X字型の方が、潜行時の操艦性が良くなるとのことですが、上記の写真を見ても分かるように、水上でも優れた旋回性能を持っています
水中の方がそれよりも良いということになると、相当な旋回性能を持っていると想像されます
基準排水量 |
2,950t |
主機械 |
ディーゼル2基、スターリング機関4基、推進電動機1基 |
馬 力 |
8,000PS |
速 力 |
20kt |
主要兵装 |
水中発射管一式、シュノーケル装置 |
乗 員 |
約65名 |
主要寸法 |
84x9.1x10.3x8.5m(長さ、幅、深さ、喫水) |
通常型潜水艦 そうりゅう オーストラリア海軍への輸出計画
オーストラリア海軍の次期潜水艦導入計画では、当初、高性能なそうりゅう型潜水艦導入の意向が示され、日本の「防衛装備移転三原則」、および、防衛産業の衰退、防衛技術の低下を懸念する、オーストラリア国内政財界からの懸念の声により、日豪共同開発の方向となり、さらに、現在米国製兵器を運用する軍部から、米豪の相互運用性が条件として出され、日米豪の3か国共同開発の方向に向かっていましたが、2016年4月26日、オーストラリアでは、共同開発相手にフランス企業を選定、日本のそうりゅう型潜水艦は落選となりました
オーストラリア海軍では、2016年4月26日現在、1996~2003年に就役したコリンズ型潜水艦(通常動力型) 6隻を保有していますが、オーストラリア政府では、これを2020年代から順次退役させ、最大12隻の新型艦と交代させる計画で、総額4兆円規模の防衛装備更新計画になると見られています
個別の部品開発ではなく、製品全体としての国際共同開発として、日本として初めてのケースであり、過去最大規模となる大型案件でした
なお、「防衛装備移転三原則」は、2014年(平成26年)4月1日に、武器輸出三原則に代わる新たな政府方針として閣議決定されたもので、それまで事実上不可能とされてきた武器輸出が可能になったとはいえ、第
3国への転出制限、その監視条件等まだまだ厳しい制限があり、容易ではないのですが、共同開発の形にすれば、その制限もやや緩和されます
通常型潜水艦 そうりゅう オーストラリアの共同生産選定手続きに参加方針 2015年5月7日
昨年(2014年)10月の日豪防衛相会談で、オーストラリアが新型潜水艦開発、配備で、日本に技術協力を要請したことを受け、両国は共同開発、共同生産の協議を進めて来ましたが、日本政府は、2015年5月7日、オーストラリアが進める新型潜水艦の共同生産の相手国を選定する手続きに参加する方針を固め、月内にも国家安全保障会議(NSC)を開催して正式決定します
豪州は日本のほかドイツ、フランスにも共同生産を打診していますが、航続距離や静音性に勝る日本の技術への関心が強く、年内に日本が選ばれる公算が大きいとされています
オーストラリアは、国内で、雇用維持や建造コストなどを他国と比較する必要性を指摘する意見が在ることを踏まえ、今年(2015年)2月、共同生産の対象国として、独仏両国も含めて比較する「競争的評価プロセス」の採用を表明していますが、日本政府関係者は「経緯を考えれば、日本が最有力であることに変わりはない」としています
共同生産相手国選定手続き参加には、日本の技術を一部提供する必要があるため、NSCでは防衛装備移転三原則に基づき情報開示も決定するとみられます
通常型潜水艦 そうりゅう 落選 豪共同開発相手にフランス企業を選定 2016年4月25日
オーストラリアは、2016年4月25日、次期潜水艦の共同開発相手に、フランスの政府系造船企業大手「DCNS」を選定、当初は「フロントランナー(先頭走者)」と目されていた日本は、ドイツとともに落選しました
日本が提案した「そうりゅう」型潜水艦は、性能面では高い定評を得ており、また、アボット首相(当時)と安倍晋三首相の親密さもあり、そうりゅう型潜水艦導入の「密約説」まで飛び交った時期もありましたが、2015年9月の首相交代で、自身の支持基盤である国内産業を重視するターンブル氏が新首相に就任すると、先行きを見通せない状況になっていました
アボット氏は、海洋進出を強行する中国の封じ込めを狙い、日米との連携強化を重視、潜水艦更新計画もその一環に位置付けていましたが、ターンブル氏は実業家出身の経済通で、潜水艦更新計画でも雇用創出や経済効果に重点を置いています
そして、豪産業界を中心に、現地生産を強く訴える仏DCNSを支持する声が強まっていました
アジア大平洋地域で中国の影響力が拡大する中、日本はオーストラリアを準同盟国と位置付け、安全保障関係でも関係の強化を図ってきており、最高機密とされる潜水艦の共同開発はその中核として位置づけ、2年前から両国で協議を重ねてきました
一方、オーストラリアにとって中国は直接の脅威ではなく、というより、周囲に直接脅威となる国を持たないオーストラリアにとって、中国は最大の貿易相手との面の方が勝り、経済重視のターンブル首相にとって、高性能な日本製潜水艦を導入して中国と対峙するより、オーストラリア国内産業界寄りの政策をとって、自身の政権基盤を固めることの方が重要だったということでしょう
豪潜水艦 共同開発相手 フランス企業選定理由 静粛性と説明 2016年5月30日
オーストラリア政府は、次期潜水艦調達計画をめぐり、豪紙オーストラリアンは、2016年5月30日、日本案に対しては、リチウムイオン電池採用に伴う発火事故を懸念する声があった、独提案に関しては、現行の潜水艦を基に船体を
2倍に拡大する案に「バランスが悪い」と不満があった、仏提案が潜水艦に重要な静粛性で最も優れていたと、落選した日独両政府に説明したと報じました
豪政府は、2016年4月25日、仏造船大手 DCNSを共同開発相手に選定しましたが、具体的な落選理由は公表しておらず、日本は潜航能力強化のため、日本国内仕様でも新たに開発を進めている新技術となる、リチウムイオン電池搭載を提案しており、それが逆効果になった可能性も指摘されています
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