福岡空港 全長2500mの第2滑走路増設 2024年度完成予定 |
福岡空港 とは 概要福岡空港(ふくおかくうこう Fukuoka Airport)は、福岡県福岡市博多区大字下臼井にある空港で、空港法では政令で定める空港に区分、福岡市街地から至近距離に位置しており、アクセスに優れ、利便性の高い空港となっています 福岡市地下鉄空港線が国内線ターミナル直下に乗り入れ、市街中心地のひとつである天神駅まで約 11分で結んでいるほか、福岡都市高速のランプも至近に所在、九州自動車道太宰府インターチェンジへは、所要時間 15~20分程度です |
「 空港計画課ホームページ - 福岡県庁ホームページ 」 より |
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滑走路は、方位 16/34、長さ 2,800m x 幅 60m の 1本で、両側とも計器着陸装置 (ILS) 装備、多少の追い風が吹いても、滑走路16の使用を基本(玄界灘側からの着陸、太宰府側への離陸)とする「航空機騒音軽減運航(優先滑走路方式)」を採用しています 滑走路 34を使用(太宰府側からの着陸、玄界灘側への離陸)する場合は、福岡市中心部の上空を低空で飛行する「視認進入(ビジュアル ・ アプローチ)」が行われることが多く、ILS進入は天候が悪い場合などに使用されます 福岡空港の敷地面積は、353万m2 で、その内、国有地は 229万m2 、残りの 124万m2 は 民有地 または 福岡市の市有地となっています 福岡空港 全長2500mの第2滑走路増設 2024年度完成予定福岡空港の現滑走路(2800メートル)の西側に 2本目となる 2500メートルの滑走路を増設、10年後の2024年度の運用開始を目指す方針が、2015年1月4日、決定され、2015年度予算案に調査費や設計費を計上、国土交通省では、2016夏以降に増設工事に着手する考えで、2016年1月20日、航空法に基づき福岡空港の滑走路増設を告示、事業計画を正式決定しました
福岡空港では、航空機が滑走路に向かう誘導路の複線化工事も進んでおり、新滑走路が完成すれば、定時発着が可能な「処理容量」は、現行の年 16万4000回から、年 18万8000回となるということで、慢性化している過密状態の緩和が期待されています 滑走路増設の総事業費は 1643億円とされ、国は国負担分の一部を空港運営権の民間売却益でまかなう方針で、民間委託事業の実施素案を2016年度の早い時期にまとめ、応札に意欲を示している企業などの意向を調査、その後、入札などの手続きを経て、2019年度から運営権を委託する見込みです
尚、同程度の発着回数で滑走路 1本の那覇空港では、オープンパラレルでの滑走路増設事業が進行しています 福岡空港は、円滑に定時運航できる年間発着回数16.4万回の処理能力を超えている為、ピーク時間帯には複数の旅客機が誘導路の上で待機、日常的に離着陸の遅れが生じており、さらに国内外の航空会社から就航したいとの希望が寄せられ、今後も利用客の増加が見込まれています 計画では、現在の滑走路(2800メートル)の西側に新たな滑走路(2500メートル)を増設、用地の狭さから、滑走路中心線間隔 210m のクローズドパラレルとなりますが、新たに着陸帯や誘導路なども整備し、年間発着回数18.8万回離まで増やせる予定です 空港の整備費用は、総額約1840億円で、このうち地方自治体と民間の負担分を除いた約1200億円について、空港の運営権を民間企業に売却した資金、約200億円を充てる方針で、地元自治体は運営権売却を容認する意向を示しています 2015年度は、福岡県4800万円、福岡市3200万円の地元負担分を含め総事業費4億8000万円が予算計上する予定で、環境影響評価を2015年秋にも終え、2015年末にも増設地の埋蔵文化財調査や無線施設などの設計に着手する見通しです 福岡空港 国内線旅客ターミナルビルを集約 地下鉄駅から直結 2019年3月28日
このため国土交通省は、駐機場と滑走路をつなぐ誘導路の複線化による混雑緩和を計画していますが、誘導路を新設するに為には、一部が滑走路側にせり出している国内線のターミナルビルの改修が必要となりました もともと国内線のターミナルビルは、1969年の第1ターミナルビル完成後、利用客の増加に伴い、1974年と1981年に、それぞれ、第2、第3ターミナルビルを増設した為、第1ビルから第3ビルまで、徒歩で10~15分程度かかる、横に長く複雑な構造となり、利用する航空会社や行き先によってビルが異なるという不便な状態となっていました さらに老朽化の問題もあった為、福岡県や福岡市、九州電力が出資する福岡空港ビルディングでは、約346億円をかけて再整備することになり、2015年7月着工、駐車場の新築工事や第2、第3ビルの改修工事が進んでいます 新旅客ターミナルビルは、第 1と第 2ターミナルビルの一部を取り壊し、第3ビルを改修して、地上 5階、地下 2階の一つのビルに集約、ビル毎に分かれていた出発口、到着口も集約し、1階に航空会社のカウンター、2階に出発口、3階に到着口をまとめる計画で、2016年10月4日、第 1ターミナルビルが閉館しました 新旅客ターミナルビルは、延べ床面積が、現在の約11万平方メートルから約12.6万平方メートルに広がる予定で、店舗面積は 3割程度の増加、緑の多い展望デッキを含めた公園を新設するほか、地下鉄駅から航空会社カウンターや出発口に直通のエスカレーターやエレベーターを整備されます 2019年度に、誘導路が増設されれば年17万回の離着陸が可能に、さらに、2024年度完成予定の新滑走路(第2滑走路)は増設されれば、18万8000~21万1000回まで、拡大する予定です 福岡空港 民営化 福岡エアポートホールディングス 2019年4月1日福岡空港が2019年4月1日、完全民営化、滑走路と旅客ターミナルビルを一体運営する九州電力や西日本鉄道など地場企業でつくられた特別目的会社「福岡国際空港(FIAC)」は「東アジアに加え、欧米豪の新規路線誘致を進め、国際線ネットワークを拡充する」と意欲を示しています 福岡空港では 2019年3月、福岡市地下鉄「福岡空港」駅の改札口(地下 2階)付近と国内線出発ロビー(地上2階)などを直通のエスカレーターで結ぶアクセスホールの利用が始まっており、改札口から出発ロビーへの所要時間は 約 3分と従来の 3分の1に短縮、利便性を高めており、また、FIACは、国際線の出国審査後のエリア2カ所に免税店を新たにオープンするとしています また、福岡空港では国内線と国際線のターミナル間のアクセス改善が課題とされており、FIACは今後、連絡バスの専用道を整備、現在 10~15かかる移動時間を 5分以内に短縮する計画を掲げています 国土交通省は、2016年7月22日、福岡空港にコンセッション(運営権売却)方式を導入し、2019年4月をめどに民間会社による運営を始めると発表、事業期間は30年間(不可抗力等による延長含めて最長35年間)で、民間会社は滑走路とターミナルビルなどを一体で運営、着陸料や商業収入、貨物の取扱手数料などを得る一方、運営権対価を国に支払います 国土交通省は、2018年5月16日、福岡空港の運営の民営委託に向けた審査委員会において、応募者の第2次審査を行い、福岡エアポートホールディングス(HD)※を優先交渉権者に選定したと発表、今後、基本協定と実施契約の締結などを経て、福岡エアポートHDが運営権者となります ※.福岡エアポートホールディングス(HD)は、西日本鉄道、三菱商事、九州電力、チャンギ国際空港グループも参加する企業グループです 国は運営権の売却収入などを財源として、現在は1本しかない滑走路を増設する計画を進めており、新滑走路の完成は25年3月の予定で、完成後は民間会社(福岡エアポートHD)が既存の滑走路とともに運営を担うことになります また、福岡空港の敷地面積 353万m2の内 229万m2は国有地ですが、残りの 124万m2 は 民有地 または 福岡市の市有地となっており、国は 所有者や市と土地の賃貸借契約を更新、継続することで、運営事業を担う民間会社に転貸していく考えを示しています 国が所有する福岡空港は、2016年6月22日現在、滑走路などを国が運営し、空港ビルを第三セクターの福岡空港ビルディングが運営しており、福岡県と福岡市が福岡空港ビルディング社株式の 14%ずつを保有しています 一足先に民営化される高松空港と福岡空港のコンセッション方式では、国が新たに導入した方式として、先に民営化した仙台空港や関空 ・ 伊丹空港で認められなかった、運営を担う会社に地元の自治体が 10%を上限に出資できる仕組みがあり、高松空港では、非常勤取締役 1人と常勤職員 1人を派遣することも実施方針に明記されました、 いずれも自治体が空港の運営に関与できるようにするための仕組みですが、民間会社と自治体との意見が対立したり、経営判断の遅れを招いたりする恐れがあり、入札参加を予定する民間会社にとってはリスクと捉えられそうですが、国土交通省幹部は、「地域事情に応じて決めればいい」とし、柔軟に許容する態度を示しています
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福岡空港の飛行経路図下記は、国土交通省が、2014年(平成26年)7月8日公表された現在の福岡空港飛行経路図、および、2015年(平成27年)10月公表された「福岡空港滑走路増設に係る環境影響評価書」で公開された滑走路増設による飛行経路への影響図です 福岡空港で行われている滑走路増設工事では、現在、1本の滑走路で離発着とも供用しているところ、離陸用、着陸用 2本の滑走路それぞれに分離運用されるだけで、増設滑走路は現行滑走路に平行して、滑走路中心線間 210mで建設される為、飛行経路は 210mずれた線が増えるものの、飛行経路そのものはほぼ現行通りとなります 「 報道発表資料:首都圏空港機能強化技術検討小委員会の中間取りまとめについて 国土交通省 平成26年7月8日 」 より 現況 将来その1 (2027年度) 将来その2 (2035年度)
滑走路使用割合は、現状の運行状況を踏まえ、現況 ・ 将来とも同様です 滑走路方向(16) 南風運用 : 73% 滑走路方向(34) 北風運用 : 27% |
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福岡空港 「現空港における滑走路増設」 選定経緯福岡空港 将来需要への対応方策将来需要への対応方策として、既存ストックの有効活用である国内線エプロン誘導路二重化、及び、近隣空港との連携である北九州空港、佐賀空港への需要分散を検討しましたが、福岡空港への需給逼迫緩和効果はわずかであり、対応方策とはなり得ないため、抜本的な空港能力向上方策である、「現空港における滑走路増設」と、「新空港」について、詳細な比較検討を行いました 現福岡空港における滑走路増設現福岡空港における滑走路増設については、福岡空港南東部の丘陵地や都市高速道路などの周辺地域への影響、利便性、建設費、滑走路処理能力、滑走路配置間隔など、様々な視点から、複数の滑走路配置について、総合的に検討が行われました
「東側配置 (滑走路間隔 300m)」、 「西側配置 (滑走路間隔 300m)」、 「西側配置 (滑走路間隔 210m)」 を代表的な配置として選出 周辺への影響、事業費、工期の観点から、「西側配置 (滑走路間隔 210m)」が最も有利であるとして、「西側配置 (滑走路間隔 210m)」が、「現空港における滑走路増設」計画の代表案になりました 新福岡空港建設新福岡空港については、博多駅から 30km以内の福岡都市圏を候補地対象範囲としました
現福岡空港における滑走路増設 新福岡空港建設 比較結果
PI実施結果 (市民からの意見集約)市民からの意見集約で、抜本的な方策(新福岡空港建設)が不要という意見は少なかったものの、全体としては、現福岡空港滑走路増設に対する積極的な意見が新福岡空港建設に対する積極的な意見を上回りました 寄せられた意見の内容の傾向(「総合的な調査」ステップ4) 「 福岡空港滑走路増設に係る環境影響評価書(要約書) 」 より 福岡空港 構想 ・ 施設計画段階福岡県知事、及び、福岡市長は、2009年(平成21年)4月、「総合的な調査」、及び、PIの結果を踏まえ、現福岡空港滑走路増設に速やかに着手する旨を要請する意見書を国土交通大臣へ提出、国土交通省は、地元意見や PI結果等を踏まえ、同年(2009年(平成21年))5月に、「現福岡空港における滑走路増設」にて、「構想 ・ 施設計画段階」へ移行、それまで同様、国と地域が連携 ・ 協力し、PIの手法を取り入れて行い、2012年(平成24年)3月に、「構想 ・ 施設計画段階」を終了しました 構想 ・ 施設計画段階における滑走路増設 「 福岡空港滑走路増設に係る環境影響評価書(要約書) 」 より 福岡空港 滑走路増設案における比較検討福岡空港 滑走路増設 3案の特徴整理と代表案の検討現福岡空港における滑走路増設案については、様々な配置案の中から、東側と西側への標準的な配置案(滑走路間隔 300m)、及び、周辺の道路や住宅地への影響が最も軽減される改良案(滑走路間隔 210m)の 3案を抽出し、それぞれの特徴が整理されした その結果、滑走路処理容量では 3案とも大きな差はなく、周辺の道路や住宅地、南東側丘陵地の一部除去による自然環境等への影響、及び、事業費 ・ 工期の観点からは、西側配置(滑走路間隔 210m)改良案が最も優位であることから、「西側配置(滑走路間隔 210m)改良案」が滑走路増設代表案となりました
注1 : 空港能力の()書きは、ピーク時以外の昼間時間帯を有効活用した場合 福岡空港 新空港案における比較検討福岡空港 新空港の特徴整理と代表案の検討福岡空港 新空港案についても、様々な候補地ゾーンの中から、まず、制限表面 ・ 運航空域の確保や環境(玄海国定公園特別区域への抵触回避)、航空機騒音(市街化区域への影響回避)等の検討条件より、多数案の中から 「志賀島 ・ 奈多ゾーン」、「三苫 ・ 新宮ゾーン」への絞り込みが行われました その後、一定以上のウインドカバレッジが確保できる滑走路配置案を複数検討し、さらに、コストに大きな影響を及ぼす、平均水深が優位な配置案をゾーン毎に絞り込み、その特徴が整理された結果、2案の優劣を判断することは現段階では困難であるものの、アクセスと事業費の面で、比較的優位と考えられる「三苫 ・ 新宮ゾーン N61° E案」が、福岡空港 新空港代表案となりました
注1 : 空港能力の()書きは、ピーク時以外の昼間時間帯を有効活用した場合 |
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