AIIB (アジアインフラ投資銀行) とは |
AIIB (アジアインフラ投資銀行) とは中国主導で年内に設立する国際金融機関 「アジアインフラ投資銀行」( AIIB : Asian Infrastructure Investment Bank )創設メンバーは、57ヶ国で確定し、日本と米国が最大出資国となっている 「アジア開発銀行」( ADB )の67ヶ国・地域に迫る規模で発足することになりました AIIBは国際金融機関として、主にアジアの途上国に対するインフラ整備資金を融資する事を目的としている為。その資金力に期待した発展途上国だけでなく、自国の企業や金融機関の関連ビジネス参入を狙う英国、ドイツ、フランスなどの先進国も加わり、国連常任理事国 5ヶ国中アメリカ以外の 4ヶ国、経済協力開発機構(OECD)加盟 34ヶ国中 18ヶ国、東南アジア諸国連合(ASEAN)全 10ヶ国が名を連ねています 中国政府にとって、欧州からアジアまでを股に掛けた多国間機関を運営するのは初の試みであり、困難な課題となるとの指摘もあがっており、また、日米は運営方法や融資の審査体制に不透明な点が多いとして参加を見送っています 中国は、これまで、ロシアと中央アジア 4ヶ国と共に構成する上海協力機構(Shanghai Cooperation Organisation、SCO)や新興 5ヶ国「BRICS」の枠組みの中で、主導的な役割を果たしていますが、資金規模でも影響力の面でも AIIBは、全くレベルが異なります AIIBの創設メンバーには、カザフスタンやミャンマーに代表される中国と関係の深い国々に加え、アメリカの有力な同盟国である、ドイツ、英国、フランス、イタリア、オーストラリアといった国々も名乗りを上げていて、民主主義と市場経済が浸透したこれらの西側諸国は、AIIBの運営方法に関して強く意見を主張していくと見られ、中国共産党の機関紙 人民日報(People's Daily)の国際版、環球時報(Global Times)でも、「より多くの国と地域が加わるほど、意見の一致をみるのは一層難しくなる」と論評しています 各国の参加を募るに当たり、中国は、AIIBの意思決定において拒否権を放棄する方針を示したと報じられていますが、中国が主導するAIIBには、透明性をめぐって根強い懸念が残り、中国が、AIIBを利用して自国の地政学的・経済的利益の拡大を図るのではないかと警戒する声も聞かれます 中国は最大 50%を出資する意向を表明していて、本部を北京に置く他、ADB副総裁を務めた経験を持つ、金立群 元中国財政次官が初代総裁の最有力候補と目されるなど、中国が運営に強い影響力を持つのは必至です 設立協議は2014年秋以降、先行して参加を決めた国々によって進められており、それを土台に、2015年6月末にかけて詰めの交渉を行い、ADBや世界銀行のように厳格な審査を行う仕組みにすることなどを、欧州の主要国が要求していくとみられてますが、全創設メンバーによる協議期間が約 2ヶ月しかなく、「年内発足を大前提としているため、あまり突っ込んだ話し合いはできそうにない」との声も出ています 世銀とADBでは賄えないアジアの開発資金アジアでは今後、輸送や電力、通信などの大型インフラ投資の需要が高まり、ADBの試算では、2010~2020年のアジアへのインフラ投資額は、推定 8兆ドル(約 960兆円)で、日米が主導する世界銀行(World Bank)とアジア開発銀行(Asian Development Bank、ADB)の資金だけでは賄いきれません 中国は、AIIB設立に隠された利己的な動機はないと主張していて、「AIIBは互恵的な構想であり、既存の国際経済秩序を補完するものだ」と説明、「開放的かつ高い透明性と効率性」を約束していますが、AIIBには、世銀やADBの役割を奪う可能性もあり、日米は、ガバナンス(統治)や融資基準に関する懸念から、AIIBへの参加を見送っています アメリカの立場米高官 AIIB参加 「考えてない」 2015年4月6日リブキン米国務次官補(経済・商務担当)は、2015年4月6日、中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)に関し、「米国は現在、いかなる国際機関に参加することも考えていない」と明言、さらにAIIBが高い国際基準を持つためには、既存の国際金融機関との連携が重要と訴えています リブキン氏は、AIIBへの各国の参加判断は主権の問題であり、「米国は反対していない」とした上で、機関決定の透明性を含め、「ガバナンスが国際的に適切かどうか注目している」とし、世銀やADBなどとの「共同プロジェクトが高い国際基準を得る一つの道だ」との認識を示し、世界銀行やアジア開発銀行(ADB)などが持つ国際金融機関としての高い基準がなければ、アジアで今後見込まれる膨大なインフラ整備事業に「民間投資家は参加できない」との見方を示しました 日本の立場菅官房長官 「中国の説明、理解できぬ」 2015年4月7日菅義偉官房長官は、2015年4月7日、中国が主導して年内設立を目指しているアジアインフラ投資銀行(AIIB)への日本参加に関し、「コンプライアンス(法令順守)などの懸念する問題について、中国に説明を求めてきたが、理解できるものがなかった。しっかり説明を受けた上でなければ判断できない」とし、参加に慎重な考えを改めて示しています 岸田文雄外相も、同日(2015年4月7日)、「日本が参加を表明することになれば、推計で1000億円単位の出資を求められることになる」とし、また、投融資案件を審査・承認する理事会の体制など、AIIBの組織運営に不透明な点が残ることを改めて指摘、「ガバナンスの問題点を中国側にぶつけているが、しっかりとした回答がない。確認した上で対応を決断する」と語り、参加の是非は慎重に判断するとの姿勢を強調しました 台湾の立場台湾、引き続き加入目指す 名称最低でも「中華台北」 2015年4月13日中国主導で設立準備が進む国際金融機関、アジアインフラ投資銀行(AIIB)について、中国当局者は、創設メンバーとなる期限の2015年3月31日に申請した台湾を創設メンバーに加えないと述べ、加盟申請の受付や承認を行うAIIBの設立準備事務局は中国財政省の傘下にあり、国際機関の体裁を取りながらも中国が自らの主張を盾に選定する実態が浮き彫りになりました 中国は台湾を自国の領土の一部とみなしており、創設メンバーから除外することで、他の主権国家と差をつけて台湾の地位を格下げするのが狙いとみられ、中国国務院(政府)台湾事務弁公室の馬暁光報道官は、2015年4月13日、「ふさわしい名義で申請すれば参加を歓迎する」と表明し、来的には中国が認める名称で一般メンバーとして参加を認める意向も示しました 中国が台湾をアジアインフラ投資銀行(AIIB)の創設メンバーから除外すると表明したことを受け、台湾当局は、2015年4月13日、引き続き正式メンバーとして加入を目指すとともに、名称については最低でも「中華台北」(チャイニーズ・タイペイ)を求める考えを表明しました 中国が「一つの中国」を原則とする中、台湾の加入については、過去にも、名称、資格を問題としてきていて、台湾は、1966年設立のアジア開発銀行(ADB)の創設メンバーにも関わらず、1986年に中国が加盟する際、名称を「中華民国」から「中国台北」(チャイニーズ・タイペイ)に変更させられ、現在も抗議を続けています アジア太平洋経済協力会議(APEC)に、1991年に加盟した際の名称は「中華台北」(チャイニーズ・タイペイ)で、参加資格も他の加盟国と対等な「経済体」だったが、このときは中台同時加盟で、台湾は、APECと同様の方式の適用を求めていました 台湾行政院(内閣)のスポークスマンは、2015年4月13日、「名称は「中華台北」(チャイニーズ・タイペイ)が最低ラインであり、要求が受け入れられなければ、われわれは参加しない」と述べています AIIBが開業式典 正式に業務開始 2016年1月16日アジアを中心にインフラ整備向けの資金支援を行う、アジアインフラ投資銀行(AIIB)の開業式典が、2016年1月16日、習近平中国国家主席が出席する中、北京市内の釣魚台迎賓館で開かれ、中国主導の国際金融機関が正式に業務を開始しました 習近平中国国家主席は、「アジアには莫大(ばくだい)なインフラ整備の資金需要がある」と創設理由を説明、AIIBが展開するプロジェクトが「世界経済の成長促進につながる」と強調、その上で、中国による設立提唱は国際社会への大きな貢献だと胸を張りました AIIBは、資本金 1000億ドル(約11兆7000億円)の内、中国が3割を出資、重要案件への拒否権を単独で握っており、欧州先進国やアジアの途上国など計57ヶ国が参加、日本、米国は参加をしていません |
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