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三菱スペースジェット (旧MRJ) 米トランス・ステーツ 100機 キャンセル


三菱スペースジェット (旧MRJ) 米トランス・ステーツ 100機 キャンセル



三菱スペースジェット (旧MRJ) 2016年3月に実施された飛行試験の様子

三菱スペースジェット (旧MRJ) 2016年3月に実施された飛行試験の様子
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三菱重工業傘下の三菱航空機は、2019年10月31日、地域航空会社3社を持つ米トランス・ステーツ・ホールディングス(TSH)が「三菱スペースジェット(旧MRJ)」を最大100機購入する契約を、米国の労使協定「スコープ・クローズ」を現行機では満たせないため解消したと発表しました

三菱航空機とTSHは、10年前の2009年10月に確定発注50機とオプション(仮契約)50機の最大100機を購入する覚書(MoU)を締結、2010年末に正式契約を結んでいます


当時のMRJはメーカー標準座席数が88席の「MRJ90」と、76席の「MRJ70」の2機種構成で、TSHはMRJ90を発注していました

両社が契約を締結した時点では、リージョナル機の座席数や最大離陸重量を制限する米国の労使協定「スコープ・クローズ」が将来緩和され、MRJ90が引き渡されるころには米国の地域航空会社も運航できることを想定していましたが、協定は現時点でも緩和されておらず、三菱航空機が協定をクリアする機体を製造できていないことから、契約解消に至りました


一方、三菱航空機はスコープ・クローズが当面緩和される見込みがないことから、米国市場に最適化した機体サイズの70席クラス機「SpaceJet M100」を今年6月に発表、 同時に名称も従来の「MRJ(三菱リージョナルジェット)」から「三菱スペースジェット(Mitsubishi SpaceJet)」に、従来のMRJ90を「SpaceJet M90」に改め、これにより、三菱航空機の機体はM90とM100の2機種になっています

M100はM90をベースに開発する機体で、座席数は 3クラス65-76席、最大1クラス88席まで設定できます


M100の市場投入は、M90が 2020年中ごろに初号機を引き渡せた場合、2023年になる見込みで、三菱航空機では、「TSHとM100の発注に関する協議も続けていけることを期待している」とコメントしています

また、TSHへの違約金などの支払いについては、同日、「前受金の返還などはある」とした上で、違約金は発生しないとし、三菱航空機では、「TSHの解約は納期などの問題はあるが、サドンデスと理解していない。いったん解消して、もっと魅力的なお話ができれば」と語り、M100を売り込む姿勢を示しました


TSHの契約解消により、スペースジェットの受注は最大287機となり、内訳は確定受注が163機、オプションと購入権が124機となりました

このほかに、スウェーデンのリース会社ロックトンと、最大20機(確定10機、オプション10機)発注する契約締結に向け、2016年7月に開かれたファンボロー航空ショーで基本合意(LoI)を結んでおり、また、2019年6月に開かれたパリ航空ショーで、北米顧客と15機のM100導入に向けて覚書を締結、2019年9月5日には、米国のメサ航空(ASH/YV)がM100を最大100機購入する覚書を結んでいます

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関連情報サイト


三菱航空機 MRJ 特設サイト
リージョナルジェット - Wikipedia
MRJ - Wikipedia

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関連記事を下記に紹介します



2019年10月31日

三菱スペースジェット、100機キャンセル 米トランスステーツ分 Aviation Wire 2019年10月31日 19:40


 三菱重工業(7011)傘下の三菱航空機は10月31日、地域航空会社3社を持つ米トランス・ステーツ・ホールディングス(TSH)が「三菱スペースジェット(旧MRJ)」を最大100機購入する契約を解消したと発表した。米国の労使協定「スコープ・クローズ」を現行機では満たせないため。
 トランス・ステーツ・ホールディングスがキャンセルした三菱スペースジェット=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
 三菱航空機とTSHは、10年前の2009年10月に確定発注50機とオプション(仮契約)50機の最大100機を購入する覚書(MoU)を締結。2010年末に正式契約を結んだ。当時のMRJはメーカー標準座席数が88席の「MRJ90」と、76席の「MRJ70」の2機種構成で、TSHはMRJ90を発注していた。
 両社が契約を締結した時点では、リージョナル機の座席数や最大離陸重量を制限する米国の労使協定「スコープ・クローズ」が将来緩和され、MRJ90が引き渡されるころには米国の地域航空会社も運航できることを想定していた。しかし、協定は現時点でも緩和されておらず、三菱航空機が協定をクリアする機体を製造できていないことから、契約解消に至った。


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