ホーム > 辞典 > サイレントレター とは 英語にサイレントレターがある理由
目次 | 元のページ 前のページ | 次のページ サイトマップ | ページEND

サイレントレター とは 英語にサイレントレターがある理由


サイレントレター とは



英単語の中には、例えば、「know」(ノウ)や「knife」(ナイフ)の「k」、「hour」(アワー)や「honest」(オネスト)の「h」などのように、綴りに含まれているにもかかわらず、発音に影響を与えない、発音しないアルファベット文字がしばしば見られます

この発音しない (サイレント) アルファベット文字 (レター) のことを 「サイレントレター」 といいます


日本人が英語を憶える際、あるいは、英語を読む際、しばしば苦労させられたり、誤記してしまったりするやっかいな代物です

なぜ、このようなやっかいな代物が英語には存在しているのでしょうか?
英語圏の方々は、苦労しないのでしょうか?不便と思わないのでしょうか?


日本語にしろ英語にしろ、言葉というものにはそれぞれ長い歴史があり、理論的に言語学者が造り上げたものではなく、そこで暮らす人々から自然発生的に造り上げられてきたものですので、おかしな点が多々ある方がむしろ自然なことなのかもしれません

そして、言葉というものは、常に、新しく創造され、変化し続けていくものです


日本語のひらがな、カタカナは表音文字と認識されていますが、実際の場面では、必ずしもそうと言い切れない使い方もされます

「あるいは」と書かれていた時、あなたは何と読みますか? 「 a ・ ru ・ i ・ ha 」なんて読みませんよね
この場合、「は」は、「wa」と読みますし、「こちらへ」と書かれれば、「 ko ・ chi ・ ra ・ he 」ではなく、「 ko ・ chi ・ ra ・ e 」と読みますよね


さらに言えば、いにしえの日本では、「ちょうちょう」のことを、「てふてふ」と書いていた、なんてこともあったりして

もちろん、音声記録も無ければ、発音記号も無い時代のことですので、実際にどのように発音していたのかはなぞですが ・・・


また、日本語でも、PCでの変換誤りとかでなくて、手書きの文字を書く際も、しばしば、「誤字 ・ 脱字」が見られますように、英語でも、しばしば「誤字 ・ 脱字」=「スペルミス」はみられます

「サイレントレター」 は、やはり、英語圏の方々にとっても面倒なものと思いますが、おそらく、日常生活の中では、(多少不便に思うことはあっても)それ程意識することなく、当然のものとして受け入れているように見受けられます




英語にサイレントレターがある理由



日本語でも、表音と記述が必ずしも一致しないことがあるように、このような不一致が生じる理由は、やはり、言葉の使い方の歴史的な変化によるところがほとんどといえます


英語の綴りは、古代英語、中世英語、近代英語と大きく変化してきましたが、現在使われている近代英語の綴りは、だいたい 16世紀初めごろの英語の発音を記したものといわれており、つまりは、シェークスピアが話していたころの英語の発音に沿うものと考えられています

当時は、「ナイト」(night)を「ニグト」、「ハイ」(high)を「ヒグ」、「ナイフ」(knife)は「クニーフェ」、「アイ」(I)は「イー」、「ミー」(me)は「メー」、「」ライトwrite は「ウリーテ」と発音していました


綴り(スペル)はそのままで、発音だけ変化してきたため、このような表音と記述の不一致が生まれ、英語独特の「サイレントレター」が生み出されることになったのです




様々な英語のサイレントレター例



「c」 を発音しない例

indict /ɪndάɪt/
(起訴する、告発する)

「インダイト」に近い発音で、派生語の「indictment(起訴、告発)」も「インダイトメント」に近い発音になります

muscle /mˈʌsl/
(筋肉)

カタカナ語で「マッスル」と言うと日本語として使われますが、この単語も「c」を発音しない例の一つで、派生語の「masculine(男らしい)」は「c」を発音し、「マスキュリン」に近い発音となります

その他、使う機会はあまり多くないと思いますが、「corpuscle(血球)」や「victual(食料)」、「Czar(ロシア皇帝、ツァーリ)」なども「c」を発音しない単語です

「mb」 の 「b」 を発音しない例

climb /klάɪm/
(登る)

「mb」で終わる単語は「b」を発音しないというルールがあります

このルールに従う単語には、以下のような例があります
bomb, comb, crumb, dumb, lamb, thumb, tomb

plumber /plˈʌmɚ/
(配管工)

「mb」が途中にある単語にも、「b」を発音しないものがあります

ただし、「slumber(まどろみ)」では「b」を発音するなど、例外もあるので注意が必要です

「p」 を発音しない例

receipt /rɪsíːt/
(領収書)

「p」の後ろに発音する子音がある場合、「p」を発音しない場合があります

カタカナ語の「レシート」に近い発音で、「レシープト」のように「p」を発音すると間違いになります

pseudo- /súːdoʊ/
(偽の)

「スードウ」に近い発音で、接頭辞として、「pseudo-positiveness(偽陽性)」や「pseudo-intellectual(えせインテリ)」などの単語に用いられます

学名のラテン語の綴りに使われている場合には、ラテン語読みで「プセウド」に近い発音をすることもあります(Pseudomonasなど)

psycho- /sάɪkoʊ/
(精神の)

「サイコウ」に近い発音で、「psychology(心理学)」や「psychic(超能力の)」などの「psy」も、「p」を発音しません

corps /kˈɔɚ/
(軍団)

「p」に加えて、その後ろの子音も発音しない場合もあります

「コアー」に近い発音で、フランス語からの借用語のため、特殊な発音になっています




良く使う英単語 サイレントレター 代表例 一覧表



サイレントレター 英単語 意味 英単語 意味
b climb 登る comb くし
doubt 疑う dumb ばかな
lamb 子羊 limb 手足の1本
thumb 親指
c czar
d handsome ハンサム ledge 岩棚
wednesday 水曜日
g gnaw かじる sign サイン
h honest 正直に hour 時間
h/t whistle 口笛をふく
k knee ひざ kneel ひざまづく
knew knowの過去形 knif ナイフ
knock ノックする knot 結び目
know 知る
l calf 子牛 could conの過去形
half 半分 should ~すべきである
talk 話す walk 歩く
n ghost 幽霊 hymn 讃美歌
p pneumonia 肺炎
s aisle 通路 island
s or c scene シーン scent におい
scissors はさみ
t castle Christmas クリスマス
fasten しっかり固定する listen 聞く
match 試合 often しばしば
w answer 答える sword かたな
whole 全体の wrist 手首
write 書く wrong まちがった
w/t wrestle レスリングをする

目次 | 元のページ 前のページ | 次のページ サイトマップ | ページTOP
ホーム > 辞典 > サイレントレター とは 英語にサイレントレターがある理由
   

© 2014 abhp.net All Rights Reserved.

参考情報


英語の発音で注意すべき、「サイレントレター」を含む単語
英会話事始 Silent Letters -スペルにあるけど発音しない文字
Knifeのk writeのw rightのgh英語って明らかに発音されてない文字が含まれる単... - Yahoo!知恵袋

コンテンツ一覧

ページTOP
ページTOP
ページTOP
ページTOP