航空自衛隊 パトリオット PAC3 ミサイル
弾道ミサイル防衛 (BMD) システム
日本の弾道ミサイル防衛 (BMD) システムは、海上のイージス艦と陸上の迎撃ミサイル パトリオット PAC3の 2段構えの態勢となっています
弾道ミサイルの発射を最初に探知するのは、アメリカの早期警戒衛星で、この情報をもとに、おおまかな発射場所や発射の方向などが割り出され、日本海に展開する海上自衛隊のイージス艦が高性能レーダーで追尾を開始、弾道ミサイルを大気圏外で
SM3 迎撃ミサイルを使用して迎撃します
イージス艦が、撃ち落とせなかった場合は、航空自衛隊の地上配備型の迎撃ミサイル、パトリオット PAC3が大気圏内、着弾寸前の高度数十キロの上空で迎撃する態勢となっており、防護範囲は、数十キロ程度(半径
約 20キロとの報道もありますが公式発表ではありません)とされます
高い性能、撃墜能力を持った パトリオット(ペトリオット) PAC3 迎撃ミサイル
パトリオットは、地上から航空機、および、弾道ミサイルを撃墜するミサイルで、現存する地対空誘導弾のなかでは最も優れたシステムといわれており、湾岸戦争でも証明されました
多機能フエーズド ・ アレイ ・ レーダーや TVM 誘導方式の採用、さらにコンピュータの大幅な活用によって各種機能の自動化、迅速化、高精度化が図られ、超低高度から高高度にいたる複数目標に対し、同時に対処可能であり、高い撃墜能力を有しています
日本では 1985年度(昭和60年度)から整備に着手、1994年度(平成6年度)中に配備(那覇)を完了しましています
また、弾道ミサイル防衛 (BMD) システムの整備にともない、パトリオット能力向上と PAC3 ミサイルの取得が計上され、2010年度(平成22年度)末までに
1、2、及び、4高群、高射教導隊、および、第 2術科学校に整備されました
注.パトリオットは、自衛隊では、米軍(アメリカ英語)に倣って、「ペトリオット」と称されます
航空自衛隊 航空警戒管制部隊 と 地対空誘導弾部隊
「 防衛省 [JASDF] 航空自衛隊 航空自衛隊の概要 」 より
航空自衛隊 パトリオット PAC3 ミサイル 主要諸元
主要スペック |
分類 |
地対空誘導弾ペトリオット(PAC-3) |
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全長 |
約5m |
直径 |
約0.25m |
重量 |
約0.3t |
射程 |
数十km |
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構成 |
レーダー装置、射撃管制装置、発射機、アンテナマスト・グループ、電源車、ミサイル |
パトリオット PAC3 ミサイル 中四国 4県 緊急展開 2017年8月12日
北朝鮮が予告した米領グアム島周辺への弾道ミサイルの発射予告に対応、コースを外れた本体や破片といった落下物などがあった場合に備え、航空自衛隊は中部地方の
迎撃ミサイル パトリオット PAC3部隊を、上空を通過すると予告された県など中国・四国地方の 4ヵ所に配備します
高知県(陸自高知駐屯地)、愛媛県(陸自松山駐屯地)には、2017年8月12日朝、パトリオット PAC3部隊が到着、広島県(陸自海田市(かいたいち)駐屯地)、島根県(陸自出雲駐屯地)に引き続き到着する予定で、12日中に態勢を整えることになっています
北朝鮮はグアム島周辺に向けた弾道ミサイルの発射計画を 今月(2017年8月)中旬までに完成させると発表、島根県、広島県、高知県の上空を通過するとする飛行ルートを予告しています
現在、中国・四国地方には、パトリオット PAC3部隊が配備されていないため、空自岐阜基地(岐阜県)、白山分屯基地(三重県)などから移動させるとのことで、岐阜基地のパトリオット
PAC3部隊が、2017年8月11日夜、出発しました
ミサイルの破壊措置命令は、2016年8月以降、常時発令された状態となっていますが、迎撃ミサイル パトリオット PAC3部隊の配置場所の変更に伴う手続き上、改めて、小野寺防衛相は、2017年8月11日、ミサイルの破壊措置命令を発令しました
安倍首相は、2017年8月12日午前、「国民の生命と財産を守るために最善を尽くしていく」と語り、引き続き北朝鮮問題の外交的解決を目指すとともに、不測の事態に備える考えを強調しました
政府は北朝鮮による弾道ミサイル飛行コースの予告に応じ、撃ミサイル パトリオット PAC3部隊を、2009年(平成21年)には岩手、秋田両県に、2012年(平成24年)、2016年(平成28年)には沖縄県に展開しています
「 弾道ミサイル防衛 (BMD) とは 日本の弾道ミサイル防衛 現状と課題 」 参照 (別タブ(ウィンドウ)が開きます)
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