世界最長 鉄道トンネル スイス ゴッタルドベーストンネル 2016年6月1日開通 |
世界最長 鉄道トンネル スイス ゴッタルドベーストンネル 2016年6月1日開通アルプス山脈を南北に貫き、長さ 57.1kmで、青函トンネルの 53.9kmを抜いて、世界最長の鉄道トンネルとなるスイスの「ゴッタルドベーストンネル」が、2016年6月1日、開通、2016年12月11日には、鉄道の定期運行を始め、アルプス越えの輸送が強化されます 青函トンネルについては、「 北海道新幹線 新函館北斗 2016年3月26日開業 最速 4時間 2分 」 をご参照下さい 「ゴッタルドベーストンネル」は、スイスが進めるアルプス縦断鉄道計画の一部、最大標高は 550m、ゴッタルドベーストンネルの「ベース」は、「基底」とか、「山岳の最下部」という意味で、ウーリ州エルストフェルドとティチーノ州ボディオ間ゴッタルド峠のほぼすべてを長大なトンネルとし、文字通り、山岳区間の底を通る、平坦で直線的なルートとなります 「ゴッタルドベーストンネル」開通によって、線路の距離が在来線よりも約 30km短縮、直線化したことで鉄道の高速運転も可能になり、旅客列車では最高時速250km、貨物列車は同160kmにスピードアップされます さらに、従来のルートでは、標高 1150mにある既存トンネル「ゴッタルドトンネル」まで、山間部の急勾配を上り下りしなければならず、トンネルを通る列車の 7割超を占める貨物列車の重さは 2000t以下に制限されていましたが、新ルートでは勾配が緩やかになるので、倍の 4000tの列車まで走れるようになり、1日の最大運行本数も、180本から 260本になり、旅客列車も、1日に最大 65本運行する計画で、輸送力は飛躍的に高まります 最初の発破から開通までに約17年の施工期間と、約122億スイスフラン(約1兆4000億円)の総工費をかけ、掘削したトンネルの総延長は、平行に走る 2本の本坑とその間をつなぐ連絡坑、たて坑などを合わせて約152kmに達し、土かぶりは最大 2300mで、こちらも鉄道トンネルの世界最大記録を更新しています 本坑の 80%は、TBM(トンネル ・ ボーリング ・ マシン)で、5工区に分かれて施工、南側の工区で予想外に地質が悪い箇所が見つかるなどのトラブルもあったが、工区の区切り方を変更するなどして対応しています 今回開通したゴッタルドベーストンネル、ゴッタルド峠区間の所要時間短縮効果は、約30分程度で、チューリッヒ側のツィンメルベルクベーストンネルとイタリア国境に近い チェネリベーストンネルとが開通すれば、現在 3時間40分かかるスイスのチューリッヒとイタリアのミラノ間を約 1時間短縮、2時間40分で結ばれることになり、スイス政府は、2020年までの全線開通を目指しています
世界最長 鉄道トンネル スイス ゴッタルドベーストンネル 建設の背景スイスはヨーロッパの中央に位置し、フランス、ドイツ、リヒテンシュタイン、オーストリア、イタリアに囲まれた国で、国土の南側、イタリア国境はアルプス山脈で構成され、スイスには、そのアルプス山脈を越える峠がいくつか存在、古来、商人や軍隊などが行きかっていました 観光立国スイスは、物流や交流の要所でもあり、かつては、スイスを通過する旅人たちに宿や食事を提供する産業が栄えてきましたが、移動ルートは、徒歩、馬、鉄道へと変わり、さらに、自動車道の整備と高性能大型トラックの発達により、大型トラックの交通量が増え続けることとなり、自国には縁のない荷物が通過するだけ、自動車の排気ガスをいただくだけの国になっていきました そこで、スイス政府は、鉄道の再活用に注目、アルプスを貫くトンネルを掘り抜き、カートレインの利用を促す一方で、トラックの通行を制限し、スイス国内を通過する 3.5トン以上のトラックから走行距離に応じた税金を課しました さらに、アルプス越えのトラック輸送を鉄道に移行させるため、アルプスの道路建設を中止、トラックの通行数を制限する目標を定めた交通移行法を国民投票で可決、この目標を達成しつつ、鉄道による物流の総量を増やすため、鉄道トンネルの整備と高速化を計るため、アルプス越えの南北方向に新しいトンネルを4本整備する計画、「アルプトランジット」 計画を実行に移しました そして、ゴッダルドベーストンネルが、スイスを通過する周辺国、南北ヨーロッパを結ぶ重要ルートのひとつとして、建設されました |
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