大阪モノレール 日本最長モノレール さらに 南へ 9キロ延伸 2029年開業予定 |
大阪モノレール 日本最長モノレール さらに 南へ 9キロ延伸 2029年開業予定大阪モノレール(大阪高速鉄道大阪モノレール線)は、大阪市を中心に放射状に延びる私鉄やJR線を環状に結び、大阪国際空港(伊丹空港)へのアクセスも担う都市交通で、2016年7月現在、日本最長のモノレールとなっていますが、さらに、その距離を南へ 8.9キロ延ばします 門真市~瓜生堂(仮称)間の路線計画図 (画像:大阪高速鉄道) 新たに延伸される区間は、2019年度に着工、2029年開業予定、現在の最南端にある門真市駅から近鉄奈良線の交差部、東大阪市瓜生堂(うりゅうどう)((仮称)瓜生堂駅)に至る 延長 8.9kmで、ほぼ大阪中央環状線(大阪府道2号)に沿ってレールを延長、門真南駅、鴻池新田駅、荒本駅、瓜生堂駅 (いずれも仮称)の 4駅が設けられます 大阪モノレールの延伸区間の位置図 (資料:大阪府)
建設費は、約 286億円(消費税抜き)で、支柱・桁などの道路構造物(インフラ部)の事業費が別途計上されています [約 740億円(消費税込み)] 大阪モノレールは、大阪空港-門真市間の本線(21.2km)と、万博記念公園-彩都西間の彩都線(6.8km)を抱える跨座型のモノレールえ、アルミ合金製ボディー 4両編成の 2000系車両、1000系車両が、両路線を運行しています 南への 8.9km延伸は、放射状鉄道との結節による広域的鉄道ネットワークの形成、延伸沿線地域の活性化などが目的で、延伸区間では 4つの路線と交差し、その交点に新たに乗換駅が設置されます 大阪モノレール延伸線は、府道大阪中央環状線の空きスペースを活用するかたちでモノレール設備を整備する計画で、現在の大阪モノレール最南端の門真市駅は、府道大阪中央環状線(中環、大阪府道 2号)の外回り(東大阪方面)側に設置されています
延伸区間では、1日平均 3万7000人の需要があると見込まれており、大阪市営地下鉄 長堀鶴見緑地線 との交差部に 門真南駅、JR片町線(学研都市線) に 鴻池新田駅、近鉄けいはんな線 に 荒本駅、近鉄奈良線 に 瓜生堂駅 (4駅とも仮称)、および、車両基地が設けられます また、この延伸事業と関連した別事業として、近鉄奈良線新駅、駅前広場、乗り継ぎ施設なども整備されます
延伸ルートは、門真南(仮)駅 付近で、門真JCTを、荒本(仮)駅 付近で、東大阪JCTを東側から避けるように設定されており、その回避ルート上、既存の 長堀鶴見緑地線 の 門真南駅、近鉄けいはんな線 の 荒本駅 に接するよう、新駅が設けられます なかでも東大阪JCTや東大阪市役所を避ける荒本(仮)駅 付近の延伸ルート部分は、「東大阪市道区間」として、大きく東に回り込むルートをとります そうした支障物の無い、府道大阪中央環状線 と 近鉄奈良線 の交差部は、交差部直上に新駅 瓜生堂(仮)駅が造られます 近鉄奈良線 の 八戸ノ里駅 や 若江岩田駅は、この交差ポイントから 900mほど離れているため、大阪府などは、この交差ポイントに 「モノレールと結節する近鉄新駅の設置」が計画されています
「 4路線と接続、南へ延びる日本最長モノレール 日経コンストラクション 2016/07/26 」 より 大阪モノレール とは大阪モノレールの運営主体は第三セクターの大阪高速鉄道、大阪国際空港に隣接する大阪空港駅(豊中市)から門真市駅まで全長 21.2km に 14の駅があり、途中の万博記念公園駅で支線の国際文化公園都市線(彩都線)が分岐、一部の便は直通運転をしています 大阪市街地を中心として環状に走る大阪モノレールは、大阪中心部から放射状に走る各路線と接続、蛍池駅で阪急宝塚線、千里中央駅で北大阪急行(地下鉄御堂筋線)、山田駅で阪急千里線、南茨木駅で阪急京都線、大日駅で地下鉄谷町線、門真市駅で京阪本線に、それぞれ乗り換えができるようになっています 大阪モノレールの計画がスタートした 1970年代から 80年代にかけては接続する構想もありましたが、当時、極度の財政難だった旧国鉄が乗り換え可能な駅を京都線に用意できなかった為、大阪モノレールの路線が交差している各路線のうち、JR西日本の京都線(東海道本線)とだけは接続していません 環状線は、都市中央部を経由する人の流れをバイパスする役割を持ち、環状線にとって重要な要素として、高速であることと、放射状路線との乗り換えの便が良いことの 2つが挙げられます 大阪モノレールの場合、混雑する大阪市内を通過しないで、例えば、大阪国際空港から南茨木駅に直接行けますが、「都市中央を経由したほうが目的地に早く着く」では意味がなく、都市中央を通るよりも早く目的地に着けなくては利便性がなく、利用価値がありません トータルの移動時間を短縮するためには路線を高速化するのに加え、短時間で放射状路線と乗り換えられるように、乗り換えの動線を短くする必要があり、大阪モノレールはこの 2つの条件をかなり満たしています 大阪空港駅から中国自動車道に沿って走るまでのあたりこそ、きついカーブが集中していますが、残る路線は、かなりの部分が高速道に沿うようにほぼ直線で敷設され速度を出しやすい線形となっています 大阪空港駅から門真市駅までにかかる時間は 35分で、その間の平均速度(表定速度)は 35.4km/hに達し、東京の環状線である山の手線は 表定速度が 34.5km/h、大阪環状線は 30.0km/hですので、大阪モノレールは、普通鉄道である山の手線に並び、大阪環状線を凌駕しています また、放射状路線への接続駅での乗り換えの動線もよく考えられていて、ホーム間が大きく離れていて長く歩かされるということもありません 大阪モノレール と 他の都市モノレール路線大阪モノレール 同様、放射線と直交する都市交通を担う 東京の多摩都市モノレールは、主に都道の上を通っているために急なカーブが多く、駅間距離が短い為、その表定速度は 26.7km/hにすぎません
※. ノンストップの浜松町駅と羽田空港国際線ビル駅の間に限ると、平均速度は 60km/h超 アルヴェーグ式モノレール と 日本跨座式モノレール
「 環状線という基本構想を貫いた大阪モノレール 日経トレンディネット 2015年10月14日 」 より アルヴェーグ式を採用する東京モノレール10000形の車体は、全高が 4.36mなのに対し、日本跨座式の多摩都市モノレール1000形は 5.2mにもなり、当然、日本跨座式のレールは、アルヴェーグ式よりも大きな力がかかる為、それだけレールも大がかりになり、路線の建設費も増加します 日本跨座式は、2015年10月14日現在、北九州、多摩、大阪、沖縄、舞浜リゾートラインの 5営業路線で使われており、東京モノレールのみのアルヴェーグ式に対し、正に、跨座式モノレールの標準形となっています また、日本跨座式のモノレールは、中国 重慶市にて、建設費の半分以上を日本が融資する円借款により輸出、整備されており、重慶軌道交通 3号線は、2011年、営業区間 39.1kmとなり、それまで世界最長だった大阪モノレールを抜いて、世界最長のモノレール営業路線となる等、日本跨座式モノレール 4路線を有する世界最大のモノレール都市となっています 重慶市の既存路線には、それぞれ延伸計画があり、加えて新たな 14営業路線が計画中で、東京や大阪、名古屋の様な地下鉄網がそのままモノレールになったようなイメージで、都市の交通インフラを一気に整備するにあたり、重慶市は、建設費用の高い地下鉄ではなく、建設費用の安いモノレールを選択しています 大阪モノレール 分岐器日本国内のモノレールでは、支線を持つのは大阪モノレールだけですので、このような分岐器が造り出す複雑な線形を見ることができるのも、この万博記念公園駅だけとなります 万博記念公園駅では、デッキなどから分岐器の動く様子がよく見えます モノレールの軌道桁は、車両の荷重を支える橋桁(はしげた)であるとともに、モノレールが走行する為のレール自身でもあり、分岐器も軌道桁の一種ですが、他のPC軌道桁などと大きく異なるのは、桁そのものが「動く」ということです 片開き分岐は直線線路からもう一方に分岐するもので、主に渡り線部分や折り返し駅に設置しています (左図参照) 大阪モノレールの分岐器全数の約70%が片開き分岐器です 片開き分岐器の基本構造は、5.5mの箱桁が4つで構成され、曲線転換時にはそれぞれの桁が関節のように折れ曲がってカーブを描きます さらにこの時、桁側面の案内面・安定面(水平輪が通る部分)をシリンダとカムを組み合わせて曲げることにより、折れ角のないスムースな曲線を作って車両に大きな揺れや衝撃が加わらないようにしています この案内面・安定面をたわませる装置を、曲げ装置といい、この曲げ装置がついている分岐器を関節可撓式分岐器といいます 車庫内など、乗り心地を重視しない、または車両の通過速度が低い部分では、複雑な曲げ装置が必要ないことから、折れ角をつけただけの関節式分岐器を用いています モーターは軌道桁下部の駆動装置に組み込まれ、モーターの回転力は減速機によって、水平方向のアームを回転する力に変わります この回転するアームが桁下のアームガイドによって桁全体を左右方向に押し出します 桁には車輪のついた台車が備えられており、台車が地上のレールに沿って動くので、分岐器が転換されます 転換が終わると、台車に設けたロック用シリンダが下降し、列車が通過しても動かないよう、ベッドプレートと桁を固定します 分岐器の可動端では、桁は約2.4m移動しますが、ロックシリンダで固定後は、それぞれ段差が 2mm以内に収まるよう、精巧に作られています したがって、分岐器を列車が通過しても、大きな衝撃などは発生しないようになっているのです 彩都線の分岐器の構造彩都線には、合計 7基の分岐器があります 折り返し駅となる彩都西駅には、片開き分岐器を 2基と両開き分岐器が 1基を「Y字」組み合わせて配置され、下り線から上り線へと列車が渡ることができるようになっています 「 分岐器の紹介|大阪モノレール 」 より |
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