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JRC 放送分野 音楽著作権管理事業に参入 JASRAC 他業者参入阻害


JRC が放送分野の音楽著作権管理事業に参入



JRC(ジャパン・ライツ・クリアランス 東京都)が、テレビやラジオで流れる楽曲の著作権を管理して使用料を徴収する放送分野の音楽著作権管理事業に、2015年4月から、参入します

放送分野への新規参入は、2006年のイーライセンス(東京都)以来となり、音楽著作権管理市場の大半を握る日本音楽著作権協会(JASRAC)の独占状態に挑みます


音楽著作権主要3事業者
の使用料徴収
総額
1096 億円
JASRAC 98.24 %
イーライセンス 0.89 %
JRC 0.87 %
JRCは、音楽プロダクションなどがつくった管理会社で、これまでは契約を結んだ作曲家らの曲が、ゲームソフトなどで使用された場合、著作権者に代わって使用料を徴収してきました

放送分野に参入し、これまでJASRACが管理していた坂本龍一さん、スピッツ、浜田省吾さんらの約1200曲について管理契約を結び、使用料を徴収する予定です

2013年度 文化庁まとめ


著作権管理事業は、かつては国の許可制で、音楽の著作権は、JASRACの独占市場でしたが、2001年の規制緩和で新規参入が可能になり、現在は事業者が10に増えましたが、市場の9割以上は、依然 JASRACが独占していて、楽曲がたくさん使われる放送分野では、イーライセンスしか参入できていませんでした




JASRAC の包括契約



現在放送事業分野で JASRAC に独占されている背景として、JASRAC の包括契約の問題があります

放送局では、JASRAC と包括契約を結び、放送事業収入の一定割合をJASRAC に支払うことにより、JASRAC が管理する約305万曲の楽曲を何時でも何回でも自由に使用することができます

放送局、JASRAC ともに、個々の楽曲の使用頻度を管理する手間が省け、また、支払金額の予算が立てやすくなり、両者ともに、安定経営に貢献しています

この仕組みに風穴を空けられるかどうかが、新規参入成否のカギとなります




JASRAC の包括契約 他業者の新規参入を妨げている 最高裁判決 2015年4月28日



JASRAC(日本音楽著作権協会)の著作権使用料の徴収方式が独禁法に違反するかどうかが争われた訴訟で、最高裁第3小法廷(岡部喜代子裁判長)は、2015年4月28日、「他業者の新規参入を妨げている」とした一審東京高裁の判断を支持し、公正取引委員会の上告を棄却する判決を言い渡しました

JASRACの方式を適法とした公取委の審決を「誤りがある」として取り消した一審東京高裁判決が確定しましたが、独禁法違反に当たるかどうかは、判断が示されていない争点があるため結論が決まらず、審理は公取委でやり直しとなるそうな

JASRACは、「包括徴収」方式により、放送向け音楽の著作権管理事業をほぼ独占しています




avex、JASRACへの委託を解消方針 2015年4月28日



約10万曲を管理する 「avex 」(エイベックス)は、日本音楽著作権協会(JASRAC)への委託を解消し、著作権管理を系列の「イーライセンス」に移す方針を決めました

これまで、音楽著作権管理ビジネスは、ほぼJASRACの独占状態にありましたが、エイベックスのコーポレート広報課は「権利者(作詞家、作曲家)の合意が必要で、合意が得られた曲を移行していく」としています

エイベックスは、歌手の安室奈美恵さんやEXILEなど人気アーティストを抱え、今後、ライブなどでの楽曲の演奏権を除く音楽著作権の管理をイーライセンスに委託する方針で、また、イーライセンスは、同業のジャパン・ライツ・クリアランス(JRC)との経営統合に向けた協議を進めています

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関連記事

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関連記事を下記に紹介します



2015年4月28日 avex、JASRACへの委託を解消方針 産経新聞 2015年4月28日 13:28

 約10万曲を管理するエイベックスが日本音楽著作権協会(JASRAC)への委託を解消し、系列の「イーライセンス」に移す方針を決めたことが16日、エイベックスへの取材で分かった。
 音楽著作権管理ビジネスは、JASRACのほぼ独占状態にあった。エイベックスのコーポレート広報課は「権利者(作詞家、作曲家)の合意が必要で、合意が得られた曲を移行していく」としている。
 エイベックスは、歌手の安室奈美恵さんやEXILEなど人気アーティストを抱える。今後、ライブなどでの楽曲の演奏権を除く音楽著作権の管理をイーライセンスに委ねるという。イーライセンスは同業のジャパン・ライツ・クリアランス(JRC)との経営統合に向けた協議を進めている。


2015年4月28日 最高裁、JASRACの妨害確定 共同通信 2015年4月28日(火)17時8分

 日本音楽著作権協会(JASRAC)の著作権使用料の徴収方式が独禁法に違反するかどうかが争われた訴訟で、最高裁第3小法廷(岡部喜代子裁判長)は28日、「他業者の新規参入を妨げている」とした一審東京高裁の判断を支持し、公正取引委員会の上告を棄却する判決を言い渡した。
 JASRACの方式を適法とした公取委の審決を「誤りがある」と取り消した同高裁判決が確定した。ただ独禁法違反に当たるかどうかは、判断が示されていない争点があるため結論が決まらず、審理は公取委でやり直しとなる。
 JASRACは、「包括徴収」方式を採り、放送向け音楽の著作権管理事業をほぼ独占している。


2015年2月14日 放送分野の楽曲使用料徴収、JRCが4月から参入へ 朝日新聞 2月14日(土)8時52分

 テレビやラジオで流れる楽曲の著作権を管理して使用料を徴収するビジネスに、ジャパン・ライツ・クリアランス(JRC、東京都)が今年4月から参入することが13日、明らかになった。放送分野への新規参入は2006年のイーライセンス(東京都)以来。音楽著作権管理市場の大半を握る日本音楽著作権協会(JASRAC)に挑み、著作権管理のあり方に一石を投じる。


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