東京 環状 5号線 明治通り 新宿御苑バイパス 2020年度 開通予定 |
東京 環状 5号線 明治通り 新宿御苑バイパス 2020年度 開通予定東京 環状 5号線 明治通りは、JR山手線の内側をJR山手線に沿うように走る東京都内の主要幹線道路ですが、池袋、新宿、渋谷の 3つの副都心をつなぐ重要路線の為、慢性的な交通渋滞が問題となっており、JR新宿駅の東側に位置する新宿御苑脇では、明治通りのバイパスをつくる工事が進められています
(下).新宿駅周辺の明治通りと御苑通りの位置 東京 環状 5号線 明治通り 新宿バイパス (御苑通りの延伸) 2016年9月17日現在の状況甲州街道は、山梨県や長野県とつながり、JR線をまたぐ新宿駅南口付近では 1日当たり 約 6万台もの自動車が通る一方、明治通りの交通量も 同 3万5000台と多く、日本最大級のターミナル駅である新宿駅のすぐそばで幹線道路同士が交わり、周辺は車や人であふれ、慢性的な渋滞個所となっています
甲州街道(国道 20号)に面した JRの線路上では、人工地盤を造り、駅前広場のほか、JR新宿駅周辺に散在していた、高速路線バスやタクシーの乗降場などを集約し、JR新宿駅等との乗換利便性を図る施設、「バスタ」が2015年に開業し、そばには 33階建てのビルを建設する計画も進められています 交通結節点となる「バスタ」の整備や再開発によって、周辺の交通需要はさらに高まるとみられ、明治通りのバイパス整備は喫緊の課題となっていました 東京 環状 5号線 明治通り 新宿バイパス (御苑通りの延伸) 事業が進まなかった理由東京都が環状第 5の 1号線を都市計画決定したのは、戦後間もない 1946年(昭和21年)3月26日のことで、東京の骨格を担う幹線道路として、往復 4車線を確保することとし、拡幅工事などを進めてきましたが、内藤町の交差点から千駄ヶ谷 5丁目交差点付近までの 約 800mは唯一、細い道路さえ存在しない区間として残されてきました 新宿御苑の敷地を通過主な理由は 2つあり、その理由の 1つとして、新宿御苑の敷地を通過する計画だったことが挙げられます
支線である明治通りが先に開通もう 1つの理由は、支線である明治通りが先に開通しており、バイパスとして本線を整備する優先順位が低かったことが挙げられます 国や東京都が幹線として整備しなければならない都市計画道路は、都内に環状道路が 8路線、放射道路が 36路線あり、他の都道なども早急な整備が求められている中、優先順位を付けて事業を進めた結果、他の道路が先に完成したという経緯となります その後、国土交通省などが新宿駅 南口周辺の再整備に着手したことで、交通需要の増加が見込まれ、東京都は、2004年3月、都区部における都市計画道路の整備方針を定め、内藤町の交差点から千駄ヶ谷 5丁目交差点付近までの区間を、優先して整備する路線に加え、ようやく、明治通り 新宿御苑バイパス事業が動き出すことになりました 東京 環状 5号線 明治通り 新宿バイパス (御苑通りの延伸) 道路構造の見直し未開通区間の着工に向け、新宿御苑の敷地通過問題に対応するため、東京都は道路の構造を見直し、池袋方面に向かう北行きの 2車線の一部、新宿御苑脇を通る部分をトンネルにして地下化、渋谷方面に向かう南行きの 2車線を、そのトンネルの上に重ねる 2層構造に変えりことにより、新宿御苑敷地内を通らないで新宿御苑脇を通過できるように、道路構造を変更しました 2005年6月に都市計画変更した環状第5の1号線の未開通区間 (資料:東京都)
この道路構造の変更により、平面構造の 4車線としていた当初計画では 30m以上あった道路の幅が、半分以下の 14mに縮小、新宿御苑の敷地への影響はほとんどなくなり、森を囲う柵の位置を変える必要もなくなりました 東京都は、2005年6月、平面の 4車線から 2層構造の道路に改めるための都市計画変更を決定、1946年の当初の都市計画決定から半世紀以上を経て、ようやく工事が動き始めました 新たな構造で造る道路のトンネルは、鉄筋コンクリート造のボックスカルバートと呼ぶ箱型のもので、長さ 約 800mの整備区間のうち、北行きの 400mがトンネルとなり、トンネルの標準的な内空断面は、幅が 8.25m、高さが 6~8mで、2車線を確保します 渋谷から池袋方面に向かう場合、千駄ヶ谷 5丁目交差点付近からトンネルに入り、現在の明治通りの南行き車線の下をくぐった後、内藤町の交差点の手前で再び地上に出て御苑通りに向かう造りとなり、トンネルを組み合わせた 2層構造にすることで、平面構造では必要となる信号が少なくなり、渋滞が起こりにくいという利点も生まれました 明治通りは甲州街道と平面交差するのに対し、新たに整備するバイパスは甲州街道と立体交差、内藤町の交差点でバイパスは地上部を通る一方、甲州街道は同交差点の手前からトンネルで通過しています
トンネルによる地下水への影響が懸念されることに対しては、東京都が地下水の定期的なモニタリングを実施することを環境省に提案し、環境省に承諾されています 地下水のモニタリングは、施工中から継続して実施、埋設したトンネルが地中で壁となり、新宿御苑周辺の地下水の流れを妨げていないかどうかなどを監視しており、東京都によると、2014年7月25日現在、地下水位などに異常は見られないということです 東京 環状 5号線 明治通り 新宿バイパス (御苑通りの延伸) 開通の効果 意義計画から半世紀以上も閉ざされていたわずか 約 800mの区間ですが、明治通り 新宿バイパス (御苑通りの延伸部分)が開通することによるインパクトは大きいと見られています 新宿駅周辺に用事のない自動車が、この区間を含むバイパスに流れることにより、新宿 3丁目交差点や新宿 4丁目交差点周辺の明治通りの渋滞が大幅に解消するとみられ、国交省が 2008年に試算したところ、明治通りのバイパスを整備することで、走行時間の短縮などで 2000億円以上の経済的な効果が見込まれるということです また、バイパスの完成後は、自動車が減った明治通りに、快適で安全な歩行空間を整備することなども可能となります 約 800mの区間の用地買収や工事に投じる総事業費は 670億円ほどで、道路を 2層構造に変更したため、当初よりも費用は増えるものの、新宿御苑の希少な樹木群落を守ることもできます |
|
|
関連記事 |
ページTOP | ||||||
関連記事を下記に紹介します |
|||||||
|
|||||||
ページTOP | |||||||