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いぼ 種類 原因 と 治療法


いぼ とは 種類 と 分類



いぼは、医学的には疣贅(ゆうぜい)と呼ばれ、疣贅(ゆうぜい)とは、皮膚にできたふくらみのことで、いぼ(疣贅(ゆうぜい))にはその原因によっていくつかの種類があります


分類 種類 説明
悪性 ウィルス性いぼ
水いぼ
皮膚がん
体に害をなす「病気」としてのいぼですので、治療が必要になります
良性 脂漏性角化症
(しろうせいかくかしょう)
(老人性いぼ)
それ自体が体に害を与えることがない種類のもので、いわば生理的な変化がもたらすものです




いぼ の種類 と いぼ ができる原因



いぼは種類によってできる原因が異なります


種類 原因
ウイルス性疣贅
(ゆうぜい)
(尋常性疣贅
(じんじょうせい
ゆうぜい))
(ウィルス性いぼ)
ウイルス性疣贅(ゆうぜい)(ウイルス性のいぼ)は、ヒトパピローマウィルス(ヒト乳頭腫(にゅうとうしゅ)ウイルス)の感染によって起こります
手や足等の目に見えない傷から,皮膚の細胞にウイルスが感染するために発症するとの説明も見られますが、ヒトパピローマウィルス自体は人の体内を含めどこにでも存在しているため、正確な感染経路が判明しているわけではありません
ヒトパピローマウィルスは子宮頸がんの原因ともなるウイルスですが、このウィルスには数百という種類があり、子宮頸がんといぼの原因ウィルスは種類が異なっていますので、ウィルス性いぼに感染したからといって子宮頸がんの原因になることはありません
水いぼ 水いぼもウィルス感染が原因で起こります
正式には「伝染性軟属腫(でんせんせい なんぞくしゅ)」といいます
原因となるのは、ポックスウィルスというウィルスで、破れた水いぼに触れることで感染します
直接触れなくても、お風呂やタオルなどを介しても移るので、注意が必要です
扁平疣贅
(へんぺい
ゆうぜい)
扁平疣贅もヒトパピローマウィルスが原因の感染症ですが、先に紹介したウィルス性いぼや子宮頸がんの原因ウィルスとは別のタイプのパピローマウィルスになります
20~30代女性に多く見られ、平たいのが特徴です
皮膚がん 皮膚がんも、種類によってはいぼのように見える場合があります
特に初期にはほくろやいぼ、しみなどと外見上で区別するのは非常に困難で、皮膚がんの中には命のかかわる種類のものもあるため、できるだけ早期に治療を行うことが求められます
いぼができた際に皮膚科の受診が欠かせない一番の理由は、皮膚がんの可能性もあるためなのです
脂漏性角化症
(しろうせい
かくかしょう)
(老人性いぼ)
脂漏性角化症 (しろうせいかくかしょう)は、老人性いぼ、老人性疣贅(ろうじんせいゆうぜい)とも呼ばれ、加齢による皮膚の老化現象が原因で、肌のターンオーバーのサイクルが長くなり、古い角質が硬くなって盛り上がったことが原因でおこります




いぼ の種類 と 治療法



いぼの種類ごとに適した治療法を紹介します
ここで解説しているのは、一般的な治療方で、原則的には受診した医師の判断に従ってください


治療法 いぼの種類 概要
液体窒素 扁平疣贅
ウィルス性いぼ
脂漏性角化症
(老人性いぼ)
液体窒素をいぼに塗り、細胞を凍死させてしまう治療法で、数日~数週間でいぼがかさぶたのように剥がれ落ちてきます
窒素をあてている間は、ピリピリ・ジンジンとした痛みを伴うことがあります
また、場合によっては色素沈着などの跡になってしまうこともあります

液体窒素は健康保険が適用になるため、自己負担額を低く抑えることが可能なのがメリットですが、一度でいぼを取り除くことができないのが一般的で、1週間~2週間おきの通院が必要になります

健康保険 適用
治療期間 約1~3か月程度(1週間~2週間おきに通院)
治療費 1回1,000円程度
トラコーマ鑷子
(せっし)
水いぼ トラコーマ鑷子とは、ピンセットの先端がスプーンのような形になっている医療器具で、ピンセットの先で水いぼを挟み、中心にある芯を取り除きます
痛みや出血を伴うことが多く、部位や程度によっては事前に麻酔を行うケースもあります

水いぼは水泡の中に芯があり、そこに原因となるウィルスが潜んでいます
トラコーマ鑷子で、芯をキレイに取り除いてしまえば、その部分の治療は完了で、1つの水いぼに対して基本的には 1回の治療で済むのがメリットです

健康保険 適用
治療期間 1日~数か月(水いぼの数による
治療費 1回1,000円程度
(一度に除去する水いぼの数によって異なる)
レーザー 扁平疣贅
老人性いぼ
ウィルス性いぼ
レーザーをいぼに照射し、いぼを焼いてしまう方法で、痛みや出血が少なく、肌への負担も少なくて済むのが特徴です
また、いぼの除去後も跡が残りにくいというメリットもありますが、保険適用外の場合が多く、治療費が他の方法よりも高い場合が多いのがデメリットです

レーザーは、いぼに対して非常に高い効果を発揮します
基本的には 1度の照射で完治させることが可能ですが、いぼのレーザー治療は自由診療扱いとなり健康保険が適用されませんので、クリニックによって費用が大きく異なっており、どこの皮膚科でも治療が受けられるとは限りません

健康保険 使用できない(全額自己負担)
治療期間 1日~半年程度(いぼの数によって異なる)
治療費 クリニックによって異なる
(平均的な相場は10,000~50,000円程度)
ヨクイニン ウィルス性いぼ
水いぼ
扁平疣贅
ヨクイニンとは、ハトムギの中に含まれている成分で、ビタミンやミネラル類が豊富に含まれています
ヨクイニン自体にいぼを治療する効果はありませんが、ヨクイニンの内服によって免疫力を高め、ウィルスをやっつけることが目的で、その他の治療法と併用されるのが一般的です

ヨクイニンは補助的に使用されますので、いぼ治療が終了するまで内服を続けるのが一般的です
そのため、服用期間はいぼの治療期間に準ずることになります

健康保険 適用
治療期間 他の治療法に準じる
治療費 1ヶ月500円程度




脂漏性角化症 (しろうせいかっかしょう) とは



脂漏性角化症(しろうせいかっかしょう)は、皮膚良性腫瘍の 1つで、老人性疣贅(ろうじんせいゆうぜい)、年寄りいぼとも言われ、文字のとおり、年を取るとでできてくる皮膚の老化現象のひとつですが、若い人にもできることがあります

脂漏性角化症(老人性疣贅、老人性いぼ)は早ければ 30歳代から、主には 40歳以降に出現し、加齢とともに増える皮膚の良性腫瘍で、80歳以上ではほぼ全員にあり、皮膚の老化現象のひとつとされています


別名、老人性疣贅、老人性いぼといい、通常のいぼ(尋常性疣贅)のようにウイルスが原因でおこるのではありませんので、人に移ることはありません

脂漏性角化症は、顔面、頭部、前胸部、上背部などの日光露出部によくみられますが、脇の下、脇腹、腹部、鼡径部(股)、陰部、大腿(太もも)など日に当たらない部分にも発生しますが、掌蹠(手のひら、足の裏)にはできません



脂漏性角化症 (しろうせいかっかしょう) の症状



色は褐色調から黒色、大きさは直径 数mmから 2~3cmくらい、ややもり上がっており、平坦に見えても拡大鏡で見るとわずかにもり上がっているのが特徴です

通常は掻痒(かゆみ)や疼痛(痛み)はありませんが、たまにかゆみがあり、また、大きくなるときにかゆみが出ることがあります

脂漏性角化症は自然に消えることはありません、し悪性化して癌になることもありません

脂漏性角化症が、全身に短期間に多数出現し、掻痒(かゆみ)を伴う場合はLeser-Trélat(レゼル-トレラ)兆候と呼ばれ、内臓に悪性腫瘍(癌)がある可能性があります


脂漏性角化症は、顔、頭や全身どこにでもできるいぼのようにざらざらしたできもので、初めは 1、2mm位であっても、放っておくと少しずつ大きくなります

特に、日光の当たる顔には、数多くできてき、老人性のシミも一緒にできることが多いようで、色は、普通の皮膚の色~淡褐色~黒色まで、形も平らなものから、隆起するものまで様々で、かゆみを伴うこともあります


年々、少しずつ大きくなり、数も増えてきますが、小さいうちに取ってしまえば、問題ありませんので、早めの処置がお勧め、多発している人は、大きなものから、少しづづ除去しましょう

出来やすい人は、年1度はチェックすることがお勧めです



脂漏性角化症 (しろうせいかっかしょう) の原因



顔、手足のシミは、長年日光にさらされることによって、日光に含まれる紫外線によって皮膚の表皮基底細胞の遺伝子に異常が起こったことが原因です

異常がおこった表皮基底細胞は増殖して皮膚表面から盛り上がるようになり、表皮の色素細胞を刺激して大量のメラニンをつくらせて、濃い色の”シミ”になるわけです


一般にいう”シミ”は”平坦なシミ”と”もり上がったシミ”に分けることができ、”平坦なシミ”は”老人性色素斑”、”もり上がったシミ”は”脂漏性角化症”です

脂漏性角化症の一部は、老人性色素斑からもりあがって発生します
脂漏性角化症は老人性色素斑よりも遺伝子異常が強くなっている表れなのです


老人性色素斑、脂漏性角化症は野外でスポーツや仕事をしている人に多くみられます
また、色白の女性で外出中に化粧や日焼け止め(サンスクリーン)を使わない人には、中年期以降に多発する傾向があります

日焼けサロンに行く人は、とても若い時期(20歳前半)から老人性色素斑が、20歳後半から脂漏性角化症がでることがあります
年齢が高くなると日光にさらされない脇の下、脇腹、腹部、鼡径部(股)、陰部などにも脂漏性角化症はできますが、これは、加齢によって表皮の遺伝子に異常がおこってできたものと考えられます


予防は、顔、手足に関しては紫外線を避けることで、野外のクラブ活動、スポーツ、作業時にはサンスクリーンの使用は必須です
顔、手足以外の日光にさらされない部位の予防法はありません



脂漏性角化症 (しろうせいかっかしょう) の治療法



液体窒素、電気メスでの切除、電気焼却、IPL(フォトフェイシャルなどの光治療)、炭酸ガスレーザー、Qスイッチ・レーザーなどが使われます

イボ(疣贅)ではないので、漢方薬であるヨクイニンの内服は効果ありません
また、市販のイボコロリ、皮膚科で処方されるオキサロール軟膏、トレチノインも効果がありません


ドライアイスでの冷凍は脂漏性角化症の基底部(底の部分)まで凍らせることができないので効果がほとんどありません
皮膚科以外の診療科ではハサミで切除することもあるようですが、これも基底部が残り再発します

数ミリまでのものは、電気焼灼、冷凍療法、レーザー治療等で簡単に治療できますが、大きくなると、手術が必要になります


脂漏性角化症と思っていても、皮膚ガンであることがあり、特に前癌状態である、日光角化症(老人性角化症)とは区別しづらいこともありますので、病理検査(皮膚の一部もしくは、全部取って組織検査に出します)が必要な場合もありますが、電気焼灼、冷凍療法やレーザー照射で治療する場合は組織検査は出来ませんので、癌が心配の場合は切除して、組織の検査をしてもらいましょう


治療法 概要
液体窒素
による
冷凍凝固治療
液体窒素を病変部にあてて、一時的に脂漏性角化症を冷凍凝固して異常な表皮細胞を破壊、2~3週間後にかさぶたにして、脱落させて除去する治療法です
保険適応で安価、他の治療法と違って麻酔を必要とせず、簡便にでき、皮膚科クリニックであれば、ほとんどのところでできますが、麻酔よりも痛い、1回では治らない、炎症後の色素沈着を起こしやすい等の欠点もあります
治療時と治療後に痛みがあります
軽く冷凍すると再発、強く冷凍すると瘢痕が残るので経験が必要です
治療部位には半年から 2年程度、炎症後の色素沈着が残りますので、顔面の治療だとこの炎症後色素沈着が美容上の問題となります
電気メスでの
切除、電気焼却
脂漏性角化症の組織を薄く表皮からはぎ取ったり、焼却する方法で、浅く削ると再発、深くけずると瘢痕を残す危険性があります
電気メス、電気焼却で治療している皮膚科が少ないのが実情です
IPL
(フォトフェイシャル
などの光治療)
強い光を照射すると、光が脂漏性角化症の黒色のメラニンに反応して熱を発生して細胞に損傷を与えます
わずかに盛り上がった程度の脂漏性角化症は治療可能ですが、取れ残りが多い印象があり、0.5mm以上盛り上がると効果がありません
いったん消えても半年から 1年程度で再発することも多く、治療効果は不十分です
炭酸ガス
レーザー
もり上がりの程度に関係なく脂漏性角化症をきれいに蒸散させることが可能、治療後の色素沈着が起こる期間は液体窒素での治療に比べ短く数ヶ月で、ほとんどの脂漏性角化症は治療可能です
脂漏性角化症は基底部(底の部分)の異常な表皮基底細胞まで取り除く必要がありますので、皮膚の深い部分まで細胞を蒸散させると、治療後に瘢痕が残る危険性があり、基底部に細胞が残った場合は、数ヶ月から数年(長い場合 5年)後、再発することがあります
Qスイッチ・
レーザー
YAG(ヤグ)、アレキサンドライト、ルビーをつかったQスイッチ・レーザーは隆起の程度の軽い脂漏性角化症であれば、十分に治療できます
色素のある部分を完全に除去することが可能で、治療後の傷が残らないのが最大の利点です
YAG(ヤグ)、アレキサンドライト、ルビーそれぞれ特性がありますが、どれも治療効果は十分ですが、隆起の程度が強い厚みのある脂漏性角化症は、表皮基底細胞が残ってしまい、治療が難しいことがあり、基底部に細胞が残った場合は、数ヶ月から数年(長い場合 5年)後、再発することがあります
スキャナ付き
炭酸ガス
レーザーと
Qスイッチ・
レーザーを併用
炭酸ガスレーザーとQスイッチ・レーザーの双方の利点を利用して治療します
厚みがあっても炭酸ガスレーザーで蒸散させて、基底部に残った脂漏性角化症の細胞をQスイッチ・レーザーで破壊することができます
治療部が傷になる可能性は極めて低く、再発の確率はゼロの近いといえます 炭酸ガスレーザーはスキャナ付きの機器を使うことで、よりいっそう、きれいに脂漏性角化症を消すことが可能です



糸状疣贅 (しじょうゆうぜい) スキンタッグ(skin tag) とは 首の周りのイボ



首周り(頚部)、胸、 腋の下などの皮膚の柔らかいところにできる、1~2mmの小さな皮膚のでっぱりで、色は肌色から黒褐色で多発する人もいます

老化現象の一つですが、若い人にもできることがあります



治療法



根元が細いものはハサミ簡単にで切除、もしくは、液体窒素による冷凍凝固で取り除き、根元が広いものは電気焼灼を行いますが、その場合局所麻酔が必要です

少しづつ大きくなったり、数が増えてきますので、早めの処置がお勧めです



液体窒素(ちっそ)による凍結療法



液体窒素を病変部にあてて、一時的に凍らせ、2~3週間後にかさぶたにして、脱落させる方法で、麻酔も不要、簡便にできますが、麻酔よりも痛い、1回では治らない、脱落しても根本が残る、炎症後の色素沈着を起こしやすい等の欠点があります

ハサミで切除する方法と両方を施行した患者さんは、次回受診時には、確実で、痛みが少ないから、ハサミで切除する方を希望されることが多いようです

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参考情報


脂漏性角化症の治し方について(症状・原因) - 山手皮膚科クリニック
脂漏性角化症(しろうせいかっかしょう)、老人性疣贅(ろうじんせいゆうぜい)|医療法人恵生会 長瀬内科医院
いぼ治療【ウイルス性いぼ治し方】大田区大森駅 | 大木皮膚科・病院東京
気になる顔のいぼ、治療はどうする?方法や費用は? - 【ケアクル】
いぼ・たこ・魚の目-新宿、皮膚科、内科、泌尿器科の新宿駅前クリニック

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