霧島山 新燃岳 7年ぶり爆発的噴火 噴煙 3000メートル 2018年3月6日
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宮崎県と鹿児島県にまたがる霧島連山新燃岳(しんもえだけ)(1421メートル)で、2018年3月6日午後2時半頃、2011年3月以来7年ぶりとなる爆発的噴火が起き、噴煙は一時
約 2300メートルまで上がりました
気象庁によると、爆発的噴火は少なくとも 4回あり、宮崎、鹿児島両県の広範囲で降灰が確認されました
2018年3月6日午後6時現在、火口外で大きな噴石などは確認されておらず、けが人や家屋損壊などの被害も確認されていませんが、気象庁では、噴火警戒レベル3(入山規制)を継続、火口から
約 3キロの範囲で大きな噴石が、約 2キロの範囲で火砕流が達する恐れがあるとして警戒を呼び掛けています
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新燃岳は、2018年3月5日夜から火山性微動や噴煙量が増加、6日朝からは空振を伴う振幅の大きい地震も観測され、爆発的噴火は午後2時半頃から繰り返し発生、午後2時45分頃に噴煙は一時、高さ
約 2300メートルまで上がり、上空からは、火口内に溶岩が確認されています
新燃岳から南西に約20キロの鹿児島空港では、降灰の影響で、2018年3月6日、鹿児島空港発着の78便が欠航、7日も一部で欠航する見込みです
2018年3月6日午後、爆発的な噴火が発生した新燃岳の噴火の映像を分析した専門家は、「火口の内部に溶岩ドームのような地形ができていて、今後、爆発的な噴火で噴石が遠くまで飛ぶ可能性も捨てきれず、警戒範囲に近づかないことが重要だ」としています
火山噴火予知連絡会の副会長で、新燃岳の噴火活動に詳しい東京大学地震研究所の中田節也教授は、大きさは幅およそ 200メートル、厚さおよそ 50メートルと推定される、噴出した溶岩が流れ出さずに盛り上がった地形をつくる「溶岩ドーム」のような地形が火口内部に確認できていると指摘、2011年(平成23年)の噴火の際に出て火口の底で冷え固まっていた溶岩を、今回、地下から上昇したマグマが、押し上げていると見られるとしています
また、2018年3月6日午後から、爆発的噴火が起きるようになったことについては、「溶岩が火口を覆うようになってガスが出にくくなって内部の圧力が高まり、爆発的噴火を繰り返すようになったと見られる」としています
今後の噴火活動の見通しについては、「2011年(平成23年)の噴火の時も、ガスが抜けにくくなって爆発的噴火が起き、噴石が最大で 3キロを超えて飛んだ。今回も同じようなことが起きる可能性は捨てきれず、警戒範囲に近づかないことが重要だ」としています
気象庁は、新燃岳では活発な噴火活動が続いているとして、「入山規制」を示す噴火警戒レベル「3」を継続したうえで、火口からおおむね 3キロの範囲で噴火に伴う大きな噴石に、火口からおおむね
2キロの範囲では火砕流に、それぞれ警戒するよう呼びかけています
(①写真) 火口から激しく噴煙を上げる新燃岳(6日午後)=(C)NNN 読売新聞社 「 新燃岳、爆発的噴火9回…噴煙が一時2800m 読売新聞 03月06日 23:35 」 より
(②写真) 爆発的噴火が観測された霧島連山の新燃岳。激しく噴煙を上げていた=宮崎・鹿児島県境付近で2018年3月6日午後5時19分 「
<新燃岳>火山ガスも急増、溶岩が火口内を上昇か 毎日新聞 03月07日 20:06 」 より
(③写真) 活発な噴火活動が続く新燃岳から上がる噴煙(7日午前6時10分) 「 新燃岳、噴火続く…噴煙高さ3000メートルに 読売新聞 03月07日 13:35 」 より
(④写真) 夕方になっても噴火を続ける新燃岳。噴煙が夕日に染まった=6日午後6時8分、鹿児島・宮崎県境 「 新燃岳、爆発的噴火 7年ぶり 噴石に警戒呼びかけ 朝日新聞 03月06日 20:44 」 より
(⑤写真) 爆発的噴火が観測された霧島連山の新燃岳=宮崎・鹿児島県境付近で2018年3月6日午後5時20分 「 <新燃岳>7年ぶり爆発的噴火 噴煙2300メートル 毎日新聞 2018年3月6日 16:36 」 より
(⑥地図) 九州にある 17の活火山 「 気象庁|九州の活火山 」 より編集
霧島山 (きりしまやま) 噴火警戒レベル
レベル |
キーワード |
対応 |
5 |
避難 |
危険な居住地域からの避難等が必要 |
4 |
避難準備 |
警戒が必要な居住地域での避難の準備、要配慮者の避難等が必要 |
3 |
入山規制 |
登山禁止や入山規制等危険な地域への立入規制 等
状況に応じて要配慮者の避難準備等 |
2 |
火口周辺規制 |
火口周辺への立入規制等 |
1 |
活火山であることに留意 |
状況に応じて火口内への立入規制等 |
注.避難や規制の対象地域は、地域の状況や火山活動状況により異なります
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