2016年7月22日 |
|
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は7月20日、2020年度に初飛行予定のH3ロケットについて説明会を開催、現在の開発状況を報告した。H3ロケットは、現行のH-IIA/Bロケットの後継機として開発が進められている新型ロケット。打ち上げコストを現在から半減させ、機体製造や射場整備に要する期間も大幅に短縮することを目指している。
H3ロケットは現在、1年間の基本設計フェーズを終え、詳細設計フェーズが始まったところ。詳細設計では、各機器の具体的な設計を進め、今年度後半には、H3ロケットに搭載する新型エンジン「LE-9」の燃焼試験もいよいよ開始される。詳細設計には1年半ほどかかり、その後、次の製作・試験フェーズに移行する予定だ。
JAXAの岡田匡史・H3プロジェクトマネージャは、「基本設計はH3ロケットに与えられた使命を形にする最初のステップ。1年前はここに立てるかどうか不安もあったが、なんとかここまでやってこれた」と安堵しつつ、「ただ、まだ大きな試験はやっていない。開発の山場はこれからだと思っている」と気を引き締めた。
H3ロケットの全長は約63m、直径は約5.2m。日本のロケットとしては過去最大のサイズとなる。現行、日本の大型ロケットはH-IIA(202型/204型)とH-IIBに分かれているが、これをH3では一本化。第1段エンジン(LE-9)の基数と、固体ロケットブースタ(SRB-3)の本数を変えることで、H-IIA/Bの打ち上げ能力をフルにカバーする。 |