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宗像 沖ノ島 と 関連遺産群 神宿る島 世界文化遺産 8資産 一括登録決定


宗像 沖ノ島 と 関連遺産群 神宿る島 世界文化遺産 8資産 一括登録決定 2017年7月9日



玄界灘に浮かぶ沖ノ島 手前は左から小屋島、御門柱、天狗岩
沖ノ島の地図
沖ノ島の位置

(上写真) 玄界灘に浮かぶ沖ノ島 手前は左から小屋島、御門柱、天狗岩
<世界遺産登録勧告>地元自治体 福岡知事ら「厳しい内容」 毎日新聞 2017年5月6日 12:34
(下地図) 沖ノ島の位置(赤丸中心) 「 Google マップ 」 より

ポーランドのクラクフで開かれているユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産委員会は、2017年7月9日、福岡県の「『神宿る島』宗像(むなかた)・沖ノ島と関連遺産群」を世界文化遺産に登録することを決定しました

2017年5月6日の世界文化遺産登録への勧告時、ユネスコの諮問機関は、「『神宿る島』宗像(むなかた)・沖ノ島と関連遺産群」の構成 8資産のうち、 4資産を「除外」するよう勧告していましたが、世界遺産委は、全 8資産の一括登録が認められました


文化庁や福岡県などの地元自治体は「宗像大社は 3宮で一つで、考古学的な価値と信仰の価値は不可分」と訴え、世界遺産委の 21の委員国に 8件での登録を粘り強く要望してきました

その結果、沖ノ島の古代祭祀(さいし)が現在の宗像大社信仰まで続いているとする日本側の主張を世界遺産委員会が受け入れ、委員国からも信仰の価値を評価、沖ノ島と除外勧告された 4資産が、文化的、歴史的にも一体であるとする意見が相次ぎ、一体的な海洋信仰の文化の継承が認められ、8資産全ての一括登録が決定されました


また、航海安全を祈願する信仰が続いていることや航海に関する遺産が少なく貴重であることも評価され、海洋信仰の文化に理解が示されるとともに、信仰の連続性に世界的価値が認められる形ともなっています

世界遺産を巡っては、富士山が 2013年に世界文化遺産に登録された際にも、イコモスが構成資産の三保松原の除外を勧告し、日本政府が再度説明して三保松原も含めて登録されています


今回の「『神宿る島』宗像(むなかた)・沖ノ島と関連遺産群」の世界文化遺産登録で、日本国内の世界文化遺産は 17件、自然遺産と合わせると日本国内の世界遺産は、2016年の「国立西洋美術館」(東京都)に続き21件目となり、九州からは 2015年の「明治日本の産業革命遺産」(九州山口地域など 8県)以来の世界遺産登録となります

世界遺産をめぐっては、政府が 2018年夏の登録を目指して、キリスト教の信仰が禁教下で継続されたことを示す 「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」(長崎県、熊本県)を文化遺産に、「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」(鹿児島県、沖縄県)を自然遺産に推薦しています



「『神宿る島』宗像(むなかた)・沖ノ島と関連遺産群」の構成資産



「『神宿る島』宗像(むなかた)・沖ノ島と関連遺産群」の構成資産は、

▽ 本土から 約 60キロの玄界灘に浮かび、「日本書紀」にも登場する海の女神が鎮座する宗像大社沖津宮(おきつみや)がある沖ノ島と、いずれも島に付随する小屋島(こやじま)、御門柱(みかどばしら)、天狗岩(てんぐいわ、以上宗像市)の 4資産のほか、
▽ 本土から 約 11キロ沖の大島にある中津宮(なかつみや)と沖津宮遥拝(ようはい)所の 2資産
▽ 本土にある宗像大社辺津宮(へつみや、同)
▽ 信仰を支えた宗像族の墓とされる新原(しんばる)・奴山(ぬやま)古墳群(福津市)

の 計 8資産で、「顕著な普遍的価値がある」「航海の安全を祈願する信仰が古代から現代まで断絶なく続いていることを示し、価値が高い」「航海に関する分野は今の世界遺産一覧表には少ない分野」と評価されました


諮問機関「国際記念物遺跡会議」(イコモス)は、2017年5月6日、後者の 4資産を「国家的なものにとどまり、世界的な価値は認められない」として除外勧告していましたが、国や地元は世界遺産委の委員国に 8資産の一括登録を説得、2017年7月9日のユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産委員会審議では、各国から「すべての要素が互いに機能し、価値がある」など一括登録を支持する発言が相次ぎました

周囲 約 4キロの沖ノ島は 4~9世紀、朝鮮半島や中国大陸への航海の安全などを願う国家的祭祀(さいし)が行われ、銅鏡や黄金の指輪、朝鮮半島の馬具、シルクロード由来のガラス製品など 8万点にのぼる奉献品(国宝)が出土し、「海の正倉院」とも称されます


「沖ノ島」は「古代祭祀の変遷を示す考古遺跡がほぼ手つかずの状態で残されている」などとして 2009年、国内候補の一覧表「暫定リスト」に記載され、2015年の文化審議会で国内推薦候補に決定していました

沖ノ島への入島は原則禁じられ、女人禁制▽島で見聞したことを漏らしてはならない▽島にあるものを何一つ持ち帰ってはいけないなど、多くの宗教的なタブーもあり、今後、文化遺産の保護と観光の両立、船舶の接近や無断上陸への対策などが課題となります



世界遺産 とは



世界遺産は、1972年の世界遺産条約に基づき、各国政府の推薦の中から、諮問機関の国際記念物遺跡会議(イコモス)や国際自然保護連合(IUCN)の調査 ・ 勧告を経て、21ヶ国でつくる世界遺産委員会が 年 1回、「顕著な普遍的価値」や「真正性」、保全措置などの観点から登録の可否を決めます

世界遺産の総数は、2016年7月現在、文化遺産 814件、自然遺産 203件、両方の価値を備えた 複合遺産 35件の 計 1052件が登録されています




宗像 沖ノ島 と 関連遺産群 神宿る島 世界文化遺産 勧告 2017年5月6日



文化庁は、2017年5月6日、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界文化遺産に、福岡県宗像(むなかた)、福津(ふくつ)両市の「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」の一部を登録するようユネスコの諮問機関「国際記念物遺跡会議」(イコモス、本部・パリ)が勧告したと発表しました

文化庁は、政府が推薦した遺産群の資産 8件のうち 4件は「世界的な価値が認められない」と評価されたことを明らかにし、福岡県は除外された 4件も含めた登録を目指す方針を示しており、文化庁は協議して今後の対応を検討することになりました


世界文化遺産への登録が勧告されたのは、福岡県宗像市の沖 約 60キロの玄界灘に浮かぶ沖ノ島(おきのしま)と、岩礁の「小屋島」「御門柱(みかどばしら)」「天狗(てんぐ)岩」の 4件で、勧告では沖ノ島を、「古代祭祀(さいし)の記録を保存する類いまれな収蔵庫」と表現、考古学的な物証があるとして普遍的価値を認めました

一方、沖ノ島を遠くから拝むための宗像大社の「沖津宮遥拝(ようはい)所」や「中津宮(なかつみや)」「辺津宮(へつみや)」と、祭祀を担った豪族の墓とされる福岡県福津市の「新原(しんばる) ・ 奴山(ぬやま)古墳群」の 4件は、「価値が(日本の)国家的なもので、世界的な価値とは認められない」として除外、登録名を「『神宿る島』沖ノ島」と変更することも勧告しました


富士山が 2013年に世界文化遺産に登録された際にも、イコモスが構成資産の三保松原の除外を勧告、日本政府が再度説明して、三保松原も含めて登録された経緯があり、松野博一文部科学相は、「我が国として完全に納得できる内容とはなっていない。今後の対応方針を速やかに関係機関と相談し、最善を尽くしたい」との談話を出しています

世界遺産への登録は、2017年7月2~12日にポーランドで開かれるユネスコ世界遺産委員会で正式決定される予定で、登録されれば、日本の世界遺産は自然遺産(4件)も含め 21件目となります


沖ノ島は 4~9世紀、航海の安全と大陸との交流の成功を祈願する祭祀が営まれ、その跡がほぼ手つかずの状態で残っており、戦後の学術調査で出土した銅鏡や武器、装身具などの奉献品 約 8万点は全て国宝に指定され、宝物の多さから「海の正倉院」とも呼ばれれます

沖ノ島は、島全体が宗像大社の「沖津宮」の境内となっており、また、島そのものが御神体とされ、立ち入りは原則禁止されています


八つの構成資産のうち、宗像大社沖津宮遥拝所など 4件は対象外とされた条件付き勧告となったことについて、福岡県の小川洋知事は、「古代祭祀(さいし)の考古学的価値が認められたことをうれしく思う」とした上で、4遺産が除外されたことについて、「非常に残念で厳しい勧告だ。推薦した全遺産が認められるよう、関係者と協議しながら7月の世界遺産委員会に向け最善を尽くしたい」と述べています

また、宗像市の 谷井博美市長も、「厳しい内容に驚いている。結果としては十分な理解を得られなかったことは非常に残念。世界遺産委員会では八つの資産が全部記載されるよう国や県と手を携えて最後までしっかり取り組んでいきたい」と話しました


宗像 沖ノ島 と 関連遺産群 神宿る島 世界文化遺産 審査スタート 2017年7月8日



ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産登録をめざす「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」(福岡県)を含む新規案件の審議が、ポーランド クラクフで開催中の第 41回世界遺産委員会で、2017年7月7日朝(現地時間)始まり、30余りの案件が順番に諮られ、「宗像・沖ノ島」の審議は 2日目の 2017年7月9日(同)とみられます

「宗像・沖ノ島」は、諮問機関である国際記念物遺跡会議(イコモス)によって、2017年5月6日、沖ノ島本体の登録勧告を受けながらも、半数に除外条件がついており、厳しい状況を覆して一括登録をめざそうと、政府関係者が 21ヶ国の委員国らに対して最後の説得にあたっています


宮田亮平 文化庁長官は、「資産八つでひとつ、沖ノ島だけではないことを示そうと。ビジュアルなら言葉はいらないでしょう」と、職務後の夜中 2~3日かかって自ら描いたという、海に浮かぶ沖ノ島や大島から本土にある宗像大社辺津宮や古墳群まで、わかりやすく鳥瞰(ふかん)した水彩画を手に、次々に現れる委員国の代表を待ち構え、「応援をしてほしい」などと精力的に協力を要請しました




沖ノ島(おきのしま) とは 概要



沖ノ島(おきのしま)は、福岡県宗像市に属し、九州本土から 約 60キロメートル離れた玄界灘の真っ只中、対馬と本州 山口県の中間付近に浮かぶ周囲 4キロメートルの孤島で、宗像大社の神領となっており、沖津宮(おきつぐう)が鎮座します

沖ノ島全体が「神の島」と呼ばれ、島全体が御神体となっており、今でも女人禁制の伝統が守られ、男性でも一般人は毎年5月27日以外の上陸は基本的に認められておらず、その数も 200人程度に制限され、山の中腹には宗像大社沖津宮があり、宗像三女神の田心姫神(たごりひめのかみ)が祭られ、沖津宮の神職が10日交代で派遣され、常時滞在しています




沖ノ島 宗像大社沖津宮



沖ノ島の南西部、標高 75~85m付近で巨石群が密集する黄金谷と呼ばれる場所に、宗像大社沖津宮が鎮座しており、石積み基壇上に木造銅板葺き屋根の神明造社殿が建ち、「宗像神社境内」として文化財保護法により国の史跡に指定されています

沖ノ島に鎮座する宗像大社沖津宮
沖ノ島 - Wikipedia 」 より

沖ノ島の南西部、標高 75~85m付近で巨石群が密集する黄金谷と呼ばれる場所に、宗像大社沖津宮が鎮座しており、石積み基壇上に木造銅板葺き屋根の神明造社殿が建ち、「宗像神社境内」として文化財保護法により国の史跡に指定されています

もともと、神宿る島沖ノ島には、殿がない状態(自然の聖地)、長らく自然崇拝の形式を保っていましたが、17世紀半ばに社殿が建立され、何回かの改築 ・ 修復を経て、1932年(昭和7年)にほぼ現在の形になっています




海の正倉院 沖ノ島



沖ノ島で祭祀が始まったのは出土遺物の年代編年から 4世紀後半頃と推測されており、391年に倭国が高句麗へと出兵した際、北部九州が前線となった時期に相当し、宗像氏がヤマト王権の力を背景に朝鮮半島や中国(当時は北魏)との交易に乗り出したのも同時期で、遺物も確認されています

祭祀の終了は 9世紀末頃とみられ、894年(寛平6年)に遣唐使が廃止されたこと、神道 ・ 神社の形式が確立したこと、仏教による鎮護国家の比重が増えたことなどが要因とされています


1954年(昭和29年)~1971年(昭和46年)にかけ、三次にわたる発掘調査が行われ、沖津宮社殿周辺の巨石に寄り添う 23の古代祭祀跡から 約 8万点の祭祀遺物、および、約 2万点の縄文時代 ・ 弥生時代の遺物が出土しました

第一次 ・ 第二次調査出土品は、1962年(昭和37年)、国宝に指定、第三次調査出土品は、1978年(昭和53年)に重要文化財に指定され、2003年(平成15年)、これら国宝と重要文化財を統合、同年(2003年(平成15年))と2008年(平成20年)に未指定物件が追加指定され、約8万点とされる関連遺物全てが国宝に指定されており、こうしたことから、沖ノ島は海の正倉院と称されています




沖ノ島 祭祀遺構



(上写真) 政府が世界遺産に推薦している沖ノ島。祭祀が行われていたという 5号遺跡 (福岡県宗像市) 2017年6月27日午前撮影
(下写真)沖ノ島の祭祀遺構の特徴は、考古遺跡ながら埋蔵文化財化しておらず、遺構や遺物が千年以上も地表に露出したまま荒らされずに残されている点にあります
沖ノ島の祭祀遺構の特徴は、考古遺跡ながら埋蔵文化財化しておらず、遺構や遺物が千年以上も地表に露出したまま荒らされずに残されている点にあります


沖津宮が建つ黄金谷という奥行 約 100mの小谷地形に 12個の巨石(磐座)と無数の岩が散乱する中に点在しており、正倉院にも収められているシルクロードを介してもたらされたペルシア産ガラス盃など地方豪族では入手困難なものが多数含まれていることから、ヤマト政権による国家的な祭祀が行われていたと推測され、古代における沖ノ島の重要性を物語っています

(上写真) 政府が世界遺産に推薦している沖ノ島。祭祀が行われていたという 5号遺跡 (福岡県宗像市) 2017年6月27日午前撮影 (松本健吾撮影) 「 【世界遺産】海洋信仰の文化に理解、ロビー活動が奏功 厳しい勧告覆す 産経新聞 07月09日 22:14 」 より (下写真) 沖ノ島17号遺跡 (複製) 沖ノ島 - Wikipedia 」 より





沖ノ島への上陸 女人禁制



沖ノ島への一般人の上陸が許可されるのは、通常 毎年 5月27日に開かれる大祭の時に制限されており、上陸できるのは事前に申し込みを行った中から抽選で選ばれた 200人程の男性のみで、女性は、同日、大島にある瀛津宮から沖ノ島を遥拝します

沖ノ島への上陸はすべて神事の一環として行われるため、前日に筑前大島の中津宮に参拝し、沖津宮奉賛会費(事実上の船代) 2万円を支払い、島内に分宿、大祭当日は、早朝より筑前大島船籍の釣り船などに分乗、2時間弱で島に到着、現地に着いたあとは御前浜でまず全裸で海に入って禊(垢離)をしなくてはいけません


島内での滞在は2時間程の制限時間が設けられており、また、島全体が天然記念物であるため、島内の湧き水(ご神水)を除き、島内の植物や岩石の収集は禁止されています

沖ノ島は 第 4種避難港指定を受けていることから、荒天時などに付近を航行中の船が避難できるよう港湾設備が整備されており、避難の際、寄港して上陸する場合には、社務所に許可を取って禊をすることが必要です



女人禁制について


葦津敬之宮司は、「世界遺産になっても沖ノ島は開示するものではない」と明言しており、一般開放はもとより、女人禁制の伝統的禁忌も継承されます

ユネスコ指針「ジェンダーと世界遺産」では、「個々の宗教観や文化性は尊重する」「因習を話し合う場があるべき」とし、女人禁制が世界遺産登録審査の障害にはならないことを示唆しています

国内法的には、沖ノ島は宗像大社の私有地内であり、所有者が立ち入りを拒否する権利があり、女性差別などの違憲(日本国憲法第14条への抵触)には当たらず、世界遺産条約でも、「当該国内法令に定める財産権は害さない」とし、所有権とその権利の行使を認めています

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関連記事

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関連記事を下記に紹介します



2017年7月10日

沖ノ島 一括で世界遺産決定、勧告覆し8資産 読売新聞 2017年07月10日


 クラクフで開催中の国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会は9日、日本が推薦した「『神宿る島』宗像むなかた・沖ノ島と関連遺産群」(福岡県、5か所8構成資産)を世界文化遺産に登録すると決定した。沖ノ島(宗像大社沖津宮おきつみや、周辺の3岩礁を含む)のほか、ユネスコの諮問機関「国際記念物遺跡会議(イコモス)」が除外を勧告した神社や古墳群など4か所4資産も登録が決まった。
 沖ノ島は、4~9世紀に大陸との航海安全などを祈る国家的な祭祀さいしが行われた痕跡を残す。戦後の発掘調査で見つかった金製指輪や青銅鏡など8万点の奉献品が国宝指定され、「海の正倉院」と呼ばれる。
 イコモスは5月の勧告で、古代祭祀と現在の宗像大社への信仰は「継続性が確認できない」とし、4資産の除外を求めた。
 政府は、一連の構成資産が一体となって信仰を継続させてきたとして、一括登録を求めて委員国に働きかけてきた。委員会の審議では「八つの構成資産は切り離せない一体性がある」「信仰が古代から現在まで断絶なく続いていることを示している」などとほとんどの委員国が、イコモスの勧告を修正し一括登録するよう求めた。


2017年7月10日

「満点以上の結果」 沖ノ島世界遺産 宗像でPV 読売新聞 2017年07月10日


 「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」(宗像、福津市)の全構成資産が、世界文化遺産に登録されることが決まった9日、宗像市の「海の道むなかた館」では、約400人が審議の様子を中継するパブリックビューイング(PV)を見守り、「満点以上の結果」と喜びを分かち合った。
 世界遺産を目指して15年前に始まった活動をリードした地元県議の吉武邦彦さん(61)は「自然を崇拝することが沖ノ島を守り、環境を守ってきた。この日を迎えることができて感無量」としみじみと語った。
 むなかた館の館長、西谷正さん(78)(九州大名誉教授)は「一括登録されると確信していたが、決まってほっとした」と笑顔を見せ、「地元住民と協力し、遺産を守りつつ、世界に分かりやすく情報を発信していきたい」と話していた。
 同館展示室や隣接する宗像大社でガイドを務める後藤捷二郎さん(73)は「宗像に世界遺産が誕生し、誇らしく思う。頑張ろうという気持ちになる」と喜んだ。


2017年7月9日

<世界遺産>信仰の連続性が認められる 沖ノ島一括登録 毎日新聞 07月09日 22:56


 福岡県宗像市と福津市にまたがる「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」が9日、一括して世界文化遺産に登録されることが決まった。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関、国際記念物遺跡会議(イコモス)が5月に関連遺産4件の除外を勧告してから2カ月。復活登録を信じてきた地元関係者らは喜んだ。今後は予想される観光客の増加などにどう対応するかが問われる。
 沖ノ島(宗像大社沖津宮=おきつみや)だけでなく、本土側の辺津宮(へつみや)など4件も含めて世界遺産登録が決まったのは、沖ノ島の古代祭祀(さいし)が現在の宗像大社信仰まで続いているとする日本側の主張を世界遺産委員会が受け入れたためだ。信仰の連続性に世界的価値が認められた形となった。
 日本側は、遺物などで考古学的に明らかな4〜9世紀の沖ノ島祭祀が、古事記や日本書紀(共に8世紀)の記述にある宗像三女神の信仰に連続するとした。さらに女人禁制などの禁忌により、今日まで沖ノ島が守られてきた点に世界的価値があると主張した。


2017年7月9日

【世界遺産】海洋信仰の文化に理解、ロビー活動が奏功 厳しい勧告覆す 産経新聞 07月09日 22:14


 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産への一括登録が決まった「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」(福岡県)。諮問機関のイコモスの勧告通り沖ノ島周辺のみか、全8史跡かが注目された世界遺産委員会の審議では、ほとんどの委員国代表が8つで一つの文化や信仰を示すという日本側の主張に理解を示した。政府関係者らのロビー活動が功を奏し、一体的な海洋信仰の文化の継承が認められた。
 推薦書では、沖ノ島に対する信仰が宗像三女神信仰に発展したとしていたが、イコモスは継承性が確認できないとした。審議では、文化的・歴史的に結びついた一体のものとされたほか、航海安全を祈願する信仰が続いていることや航海に関する遺産が少なく貴重であることも評価された。
 勧告で本土の宗像大社などが除外とされた理由について、昭和29〜46年の沖ノ島の発掘調査に携わった小田富士雄・福岡大名誉教授は「沖ノ島では考古学的物証が数多く出土し、古代の自然崇拝は外国人に理解しやすい。考古学のほかに神話なども説明しており、信仰が断絶しているように見えた可能性がある」と指摘。その上で、考古学上も全体としての価値を説明できることを強調する。


2017年7月9日

「沖ノ島」世界遺産に=除外勧告資産も逆転登録―国内21件目・ユネスコ 時事通信 2017年7月9日 21:53


 ポーランドのクラクフで開催中の国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会は9日、日本が推薦した「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」(福岡県)の世界文化遺産登録を決定した。
 ユネスコ諮問機関の国際記念物遺跡会議(イコモス)は5月、沖ノ島(宗像大社沖津宮)と付随する三つの岩礁のみを登録し、他の4資産は除外するのが適当と勧告したが、同委は勧告を覆し、全8資産の一括登録を決めた。
 国内の世界文化遺産は17件目で、自然遺産を含めた世界遺産は21件目。
 沖ノ島は九州と朝鮮半島の間に位置し、島全体が信仰の対象とされる。4〜9世紀、朝鮮半島や中国大陸との交流成就や、航海の安全を祈る大規模な祭祀(さいし)が行われた。この変遷を示す考古遺跡が、ほぼ手付かずの状態で残されてきた。
 島では朝鮮半島からの金製指輪やペルシャ(イラン)からシルクロードを通じてもたらされたと考えられるカットグラスわん片など約8万点の奉献品が出土。全て国宝に指定され、「海の正倉院」とも呼ばれる。小屋島、御門柱、天狗岩の3岩礁は、沖ノ島の鳥居の役割を果たしている。


2017年7月9日

「完全復活、やったー」歓喜の地元 世界遺産に沖ノ島 朝日新聞 07月09日 21:02


 八つの構成資産が密接に結びついてこその「沖ノ島」。真摯(しんし)な主張が世界を説得した。4資産のみ認めるとするイコモス(国際記念物遺跡会議)の事前評価から一転。現地の政府団に各国から祝福の拍手が送られ、吉報を待ち望んだ地元・宗像市や福津市の人々も歓喜に沸いた。
 世界遺産委員会の会場に、「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」(福岡県)の一括登録を告げる木槌(きづち)の音が鳴り響いた。地元関係者らが待ちに待った瞬間。議場内は拍手に包まれた。
 9日午前10時(日本時間午後5時)過ぎに審議が始まると、委員国からは全8資産まとめての登録を支持する発言が相次いだ。大きな異論はなく、約1時間足らずで決定。佐藤地(くに)ユネスコ大使や宮田亮平文化庁長官が、関係各国への謝意と人類共通の財産を守っていく決意を述べた。会場中ほどに陣取った日本政府代表団の席には各国から祝福の握手が相次ぎ、日本側は満面の笑みで応じた。


2017年7月9日

【世界遺産】九州大名誉教授・「海の道むなかた館」館長、西谷正さん(78) 「宗像・沖ノ島」推薦書を作成 「全体で一つの完成された文化」 産経新聞 07月09日 20:54


 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産への一括登録が決まった「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」(福岡県)に、専門家として推薦書作成に携わった。
 ユネスコ諮問機関、イコモスの勧告を覆す8つの史跡全ての登録を確信していただけに、期待通りのうれしい結果となった。「関連遺産群全体で一つの完成された文化。間違いなく登録されると思っていました」
 推薦書では、島を信仰対象とする伝統を強調していたが、イコモスは5月の勧告で現在の宗像大社に古代の信仰が継承されているとは確認できないとした。だが、除外を求められた本土の宗像大社辺津宮や、中津宮のある大島でも、沖ノ島で約500年続いた祭祀(さいし)の最終段階と同様の遺跡が見つかった。継承性を示す文献資料などもあるという。
 「神社建築は建て替えが行われるので、直接の証拠は残らない。われわれには当たり前のことだが、十分説明しておらず、イコモスの認識不足を招いたのは反省点」と振り返る。


2017年7月9日

「世界に誇れる」=豪雨災害の中「希望」―沖ノ島地元、喜びに沸く 時事通信 2017年7月9日 20:47


 「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」の世界文化遺産登録が決まった9日、福岡県宗像市の「海の道むなかた館」に集まった市民ら約400人は喜びに沸いた。記録的豪雨による甚大な災害のさなかに届いた朗報に、大曲昭恵副知事は「厳しい中、希望をもらった」と感慨深げに話した。
 ポーランドで行われた審議の様子をインターネット中継で見守り、多くの委員国から一括登録を支持する発言が相次ぐと、拍手と共に「よし」「いいぞ」などの掛け声が飛んだ。午後6時前、議長が木づちを鳴らして一括登録を告げると、歓喜は最高潮に。万歳し、ガッツポーズを取ったり、握手を交わしたりする人もいた。
 九州観光推進機構の渡辺太志専務理事は「熊本地震や今回の豪雨で、九州イコール災害のイメージが定着しそうな中、世界に誇れる」と期待を込めた。
 一部を除外すべきだとした諮問機関の勧告を覆しての一括登録に、宗像大社の葦津幹之権宮司は「どきどきしていたが正直ほっとした。地元が一体となり精いっぱい頑張ったことを、神様がいいよと判断してくれた」と声を弾ませた。
 研究面で登録推進の支柱となってきた西谷正九州大名誉教授は「10年以上研究を積み重ねて明らかにした高い価値。一括登録になると確信していたが、実は毎日お参りしていた」と明かし、「今後はさまざまな方法で発信したい」と意気込んだ。


2017年7月9日

日本関係者「うれしさで泣きそう」=逆転登録に満面の笑み―世界遺産 時事通信 2017年7月9日 20:05


 「神宿る島」とされる沖ノ島(福岡県宗像市)などの世界文化遺産登録が決まった9日、ポーランドのクラクフで開かれたユネスコ世界遺産委員会に出席した宮田亮平文化庁長官は決定後に記者会見し、「うれしさで泣きそうだ」と感極まった様子で話した。
 諮問機関の勧告を覆し、逆転での一括登録を実現。宮田長官は、沖ノ島と海を隔てた同県福津市にある豪族宗像氏の墳墓「新原・奴山古墳群」などのつながりを説明するため、自ら描いた地図を各国の代表者に見せて回ったと明かし、「島国と海、海流の関係を世界の人たちがしっかり分かってくれた」と満面の笑みを浮かべた。
 記録的な豪雨による災害対応のため、代表団の一員だった福岡県の小川洋知事は、この日を待たずに帰国を余儀なくされた。会見に同席した谷井博美宗像市長は「涙が出るほど感動した」と喜ぶ一方、「これまで引っ張ってくれた小川知事がここにいないのは残念だ」と悔しがった。
 沖ノ島は一般人の上陸が原則禁じられ、宗像大社は職員を10日交代で派遣して管理に当たる。葦津敬之宮司は「先人の知恵が詰まった長い歴史をひもときながら、未来に向かって何ができるかを考えたい」と抱負を語った。


2017年7月9日

沖ノ島、世界遺産に 勧告を覆し、8資産の一括登録決定 朝日新聞 2017年7月9日 19:57


 ポーランドのクラクフで開かれているユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産委員会は9日、福岡県の「『神宿る島』宗像(むなかた)・沖ノ島と関連遺産群」を世界文化遺産に登録することを決めた。構成8資産のうち、ユネスコの諮問機関が4資産を「除外」するよう勧告したが、世界遺産委は逆転で一括登録を認めた。
 今回の登録で国内の文化遺産は17件、自然遺産と合わせた世界遺産は21件になる。九州からは2015年の「明治日本の産業革命遺産」(九州・山口地域など8県)以来となる。
 構成資産は、本土から約60キロの玄界灘に浮かび、「日本書紀」にも登場する海の女神が鎮座する宗像大社沖津宮(おきつみや)がある沖ノ島と、いずれも島に付随する小屋島(こやじま)、御門柱(みかどばしら)、天狗岩(てんぐいわ、以上宗像市)の4資産のほか、本土から約11キロ沖の大島にある中津宮(なかつみや)と沖津宮遥拝(ようはい)所▽本土にある宗像大社辺津宮(へつみや、同)▽信仰を支えた宗像族の墓とされる新原(しんばる)・奴山(ぬやま)古墳群(福津市)の計8資産。「顕著な普遍的価値がある」「航海の安全を祈願する信仰が古代から現代まで断絶なく続いていることを示し、価値が高い」「航海に関する分野は今の世界遺産一覧表には少ない分野」と評価された。


2017年7月9日

「沖ノ島」世界遺産に…除外勧告の4資産も登録 読売新聞 2017年07月09日 19時52分


 クラクフで開催中の国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会は9日、日本が推薦した「『神宿る島』宗像むなかた・沖ノ島と関連遺産群」(福岡県、5か所8構成資産)を世界文化遺産に登録すると決定した。
 沖ノ島(宗像大社沖津宮おきつみや、周辺の3岩礁を含む)のほか、ユネスコの諮問機関「国際記念物遺跡会議(イコモス)」が除外を勧告した神社や古墳群など4か所4資産も登録が決まった。
 沖ノ島は、4~9世紀に大陸との航海安全などを祈る国家的な祭祀さいしが行われた痕跡を残し、戦後の発掘調査で見つかった金製指輪や青銅鏡など8万点の奉献品が国宝指定され、「海の正倉院」と呼ばれる。


2017年7月9日

<世界遺産>福岡「沖ノ島」登録決定 構成資産8件一括で 毎日新聞 2017年7月9日 18:11


 ユネスコの世界遺産委 国内で文化遺産17件の計21件に
 ポーランドのクラクフで開かれている国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会は9日、福岡県の「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」を世界文化遺産に登録することを決めた。ユネスコの諮問機関は、日本政府が推薦した構成資産8件のうち4件を除外するよう勧告したが、逆転で一括登録が認められた。これで国内の世界遺産は文化遺産17件、自然遺産4件の計21件となる。
 宗像市の沖約60キロに浮かぶ沖ノ島は、4〜9世紀に航海の安全と大陸との交流の成功を祈願する祭祀(さいし)が営まれ、その跡がほぼ手つかずで残る。戦後の学術調査で大陸からもたらされた銅鏡や武器、装身具などの奉献品約8万点が出土し、全て国宝に指定された。宝物の多彩さから「海の正倉院」と呼ばれる。島そのものが神体とされ、立ち入りは原則禁止されている。
 ユネスコの諮問機関「国際記念物遺跡会議」(イコモス)は今年5月、沖ノ島を「古代祭祀の記録を保存する類いまれな収蔵庫」と評価し、周辺の3岩礁「小屋島」「御門(みかど)柱」「天狗(てんぐ)岩」と合わせた「宗像大社沖津宮(おきつみや)」を世界文化遺産に登録するよう勧告した。


2017年7月9日

【世界遺産】宗像・沖ノ島、世界遺産に逆転一括登録 産経新聞 2017年7月9日 18:09


 ポーランドのクラクフで開催中の国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会は8日、古代東アジアの交流にまつわる沖ノ島など、「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」(福岡県)を構成する8つの史跡全てを世界文化遺産に登録することを決めた。
 事前審査をしたユネスコ諮問機関のイコモスが5月、沖ノ島と周辺の岩礁を登録し、本土側の宗像大社など4つを除外するよう求めた勧告を覆す一括登録となった。日本国内の世界遺産は昨年の「国立西洋美術館」(東京都)に続き21件目。文化遺産が17件、自然遺産が4件となる。
 宗像・沖ノ島は、沖ノ島と3つの岩礁(福岡県宗像市)、九州本土の宗像大社(同)、新(しん)原(ばる)・奴(ぬ)山(やま)古墳群(福津市)など8つの国指定史跡で構成する。
 沖ノ島は、九州と朝鮮半島の間に位置し、4〜9世紀に航海安全や交流成就を祈る国家的祭(さい)祀(し)が行われた。入島制限の禁忌が守られ、自然崇拝に基づいた古代祭祀の変遷を示す遺跡がほぼ手つかずで残る。奉献品約8万点が出土し、“海の正倉院”とも呼ばれる。


2017年7月9日

上陸に厳しい制限=祭祀跡や奉献品残る―観光と両立課題も・沖ノ島 時事通信 2017年7月9日 18:06


 世界文化遺産への登録が決まった沖ノ島(福岡県宗像市)で貴重な古代祭祀(さいし)の痕跡や約8万点の奉献品が残されてきたのは、島への信仰や禁忌が受け継がれ、上陸が厳しく制限されてきたことなどが背景にある。
 沖ノ島では、今も女人禁制などの禁忌が残る。男性も上陸は通常、認められておらず、許された場合も着衣を全て脱いで海に入り、みそぎをしなければならない。
 現在、神職ら以外の一般男性が沖ノ島に渡って参拝できるのは、毎年5月27日の沖津宮現地大祭の時だけだ。この場合も、上陸できるのは約200人に限定されている。
 また、沖ノ島は「不言様(おいわずさま)」とも呼ばれ、島で見聞きしたことを口外してはならないとされてきた。島からは「一木一草一石たりとも持ち出してはならない」とされ、江戸時代にはこれを破ったことによるたたりがあったとも伝えられる。
 こうした島への畏敬の念により、古代祭祀遺跡はほぼ手付かずの状態で守られてきた。世界遺産に登録された場所は、観光名所としてにぎわうケースが多いが、沖ノ島の歴史的な価値や魅力をどのように発信するかは今後の課題となる。


2017年7月9日

「沖ノ島」世界遺産に…除外勧告の4資産も登録 読売新聞 7/9(日) 18:01


 クラクフで開催中の国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会は9日、日本が推薦した「『神宿る島』宗像(むなかた)・沖ノ島と関連遺産群」(福岡県、5か所8構成資産)を世界文化遺産に登録すると決定した。
 沖ノ島(宗像大社沖津宮(おきつみや)、周辺の3岩礁を含む)のほか、ユネスコの諮問機関「国際記念物遺跡会議(イコモス)」が除外を勧告した神社や古墳群など4か所4資産も登録が決まった。
 沖ノ島は、4~9世紀に大陸との航海安全などを祈る国家的な祭祀(さいし)が行われた痕跡を残し、戦後の発掘調査で見つかった金製指輪や青銅鏡など8万点の奉献品が国宝指定され、「海の正倉院」と呼ばれる。


2017年7月9日

沖ノ島が世界遺産登録! 宗像・沖ノ島と関連遺産群の観光はここに注目 マイナビ 2017年7月9日 17:47


 なぜ沖ノ島は謎に包まれてきたのか--世界遺産観光ができるエリアはどこ?
ポーランド・クラクフで開催されている世界遺産委員会にて7月9日、「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」(福岡県)が世界遺産に登録された。5月5日には、世界遺産への登録可否を調査する国際的な諮問機関「イコモス(国際記念物遺跡会議)」より、8つの構成資産の内の4つを除外するよう、日本政府に対して登録勧告がなされたが、今回、8つの構成資産で登録となった。
 『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群とは
 沖ノ島自体、ごく限られた人しか立ち入れないという、謎に包まれた聖地。さらに、一木一草一石たりとも持ち帰ってはならない、島でのできごとは口外してはならないというように、いくつかの禁忌もある。そのような理由から、その存在自体が、長きに渡って広く知られることはなかった。
 歴史の中で、その存在が厳かに守られ続けてきた沖ノ島では、これまで出土品がおよそ10万点見つかり、加えてその8割にも及ぶ8万点が国宝に指定されてきた。それが、「海の正倉院」と呼ばれる所以だ。


2017年7月9日

沖ノ島 世界遺産審議1日先送りに NHK 2017年7月9日 01:39


 ポーランドで開かれているユネスコの世界遺産委員会は日本が推薦する福岡県の「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」について、世界遺産に登録するかどうかの審議を1日先送りしました。ほかの候補の審議に時間がかかったためで、遺産群の審議は日本時間の9日午後行われる見通しです。


2017年7月8日

世界遺産、審査スタート 文化庁長官が宗像・沖ノ島PR 朝日新聞 07月08日 05:18


 ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産登録をめざす「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」(福岡県)を含む新規案件の審議が、ポーランド・クラクフで開催中の第41回世界遺産委員会で7日朝(現地時間)、始まった。
 30余りの案件が順番に諮られ、「宗像・沖ノ島」は2日目の8日(同)とみられる。日本政府の関係者らは、会場中ほどの席で審議の行方を見守った。
 5月、諮問機関である国際記念物遺跡会議(イコモス)によって沖ノ島本体の登録勧告は受けながらも、半数に除外条件がついた「宗像・沖ノ島」。厳しい状況を覆して一括登録をめざそうと、政府関係者は21カ国の委員国らに対して最後の説得にあたった。
 この日の朝、審議開始に先だって会場入り口では宮田亮平・文化庁長官が次々に現れる委員国の代表を待ち構え、「応援をしてほしい」などと精力的に協力を要請した。


2017年7月7日

「沖ノ島、三女神は一体。優劣をつける判断は困る」 世界遺産、きょうから登録審査 宗像大社宮司・葦津敬之氏が思い語る 産経新聞 07月07日 10:04


 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会は7日、ポーランドのクラクフで世界遺産の登録審査に入る。政府は「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」(福岡)を推薦しており、登録される可能性は高い。審査を前に、当事者である宗像大社宮司の葦津敬之(あしづ・たかゆき)氏(54)が産経新聞に思いを語った。
 審査対象は、沖ノ島や宗像大社などの遺産。ユネスコの諮問機関が今年5月に沖ノ島と周辺3岩礁のみを登録すると勧告したことから、政府や福岡県は一括登録を目指してきた。
 「私たちが当たり前だと思っていたことがユネスコの諮問機関の方々には理解されていなかった」と、国際的な理解を得ることの難しさをまず明かした。
 「日本書紀」(720年)によると、天皇直系の祖先神、天照大神の三女神が降臨したのが沖ノ島、大島、宗像大社だった。
 「三女神の一つだけを取り上げるのは具合が悪い。キリスト教の教理、三位一体もそう。聖霊を切ったりしたらえらいことですよ。日本人は三女神を平等に扱ってきている。これに優劣をつけるような判断をされては困る」と説明。その上で「二千年以上の歴史ある宗像が世界的に評価されれば、地域の人々にも大きな励みとなり、宗教文化資産を守り伝えることにもつながる」と意義を力説した。


2017年7月4日

「神宿る島」ルーツ人気 遺跡公園の来場者1・7倍に 福岡県宗像市 西日本新聞 07月04日 12:01


 沖ノ島(福岡県宗像市)のルーツ、ここにあり−。「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」の世界遺産登録審査が近づき、宗像の歴史に関心が高まる中、同市田熊にある弥生〜古墳時代の集落跡、田熊石畑遺跡歴史公園(いせきんぐ宗像)にも足を運ぶ人が増えている。6月の来場者数は前年同月の1・7倍になった。住民が「弥生のムラびと」として場内案内のほか、古代体験を指導するなど、積極的にリピーター獲得に努める。
 田熊石畑遺跡では弥生時代中期の墳墓6基が確認され、すべての墓から武器形青銅器計15点が見つかった。1カ所の墓域から見つかった数としては国内最多級だという。弥生前期に朝鮮半島から伝わった武器形青銅器は有力者の所有物であり、宗像の地に豊かな有力者集団があったことがうかがえる。
 川沿いには入り江のような跡があり、朝鮮系などの土器片も見つかった。「弥生人たちは丸木舟で川を下り、そのまま玄界灘を渡って交易をしていたのかもしれない。沖ノ島祭祀(さいし)をしていた宗像一族の祖先がここにいたと推測できる」と発掘担当の市学芸員、白木英敏さん(51)は力説する。


2017年7月3日

沖ノ島以外は価値ない? 4資産、世界遺産復活なるか 朝日新聞 2017年7月3日18時08分


 「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」(福岡県)の登録を審議する世界遺産委員会が近づいてきた。ユネスコ(国連教育科学文化機関)の諮問機関が除外を勧告した四つの構成資産は「復活」するのか。関係者の努力が続く。
 「宗像・沖ノ島」を構成する8資産のうち、イコモス(国際記念物遺跡会議)が除外を求めたのは、本土の宗像大社辺津宮、大島の同中津宮と沖津宮遥拝(ようはい)所(以上宗像市)、宗像族の墓とされる新原・奴山古墳群(福津市)。また「関連遺産群」の文言を外すことも求めた。認められた三つの岩礁は沖ノ島に付随しており、沖ノ島以外は世界的な価値がないとの評価だ。
 政府の推薦書は、「古事記」「日本書紀」に登場する神々への信仰がいまの辺津宮や中津宮にも息づき、古墳群も「沖ノ島祭祀(さいし)を担い現在も続く信仰の伝統を発展させた宗像氏の証拠」としている。形態は異なっても航海安全への祈りは同じで信仰の場としての連続性がある、との主張だ。
 これに対しイコモスは、宗像族は国家形成期の大和政権に関連するのだから、世界的ではなく国内的な価値▽古代の祭祀と現在の信仰にギャップがある▽社殿は比較的新しく、禁忌の慣習や祭りも古くない、などと指摘。日本との解釈の食い違いが目立つ。


2017年6月29日

沖ノ島 世界遺産へ 読売新聞 2017年06月29日 05時20分


★沖ノ島 世界遺産へ
 九州本土からおよそ60キロ離れた福岡県宗像市の沖ノ島が世界文化遺産に登録されると期待されています。普段は一般の人の立ち入りが禁止され、「神宿る島」と呼ばれる沖ノ島の魅力に迫りました。


2017年5月6日

<世界遺産登録勧告>「沖ノ島」正式決定は7月のユネスコ委 毎日新聞 05月06日 13:19


 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産に、福岡県の「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」の一部を登録するようユネスコの諮問機関「国際記念物遺跡会議」(イコモス、本部・パリ)が勧告したのを受け、文化庁は6日記者会見し、政府が推薦した遺産群の資産8件のうち4件は「世界的な価値が認められない」と評価されたことを明らかにした。福岡県は除外された4件も含めた登録を目指す方針を示しており、文化庁は協議して今後の対応を検討する。
 登録が勧告されたのは、宗像市の沖約60キロの玄界灘に浮かぶ沖ノ島と、岩礁の「小屋島」「御門柱(みかどばしら)」「天狗(てんぐ)岩」の4件。勧告は沖ノ島を「古代祭祀(さいし)の記録を保存する類いまれな収蔵庫」と表現し、考古学的な物証があるとして普遍的価値を認めた。一方、沖ノ島を遠くから拝むための宗像大社の「沖津宮遥拝(ようはい)所」や「中津宮」「辺津(へつ)宮」と、祭祀を担った豪族の墓とされる同県福津市の「新原(しんばる)・奴山(ぬやま)古墳群」の4件は「価値が(日本の)国家的なもので、世界的な価値とは認められない」として除外し、登録名を「『神宿る島』沖ノ島」と変更することも勧告した。


2017年5月6日

<世界遺産登録勧告>地元自治体 福岡知事ら「厳しい内容」 毎日新聞 2017年5月6日 12:34


 文化庁は6日記者会見し、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産に、福岡県の「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」の一部を登録するようユネスコの諮問機関「国際記念物遺跡会議」(イコモス、本部・パリ)が勧告したと発表した。
 地元の自治体からは、八つの構成資産のうち、宗像大社沖津宮遥拝所など4件が対象外とされた条件付き勧告に、戸惑いの声が上がった。
 福岡県の小川洋知事は6日、県庁で報道陣の取材に応じ「古代祭祀(さいし)の考古学的価値が認められたことをうれしく思う」とした上で、4遺産が除外されたことについて「非常に残念で厳しい勧告だ。推薦した全遺産が認められるよう、関係者と協議しながら7月の世界遺産委員会に向け最善を尽くしたい」と述べた。
 宗像市役所で記者会見を開いた谷井博美市長も「厳しい内容に驚いている。結果としては十分な理解を得られなかったことは非常に残念。世界遺産委員会では八つの資産が全部記載されるよう国や県と手を携えて最後までしっかり取り組んでいきたい」と話した。


2017年5月6日

<世界遺産登録勧告>4件除外に文化庁 今後の対応検討 毎日新聞 05月06日 11:27


 福岡・宗像 「沖ノ島」遺産群
 文化庁は6日記者会見し、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産に、福岡県の「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」の一部を登録するようユネスコの諮問機関「国際記念物遺跡会議」(イコモス、本部・パリ)が勧告したと発表した。日本政府が推薦した遺産群の資産8件のうち4件は「世界的な価値が認められない」として除外する内容。福岡県は除外された4件も含めた登録を目指す方針を示しており、文化庁は協議して今後の対応を検討する。
 登録が勧告されたのは、宗像市の沖約60キロの玄界灘に浮かぶ沖ノ島と、岩礁の「小屋島」「御門柱(みかどばしら)」「天狗(てんぐ)岩」の4件。勧告は沖ノ島を「古代祭祀(さいし)の記録を保存する類いまれな収蔵庫」と表現し、考古学的な物証があるとして普遍的価値を認めた。一方、沖ノ島を遠くから拝むための宗像大社の「沖津宮遥拝(ようはい)所」や「中津宮」「辺津(へつ)宮」と、祭祀を担った豪族の墓とされる同県福津市の「新原(しんばる)・奴山(ぬやま)古墳群」の4件は「価値が(日本の)国家的なもので、世界的な価値とは認められない」として除外し、登録名を「『神宿る島』沖ノ島」と変更することも勧告した。


2017年5月6日

「前進した」喜び=条件付きに困惑も―「宗像・沖ノ島」地元・福岡 時事通信 05月06日 10:58


 福岡県にある「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」が条件付きで世界遺産に登録される見通しとなり、地元では6日、喜びの声が上がる一方、沖ノ島以外の構成資産が除かれたことに困惑する声も漏れた。
 「まずは喜びたい。前進したのはうれしい」。「宗像歴史観光ボランティアの会」会長の船村浩由さん(70)は話す。構成資産の一部除外について、「沖ノ島と内陸部などでは共通のお祭りが歴史的に行われ、『古事記』や『日本書紀』にも一体のものとして記載されているのに…」と悔しさもにじませる一方、「世界遺産になろうとなるまいと価値は変わらないが、7月まで時間はある。全資産の登録に期待したい」と語った。
 宗像大社広報課の黒神直豊さん(25)も「沖ノ島の評価はうれしいが、除外された資産は2000年近く沖ノ島と一体として続いてきたもので、正直外してほしくなかった」と残念そう。「三保松原のように、除外勧告をユネスコが覆した例もある」と望みをつないだ。


2017年5月6日

「沖ノ島」世界遺産へ=ユネスコ諮問機関勧告―7月正式決定 時事通信 05月06日 05:42


 文化庁は5日、「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」(福岡県宗像市、福津市)について、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関の国際記念物遺跡会議(イコモス)が世界文化遺産に条件付きで登録するよう勧告したと発表した。7月にポーランドのクラクフで開かれるユネスコの世界遺産委員会で正式決定される見通し。
 登録されれば、国内の世界遺産は21件(文化遺産17件、自然遺産4件)となる。
 「宗像・沖ノ島」は、九州と朝鮮半島の間に位置し、島全体が信仰の対象とされる沖ノ島(宗像大社沖津宮)のほか、別の離島である大島や九州本土で共通する祭祀(さいし)を行った宗像大社の中津宮と辺津宮▽大島から沖ノ島を拝む沖津宮遙拝所▽祭祀を担った豪族宗像氏の墳墓「新原・奴山古墳群」―の資産で構成される。
 イコモスはこのうち、沖ノ島と付随する三つの岩礁(小屋島、御門柱、天狗岩)のみを登録し、他の資産は除外するのが適当と勧告。名称も「『神宿る島』沖ノ島」に変更するよう求めた。


2017年5月6日

<世界遺産登録勧告>福岡県は喜びと落胆 一部除外で 毎日新聞 05月06日 01:09


 福岡県宗像市の沖ノ島が世界遺産登録の勧告を受けた5日深夜、一報を受けた地元関係者からは喜びの声が沸き上がった。
 県文化振興課の世界遺産登録推進室には5日午後10時50分ごろ、文化庁から「沖ノ島について世界文化遺産への記載が適当」とする内容の一報が電話で入ったという。担当者ら職員は連絡を受けて相次いで出勤。報道各社への連絡や勧告の内容を精査するなど対応に追われた。
 宗像市には同日午後11時ごろに県から担当者に電話が入った。職員10人あまりが急きょ招集され、電話対応に追われた。市内のホテルで働く30代女性は一報を聞き「ぜひ世界遺産に登録されて、世界中から大勢の観光客に来てほしい」と期待を寄せた。
 同市の谷井博美市長は「一部の構成資産に限るという条件がつく厳しい内容にとても驚いている。該当しなかった他の資産も含めて7月のユネスコ世界委員会では八つの構成資産すべてが登録されるよう国、県、福津市と最後までしっかり取り組みたい」とコメントを出した。


2017年5月6日

沖ノ島、世界文化遺産へ 条件付きで登録勧告 朝日新聞 05月06日 01:00


 ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界文化遺産に、福岡県宗像(むなかた)、福津(ふくつ)両市の「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」が登録される見通しとなった。事前審査する諮問機関が「登録」を勧告したためだが、認められたのは主要な構成資産5件のうち沖ノ島だけで、それ以外は除外するとの条件が付いた。7月2日からポーランドである世界遺産委員会で最終的に判断される。
 フランス・パリの世界遺産センターが5日、諮問機関の国際記念物遺跡会議(イコモス)の勧告を日本政府に伝えた。勧告は「登録」▽追加情報の提出を求めた上で次回以降の審議に回す「情報照会」▽より綿密な調査や推薦書の本質的な改定が必要な「登録延期」▽登録にふさわしくない「不登録」の4段階で評価される。
 遺産群は、「日本書紀」にも登場する海の女神が鎮座する宗像大社沖津宮(おきつみや)がある沖ノ島▽本土から約11キロ沖の大島にある中津宮(なかつみや)と沖津宮遥拝(ようはい)所▽本土にある宗像大社辺津宮(へつみや)▽信仰を支えた宗像族の墓とされる新原(しんばる)・奴山(ぬやま)古墳群――など。「古代祭祀(さいし)の変遷を示す考古遺跡がほぼ手つかずの状態で残されている」などとして2009年、国内候補の一覧表「暫定リスト」に記載され、15年の文化審議会で国内推薦候補に決定。イコモスが昨年9月、現地で調査した。


2017年5月6日

「宗像・沖ノ島と関連遺産群」一部が世界文化遺産登録へ NHK 05月06日 00:32


 世界文化遺産への登録を目指している、福岡県の「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」について、ユネスコの諮問機関は「世界遺産にふさわしい」と勧告し、ことし7月に世界文化遺産に登録される見通しとなりました。一方で、8つの構成資産のうち、宗像大社中津宮など4つの構成資産については「除外すべき」と勧告され、文化庁は「全体としては厳しい勧告内容だ。地元の福岡県などと協議して、今後の対応を検討したい」と話しています。
 福岡県宗像市の沖ノ島や宗像大社など8つの構成資産からなる「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」は、日本政府がことし7月の世界文化遺産への登録を目指しています。
 これについて、ユネスコの諮問機関「イコモス」は、現地調査などを行った結果、8つの構成資産のうち、沖ノ島とその周辺にある小屋島、御門柱、天狗岩の合わせて4つの資産について、「世界遺産に登録することがふさわしい」とする勧告をまとめました。
 沖ノ島には、4世紀から9世紀までの間、日本と東アジアの交流に伴う航海の安全などを願った祭りの遺跡が、多くの装飾品とともにそのまま残されています。


2017年5月6日

宗像・沖ノ島、世界文化遺産へ ユネスコに勧告 沖ノ島以外の4件は除外 産経新聞 05月06日 00:19


 政府に5日入った連絡によると、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産に、福岡県の古代遺跡「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」を登録するようユネスコの諮問機関、イコモスが勧告した。ただし、沖ノ島以外の4つの資産は除外された。7月2〜12日にポーランドのクラクフで開かれるユネスコ世界遺産委員会で正式決定される見通し。登録されると、日本国内の世界遺産は文化遺産17件、自然遺産4件の計21件となる。
 宗像・沖ノ島と関連遺産群は4〜9世紀の大陸との交流にまつわる古代遺跡。九州と朝鮮半島の間の玄界灘にあり航海安全と交流成就を祈る国家的祭祀(さいし)が行われた沖ノ島(宗像大社沖津宮(おきつみや)と本土の宗像大社、祭祀を担う豪族が築いた新原(しんぱる)・奴山(ぬやま)古墳群など8件の国指定史跡で構成する。
 島そのものが神体とされる沖ノ島は入島制限の禁忌が守られており、古代の祭祀跡がほぼ手つかずで残る。昭和29〜46年に実施された調査で、金製指輪や銅鏡、シルクロードを経てもたらされたとみられるカットグラス碗(わん)の破片など祭祀で供えられた奉献品約8万点が出土。全てが国宝に指定され、「海の正倉院」と呼ばれるようになった。


2017年5月5日

<世界遺産登録勧告>福岡・宗像「神宿る島」 イコモス 毎日新聞 05月05日 23:59


 政府に5日入った連絡によると、日本が世界文化遺産に推薦していた福岡県の「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」の一部について、世界遺産登録の可否を調査する諮問機関「国際記念物遺跡会議」(イコモス、本部・パリ)が「登録が適当」と国連教育科学文化機関(ユネスコ)に勧告した。登録が決定すれば、日本の世界遺産は自然遺産(4件)も含め21件目となる。
 7月2〜12日にポーランドで開かれるユネスコ世界遺産委員会で正式決定されるが、イコモスが登録を勧告したことで認められる可能性が極めて高くなった。
 登録が濃厚になったのは、福岡県宗像市の宗像大社沖津宮(沖ノ島、小屋島、御門柱(みかどばしら)、天狗(てんぐ)岩)。
 ただイコモスは、日本が他に推薦していた宗像大社の沖津宮遥拝(ようはい)所、中津宮、辺津(へつ)宮、福津市の新原(しんばる)・奴山(ぬやま)古墳群の四つについては除外するよう勧告した。


2017年5月5日

「宗像・沖ノ島」世界遺産へ=ユネスコ諮問機関勧告―7月正式決定 時事通信 05月05日 23:49


 文化庁は5日、「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」(福岡県宗像市、福津市)について、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関の国際記念物遺跡会議(イコモス)が世界文化遺産に登録するよう条件付きで勧告したと発表した。7月にポーランドのクラクフで開かれるユネスコの世界遺産委員会で正式決定される見通し。
 登録されれば、国内の世界遺産は21件(文化遺産17件、自然遺産4件)となる。
 「宗像・沖ノ島」は、九州と朝鮮半島の間に位置し、島全体が信仰の対象とされる沖ノ島(宗像大社沖津宮)のほか、別の離島である大島や九州本土で共通する祭祀(さいし)を行った宗像大社の中津宮と辺津宮▽大島から沖ノ島を拝む沖津宮遙拝所▽祭祀を担った豪族宗像氏の墳墓「新原・奴山古墳群」―の資産で構成される。イコモスはこのうち、沖ノ島以外の資産を除いた登録が適当と勧告した。
 沖ノ島では4〜9世紀、朝鮮半島や中国大陸との交流成就や、航海の安全を祈る大規模な祭祀が行われた。朝鮮半島からの金製指輪や、ペルシャからもたらされたと考えられるカットグラスわん片など約8万点の奉献品が出土。全て国宝に指定されており、「海の正倉院」とも呼ばれる。


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