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赤穂市中心に 巨大カルデラ 阿蘇カルデラに匹敵 8200万年前 火山形成


赤穂市中心に 巨大カルデラ 阿蘇カルデラに匹敵 約 8300~8200万年前 火山形成



産業技術総合研究所(産総研、茨城県つくば市)は、2016年8月8日、兵庫県赤穂市を中心とした相生市や岡山県備前市の一帯で、恐竜が生息していた時代である 約 8200万年前の地層に、火山噴火でできたカルデラの痕跡を見つけたと発表しました

再噴火の恐れはなく、カルデラ内は火砕流堆積物が埋められ、また、長年の浸食により、地表に特有の凹状の地形は残っておらず、火山体の地下構造が露出している状態で、地震に強い地盤を形成しているということです


カルデラは、火山活動で形成された陥没地形で、同研究所によると、今回赤穂市で見つかったカルデラの痕跡規模は、南北 約 16キロ、東西 約 21キロ、赤穂市全体に及び、相生市や岡山県備前市の一部も含まれます

「播州赤穂」地域の地質図幅の一部(一部修正、加筆)
図中の実線がコールドロン縁で、破線は推定

赤穂市は恐竜時代のカルデラの中にできた町だったことが判明 産総研 2016/08/08 」 より

赤穂市は恐竜時代のカルデラの中にできた町



カルデラは、火山活動で形成された陥没地形で、同研究所によると、今回赤穂市で見つかったカルデラの痕跡規模は、南北 約 16キロ、東西 約 21キロ、赤穂市全体に及び、相生市や岡山県備前市の一部も含まれます


その規模は、約 9万年前までに形成され、国内最大級の第四紀カルデラである 阿蘇カルデラ(阿蘇山(熊本県阿蘇市))(南北 約 25キロ、東西 約 18キロ)や姶良(あいら)カルデラ(鹿児島県)(直径 約 20キロメートル)に匹敵します


赤穂コールドロンと第四紀カルデラ(阿蘇、姶良)の比較

赤穂コールドロンと第四紀カルデラ(阿蘇、姶良)の比較

地質図は産総研 地質調査総合センター シームレス地質図(https://gbank.gsj.jp/seamless/)、
姶良のカルデラ縁は日本の火山(https://gbank.gsj.jp/volcano/)による
赤穂市は恐竜時代のカルデラの中にできた町だったことが判明 産総研 2016/08/08 」 より




カルデラ と コールドロン



カルデラは、火山活動によってできた大きなくぼ地状の地形であるのに対して、コールドロンは、火山性の陥没構造の総称で、削剥 ・ 浸食により陥没してできた地形が失われたものはコールドロンと呼称するのが一般的です

カルデラは地形用語で、陥没があったかは問わないため、カルデラの大きさは浸食などの二次的影響により、実際に陥没した大きさよりも大きくなることがあり、阿蘇は浸食により、当初の陥没地形から広がったことが知られています



赤穂コールドロン



兵庫県赤穂市周辺に、約 8,300~8,200万年前の巨大噴火により生じたカルデラ (長径 約 21キロメートル)で、現在、カルデラ地形は浸食により失われており、火山体の下部構造(コールドロン)が露出しています

コールドロン内を埋める火砕流堆積物の厚さは 700メートルを超え、コールドロン内には、カルデラ形成後の熱水活動によりできた金やろう石鉱床が存在します


地表で固まったマグマの痕跡(変色した部分)。カルデラの存在をうかがわせる=赤穂市御崎
かつての火山の噴火でカルデラが形成されたとされる赤穂市街地=同市塩屋から臨む
地表で固まったマグマの痕跡(変色した部分) (赤穂市御崎)

カルデラの存在をうかがわせる






かつての火山の噴火でカルデラが形成されたとされる赤穂市街地
(赤穂市塩屋から臨む)
赤穂市中心に巨大カルデラ 8200万年前に形成 神戸新聞 2016/8/8 10:33 」 より


赤穂コールドロンは、阿蘇カルデラより形成時期がはるかに古いため、特有の凹状地形は見られず、風化によりできた土地に現在の市域が形成されています

産総研は、2011年、中国地方の地質図を作製する一環で赤穂市の調査を開始、計約 200日かけて市内を巡り、崖や谷に残る約 8200万年前(白亜紀後期)地層で、噴火による陥没やマグマが流れた痕跡を発見しました

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関連記事

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関連記事を下記に紹介します



2016年8月8日

巨大カルデラ 兵庫・赤穂に 阿蘇や姶良に匹敵、8200万年前に火山噴火 産総研 産経WEST 2016.8.8 15:49


 兵庫県南西部の赤穂市を中心とする地域は、恐竜が生息していた約8200万年前に火山が噴火してできた大規模なカルデラであることが地質調査の結果分かったと、産業技術総合研究所(茨城県つくば市)が大阪市内で8日記者会見し、明らかにした。
 カルデラは火山活動で形成された陥没地形で、産総研によると、今回の大きさは東西約21キロ、南北約16キロに及び、日本最大級の阿蘇(熊本県)や姶良(鹿児島県)に匹敵する。産総研は「地震に強い地盤の形成に役立っている。興味深い地質が残っており、観光などに活用できる可能性がある」と説明している。
カルデラは箱根も有名。阿蘇は世界的に貴重な地形や地質が残る自然公園「世界ジオパーク」に認定されている。
 佐藤大介研究員は「西日本には白亜紀の火成岩類が広く分布している。今回の調査結果を鍵に、より広い地域の地質を明らかにしたい」と話した。

巨大カルデラ 兵庫・赤穂に 阿蘇や姶良に匹敵、8200万年前に火山噴火 産総研 産経WEST 2016.8.8 15:49 」 より


2016年8月8日

赤穂市中心に巨大カルデラ 8200万年前に形成 神戸新聞 2016/8/8 10:33


 産業技術総合研究所(産総研、茨城県つくば市)は8日、兵庫県赤穂市を中心とした相生市や岡山県備前市の一帯で、約8200万年前の地層にカルデラの痕跡を見つけたと発表した。恐竜が生息していた時代に火山噴火ででき、規模は国内2番目となる阿蘇山(熊本県阿蘇市)のカルデラに匹敵。再噴火の恐れはなく、特有の凹状の地形は残っていないが、地震に強い地盤を形成しているという。
 カルデラは火山活動で形成された陥没地形で、同研究所によると、今回見つかった規模は南北約16キロ、東西約21キロ。赤穂市全体に及び、相生市や岡山県備前市の一部も含むという。
 約9万年前までにできた阿蘇のカルデラ(南北約25キロ、東西約18キロ)とほぼ同規模。形成時期がはるかに古いため、特有の凹状地形は見られず、風化によりできた土地に現在の市域があるという。
 産総研は2011年、中国地方の地質図を作製する一環で赤穂市の調査を開始。計約200日かけて市内を巡り、崖や谷に残る約8200万年前(白亜紀後期)地層で、噴火による陥没やマグマが流れた痕跡を発見した。

赤穂市中心に巨大カルデラ 8200万年前に形成 神戸新聞 2016/8/8 10:33 」 より


2016年8月8日

赤穂市は恐竜時代のカルデラの中にできた町だったことが判明 産総研 2016/08/08


 国立研究開発法人 産業技術総合研究所【理事長 中鉢 良治】(以下「産総研」という)地質調査総合センターは、地質情報研究部門【研究部門長 牧野 雅彦】地殻岩石研究グループ 佐藤 大介 研究員らがとりまとめた「播州赤穂地域の地質」を刊行した。これは、平成23~25年度の3年間にわたり実施した兵庫県赤穂市を中心とした「播州赤穂」地域周辺の詳細な地質調査を基にまとめた資料である。兵庫県と岡山県にまたがるこの地域全域の5万分の1の地質図幅は、今回が初となる。
 今回、「播州赤穂」地域の火山の噴火活動が盛んだった後期白亜紀の状況と、地盤が形成された歴史を解明した。「播州赤穂」地域では後期白亜紀に大量の火砕流を噴出した火山活動が複数あった。その際に形成された当時のカルデラ(コールドロン)を埋めるように火砕流堆積物が分布していることが明らかになった。今回確認された赤穂市付近の白亜紀のカルデラ(コールドロン)は、現在は浸食によりカルデラ地形は失われて火山体の地下構造が露出しているが、カルデラ(コールドロン)としては国内でも有数の大きさであり、「赤穂コールドロン」と命名した。
 なお、この地質図幅の価格は1,600円(税抜き)で、8月9日頃から産総研が提携する委託販売店(https://www.gsj.jp/Map/JP/purchase-guid.html)で販売する。

赤穂市は恐竜時代のカルデラの中にできた町だったことが判明 産総研 2016/08/08 」 より


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