神戸空港 (マリンエア) 民営化 関西エアと契約 三空港一体運営実現 |
神戸空港 とは 概要神戸空港(こうべくうこう Kobe Airport)は、兵庫県神戸市中央区神戸空港(町名も「神戸空港」)に位置する地方管理空港、愛称は「マリンエア」、近隣の関西国際空港、大阪国際空港(伊丹空港)とともに関西三空港のひとつを担う海上空港で、海上都市ポートアイランド沖 約 1kmの人工島とともに建設され、2006年2月16日に開港しました
神戸空港は、旭川空港、帯広空港に次いで、国内 3番目の市営空港で、第三種空港としては初めて建設から運営までを神戸市が手がけており、空港島の造成や連絡橋(神戸スカイブリッジ)等を含めた建設費 3140億円のうち 90%以上を神戸市が拠出しています 空港 3レターコードは、元々神戸が持っていた都市コードと同じ UKBで、運賃取扱上は大阪と同一とみなされる為、都市コードの大阪 OSAには、大阪国際 ITM、関西国際 KIX、神戸 UKBの3空港があります 神戸空港 航路との関係神戸空港は神戸港の入口にある海上空港であるために、航空法の制限表面の規制は建物や錨泊船など固定物に対する規制であって、移動中の船舶に対する規制ではありませんが、航路通行船舶との干渉が大きな問題となります 神戸港の入口にある神戸空港 (写真中央左端にある人工島) 「 神戸空港 - Wikipedia 」 より 神戸空港の建設にあたっては、航空法の建築物に対する規制をそのまま船舶に援用、想定する大きさの船のマストの高さがこの規制にかからないよう航路設定等を行っており、空港に近い旧神戸第 2航路を廃止、旧第 1航路を拡幅の上で神戸西航路に変更、神戸第 3航路(=現神戸中央航路)とは滑走路端から 3,000m程度離すなどの対策が実施されました 航路から滑走路までの海域では、進入表面にマストがかからないよう安全情報が提供され、船舶が留意して走行することになっていますが、特段の航行禁止措置等は行っておらず、航路を逸脱した船舶には注意喚起が行われるものの、制限表面を超えるマスト高の船舶が進入し、かつ、航空機が危険と判断する場合は、航空機が避けるものと整理 ・ 解釈されています ただし、進入表面などは余裕をもって設定されており、たとえば ILS(3度)で進入する場合、滑走路端から 3km離れた地点での飛行機の高度は 150mですが、この時の進入表面は高さ 60mで、船舶が制限表面内に進入してきた場合ただちに危険な状態に陥るわけではありません 神戸空港では、航空法の固定物の制限(傾き 2%)をそのまま船舶に適用して航路設定等を行っていますが、神戸空港より条件の厳しい羽田空港の D滑走路では、移動物の ICAO標準(傾き 2.85%)に従うことで、航路が近接している状況での滑走路の新設を可能としています 神戸空港島と神戸中央航路の距離は 約 2700m、羽田D滑走路と東京第一航路は 約 1700mです 神戸空港 航空需要神戸空港の年間の航空機発着回数は 約 3万回、航空旅客数は 約 250万人で、それぞれ地方管理空港の中では 第 1位(全空港の中では 第 16位)となっています 定期便は国内線のみですが、定期乗り入れ航空会社以外のチャーター便やビジネスジェットの乗り入れも行われており、その際に国際線の運用が行われることもあります 神戸空港は、24時間運用可能な海上空港として建設されましたが、国土交通省より運用時間 7:00~22:00、定期国際線の就航不可、便数 1日 30往復までと規制されています 関西国際空港の建設地を決める際、国は、当初神戸市沖を打診しましたが、騒音問題を理由に当時の市長が拒否、1974年に泉州沖に決まりましたが、980年代に入って、神戸市は 1独自に空港建設を進めた為、大阪府や関空周辺自治体が反発、神戸開港前の 2005年、大阪府や神戸市などが参加した会議で現在の規制が決まり、2006年2月16日の開港以来、10年以上規制が続いています 神戸空港では、年々発着回数が増加傾向にあり、既に発着枠上限の 30便体制の運航となっており、座席利用率は神戸-札幌便で 71.2% で、全国の発着便の中で 第 18位の利用率をあげていることから、規制緩和の声が強まっている一方、2012年より LCCとの競争激化で旅客数は伸び悩んでおり、予測との乖離も指摘されています 着陸料は、座席数 300席弱の航空機で 1回 14万円程となっており、大阪国際空港の半分、東京国際空港(羽田空港)、中部国際空港の 3分の2となっています 神戸空港 交通アクセス神戸空港は、大阪の西 26km、神戸市中心部三宮の南 8km、ポートアイランドの南沖に位置し、ポートアイランドとは神戸空港島連絡橋(神戸スカイブリッジ、無料、道路(歩道併設)とポートライナーの併用橋)でつながり、三宮市街地から 約 7km、約15分の位置にあり、アクセスに優れた利便性の高い空港となっています 神戸空港開港に合わせて、ポートライナーが延伸され、三宮駅から最速 16分半、ポートアイランド中心部みなとじま駅から 9分で結ばれており、神戸空港駅から空港ターミナルビルまでは 10m足らずの連絡通路で直結されています 神戸空港駅よりポートライナーで 4分のスーパーコンピュータ「京」、6分の神戸医療産業都市、8分の神戸コンベンションコンプレックスなどでは「日本一空港に近い」ことをうたっており、都心部に近い空港であることをうかがわせます 神戸空港と関西国際空港との間は、高速艇「神戸-関空ベイ・シャトル」により 約 30分で結ばれており、将来的には、阪神高速5号湾岸線もポートアイランドまで延伸する予定となっています 神戸空港 空港ターミナルビル
神戸空港 空港島神戸空港の主要施設は、ポートアイランドの南沖 約 1km に位置する空港島(人工島)にあり、町名も空港島全域が「神戸空港」となっています 総面積 : 271.6ha(うち空港施設用地 156.5ha、空港関連用地 115.1ha) 埋立工期 : 1999年(平成11年)9月 ~ 2013年(平成25年)12月24日 空港島の埋立、建設の再、大阪湾断層(海底活断層)があることが確認されたことを受け、液状化対策を兼ねてグラベル・コンパクション工法が採用され、また、市内で発生する建設残土や浚渫した底泥(ヘドロ)を空港島で受け入れ、陸や海の環境改善が図られています 神戸空港 空港島 島西緑地神戸空港 空港島の西側には、水質浄化のための実験場と市民が親水できる空間を兼ね、海水が出入りすることができる浅い海水池(人工ラグーン)と、それを取り巻く砂浜や磯浜を設けて親水公園として整備された島西緑地があります 潮の干満で海水を調整して多様な生物が生息することで水質浄化も期待できる他、2006年9月16日から暫定供用中の公園では、滑走路に隣接して飛行機の離着陸を間近に見学できる格好の場所となっています 神戸空港 空港島 土地利用 売却計画神戸空港 空港島の土地は、滑走路やエプロン、管制塔などの空港施設部分を除いて、すべて売却する方針で、価格は 概ね 1平方メートル当たり 27万円とされますが、旅客ターミナルや駐車場、貨物ターミナル、海上アクセスターミナルのいずれも土地を購入せず、賃貸で営業しています 土地売却を促進するため、工費軽減で浮いた 100億円の範囲において、定価の 3割引から 5割引で処分するという優遇策を 2007年度から実施中ですが、開港から 10年が経過した 2016年2月時点でも、売却 ・ 賃貸された土地は、分譲地全体の 13%にとどまっています その一方、ポートアイランド第二期では、空港開港直後より企業進出が急増、ほぼ空き地であった土地が2016年2月現在では、ポートライナー沿線を中心に 300社を超える企業が誘致され、スーパーコンピュータ「京」やポスト京に当たるエクサ級コンピュータなどが誘致されるきっかけともなっています 2016年10月29費現在までに売却 あるいは 売却予定の土地
神戸空港 管制 運用神戸空港では、半径 25 kmの範囲で存在する関西国際空港、大阪国際空港(伊丹空港)、神戸空港、八尾空港の 4空港で、標準計器到着方式や標準計器出発方式、計器進入方式などの飛行経路が接近しているため、国土交通省関西空港事務所において進入 ・ ターミナルレーダー管制が一元的に行われています 関西国際空港事務所のターミナル ・ レーダー管制室に、サテライト空港席として、神戸空港離着陸機を主に取り扱う管制卓がおかれて、関西国際空港便などと神戸空港便との間のスムーズな管制の調整が行われています 神戸空港の運用は、多少の追い風となっても、着陸は東向き、離陸は西向きが基本で、IFRの飛行経路は、明石海峡側に離着陸するように設定されており、滑走路 27から西向きに離陸する場合はそのまま明石海峡上空の MAIKOポイントへと向かい、滑走路 09から東向きに離陸する場合は、離陸後に 約 180度右旋回して MAIKOポイントへ向かいます IFRでの着陸も、明石海峡から進入し、東風の場合にはそのまま滑走路 09に降り、西風の強い場合は空港南側を通り六甲沖あたりで 180度旋回するサークリングアプローチで滑走路 27に着陸します 神戸空港は、南北方向の風の影響を受けやすく、同じく東西方向にそびえる六甲山を越えて吹く風により揺れることがありますが、近傍の大規模空港に比べ、規模が小さいため、ブロックアウトから離陸までのタクシング時間が 5分少々と短くて済む利点があり、また、開港後の定時運航率は、全国平均並となっています 神戸空港 (マリンエア) 民営化 関西エアと契約 三空港一体運営実現 2018年4月1日
神戸空港 (マリンエア)を巡っては、神戸市が運営権売却(コンセッション)を実施、2017年9月26日、関西国際空港(関空)と大阪国際空港(伊丹)を運営するオリックス陣営でつくる企業連合「関西エアポート神戸」と、神戸空港 (マリンエア) の運営権売却(コンセッション)に関する契約を締結、2018~2059年度(42年間)の運営権対価 191億4000万円で売却、2017年9月、「関西エアポート神戸」に運営を移管する契約が締結されていました 運営権売却で神戸市は 3空港一体運営を前提としており、関西エアポートと大株主のオリックス、バンシ ・ エアポート(フランス)の 3社連合が有力視されていましたので、最有力候補の関西エアポート社が応札することで、空港を運営する神戸市がめざす関空、伊丹空港との「 三空港一体運用」が実現しました 関西エアポート、オリックス、バンシ ・ エアポート(フランス)の 3社連合は、プロジェクトチームを立ち上げ、運営態勢や空港の活性化方策などの提案内容を検討する予定です 神戸空港は 2500メートルの滑走路 1本を備える海上空港ですが、便数や利用時間が制限されている事もあって利用者数は低迷、経営は 7年連続、実質的な赤字となっています 神戸空港は、地元自治体や財界でつくる「関西 3空港懇談会」の合意で、国際線が認められておらず、運営時間が午前7時~午後10時、発着が 1日60回までに規制されていますが、航空需要の高まりなどを受け、規制緩和を求める機運も高まっており、今年中にも懇談会が開かれる見通しです 関西エアポート神戸 とは関西エアポート神戸は、仏空港運営大手のバンシ・エアポートとオリックスの共同出資会社である関西エアポートの100%子会社で、神戸空港 (マリンエア) の運営権を191億4000万円で取得、42年間運営します 関西エアポート とは関西エアポートは、オリックスとバンシ・エアポートの企業連合が設立、2016年4月、大型空港の民営化第1号として運営を開始した新関西国際空港(新関空)とともに、伊丹空港を連係して運営、新関空は、関西エアポートから44年間にわたり、年間 490億円、総額 2兆2000億円の運営権料を受け取り、巨額負債の返済に充てます 関西エアポートの最初の1年(2016年4月~2017年3月)の売上高は 1802億円、最終利益 169億円で、格安航空会社(LCC)の増便で訪日観光客が増えたことも寄与して、売上高は以前の経営体の時に比べ、3%増えており、空港民営化ビジネスはまずまずの滑り出しとなっています |
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