温泉の定義 温泉とは何か 温泉の英語表現 温泉の英語訳 |
温泉の定義 温泉とは何か日本は世界有数の火山国ですので、温泉は日本中至るところにあります でも、大江戸温泉・・・東京に火山ってあったっけ・・・ 「温泉」には、「温泉法」という法律で定められた、れっきとした定義があり、以下の2つの条件の内どちらか一方でも満たしていれば、温泉を名乗ることができます 1.源泉温度が25℃以上であること 2.「リチウムイオン」「水素イオン」「沃素イオン」「フッ素イオン」「メタけい素」「重炭酸ソーダ」など19の特定の成分が1つ以上規定値に達しているもの 普通、温泉というと、身体に良い何がしかの天然成分が含まれていて、多少加温することがあっても、基本的に自然に温かいお湯を連想しますが、法律に従えば、何の効用が無くても、自然温水であれば、温泉を名乗れます ここがくせものなんですよね 大都会の中の温泉地実は、地球の内部は、高温のマグマになっているため、地面を100m掘るごとに、地中の温度は、2℃前後づつ上昇します 従って、地表面近くの地下水の温度が仮に、5℃くらいしかなかったとしても、1000m掘れば20℃加算され、25℃に達します つまり、地面を1,000mほど掘って湧出した地下水は、「温泉法」の定義によると「温泉」ということになってしまいます これは、火山の有無とは関係無く、日本中どこを掘ってもほぼ同じ結果が出ます 何の効用もないただの地下水が「温泉」と言われても釈然としませんよね 「温泉法」が制定された当時は、まさか温泉のために1000mも地面を掘削するなんてことは想像もできない事でしたので、当然地表近くで25℃もあればそりゃ温泉でしょう、近くに火山とかマグマ貯まりがあるんでしょ、そしたら、成分を確認するまでもなく、当然何がしかの成分が溶け込んでるでしょ・・・ということだったのでしょう ところが掘削技術の発達した現代では、人の集まる大都市であれば、十分採算の取れる費用で掘れてしまう 結果、東京都心のように近くに火山らしきものの見当たらない平野部でも、次々と温泉が誕生することになりました 温かいお湯につかってのんびりできれば良い、という方にはそれでもいいのですが、実際に何がしかの薬効を期待されて温泉を訪れる方は、その効能、成分を確認された方が良さそうです 温泉の種類温泉は、主に下記項目によって分類されます 温度「泉温」 湧出口(源泉)での湯温
ただし、濃い方が良いとも限りません 過ぎたるは及ばざるしの如く、肌への刺激の強くない、ぬるい湯に長くつかった方が良い場合もありますので、好みに応じて選択されればよいかと思います 例えば、赤倉温泉は、源泉温度は、51.1℃で「高温泉」です 「浸透圧」
温泉は各種の塩類が溶けている液体で、「浸透圧」というものを持っています 人間の身体を作っている細胞液と等しい浸透圧を持つ液体を等張液と言いますが、これは8.8gの食塩を1リットルの水に溶かした食塩水に相当します 浸透圧は、2つの濃度が違った溶液を「仕切り」で分けた場合、「仕切り」が水分だけを通す素材の場合、濃度を一定にしようと、濃度の薄い溶液から濃い溶液に水分が移ろうとする現象で、薄い溶液の水分が、濃い溶液の方に流れます 一方、「仕切り」が水分だけでなく、溶解物質も通す場合は、濃い溶液の溶解物が、薄い溶液の方に移動しようとする現象が発生します 人間の肌は、温泉の効能成分を浸透させることができるので、理論上は、「高張泉」の方が、成分を体に吸収しやすく、「低張泉」は、サラサラしたやさしい湯という傾向があり、温泉の水分が体に吸収されやすい ということになります 実際には、「低張泉」は、身体に水分が吸収される際、同時に、その水分に溶け込んだ、温泉成分も肌に吸収されます 例えば、赤倉温泉は、「低張泉」で、サラサラした温泉ということになります 水素イオン濃度 「ph値」による分類
「泉質」
温泉の英語表現 温泉の英語訳 「 Hot Spring 」 と 「 Spa 」 の違い 使い分け温泉の英語訳というと、「 Hot Spring 」 と答える方が多いと思います 学校で習う英語では、そう教えていたかと思います (遠いまなざし ・・・) ところが、海外(英語圏)では、温泉施設の事を、「 Spa 」 と表現しています これは、いったいどうしたことでしょう 「 Hot Spring 」 の意味「 Spring 」 をカタカナで書くと、スプリング、日本語では、ばねのことですよね 熱いばね ・・・ なんじゃそれ、と言いたくなりますが、ちょっと待って下さい 「 Spring 」 を辞書で引くと、最初に、1.「ばねのように急にすばやく)跳ぶ,はねる」という意味が出てきます どうやら日本語になる際に、動作を表す言葉が、その物を表す名詞、「スプリング」になったようです そして、さらに見て行くと、(筆者の調べた辞書では) 4番目に、4.「〈水・涙などが〉出る; わき出る.」という意味が出てきます そう、「 Spring 」 は、「 泉 」を指す言葉だったのですね そして、「 Hot Spring 」 は、熱い泉、温泉か、なるほど ・・・ とここで納得してはいけません 「 Spa 」 の意味では、「 Spa 」 って何でしょう 先程と同じ辞書を引くと、1.「鉱泉,温泉」、2.「鉱泉[温泉]の出る保養地」、3.「(体育設備やサウナなどを備えた)保養所,ヘルスセンター.[ベルギーの鉱泉で有名な保養地名から]」となっています 語源は、ベルギーの温泉保養地の地名からきているようですが、温泉保養地のことを指す言葉の様で、さらに、現在では、温泉保養施設の事も含んで使用されているようです 「 Hot Spring 」 と 「 Spa 」 の違い 使い分けそして、肝心の「 Hot Spring 」 と 「 Spa 」 の違い 使い分けですが、ここまで見てきましたように、「 Hot Spring 」 は、熱い泉 ・・・ 温泉の中でも、その熱い湯が出てくることろ、源泉を指すと捉えるのがぴったりの様です もちろん、自然の中の露天温泉の様に、特段の施設を設けず、あまり人の手の加わっていない温泉も、「 Hot Spring 」 と表現する方がしっくりするようです そして、入浴施設として整備された温泉施設、保養施設を「 Spa 」 と表現する ようやく、なるほど~ ・・・ って感じですね 温泉の英語表現 温泉の英語訳 「Onsen」では、日本の温泉を英訳する際どちらを使用すればいいのでしょうか 日本の温泉には、立派な保養施設やホテルの中の温泉の様な所もあれば、登山者でなければ入りに行けない様な秘境温泉もありますよね それに、海外の「 Spa 」 では、疲れを癒し、健康のために温泉に入るという趣旨は同じでも、水着着用が前提で、男女一緒に入り(混浴というのとはちょっと感じが違います)、泳いだりできるところが多いので、どちらかといえば温水プールに近い感じのところが多いです 外国の方に説明する際、こでまで見てきたような意味を踏まえて、「 Hot Spring 」 と 「 Spa 」 を使い分けても良いのですが、どうもしっくりきませんよね そこで、日本独自の温泉文化を持つ日本の温泉については、「Onsen」 という言葉が世界中で使われるようになってきており、各国が発行する日本旅行のガイドブックにも「Onsen」と表記されていることが多くなってきています 日本の観光庁も、「温泉は Onsen という表記に統一する」というガイドラインを発表しておりますので、日本の温泉を紹介する際は、「Onsen」 を使用し、適時、「 Hot Spring 」 とか 「 Spa 」 をまじえて説明するといったところでしょうか |