路 誘導路 離着陸地域構成断面 基本諸元
滑走路と平行誘導路の間隔 |
190m |
平行誘導路 |
幅 |
30m |
誘導路帯(誘導路中心より) |
55m |
取付誘導路 |
末端 |
幅 |
32m |
中間 |
幅 |
34m |
高速脱出誘導路 |
大型・中型ジェット機用 |
滑走路端から |
1,800m |
小型ジェット機用 |
滑走路端から |
1,500m |
「 参考資料1 那覇空港滑走路増設案に関する施設計画段階レポート 」 より
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那覇空港 連絡誘導路配置 連絡誘導路構成断面
誘導路と誘導路の間隔 |
95m |
連絡誘導路 |
幅 |
30m |
誘導路帯(誘導路中心より) |
55m |
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現滑走路と増設滑走路の間を結ぶ連絡誘導路の配置計画にあたっては、西側施設に影響を与えない範囲で、地上走行性に配慮した増設滑走路の末端取付誘導路と接続すると共に、現ターミナル地域との円滑な接続も確保する必要があることから、第1エプロン誘導経路の延長線上の位置となります
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「 参考資料1 那覇空港滑走路増設案に関する施設計画段階レポート 」 より
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那覇空港 離着陸地域及び連絡誘導路 施設配置画
那覇空港 ターミナル地域計画
那覇空港のターミナル地域については、航空需要の増加による施設の狭隘化や老朽化への対応と、アジア ・ ゲートウェイ構想に対応した国際物流拠点形成を基本方針として、2008年(平成20年)10月31日に「那覇空港ターミナル地域整備基本計画」(現基本計画)が策定され、現在整備を進めています
現状
地区名 |
主要施設規模 |
用地面積 |
エプロン |
コードE用 |
13スポット |
487,700㎡ |
コードD用 |
17スポット |
コードC用 |
10スポット |
プロペラ用 |
8スポット |
旅客地区 |
GSE置場 |
18,000㎡ |
貨物地区 |
GSE置場 |
18,000㎡ |
旅客ターミナル地区 |
国内ビル |
54,400㎡ |
61,900㎡ |
国際ビル |
7,500㎡ |
駐車場 |
|
4,270台 |
116,500㎡ |
貨物ターミナル地区 |
航空会社上屋、代理店棟 |
38,400㎡ |
60,000㎡ |
給油施設地区 |
燃料タンク |
4,000kl×2基 |
16,700㎡ |
3,400kl×3基 |
管理施設地区 |
庁舎等 |
|
10,000㎡ |
整備地区 |
整備施設 |
|
50,000㎡ |
小型機施設 |
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12,700㎡ |
※.民間施設の規模は、参考値 |
計画
地区名 |
主要施設規模 |
用地面積 |
エプロン |
コードE用 |
13スポット |
487,700㎡ |
コードD用 |
17スポット |
コードC用 |
10スポット |
プロペラ用 |
8スポット |
旅客地区 |
GSE置場 |
19,000㎡ |
貨物地区 |
GSE置場 |
20,000㎡ |
旅客ターミナル地区 |
国内ビル |
59,900㎡ |
71,500㎡ |
国際ビル |
11,600㎡ |
駐車場 |
|
4,790台 |
131,000㎡ |
貨物ターミナル地区 |
航空会社上屋、代理店棟 |
38,400㎡ |
60,000㎡ |
給油施設地区 |
燃料タンク |
4,000kl×2基 |
16,700㎡ |
3,400kl×3基 |
管理施設地区 |
庁舎等 |
|
10,000㎡ |
整備地区 |
整備施設 |
|
50,000㎡ |
小型機施設 |
|
12,700㎡ |
※.民間施設の規模は、参考値 |
「 参考資料1 那覇空港滑走路増設案に関する施設計画段階レポート 」 より
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那覇空港 国内線と国際線ビル連結 2019年3月18日供用開始 時事通信
那覇空港(那覇市)の国内線と国際線を連結するターミナル施設の落成式が13日、同空港で開かれ、国や県などから関係者約600人が参加した。18日から供用開始する。
那覇空港ビルディングの兼島規社長は「観光を中心とする沖縄経済を支える要であることを十分認識して、利便性と快適性の向上に向けて取り組む」と述べた。
新ターミナルは地上5階建てで、2017年1月に着工し、今年2月に完成した。別々だった国内線、国際線ビルを連結することで、利用者の移動環境を整備した。国際線や格安航空会社(LCC)のチェックインカウンターを移転増設するほか、飲食店など36店舗がオープンする。
県によると、17年度に沖縄県を訪れた観光客は過去最高の約957万人を記録。同空港では、第2滑走路の増設事業も進められており、2020年3月に供用開始される予定。 |
航空機コード
航空機コードは、「国際民間航空条約第14付属書 飛行場 第Ⅰ巻」の飛行場基準コードの文字のことで、航空機の翼幅、外側主脚車輪轍間距離により次表のように区分されています
※1. |
施設の利用を予定している航空機の最大翼幅または外側主脚車輪轍間距離に対する分類であり、この分類によって航空機コードが異なる場合は上位の航空機コードとなります
2017年2月25日現在、世界最大の旅客機は、エアバス社の「A380-800」で、コードFに分類されています |
※2. |
主脚車輪の外縁間の距離 |
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