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東京 環状 5号線 明治通り 新宿御苑バイパス 2020年度 開通予定


東京 環状 5号線 明治通り 新宿御苑バイパス 2020年度 開通予定



東京 環状 5号線 明治通りは、JR山手線の内側をJR山手線に沿うように走る東京都内の主要幹線道路ですが、池袋、新宿、渋谷の 3つの副都心をつなぐ重要路線の為、慢性的な交通渋滞が問題となっており、JR新宿駅の東側に位置する新宿御苑脇では、明治通りのバイパスをつくる工事が進められています


明治通り路線図
東京都が都市計画道路として定めた「環状第5の1号線」の概要。2004年12月時点の資料から抜粋した。大部分は明治通りとして既に開通している。点線は事業中の区間で、拡幅工事などが進められている(資料:東京都)
新宿駅周辺の明治通りと御苑通りの位置

(上).明治通り路線図 (明治通り (東京都) - Wikipedia

(中).東京都が都市計画道路として定めた「環状第5の1号線」の概要。2004年12月時点の資料から抜粋した。大部分は明治通りとして既に開通している。点線は事業中の区間で、拡幅工事などが進められている (資料:東京都)

東京 環状 5号線 明治通り とは



東京都市計画道路 幹線街路 環状第 5号線は、東京都港区南麻布から北区滝野川に至る環状第 5の 1号線(環5ノ1)、および、北区王子から荒川区荒川に至る環状第 5の 2号線(環5ノ2)からなる都市計画道路で、大部分が明治通りと重複します

ただし、明治通りのうち新宿 3丁目交差点や新宿 4丁目交差点を通る新宿駅周辺の区間は、環状第 5の 1号線の「支線」としての位置付けとなっており、「本線」は、新宿駅の北東で明治通りから東側に分岐して南下する御苑通りです


御苑通りは、新宿御苑に阻まれ、途中で行き止まりになっている為、4~8車線の広い道路にも拘らず、交通量は支線である明治通りほど多くありません (2016年9月16日現在)

池袋から南下した明治通りは、伊勢丹新宿店がある新宿 3丁目交差点や、甲州街道(国道 20号)と平面交差する新宿 4丁目交差点などを経て、渋谷方面に向かっています (2014年7月2日現在)




東京 環状 5号線 明治通り 新宿バイパス (御苑通りの延伸)



当初の計画が決まったのは、今から 約 70年前の1946年(昭和21年)3月26日ですが、希少な樹木の群落がある新宿御苑の敷地に道路が掛かる計画となっていた為、バイパス工事は長らく止まったままになっていました

バイパスを整備する東京都は、2005年、道路の構造を見直して、この群落を回避できるように計画を改め、2010年から工事に着手、2020年の東京五輪前の開通を目指して、ようやく事業が動き出しました

(下).新宿駅周辺の明治通りと御苑通りの位置
新宿御苑かわしバイパス開通へ、計画から半世紀 日経コンストラクション 2014/07/02 」 より





東京 環状 5号線 明治通り 新宿バイパス (御苑通りの延伸) 2016年9月17日現在の状況



甲州街道は、山梨県や長野県とつながり、JR線をまたぐ新宿駅南口付近では 1日当たり 約 6万台もの自動車が通る一方、明治通りの交通量も 同 3万5000台と多く、日本最大級のターミナル駅である新宿駅のすぐそばで幹線道路同士が交わり、周辺は車や人であふれ、慢性的な渋滞個所となっています


明治通りと新宿通りが交わる新宿3丁目交差点。正面に伊勢丹新宿店が建つ
明治通りと甲州街道が交わる新宿4丁目交差点。交差点から甲州街道がJR線をまたぐ新宿駅方向を撮影した
甲州街道に面したJRの線路上で、駅前広場やバス乗り場などを組み合わせた4階建ての施設を整備する工事が進む。写真右手に新宿駅南口がある。6月上旬に撮影
御苑通りの南側を見る。写真奥に工事用のフェンスがあり、行き止まりとなっている

新宿御苑かわしバイパス開通へ、計画から半世紀 日経コンストラクション 2014/07/02 」 より

明治通りと新宿通りが交わる新宿 3丁目交差点

正面に伊勢丹新宿店が建つ










明治通りと甲州街道(国道 20号)が交わる新宿 4丁目交差点

交差点から甲州街道(国道 20号)がJR線をまたぐ新宿駅方向を撮影







甲州街道に面したJRの線路上で、駅前広場やバス乗り場などを組み合わせた4階建ての施設の工事中の様子

写真右手が新宿駅南口

2014年6月上旬撮影






御苑通りの南側

写真奥に工事用のフェンスがあり、行き止まりとなっています


甲州街道(国道 20号)に面した JRの線路上では、人工地盤を造り、駅前広場のほか、JR新宿駅周辺に散在していた、高速路線バスやタクシーの乗降場などを集約し、JR新宿駅等との乗換利便性を図る施設、「バスタ」が2015年に開業し、そばには 33階建てのビルを建設する計画も進められています

交通結節点となる「バスタ」の整備や再開発によって、周辺の交通需要はさらに高まるとみられ、明治通りのバイパス整備は喫緊の課題となっていました




東京 環状 5号線 明治通り 新宿バイパス (御苑通りの延伸) 事業が進まなかった理由



東京都が環状第 5の 1号線を都市計画決定したのは、戦後間もない 1946年(昭和21年)3月26日のことで、東京の骨格を担う幹線道路として、往復 4車線を確保することとし、拡幅工事などを進めてきましたが、内藤町の交差点から千駄ヶ谷 5丁目交差点付近までの 約 800mは唯一、細い道路さえ存在しない区間として残されてきました



新宿御苑の敷地を通過



主な理由は 2つあり、その理由の 1つとして、新宿御苑の敷地を通過する計画だったことが挙げられます


新宿御苑に並ぶ落羽松の大木。湿地などに生育するスギ科の針葉樹で、明治時代に植えられた。秋になると葉が鳥の羽のように落ちることから名前が付いた

新宿御苑に並ぶ落羽松の大木
湿地などに生育するスギ科の針葉樹で、明治時代に植えられた
秋になると葉が鳥の羽のように落ちることから名前が付いた

新宿御苑かわしバイパス開通へ、計画から半世紀 日経コンストラクション 2014/07/02 」 より

新宿御苑は、環境省が皇居外苑や京都御苑と並んで所管する国民公園で、毎年春には、総理大臣主催の「桜を見る会」などが開かれることでも知られています

都市計画決定した当初の計画は、池袋方面に向かう北行き(外回り)と渋谷方面に向かう南行き(内回り)でそれぞれ 2車線ずつ、往復 4車線を平面構造で造るというもので、道路の幅は 31~35m、新宿御苑の公園区域の一部を道路区域に変えて、道路を通す計画となっていました


この計画に環境省は難色を示し、道路の計画ルート上に、全国的に希少な樹齢 100年を超える落羽松(らくうしょう)の群落があり、新宿御苑内の湧水を水源とする湿地への影響も危惧され、環境省は新宿御苑の森を避けるよう東京都に要望しました



支線である明治通りが先に開通



もう 1つの理由は、支線である明治通りが先に開通しており、バイパスとして本線を整備する優先順位が低かったことが挙げられます

国や東京都が幹線として整備しなければならない都市計画道路は、都内に環状道路が 8路線、放射道路が 36路線あり、他の都道なども早急な整備が求められている中、優先順位を付けて事業を進めた結果、他の道路が先に完成したという経緯となります


その後、国土交通省などが新宿駅 南口周辺の再整備に着手したことで、交通需要の増加が見込まれ、東京都は、2004年3月、都区部における都市計画道路の整備方針を定め、内藤町の交差点から千駄ヶ谷 5丁目交差点付近までの区間を、優先して整備する路線に加え、ようやく、明治通り 新宿御苑バイパス事業が動き出すことになりました




東京 環状 5号線 明治通り 新宿バイパス (御苑通りの延伸) 道路構造の見直し



未開通区間の着工に向け、新宿御苑の敷地通過問題に対応するため、東京都は道路の構造を見直し、池袋方面に向かう北行きの 2車線の一部、新宿御苑脇を通る部分をトンネルにして地下化、渋谷方面に向かう南行きの 2車線を、そのトンネルの上に重ねる 2層構造に変えりことにより、新宿御苑敷地内を通らないで新宿御苑脇を通過できるように、道路構造を変更しました


2005年6月に都市計画変更した環状第5の1号線の未開通区間。「今回変更区間」とある部分で道路を平面構造から2層構造に改めた。道路の幅を抑えて、新宿御苑の森を回避する。図の右側が北に当たる(資料:東京都)

2005年6月に都市計画変更した環状第5の1号線の未開通区間 (資料:東京都)
「今回変更区間」とある部分で道路を平面構造から上下 2層構造に変更、道路の幅を狭くして、新宿御苑の森を回避



公園変更区域図。当初の計画では、赤い部分も道路の計画ルート上にあった。しかし、道路の構造を見直したことで、新宿御苑の公園区域として変更、追加されることになった(資料:東京都)
道路変更区域図。当初の計画では、新宿御苑の敷地である黄色い部分を道路区域として定めていた。黄色い部分には、落羽松の群落などがある(資料:東京都)
公園変更区域図

当初の計画では、赤い部分も道路の計画ルート上にありましたが、道路の構造を見直したことで、新宿御苑の公園区域として変更、追加されることになりました

(資料:東京都)




道路変更区域図

当初の計画では、新宿御苑の敷地である黄色い部分を道路区域として定めていました

黄色い部分には、落羽松の群落などがあります

(資料:東京都)


この道路構造の変更により、平面構造の 4車線としていた当初計画では 30m以上あった道路の幅が、半分以下の 14mに縮小、新宿御苑の敷地への影響はほとんどなくなり、森を囲う柵の位置を変える必要もなくなりました


東京都は、2005年6月、平面の 4車線から 2層構造の道路に改めるための都市計画変更を決定、1946年の当初の都市計画決定から半世紀以上を経て、ようやく工事が動き始めました

新たな構造で造る道路のトンネルは、鉄筋コンクリート造のボックスカルバートと呼ぶ箱型のもので、長さ 約 800mの整備区間のうち、北行きの 400mがトンネルとなり、トンネルの標準的な内空断面は、幅が 8.25m、高さが 6~8mで、2車線を確保します


渋谷から池袋方面に向かう場合、千駄ヶ谷 5丁目交差点付近からトンネルに入り、現在の明治通りの南行き車線の下をくぐった後、内藤町の交差点の手前で再び地上に出て御苑通りに向かう造りとなり、トンネルを組み合わせた 2層構造にすることで、平面構造では必要となる信号が少なくなり、渋滞が起こりにくいという利点も生まれました

明治通りは甲州街道と平面交差するのに対し、新たに整備するバイパスは甲州街道と立体交差、内藤町の交差点でバイパスは地上部を通る一方、甲州街道は同交差点の手前からトンネルで通過しています


西側にある新宿高島屋から見る。新宿御苑の森と、森の手前にある新宿高校のグラウンドのフェンスとの間にバイパスを通す。6月上旬に撮影
明治通りのバイパスが整備される予定地。防草シートに覆われた空き地と、その先にトンネルが見える。写真左に新宿御苑の森が広がる。6月上旬に撮影
新宿御苑側からバイパスの予定地を見る。写真右は東京都立新宿高校の校舎
バイパス予定地の南側の様子。写真左は東京都立新宿高校のグラウンドのフェンスで、右は新宿御苑側の仮囲い。新宿高校は04年12月、道路用地を提供するために、学校の敷地内に校舎を新築して移転した。6月上旬に撮影
新宿高校のグラウンドの南側。バイパスが明治通りに接続する付近も道路用地を取得済みで、仮囲いがされている。6月上旬に撮影
明治通りの千駄ヶ谷5丁目交差点付近。バイパスはここで明治通りと合流する
明治通りの千駄ケ谷5丁目交差点付近。新たに整備するバイパスのトンネルはこの辺りに顔を出す。6月上旬に撮影

新宿御苑かわしバイパス開通へ、計画から半世紀 日経コンストラクション 2014/07/02 」 より

西側にある新宿高島屋から見るバイパス建設予定地

新宿御苑の森と、森の手前にある新宿高校のグラウンドのフェンスとの間にバイパスが造られます

2014年6月上旬撮影





明治通りのバイパスが整備される予定地

防草シートに覆われた空き地と、その先にトンネルが見える

写真左に新宿御苑の森が広がる

2014年6月上旬撮影



新宿御苑側からバイパスの予定地を見る

写真右は東京都立新宿高校の校舎









バイパス予定地の南側の様子

写真左は東京都立新宿高校のグラウンドのフェンスで、右は新宿御苑側の仮囲い

新宿高校は、2004年12月、道路用地を提供するために、学校の敷地内に校舎を新築して移転

2014年6月上旬撮影


新宿高校のグラウンドの南側

バイパスが明治通りに接続する付近も道路用地を取得済みで、仮囲いがされています

2014年6月上旬撮影















明治通りの千駄ヶ谷5丁目交差点付近

バイパスはここで明治通りと合流








明治通りの千駄ケ谷5丁目交差点付近

新たに整備するバイパストンネルの入口はこの辺りの道路中央に造られます

2014年6月上旬撮影


トンネルによる地下水への影響が懸念されることに対しては、東京都が地下水の定期的なモニタリングを実施することを環境省に提案し、環境省に承諾されています

地下水のモニタリングは、施工中から継続して実施、埋設したトンネルが地中で壁となり、新宿御苑周辺の地下水の流れを妨げていないかどうかなどを監視しており、東京都によると、2014年7月25日現在、地下水位などに異常は見られないということです




東京 環状 5号線 明治通り 新宿バイパス (御苑通りの延伸) 開通の効果 意義



計画から半世紀以上も閉ざされていたわずか 約 800mの区間ですが、明治通り 新宿バイパス (御苑通りの延伸部分)が開通することによるインパクトは大きいと見られています


新宿駅周辺に用事のない自動車が、この区間を含むバイパスに流れることにより、新宿 3丁目交差点や新宿 4丁目交差点周辺の明治通りの渋滞が大幅に解消するとみられ、国交省が 2008年に試算したところ、明治通りのバイパスを整備することで、走行時間の短縮などで 2000億円以上の経済的な効果が見込まれるということです

また、バイパスの完成後は、自動車が減った明治通りに、快適で安全な歩行空間を整備することなども可能となります


約 800mの区間の用地買収や工事に投じる総事業費は 670億円ほどで、道路を 2層構造に変更したため、当初よりも費用は増えるものの、新宿御苑の希少な樹木群落を守ることもできます

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東京都市計画道路幹線街路環状第5号線 - Wikipedia
明治通り (東京都) - Wikipedia
新宿駅新南口近くの63m級「(仮称)家の光千駄ヶ谷ビル新築工事」と、本格的に工事が再開した「環状第5の1号線」の様子 2016年4月9日撮影 再開発調査兵団

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関連記事

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関連記事を下記に紹介します



2014年7月25日

計画から半世紀 新宿御苑かわすバイパス開通の価値 日本経済新聞 2014/7/25 7:00


 池袋と新宿、渋谷の3つの副都心をつなぐ明治通り。JR山手線の内側に沿って走る東京都内の幹線道路だ。慢性的な交通渋滞が問題となっているJR新宿駅の東側で、明治通りのバイパスを造る工事が静かに進んでいる。
 当初の計画が決まったのは、今から約70年前。しかし、バイパスは開通することなく、長らく止まったままになっていた。希少な樹木の群落がある新宿御苑の敷地に道路が掛かる計画となっていたからだ。
 バイパスを整備する東京都は2005年、道路の構造を見直してこの群落を回避できるように計画を改めた。工事は2010年からスタート。2020年の東京五輪を前に、ようやく開通のめどがついた。
 池袋から南下した明治通りは、伊勢丹新宿店がある新宿3丁目交差点や、甲州街道(国道20号)と平面交差する新宿4丁目交差点などを経て、渋谷方面に向かう。
■幹線道路同士の交差点
 甲州街道は山梨県や長野県とつながり、JR線をまたぐ新宿駅南口付近では1日当たり約6万台もの自動車が通る。一方、明治通りの交通量も同3万5000台と多い。日本最大級のターミナル駅である新宿駅のすぐそばで幹線道路同士が交わり、周辺は車や人であふれている。


2014年7月2日

新宿御苑かわしバイパス開通へ、計画から半世紀 日経コンストラクション 2014/07/02


 池袋と新宿、渋谷の3つの副都心をつなぐ明治通り。JR山手線の内側に沿って走る東京都内の幹線道路だ。慢性的な交通渋滞が問題となっているJR新宿駅の東側で、明治通りのバイパスをつくる工事が静かに進んでいる。
 当初の計画が決まったのは、今から約70年前。しかし、バイパスは開通することなく、長らく止まったままになっていた。希少な樹木の群落がある新宿御苑の敷地に道路が掛かる計画となっていたからだ。
 バイパスを整備する東京都は2005年、道路の構造を見直してこの群落を回避できるように計画を改めた。工事は10年からスタート。20年の東京五輪を前に、ようやく開通のめどがついた。
 池袋から南下した明治通りは、伊勢丹新宿店がある新宿3丁目交差点や、甲州街道(国道20号)と平面交差する新宿4丁目交差点などを経て、渋谷方面に向かう。
 甲州街道は山梨県や長野県とつながり、JR線をまたぐ新宿駅南口付近では1日当たり約6万台もの自動車が通る。一方、明治通りの交通量も同3万5000台と多い。日本最大級のターミナル駅である新宿駅のすぐそばで幹線道路同士が交わり、周辺は車や人であふれている。


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