アイドル刺傷事件 被害者本人 110番するも 通報位置 確認せず 自宅へ |
アイドル女子大生刺傷事件 東京都小金井市 事件の概要 2016年5月21日アイドル活動をしていた亜細亜大 3年生の冨田真由さん(20)は、2016年5月21日、東京都小金井市で、男性(27)(京都市右京区)(会社員)(殺人未遂などの容疑で送検)に、首や胸などを中心に20ヶ所以上を刃物でメッタ刺しにされ、重傷を負わされました 冨田真由さん(20)は、事件後、1週間以上、意識不明の重体となり、都内の病院の集中治療室(ICU)で治療を続けていましたが、首付近の傷が特に深かったものの、心臓など内臓への損傷は免れていたということで、2016年6月3日頃、意識を取り戻し、その後、退院しています 冨田真由さん(20)は、事件時の出血のため視野が狭くなり、右手の指が動きにくいなどの後遺症が残り、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の診断を受け、2016年12月16日現在も治療を続けています アイドル刺傷事件 被害者本人 110番するも 通報位置 確認せず 自宅へ 2016年5月21日事件発生時、冨田真由さん(20)本人から 110番通報していましたが、通報を受けた警視庁通信指令本部は、通報場所の位置情報を確認せず、武蔵野市にある冨田真由さん(20)の自宅に警察官を向かわせていたため事件現場への到着が遅れた可能性が指摘されています 警視庁は手順にミスがあったことを認め、「位置情報の確認をすべきだった」としています 警視庁によると、警視庁武蔵野署で、冨田真由さん(20)から初めて相談を受けたのは、事件発生 12日前の 2016年5月で、自身のツイッターへの男性(27)の書き込みをブロックしたため、冨田真由さん(20)の知人に書き込みするようになっていたことに対する相談でした 警視庁武蔵野署では、男性(27)の調査も始めましたが、つきまとい行為などがなく、「ただちに危害を加える内容はない」と判断したとして、緊急時に迅速に対応するため、2016年5月20日、冨田真由さん(20)の携帯電話番号を「110番緊急通報登録システム」に登録しましたが、本部の専門部署 「人身安全関連事案総合対策本部」には連絡していませんでした 冨田真由さん(20)は、2016年5月21日午後5時5分12秒に携帯電話で110番、通信指令本部が受けましたが、「(男性(27)に対し、ライブ会場に)入れませんよ」の後、「きゃー、助けて」という悲鳴で会話にならず、担当者の呼びかけに応答できない状態となりましたが、通話状態は10分45秒にわたり続いていました その際、緊急通報登録システムの登録内容に基づき、通信指令本部に冨田真由さん(20)の名前や武蔵野市にある自宅住所が表示され、同本部は武蔵野署に冨田真由さん(20)の自宅に向かうよう指示を出しましたが、携帯電話の位置情報を手動で確認する作業を行わず、通報(事件現場)の場所を確認しませんでした 今回のように 110番の通報者が会話できない状態の場合、通報の位置情報を確認することになっていますが、通信指令本部は、「住所地が表示されたので、そこに確認に行かせることに集中してしまった」と釈明 男性(27)は、2016年5月21日、JR武蔵小金井駅近くで冨田真由さん(20)を待ち伏せ、午後 5時過ぎに襲撃したとされ、冨田真由さん(20)の 110番から 1分45秒後に、現場にいた目撃者から、「男が女性の首を刺している」と 110番があり、通信指令本部は小金井署に指令して現場に警察官を向かわせましたが、警察官が現場に到着したのは冨田真由さん(20)の 110番から約 7分後の 5時12分14秒でした 警察官が現場に到着した際、現場では、直接消防署に駆け込み知らせた目撃者の情報により、救急隊員が既に冨田真由さん(20)の救護処置を行っており、男性(27)は、近くで呆然と立っていたということです 凶悪犯に立ち向かって下さる警察官に感謝の念を忘れてはいけませんが、今回、救急隊員は、凶器を持ったままの殺人未遂犯の目の前で救護処置を行っていたことになり、救急隊員の生命すら危険にさらす、致命的な失態と言わざるを得ません 今回の事態を受け、警視庁は、6月中にも、緊急通報登録システムに登録している電話番号から通報があった場合、自動的に位置情報が表示されるシステムを導入するとしています アイドル刺傷事件 男性(27) 2016年5月中旬 ネットで凶器の刃物購入男性(27)は、2016年5月中旬、インターネットで凶器の刃物(刃渡り 8.2センチ)を購入、「冨田さんを殺すつもりだった」などと供述しており、警視庁では計画的に襲撃の準備を進めたとみて調べています アイドル刺傷事件 男性(27) ストーカー被害と認識せず 警視庁男性(27)は、事件前約 4ヶ月にわたって、冨田真由さん(20)のツイッターに執拗に書き込みを続けており、「冨田さんが好きだった。結婚したかった」と供述、冨田真由さん(20)に贈った腕時計などのプレゼントが送り返されてきたことに対し、「恥をかかされた」などと説明 警視庁は、冨田真由さん(20)からの事件前の相談をストーカー被害と認識しなかったほか、過去の類似相談が共有されていなかったことも判明しています 「早急な対応必要だった」 アイドル刺傷事件検証 警視庁 対応の問題認める 2016年6月17日警視庁は、2016年6月17日、事件発生までの検証結果を発表、「早急に対応する必要のある事案だった」として問題があったことを認めました 冨田真由さん(20)は事件前、警視庁武蔵野署にツイッターなどへの書き込みについて相談していましたが、武蔵野署は切迫性はないと判断、ストーカー事案を専門的に扱う「人身安全関連事案総合対策本部」に報告していませんでした 警視庁はこうした対応について、「ストーカー事案と判断するには難しい面もあったが、人身の安全を早急に確保する必要があった」と指摘、警視庁本部への報告に加え、ライブ会場の警戒や冨田真由さん(20)への防犯指導も行うべきだったとしました 警視庁は再発防止策として、しつこい書き込みや悪意のある内容がある場合には、身体への危険が切迫していなくても警視庁本部に報告し、組織を挙げて対処するとし、今後、意識を回復した冨田真由さん(20)から相談時の状況を聴取した上で、最終的な検証結果をまとめます アイドル刺傷事件 男性(27) 別の10代女性ブログに「殺す」 2016年5月27日芸能活動をしていた大学生、冨田真由さん(20)が東京都小金井市で刃物で刺され、一時、意識不明の重態となる重傷を負わされた事件で逮捕された、京都市右京区の会社員、男性(27)(殺人未遂などの容疑)が、約 3年前の2013年(平成25年)頃、東京都内で芸能活動をしていた別の10代女性のブログに「殺す」などと書き込み、警視庁万世橋署が女性から相談を受けていたことが明らかになりました 万世橋署はこれを立件しなかった上、担当者が警視庁内部の登録システムに男性(27)の名前入力をを失念していたため、冨田真由さん(20)が襲われた事件で、事件前に相談を受けた武蔵野署は登録システムを検索した際、男性(27)の素行、危険性を把握できませんでした 約 3年前、芸能活動をしている 20代女性が、「ブログに「殺す」等威迫的なメッセージを書き込まれている」と万世橋署に相談、その後の捜査で男性(27)を特定、男性(27)は同署の電話での呼び出しに応じなかったにも関わらず、女性も被害届を出さず、その後嫌がらせは収まったとして、立件されせんでした 警視庁のシステムでは、こうした被害の相談対象となった関係者の名前を「犯罪被害防止等即時対応システム」に登録、他の部署が名前を検索すれば把握できるようにしていますが、万世橋署の担当者は相談者の名前や相談内容を登録したものの、男性(27)の名前は登録されておらず、担当者は失念していたと弁明しています 男性(27)の名前や行状が「犯罪被害防止等即時対応システム」に登録されていれば、警視庁武蔵野署で、冨田真由さん(20)から相談を受けた際に、男性(27)への危険性の認識が変わっていた可能性があり、今後検証が進められることを期待します 更に警視庁では、この女性とは別の滋賀県の女性にも男性(27)が嫌がらせをしていたとの情報も得ており、確認を進めています アイドル刺傷事件 東京都小金井市 事件前、警察に「殺されるかも」 2016年12月16日アイドル活動をしていた亜細亜大 3年生の冨田真由さん(21)が、2016年5月21日、東京都小金井市で、男性(28)(京都市右京区)に、首や胸などを中心に 20ヶ所以上を刃物でメッタ刺しにされ、一時、意識不明の重態となる重傷を負わされた事件で、冨田真由さん(21)が警視庁に対し、「署に相談した際、『男に殺されるかもしれない』と伝えた」と証言していることが明らかになりました 警視庁は、2016年12月16日、事件の検証結果を公表し、それを受け、冨田真由さん(21)の代理人弁護士が、2016年12月16日記者会見し、冨田真由さん(21)の手記を公開、「殺されるかもしれないと何度も伝えたにもかかわらず、危険性がないと判断されたのは今でも理解できません」と、警視庁への不信感が記されています 冨田真由さん(21)は事件で意識不明となりましたが、約 2週間後に回復、その後、退院、警視庁が事件前の経緯について聞き取りを進めていました 捜査関係者によると、殺人未遂罪などで起訴された男性(28)は、事件前、冨田真由さん(21)のツイッターに書き込んでいたが、ブロックされた後は冨田真由さん(21)の友人のツイッターに書き込みを繰り返し、当初は好意を示していましたが、プレゼントを送り返されたことに逆上し、中傷する内容に変化していきました 警視庁の冨田真由さん(21)への聞き取りに対し、冨田真由さん(21)は、事件前の2016年5月9日、警視庁武蔵野署に出向き、男性(28)によるツイッターなどへの書き込みについて相談した際、「殺されるかもしれないと署員に伝えた」と説明したと話していますが、警視庁が相談を受けた署員への聞き取り結果では、この訴えは確認できず、相談内容を記録した書類にも記載はなかったとされ、対応した武蔵野署がまともに取り合おうとしなかったことをうかがわせています さらに、冨田真由さん(21)は、事件後の警視庁の聞き取りで、「(相談時に)本当に殺されるかもしれないと言ったのですか」と聞かれたとし、「事実を警察が認めないことに怒りを通り越して悲しみを感じる」と記しています 実際、冨田真由さん(21)が2016年5月9日に武蔵野署を訪問した際、応対した署員 2人は、男性(28)の名前や住所を聞き取り、また、冨田真由さん(21)が持参したツイッターの内容を印刷した資料 71枚を冨田真由さん(21)から受け取り、ブログを 70枚接写していますが、手記では、対応した警察官がほとんどメモを取らなかったことなどから、「相談を軽い気持ちで聞いていた」と感じたとしています また、警視庁武蔵野署は、2016年5月19日、小金井市で 5月21日にライブがあることを冨田真由さん(21)から電話で聞き、男性(28))が会場に現れた場合は 110番するよう助言、 5月20日にはライブ会場を所管する小金井署に相談の概要を伝えるなどしましたが、事件当日、会場周辺のパトロールは実施せず、実際に、男性(28)がライブ会場に現れ、襲われたため、冨田真由さん(21)は 110番しましたが、警察は電話の発信位置を確認しようとせず、漫然と署員を冨田真由さん(21)の自宅に向かわせています 警視庁は、冨田真由さん(21)への聞き取りや相談内容を精査した結果、2016年12月16日発表した最終の検証結果で、警察の対応に不備があったとし、事件前に相談を受けた段階で身の安全を早急に確保する必要があったと結論づけられています アイドル女子大生刺傷事件 東京都小金井市 冨田真由さん(21) 手記全文 2016年12月16日
アイドル女子大生刺傷事件 東京都小金井市 「たった 14年、怖い」 冨田さん 2017年2月28日東京都小金井市で、2016年5月21日、芸能活動をしていた大学生の冨田真由さん(21)を殺害しようとして、一時、意識不明の重態となる重傷を負わせ、殺人未遂罪などに問われた群馬県伊勢崎市、無職、岩崎友宏被告(28)に対する裁判員裁判の判決で、東京地裁立川支部は、2017年2月28日、懲役 14年6月(求刑 懲役 17年)を言い渡しました 東京地裁立川支部 阿部浩巳裁判長は、「理不尽な犯行に巻き込まれ、シンガー ・ ソングライターとしての活躍が困難となった被害者の処罰感情は強い」と述べ、冨田真由さん(21)は一時意識不明の重体となっており、「臓器などが集中する部位を 34ヵ所も刺すなど犯行態様は危険かつ悪質だ」と指摘、事前にナイフを購入していることなどから一定の計画性があり殺意は非常に強固だとしました 判決によると、岩崎友宏被告(28)は、芸能活動をしていた冨田真由さん(21)に恋愛感情を抱くようになり、2016年1月に腕時計などをプレゼントしましたが、返送されたことに激怒、折り畳みナイフを購入、2016年5月21日、小金井市本町のライブ会場付近で声を掛けたが拒絶されたため、殺害しようとナイフで首や胸などを多数回突き刺したということです 阿部裁判長は、被害者は心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症し、日常生活に困難をきたしていると述べ、量刑について「最も重い部類に属するべきだ」と説明、判決後、裁判員からの言葉として「被害者の夢を奪った重大さを自覚してもらう必要がある。自分をコントロールし、ルールを守って社会で生活することを、身に付けてください」と述べました 被害者の冨田真由さん(21)は、「たった 14年後には塀の外に出てくると思うと、怖いです」と、判決後、コメントを公表、代理人の柴田崇弁護士によると、冨田真由さん(21)は裁判所の控室で判決を伝えられると言葉を失い、大きなショックを受けた様子だったということです 冨田真由さん(21)は、被害者参加制度を使って審理に加わっていましたが、つらい記憶がよみがえり、体調も考慮して出廷を見合わせたこともあり、ついたて越しに意見陳述した 2017年2月23日のことを、「法廷に入ろうとしても足が前に動かず、声もなかなか出せなかった」とコメントに記し、恐怖と闘っていたことを明かし、厳罰を求めると、被告が「じゃあ殺せよ」などと繰り返し怒鳴り、退廷させられたことについては、「怖かったけれど、負けてはいけないと自分に言い聞かせた」とつづっています アイドル女子大生刺傷事件 冨田真由さん(21) 判決後出したコメント 抜粋 2017年2月28日
アイドル刺傷事件 岩崎友宏被告(28)(群馬県伊勢崎市) 東京高裁に控訴 2017年3月2日東京都小金井市で、2016年5月21日、芸能活動をしていた大学生の冨田真由さん(21)を殺害しようとして、一時、意識不明の重態となる重傷を負わせた 無職 岩崎友宏被告(28)(群馬県伊勢崎市)は、殺人未遂罪などで懲役 14年6ヶ月とした東京地裁立川支部の判決を不服として、群馬県伊勢崎市、無職、岩崎友宏被告(28)は、2017年3月2日付で、東京高裁に控訴しました アイドル刺傷事件 岩崎友宏被告(28) 控訴取り下げ 一審懲役 14年6月確定 2017年4月3日東京都小金井市で、2016年5月21日、芸能活動をしていた大学生の冨田真由さん(21)を殺害しようとして、一時、意識不明の重態となる重傷を負わせた 無職 岩崎友宏被告(28)(群馬県伊勢崎市)は、殺人未遂罪などで懲役 14年6ヶ月とした東京地裁立川支部の判決を不服として、東京高裁に、2017年3月2日付で、控訴していましたが、2017年3月29日付で、控訴を取り下げました 検察側は控訴していないため、岩崎友宏被告(28)(群馬県伊勢崎市)を懲役 14年6ヶ月とする一審判決が確定しました アイドル女子大生刺傷事件 東京都小金井市 事件の経緯
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