霧島山 新燃岳 6年ぶり噴火 噴煙 2300m 噴火警戒レベル 3 入山規制 2017年10月15日
鹿児島県、宮崎県の県境にまたがる霧島山 (きりしまやま)(霧島連山) 新燃岳(しんもえだけ)(1421メートル)が、2011年9月7日以来 約
6年ぶりとなる 2017年10月11日午前5時34分から、連続して噴火が発生、噴煙は火口上空 300メートルまで上がり、合わせて、山の膨張を示す地殻変動なども継続しているため、火山活動がさらに活発になる可能性があるということです
気象庁は、今後、より規模の大きな噴火が起きるおそれがあるとして、火口周辺警報を発表、噴火警戒レベルを 2011年10月以来 4年ぶりとなる 2(火口周辺規制)から
3(入山規制)に引き上げ、火口から概ね 2キロの範囲で大きな噴石や火砕流に警戒するよう呼びかけました
さらに、2017年10月13日に 1日 1400トンだった火山ガス(二酸化硫黄)の放出量が 2017年10月15日には 1万1千トンに急増、爆発的噴火が発生する可能性があるとして、警戒範囲を
2017年10月11日噴火時の火口から「概ね 2キロの範囲」から 2017年10月15日には 「概ね 3キロの範囲」へと拡大しました
気象庁によると、火山ガスの放出量が 1日 1万トンを超えるのは、2011年1月の本格的なマグマ噴火以来ということです
2017年10月15日現在のところ、噴火は小規模で噴石の飛散は確認されておらず、人的被害の情報も入っていませんが、噴煙の高さも増してきており、2017年10月14日には
2300mにまで達し、噴煙は北東側に流れ、降灰は、火口から 約 90キロ離れた宮崎県日向市など 9市町村で確認されています
また気象庁によると、地下のマグマや火山ガスなどの動きを示すとされる火山性微動が続き、微動の振幅も次第に大きくなってきており、新燃岳の山体が膨張する地殻変動、傾斜変動も継続、今後、火山活動が更に活発になる恐れがあるということです
気象庁は、新燃岳の地表面温度の上昇や降灰状況などを確認するため、機動調査班を派遣、上空や地上などから調査を行う予定です
霧島山 (きりしまやま) 新燃岳 最近の活動
霧島山 (きりしまやま) 新燃岳は、鹿児島県と宮崎県にまたがり 20を超える火山からなる「霧島連山」の一つで、6年前の 2011年1月下旬に火山活動が活発化、2011年1月26日、約
300年ぶりに本格的なマグマ噴火が発生、爆発的な噴火が繰り返しました
この時の一連の噴火では、ふもとの鹿児島県霧島市で爆発的な噴火に伴う空振(空気の振動)によって建物の窓ガラスが割れる被害が出るとともに、宮崎県側では、高原町で、風で運ばれた小さな噴石が降って自動車の窓ガラスなどが割れた他、高原町や都城市で多量の火山灰が降りました
霧島山 新燃岳では、2011年9月を最後に噴火は観測されず、次第に火山活動は低下、2017年5月には噴火警戒レベルが最も低い レベル 1に引き下げられていましたが、2017年10月5日、1日に
90回近くの火山性地震が発生したことなどから、気象庁は小規模な噴火が発生するおそれがあるとして、噴火警戒レベルを火口周辺規制を示す 2に引き上げていました
その後も、新燃岳では、地下の火山ガスや熱水などの動きを示すと考えられる火山性微動やわずかな地盤の変動が確認されるなど、火山活動が高まった状態が続いていました
霧島山 (きりしまやま) 新燃岳 今後の活動について
霧島山 新燃岳の噴火について、火山噴火予知連絡会の会長で京都大学の石原和弘名誉教授は、
「これまでの地盤変動のデータの分析結果で、山が隆起する変化が続いていたことから、地下深くにあるマグマだまりでマグマの蓄積が進んでいたと見られる。このあとも噴火活動が続き、山が隆起するような地殻変動も継続する場合には、噴火の規模がさらに大きくなる可能性がある。いまは噴煙が出ている範囲が火口周辺の一部に限られているが、これがさらに広がるなどの変化が出ないかなど、目に見える現象の変化をしっかりと確認するとともに、地震活動や地殻変動のデータを注意深く監視する必要がある」
「気象庁が発表する情報を参考にして、風下側では火山灰などに注意してほしい。また、登山客や観光客などは、自治体の指示にしたがって規制範囲には決して入らないようにしてほしい」
と話しています
噴火警戒レベル 3の火山 2の火山
気象庁によりますと、入山規制が必要な「噴火警戒レベル 3」の火山は、今回の 霧島山 新燃岳の他に、鹿児島県の「桜島」と「口永良部島」の 2つの火山があります
また、火口周辺への立ち入りが規制される「噴火警戒レベル 2」が発表されているのは、群馬と長野の県境にある「浅間山」、霧島連山の「えびの高原の硫黄山周辺」、それに鹿児島県の「諏訪之瀬島」の
3つの火山があります
火山性地震 とは
火山性地震とは、火山やその周辺で発生する地震の総称で、地下で何らかの破壊現象が起きて発生すると考えられ、即、噴火につながるとは限りませんが、火山活動の高まりを示す指標のひとつと見られています
霧島山 新燃岳 連続噴火は停止 噴火警戒レベル 3を継続 2017年10月17日
鹿児島と宮崎の県境にまたがる 霧島山 新燃岳 の 6年ぶり噴火について、2017年10月17日午前0時半頃、気象台は、火山性微動の振幅が小さくなったことなどから、「連続噴火が停止したもようだ」と発表しました
ただし、依然として、火山性微動や火山ガスの放出が継続するなど、活発な火山活動が続き、再び噴火するおそれがあるとして噴火警戒レベル 3は継続、火口から概ね
3キロの範囲では大きな噴石や火砕流に警戒するよう呼びかけています
福岡管区気象台によりますと、噴火が続いていた霧島山 新燃岳は、2017年10月16日夜遅くから 17日未明にかけ、天候不良のため火口付近の状況は確認できなくなっていましたが、噴火に伴って発生していた火山性微動の振幅がこれまでと比べてかなり小さくなったということです
霧島山 (きりしまやま) 噴火警戒レベル
レベル |
キーワード |
対応 |
5 |
避難 |
危険な居住地域からの避難等が必要 |
4 |
避難準備 |
警戒が必要な居住地域での避難の準備、要配慮者の避難等が必要 |
3 |
入山規制 |
登山禁止や入山規制等危険な地域への立入規制 等
状況に応じて要配慮者の避難準備等 |
2 |
火口周辺規制 |
火口周辺への立入規制等 |
1 |
活火山であることに留意 |
状況に応じて火口内への立入規制等 |
注.避難や規制の対象地域は、地域の状況や火山活動状況により異なります
写真、地図番号は、上から昇順
(写真1) 約 6年ぶりに噴火 火山灰を噴き上げる霧島山の新燃岳 宮崎・鹿児島県境付近で 2017年10月11日午前9時55分 撮影 「 <霧島連山>新燃岳6年ぶり噴火 噴煙300m、入山規制 毎日新聞 10月11日 10:20 」 より
(写真2) 約 6年ぶりに噴火 火山灰を噴き上げる霧島山の新燃岳 宮崎・鹿児島県境付近で2017年10月11日午前10時19分 撮影 「 <新燃岳>噴煙一時700メートル 火山活動強まる恐れも 毎日新聞 10月11日 19:17 」 より
(写真3) 噴火し、東北東に向け噴煙を上げる新燃岳 鹿児島・宮崎県境 2017年10月11日午前10時23分 撮影 「 新燃岳「さらに大きな噴火も」 警戒レベルは3に 朝日新聞 10月11日 12:04 」 より
(写真4) 小規模噴火で噴煙を上げる新燃岳 2017年10月11日午前 (C)NNN 読売新聞社 「 霧島連山・新燃岳、噴火警戒「レベル3」に 読売新聞 10月11日 16:15 」 より
(写真5) 噴煙を上げる新燃岳 2017年10月14日午前10時34分 気象庁の監視カメラ 「 <霧島連山>新燃岳が再噴火 噴煙2300m 毎日新聞 2017年10月14日 10:34 」 より
(写真6) 宮崎県高原町より 2017年10月12日7時41分 撮影 「 新燃岳 噴火警戒レベル3継続(13日9時更新) ウェザーニューズ 10月12日 07:27 」 より
(地図7) 九州にある 17の活火山 「 気象庁|九州の活火山 」 より編集
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