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北海道新幹線 第 2青函トンネル建設構想


北海道新幹線 第 2青函トンネル建設構想



北海道新幹線 第 2青函トンネル建設構想
青函トンネルは整備新幹線計画の規格で造られていますので、本来は最高速度 260km/hで走行できる造りになっているのですが、在来線の貨物列車と共用する区間では、すれ違い走行時の貨物列車の荷崩れ等安全性の観点から、新幹線の最高速度が 140km/hに抑えられています

これは、かつて青函トンネルを走っていた在来線特急「白鳥」「スーパー白鳥」と同じです
つまり、青函トンネル内に関しては、新幹線になっても速度は変わっていません


現在、国は新幹線の速度問題を解決するために、「時間帯区分案」「すれ違い時減速システムの開発」「貨物専用新幹線車両導入」の 3案を検討していますが、それぞれについて「運行本数が制限される」「完全な速度向上にはならない」「安全性や技術面で課題が多すぎる」という問題があり、進展が見られません

そこで浮上してきたのは、第 2青函トンネル構想で、新幹線を「高速」で「安全」に運行し、貨物の安定輸送にも貢献するためには新トンネルを造り、新幹線と貨物を分離するしかないというのが第 2青函トンネルの構想のきっかけです


貨物列車の為に長距離の海底トンネルを新設・・・?と疑問に思われるかもしれませんが、北海道は日本の農産物の主要生産拠点で、この間の鉄道輸送がストップすると、首都圏を中心に何千万人もの餓死者がでるかも・・・というくらい重要な物流インフラで、旅客列車をはるかにしのぐ本数の貨物列車が運転されています

トンネルの用途は、「新幹線専用単線」、「貨物専用複線」、「貨物専用単線」の 3案が比較検討されており、このうち、トンネル断面が最も小さく建設費が安い「貨物専用単線」が有力視されています


線路 1本の単線で、すれ違い施設を、本州側と北海道側のアプローチ区間に 1ヶ所ずつ、第 2青函トンネル内に 5ヶ所の計 7ヶ所設置すれば、貨物列車の現在の運行本数を十分確保できるとのことです

ただ、この単線案は新幹線の高速化、貨物輸送確保のための必要最小限の投資と考えたもので、できれば複線案が望ましいところです


建設方法についても、現在の青函トンネルは先進導坑、作業坑、本坑の3本のトンネルを造りましたが、その際に海底部の地質が判明していますので、第 2青函トンネルは竜飛(青森)側と吉岡(北海道)側の工事基地に斜坑と作業坑などを造るだけで、海底部の先進導坑、作業坑は造りません

作業坑は土砂の排出や資材の搬入に必要ですが、本坑の後ろをそのまま作業坑として掘り進みますので、トンネルが少ないぶん、コストを下げることができる反面作業効率が悪くなるため、建設期間は長くなり、総工費 3900億円と工期最低 15年と算出されています


第2青函トンネルで貨物列車を分離すると、新幹線の東京~新函館北斗間は現在の 4時間 2分から最速で 3時間 44分に、東京~札幌間は最速 5時間 1分から 4時間 43分に短縮、将来、最高速度が引き上げられ、最高 350km/hで走行できた場合は 3時間 57分になり、東京~広島間の新幹線の所要時間とほぼ同じ、つまり、対飛行機での競争力を持てる 4時間の壁を切ることが可能となります

2017年3月17日現在、東京~札幌間の市場占有率は、飛行機が 97%の 912万人、JRが 2%の 17万人、東京~広島間は飛行機が 34%の 188万人、新幹線が 65%の 358万人ですが(国土交通省 平成25年度 旅客地域流動統計から算出)、総数は東京~札幌間のほうが多いため、新幹線の利用者は東京~広島間よりはるかに多い数字となります


また、新千歳空港は冬期の天候による運休率が 1ヶ月あたり 5%、84便ほどあり(北海道交通政策審議会 平成17年度月別道内空港の就航率より算出)、終日欠航という日も毎年数日ありますは、新幹線の札幌開業によって、東京~札幌間は安定的な交通手段が確保できます

貨物列車は、2010年(平成22年)の実績によると、本州~北海道間で 約 190万トンを輸送しており、これは航空・船舶も含めた 約 450万トンの 約 42%にあたります


貨物専用の第 2青函トンネルを開通させると、将来の増発にも対応可能になりますので、かつて東京~札幌間で乗用車と乗客をのせて運行した「カートレイン北海道」のように、カーフェリーのような列車を実現するゆとりも生まれます

そのためにも、貨物列車の増便に対応するために、単線ではなく複線で建設したほうがよさそうです

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