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実現なるか? 第二東京湾岸道路 計画 再始動


実現なるか? 第二東京湾岸道路 計画 再始動



国土交通省は、建設ルートの有力候補とされていた東京湾奥部の浅瀬・干潟「三番瀬」の埋め立て問題を受け、これまで検討が中断していた東京と千葉を結ぶ「第二東京湾岸道路」の整備に向け、18年ぶりに検討を再開します

石井啓一国交相は、2019年1月17日、湾岸地域の渋滞緩和を求める千葉県の森田健作知事と会談、「第二湾岸道路を中心とした検討を加速したい」と表明し、新たな検討組織を立ち上げる方針を示しました


国土交通省川崎国道事務所が作成した道路整備図。2005年4月時点の東京湾岸道路などの整備状況を示した図に、第二東京湾岸道路の大まかなルートも示している (資料:国土交通省川崎国道事務所)

国土交通省川崎国道事務所が作成した道路整備図。2005年4月時点の東京湾岸道路などの整備状況を示した図に、第二東京湾岸道路の大まかなルートも示している (資料:国土交通省川崎国道事務所)

第二湾岸道路は、千葉県が 1990年ごろから整備を要望し、国が 1994年に地域高規格道路の候補路線として指定、当時の構想では、首都高速湾岸線や東関東自動車道などで構成する「東京湾岸道路」の南側(海側)を通り、東京都大田区と千葉県市原市を結ぶ延長 約 50kmの幹線道路とされていました

千葉県が1993年に示した三番瀬の埋め立て計画を基に日経コンストラクションが作成

千葉県が1993年に示した三番瀬の埋め立て計画を基に日経コンストラクションが作成

千葉県によると、当初の構想では県が市川市と船橋市に面した三番瀬の740haを埋め立て、商業施設や下水道終末処理場などを整備し、国が主体となって中心部に第二湾岸道路を通すことになっていました

三番瀬の干潟。三番瀬の埋め立て問題を受け、第二東京湾岸道路の検討は20年近く中断していた (写真:千葉県)

三番瀬の干潟。三番瀬の埋め立て問題を受け、第二東京湾岸道路の検討は20年近く中断していた (写真:千葉県)

検討組織では第二湾岸道路のルートや構造などを議論するとみられますが、三番瀬の環境問題を巡る住民の反対運動が再燃する可能性が懸念されます

千葉県の環境調査委員会(補足調査専門委員会)が三番瀬の埋め立てについて「生態系への影響が大きい」と指摘し、住民や環境保護団体の反対運動も活発になり、国会でも埋め立て問題がたびたび取り上げられるようになりました

2018年3月に開いた千葉県湾岸地域渋滞ボトルネック検討ワーキンググループ第8回会合では、湾岸地域で高規格道路の必要性を検討して整備計画を作成するとしている。図中央の短い曲線の矢印が示す機能軸が第二東京湾岸道路を示すとみられる (資料:国土交通省千葉国道事務所)

2018年3月に開いた千葉県湾岸地域渋滞ボトルネック検討ワーキンググループ第8回会合では、湾岸地域で高規格道路の必要性を検討して整備計画を作成するとしている。図中央の短い曲線の矢印が示す機能軸が第二東京湾岸道路を示すとみられる (資料:国土交通省千葉国道事務所)

一方で、千葉県は湾岸地域の慢性的な渋滞などを理由に、第二湾岸道路の必要性を主張し、三番瀬の再生計画に配慮する方針を示したうえで、国に計画具体化の要望を続けています

2013年には国交省関東地方整備局や東日本高速道路会社、首都高速道路会社、千葉市とともに、「千葉県湾岸地域渋滞ボトルネック検討ワーキンググループ(WG)」を設置、渋滞緩和策などを検討

2018年3月に開いた第8回会合では、道路ネットワークの早期実現を図るため、高規格道路の必要性を検討して整備計画を作成する方針を示しており、この方針が、第二湾岸道路の具体化に向けた検討の再開につながりました

WG第8回会合の配布資料の一部。第二湾岸道路を示すとみられる湾岸沿いの矢印(左側)は三番瀬(赤丸)を通過せず、先端がすぐ手前に描かれている。オレンジ色のエリアは渋滞発生箇所。 国交省千葉国道事務所の資料に日経コンストラクションが赤丸を加筆

WG第8回会合の配布資料の一部。第二湾岸道路を示すとみられる湾岸沿いの矢印(左側)は三番瀬(赤丸)を通過せず、先端がすぐ手前に描かれている。オレンジ色のエリアは渋滞発生箇所。 国交省千葉国道事務所の資料に日経コンストラクションが赤丸を加筆

三番瀬の付近には、東京外かく環状道路と首都高速湾岸線、東関東自動車道を結ぶ高谷ジャンクション(JCT)があり、湾岸地域の渋滞緩和などを図るには、第二湾岸道路を高谷JCTで他の幹線道路につなげるのが合理的で、従来の構想もそうなっています

三番瀬の再生計画に配慮するルートとして、
(1)三番瀬をまたぐ長大橋を架ける
(2)三番瀬の地下にトンネルを掘る
(3)三番瀬の区間だけ内陸側か海側を通す
(4)三番瀬の手前で他の幹線道路につなげる(三番瀬の区間は道路を新設しない)
などの腹案を持っているとみられていますが、具体的な検討としては公表されていません

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参考情報


第二東京湾岸道路 - Wikipedia
国土交通省

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2019年1月30日

第二東京湾岸道が18年ぶり再始動、ルートに火種も 日経 xTECH(クロステック) 2019/01/30 05:00


 国土交通省は、東京と千葉を結ぶ「第二東京湾岸道路」の整備に向け、18年ぶりに検討を再開する。建設ルートの有力候補とされていた東京湾奥部の浅瀬・干潟「三番瀬」の埋め立て問題を受け、これまで検討が中断していた。
 石井啓一国交相が1月17日、湾岸地域の渋滞緩和を求める千葉県の森田健作知事と会談し、「第二湾岸道路を中心とした検討を加速したい」と表明。新たな検討組織を立ち上げる方針を示した。
 検討組織では第二湾岸道路のルートや構造などを議論するとみられるが、三番瀬の環境問題を巡る住民の反対運動が再燃する可能性もある。
 埋め立て中止で道路整備も宙に
 第二湾岸道路は、千葉県が1990年ごろから整備を要望し、国が94年に地域高規格道路の候補路線として指定した。
 当時の構想では、首都高速湾岸線や東関東自動車道などで構成する「東京湾岸道路」の南側(海側)を通り、東京都大田区と千葉県市原市を結ぶ延長約50kmの幹線道路とされていた。


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