ホーム > ニュース > 石巻 元交際相手 姉ら 3人殺傷事件 元少年男性(24) 再審請求
目次 | 元のページ 前のページ | 次のページ サイトマップ | ページEND

石巻 元交際相手 姉ら 3人殺傷事件 元少年男性(24) 再審請求


石巻 元交際相手 姉ら 3人殺傷事件 元少年男性(24) 再審請求 2017年12月19日



宮城県石巻市で、2010年、元交際相手の姉ら 2人を殺害し 1人に重傷を負わせたとして、殺人罪などに問われ、2016年6月16日、最高裁にて、裁判員裁判となった少年事件で初となる死刑判決が確定した男性死刑囚(26)(事件当時 18)(石巻市)(元解体工)の弁護人が、2017年12月19日までに仙台地裁へ再審請求書を提出しました




石巻 元交際相手 姉ら 3人殺傷事件 元少年男性(24) 死刑確定 2016年6月16日



宮城県石巻市で、2010年、元交際相手の姉ら 2人を殺害し 1人に重傷を負わせたとして、殺人罪などに問われた男性(24)(事件当時 18)(石巻市)(元解体工)の上告審判決で、最高裁第一小法廷(大谷直人裁判長)は、2016年6月16日、死刑とした 1、2審判決を支持、裁判官 5人の全員一致の意見として元少年男性(24)の上告を棄却

さらに、最高裁第一小法廷の上告棄却(死刑)判決に対する元少年男性(24)側の訂正申し立ても2016年6月29日付で棄却、死刑判決が確定しました


判決によると、元少年男性(24)(事件当時 18)は、「邪魔する者は殺害も辞さないと思い定め」、2010年2月10日朝、元交際相手の少女(当時 18)を連れ戻そうと、後輩の元少年(当時 17)(殺人ほう助罪で有罪確定)とともに、宮城県石巻市内にある元交際相手の少女(当時 18)の実家に押し入りました

元交際相手の少女(当時 18)の姉(当時 20)と少女の友人女性(当時 18)の 2人を刃渡り約 18センチの牛刀で刺して殺害、姉の友人男性に重傷を負わせ、元交際相手の少女(当時 18)を車で連れ去りました


元少年男性(24)は、事件当時 18歳 7ヶ月で、2009年5月から始まった裁判員裁判で、少年に死刑が適用された唯一の事件、死刑判決の初めての確定で、犯行時に少年だった被告の死刑が確定するのは、山口県光市で 1999年に起きた母子殺害事件が、2012年の最高裁判決で確定して以来 2人目となり、死刑適用の基準を示した「永山事件」の最高裁判決(1990年)以降では 5件目、7人目となります


この日の最高裁第一小法廷の判決は、被害者の数や犯行の残虐性など、最高裁が死刑を適用する基準として 1983年に示した「永山基準」に沿って検討、3人が殺傷された結果の重大性や犯行の残虐性を挙げ、「犯行時に少年で、前科がないとはいえ、動機や態様を総合すると被告の深い犯罪性に根ざした犯行というほかない」と述べ、遺族や被害者の強い処罰感情にも配慮、死刑もやむを得ないと結論づけました

弁護側が主張していた、両親が離婚、幼少期に母親から虐待を受けたことなど被告の生い立ちや成育歴、更生の可能性については直接言及せず、被告のために酌むべき事情を十分考慮しても被告の刑事責任はきわめて重大であると指摘しています


1審仙台地裁の裁判員裁判 判決(2010年11月)では、被告の年齢について「総合考慮する際の一事情にとどまり、ことさら重視することはできない」とし、「更生の可能性は著しく低い。少年だったことは、死刑回避の決定的事情とはいえない」と、求刑通り死刑を言い渡し、2審 仙台高裁もこれ支持しています

弁護団は、「計画性などで事実誤認があり、重大な結果のみで漠然と死刑を選択したのは承服できない。一審は裁判員裁判の欠点が顕著に出た拙速な審理だったが、控訴審も最高裁も追認した」と批判し、再審請求も検討するとしていますが ・・・


この日の最高裁の判決は、少年法の基本理念である「更生可能性」を考慮しても、被害結果が重大なら、少年といえども相応の責任を取るべきだとする裁判員の結論を最高裁が是認したこととなり、被告の年齢より、結果を重視するという立場、贖罪(しょくざい)と更生の在り方についての一般人の素朴な感覚が司法にも反映されつつあるようにみえます



最高裁第一小法廷 2016年6月16日 判決要旨


【主文】


本件上告を棄却する

【理由】


弁護人の上告趣意はいずれも、単なる法令違反、事実誤認、量刑不当の主張であって、刑事訴訟法 405条の上告理由に当たらない

【要旨】


被告は、2010年2月4~5日、交際相手の女性(当時 18)の全身を模造刀と鉄棒で数十回殴り約 1ヶ月の傷害を負わせ、実家に戻った女性を連れ出そうと試みたものの女性の姉南部美沙さん(当時 20)に阻まれ、女性の友人の大森実可子さん(当時 18)に警察に通報されて逃げ出すのを余儀なくされた

女性を略取して邪魔する者は殺害しようと計画し、2010年2月10日早朝、女性(当時 18)の実家で、女性の姉南部美沙さん(当時 20)、大森実可子さん(当時 18)、女性の姉の友人の男性(当時 20)の胸などを牛刀で突き刺し、南部美沙さん(当時 20)、大森実可子さん(当時 18)を殺害、友人の男性(当時 20)にも右肺損傷などの重傷を負わせ、女性を略取した

強い殺意で 3人に攻撃を加え、2人の命が奪われ、残る 1人も重傷を負っており、罪質、結果とも誠に重大な事案と言わざるを得ない

女性(当時 18)に重傷を負わせたのに略取を図り、邪魔しようとする者は殺害も辞さないと思い定め、女性(当時 18)の身を案じ同室していた姉の南部美沙さん(当時 20)らを襲ったもので、身勝手極まりない動機である


牛刀や革手袋を事前に入手し、身代わりの出頭を関係者に働き掛けるなどの準備工作をし、無抵抗の南部美沙さん(当時 20)の肩をつかんで腹部を牛刀で突き刺して前後に動かした

また、命乞いする大森実可子さん(当時 18)の胸などを複数回突き刺しており、態様は冷酷、残忍だ


当時 18歳 7ヶ月の少年で前科がないとはいえ、動機、態様などを総合すると深い犯罪性に根差した犯行というほかなく、身勝手きわまりない動機に酌むべき余地はなく、被害者らに責められるべき点もなく、男性や遺族の処罰感情が厳しいのも当然だ


犯行時 18歳 7ヶ月の少年であり前科がない点、一定の反省の念や被害者や遺族に対する謝罪の意思を表明していること、被告のために酌むべき事情を十分考慮しても、犯行動機、犯行態様などを総合すると、被告の刑事責任は極めて重大で、一審判決の死刑を是認せざるを得ない


以上、裁判官全員一致の意見である




[永山基準]


連続 4人射殺事件の永山則夫元死刑囚 (事件当時 19)(1997年8月執行)の第 1次上告審判決で、最高裁が示した死刑を摘要する際の基準
 (1) 犯罪の性質
 (2) 動機
 (3) 殺害方法
 (4) 殺害された被害者数
 (5) 遺族感情
 (6) 社会的影響
 (7) 年齢
 (8) 前科
 (9) 犯行後の情状
を考察し、刑事責任が極めて重大で、罪と刑罰の均衡や犯罪予防の観点からやむを得ない場合に死刑が許されるとしました

被告元少年の実名報道について


少年法で匿名報道を求める根拠として、少年の更生、社会復帰の可能性を上げており、死刑判決確定により、その可能性が無くなったことから、本サイトでも実名表記としております


朝日新聞では、本事件被告元少年の実名報道にあたって、下記「おことわり」を掲載しています


〈おことわり〉 朝日新聞はこれまで、犯行時に少年だった被告について、少年法の趣旨を尊重し、社会復帰の可能性などに配慮して匿名で報道してきました。最高裁判決で死刑が確定する見通しになったことを受け、実名での報道に切り替えます。国家によって生命を奪われる刑の対象者は明らかにされているべきだとの判断からです。本社は 2004年、事件当時は少年でも、死刑が確定する場合、原則として実名で報道する方針を決めています。

石巻3人殺傷事件、死刑確定へ 最高裁、被告の上告棄却 朝日新聞 2016年6月16日 18:52 」 より


河北新報では、本事件被告元少年の実名報道にあたって、下記「おことわり」を掲載しています


<おことわり>石巻3人殺傷事件の被告について、河北新報社は少年法を尊重し匿名としてきましたが、死刑が確定することで更生、社会復帰の可能性がなくなったことなどを踏まえ、実名に切り替えます。事件の凶悪さや社会的影響、1人の命が匿名のまま奪われることへの懸念なども考慮しました。

<石巻3人殺傷>元少年死刑確定へ 裁判員初 河北新報 2016年6月17日 10:37 」 より

目次 | 元のページ 前のページ | 次のページ サイトマップ | ページTOP
ホーム > ニュース > 石巻 元交際相手 姉ら 3人殺傷事件 元少年男性(24) 再審請求
   

© 2014 abhp.net All Rights Reserved.

出来事一覧

ページTOP
ページTOP

関連記事

ページTOP


関連記事を下記に紹介します



2017年12月19日

死刑確定の元少年、再審請求 時事通信 2017年12月19日 20:08


 宮城県石巻市で2010年、元交際相手の少女の姉ら2人を殺害、1人に重傷を負わせたなどとして、16年に最高裁で死刑判決が確定した当時18歳の男性死刑囚(26)の弁護人が、19日までに仙台地裁へ再審請求書を提出した。裁判員裁判となった少年事件で初の死刑確定だった。


2016年7月1日

<石巻3人殺傷>元少年の死刑確定 河北新報 2016年7月1日 15:06


 宮城県石巻市で2010年、3人を殺傷したとして殺人罪などに問われた犯行時18歳7カ月の元解体工、男性(24)=石巻市南浜町3丁目=の死刑判決が1日までに確定した。最高裁第1小法廷(大谷直人裁判長)が6月29日付で、死刑を維持した上告審判決に対する被告の訂正申し立てを棄却する決定をした。
 09年5月に始まった裁判員裁判で、犯行時少年だった被告に言い渡された初の死刑判決が確定した。
 確定判決によると、被告は10年2月10日朝、共犯の男=事件当時(17)、殺人ほう助罪などで有罪確定=と石巻市にある交際相手の女性=同(18)=の実家に押し入り、交際に反対していた女性の姉南部美沙さん=同(20)=と友人の大森実可子さん=同(18)=を牛刀で刺殺。居合わせた南部さんの知人男性=同(20)=にも大けがをさせ、女性を車で連れ去った。


2016年7月1日

元少年の死刑確定 石巻3人殺傷事件 朝日新聞 2016年7月1日 14:52


 宮城県石巻市で2010年2月、元交際相手の姉ら2人が殺害され、1人が重傷を負った事件で、最高裁第一小法廷(大谷直人裁判長)は29日付で、殺人罪などに問われた男性(24)の判決訂正申し立てを棄却する決定をした。この決定で、千葉被告の死刑が確定した。
 被告は事件当時は18歳7カ月だった。少年だった被告に、裁判員裁判で言い渡された死刑判決が確定したのは初めて。
 事件当時に少年だった被告の死刑確定は、1999年に山口県光市で起きた母子殺害事件が2012年に確定して以来となる。


2016年7月1日

裁判員裁判の少年事件で初の死刑が確定 産経新聞 2016年7月1日 14:49


 宮城県石巻市で元交際相手の姉と友人を殺害し、男性にも重傷を負わせたなどとして殺人罪などに問われた男性(24)=事件当時(18)=の死刑が確定した。最高裁第1小法廷(大谷直人裁判長)が、上告審の死刑判決に対する被告側の訂正申し立てを6月29日付で棄却。裁判員裁判で審理された少年事件で初めて死刑が確定した。
 犯行時少年による事件の死刑確定は、平成24年に最高裁で確定した山口県光市母子殺害事件以来。
 1審仙台地裁は「更生の可能性は著しく低い。少年だったことは死刑回避の決定的事情とはいえない」と裁判員裁判の少年事件で初めて死刑を言い渡し、2審仙台高裁も1審を支持。最高裁が6月に「結果は重大で、犯行時の年齢や前科がないことを考慮しても、死刑を是認せざるを得ない」と被告の上告を棄却した。
 判決によると、千葉被告は22年2月10日朝、元交際相手の少女宅に押し入り、少女の姉=当時(20)=と友人=同(18)=を牛刀で刺殺し男性1人に重傷を負わせ、少女を連れ去るなどした。


2016年6月17日

<石巻3人殺傷>最高裁判決要旨 河北新報 2016年6月17日 10:37


 石巻3人殺傷事件で、男性(24)=事件当時(18)=の上告を棄却した16日の最高裁判決の要旨は次の通り。
 被告は2010年2月4~5日、交際相手の女性の全身を模造刀と鉄棒で数十回殴り約1カ月の傷害を負わせ、実家に戻った女性を連れ出そうと試みたものの女性の姉南部美沙さん=同(20)=に阻まれ、女性の友人の大森実可子さん=同(18)=に警察に通報されて逃げ出すのを余儀なくされた。
 女性を略取して邪魔する者は殺害しようと計画し、2月10日早朝、女性の実家で、南部さん、大森さん、南部さんの友人の男性の胸などを牛刀で突き刺して南部さん、大森さんを殺害、男性にけがを負わせ、女性を略取した。
 強い殺意で3人に攻撃を加えて2人の命が奪われ、残る1人も重傷を負った。罪質、結果とも誠に重大な事案と言わざるを得ない。
 女性に重傷を負わせたのに略取を図り、邪魔しようとする者は殺害も辞さないと思い定め、女性の身を案じ同室していた南部さんらを襲ったもので、身勝手極まりない動機だ。牛刀や革手袋を事前に入手し、身代わりの出頭を関係者に働き掛けるなどの準備工作をし、無抵抗の南部さんの肩をつかんで腹部を牛刀で突き刺して前後に動かした。また、命乞いする大森さんの胸などを数回突き刺しており、態様は冷酷、残忍だ。


2016年6月17日

<石巻3人殺傷>元少年死刑確定へ 裁判員初 河北新報 2016年6月17日 10:37


 宮城県石巻市で2010年、3人を殺傷したなどとして殺人罪などに問われ、一、二審で死刑判決を受けた元解体工、男性(24)=事件当時(18)、石巻市南浜町3丁目=の上告審判決で、最高裁第1小法廷は16日、被告の上告を棄却した。09年5月に始まった裁判員裁判で、犯行時少年だった被告に言い渡された初の死刑判決が確定する。
 大谷直人裁判長は「強い殺意で攻撃を加え、2人の生命を奪い、1人に重傷を負わせた。罪質、結果ともに誠に重大」と指摘。殺害の計画性を認定した上で「行為の態様は冷酷かつ残忍だ。当時18歳7カ月の少年であっても、深い犯罪性に根差した犯行というほかない」と断じた。
 判決は「一定の反省や遺族への謝罪の意思を表明していることなどの事情を十分考慮しても、刑事責任は極めて重大だ。死刑は最高裁も是認せざるを得ない」と結論付けた。
 大谷裁判長ら裁判官5人全員一致の意見。
 判決によると、被告は10年2月10日朝、共犯の男=事件当時(17)、殺人ほう助罪などで有罪確定=と石巻市にある交際相手の女性=同(18)=の実家に押し入り、交際に反対していた女性の姉南部美沙さん=同(20)=と友人の大森実可子さん=同(18)=を牛刀で刺殺。居合わせた南部さんの知人男性=同(20)=にも大けがをさせ、女性を車で連れ去った。


2016年6月16日

裁判員裁判初の少年事件、死刑確定へ 石巻3人殺傷事件、最高裁が上告棄却 産経新聞 06月16日 22:04


 宮城県石巻市で元交際相手の姉と友人を殺害し、男性にも重傷を負わせたなどとして殺人罪などに問われ、1、2審で死刑とされた元解体工、男性(24)=事件当時(18)=の上告審判決で最高裁第1小法廷(大谷直人裁判長)は16日、「3人を殺傷した罪質、結果は重大。犯行時の年齢や前科がないことを考慮しても、死刑を是認せざるを得ない」と被告の上告を棄却した。5人の裁判官全員一致の意見。犯行時少年の被告に裁判員裁判が初めて言い渡した死刑が確定する。
 犯行時少年による死者2人の事件で死刑となったのは、山口県光市母子殺害事件に続き2人目。
 弁護側は「犯行当時は18歳になったばかりで未成熟だった。計画性も乏しい」と死刑回避を主張していた。
 しかし、同小法廷は「態様は冷酷かつ残忍。被告の深い犯罪性に根ざした犯行だ」と断じた。また、遺族や被害者の強い処罰感情にも配慮した。
 1審仙台地裁の裁判員裁判は、「更生の可能性は著しく低い。少年だったことは、死刑回避の決定的事情とはいえない」と、求刑通り死刑を言い渡した。2審仙台高裁も1審を支持した。


2016年6月16日

石巻3人殺傷事件、死刑確定へ 最高裁、被告の上告棄却 朝日新聞 06月16日 21:36


 宮城県石巻市で2010年、元交際相手の姉ら2人を殺害し1人に重傷を負わせたとして、殺人罪などに問われた男性(24)の上告審判決で、最高裁第一小法廷(大谷直人裁判長)は16日、被告の上告を棄却した。被告は事件当時18歳7カ月で、裁判員裁判で少年に言い渡した死刑判決が初めて確定する。
 犯行時に少年だった被告の死刑が確定するのは、山口県光市で1999年に起きた母子殺害事件が12年の最高裁判決で確定して以来。「永山事件」の最高裁判決(90年)以降では5件目、7人目になる。
 判決によると、千葉被告は10年2月10日朝、石巻市内にある元交際相手の実家に押し入り、元交際相手の姉(当時20)ら居合わせた2人を刃渡り約18センチの牛刀で刺して殺害。1人に重傷を負わせ、元交際相手を車で連れ去った。


2016年6月16日

弁護団「司法の役割放棄」=裁判員は最高裁判決評価―石巻3人殺傷 時事通信 06月16日 21:28


 石巻3人殺傷事件の最高裁判決後、元少年の男性(24)の弁護団は16日、東京都内で記者会見し、「結果の重大性だけで死刑を選択した。司法の役割を放棄した判決だ」と上告棄却を批判。守屋克彦弁護団長は「少年事件に対する厳罰化の傾向が進むのでは」と懸念を示した。
 主任弁護人の草場裕之弁護士は「一、二審の事実認定と矛盾する間接事実がたくさんあると主張したが、最高裁は全く言及せずに棄却した」と指摘。「死刑になりたくないわけではなく、自分の認識と異なる事実認定が納得できずに上告した。この判決は受け入れられないのではないか」と被告の心中を推し量った。
 一方、一審で裁判員を務めた30代の男性会社員も16日、仙台市内で報道陣の取材に応じ、「裁判員裁判で決まったことを、最高裁が認めたことは良かった」と語った。「死刑は加害者側の家族、友人が悲しむことになるので難しい問題だと今でも思っている。だが、やったことに対する罰としては極刑が相当だと評価している」と話した。


2016年6月16日

<石巻3人殺傷>「死刑宣告の重み、一生」裁判員、思い複雑 毎日新聞 2016年6月16日 21:18


 市民が参加する裁判員裁判を経て、少年だった被告への死刑が初めて確定する。宮城県石巻市の3人殺傷事件で16日、最高裁が被告側の上告を棄却した。1審で元少年と向き合い、「究極の刑罰」と更生可能性の間で揺れた裁判員経験者は複雑な思いを明かした。【伊藤直孝、本橋敦子】
 「決まったか……」。1審・仙台地裁の審理に参加した40代の裁判員経験者は16日午後、車を運転中にラジオのニュースで元少年(24)の上告が棄却されたと知った。
 2010年11月、裁判員に選ばれて初めて法廷に入った。被告は当時19歳。地裁の配慮で傍聴席に背を向け、裁判員に向かって座っていた。5日間の審理中に顔をよく見て思った。「子供だ」
 証人や被告の話をメモしながら、発言の背景や意図をじっくり考えた。「今までにないくらい、人の話を一生懸命聞いた」。評議ではそれぞれ法廷で感じた考えをぶつけ合った。ぐったりと疲れ、帰宅してからも事件のことばかり考えたが、家族には言えなかった。


2016年6月16日

石巻3人殺傷事件、死刑確定へ 最高裁、被告の上告棄却 朝日新聞 2016年6月16日 18:52


 宮城県石巻市で2010年、元交際相手の姉ら2人を殺害し1人に重傷を負わせたとして、殺人罪などに問われた男性(24)の上告審判決で、最高裁第一小法廷(大谷直人裁判長)は16日、被告の上告を棄却した。被告は事件当時18歳7カ月で、裁判員裁判で少年に言い渡した死刑判決が初めて確定する。
 犯行時に少年だった被告の死刑が確定するのは、山口県光市で1999年に起きた母子殺害事件が12年の最高裁判決で確定して以来。死刑適用の基準を示した「永山事件」の最高裁判決(90年)以降では5件目、7人目になる。
 判決によると、千葉被告は10年2月10日朝、宮城県石巻市内にある元交際相手の実家に押し入り、元交際相手の姉(当時20)ら居合わせた2人を刃渡り約18センチの牛刀で刺して殺害。1人に重傷を負わせ、元交際相手を車で連れ去った。


2016年6月16日

<石巻3人殺傷>元少年の死刑確定へ 最高裁が上告棄却 毎日新聞 2016年6月16日 15:06


 宮城県石巻市で2010年2月、元交際相手の姉ら3人を殺傷したなどとして殺人罪などに問われた当時18歳の元少年(24)の上告審判決で、最高裁第1小法廷(大谷直人裁判長)は16日、死刑とした1、2審を支持し、元少年の上告を棄却した。裁判員裁判で少年事件に死刑が適用された唯一の事件で、小法廷は「事件当時18歳7カ月であり前科はないが、深い犯罪性に根ざした犯行で死刑を是認せざるを得ない」と述べた。市民らが少年だった被告に死刑を選択した判決が初めて確定する。
 1審・仙台地裁の裁判員裁判判決は、元少年が凶器を事前に準備していたことなどから「周到な計画を立てた」と認定、2審・仙台高裁も支持した。弁護側は上告審で「元交際相手の少女の姉に警察に通報されたことで頭が真っ白になった」と計画性を否定。未熟さや生い立ちも考慮して死刑を回避するよう求めた。


ページTOP
ページTOP
ページTOP