リニア中央新幹線 品川-名古屋間 2027年 開業予定 工事進捗状況
リニア中央新幹線は、時速 500kmで走れる超電導リニア方式を採用し、東京(品川)-名古屋間を最速 40分で、東京-大阪(新大阪)間を最速 67分で結ぶ超電導磁気浮上式リニア新幹線で、JR東海が建設、東京-名古屋間は
2027年、東京-新大阪間は、最短 2037年(当初計画 2045年)に開業する見込みです
リニア中央新幹線 (東京都・名古屋市間) の路線図 「 超電導リニアによる中央新幹線|JR東海 」 より
リニア中央新幹線 意義
リニア中央新幹線を整備する意義について、JR東海は、「大動脈の 2重系化」 と 「3大都市圏の一体化」の 2つを挙げており、東京-大阪間を結ぶ「大動脈輸送」を担う東海道新幹線が経年劣化していくことに加え、東海道新幹線が南海トラフ巨大地震の際には震度が最大になると想定される地域を通っていることから、中央新幹線開通による2重系化が必要としています
また、リニア中央新幹線で東京から名古屋まで 40分、大阪まで 67分で移動できるようになれば、首都圏と中京圏、近畿圏が 1つにまとまって、人口
6000万人の巨大都市圏として機能するようになり、首都圏の機能を中京 ・ 近畿に分散しやすくなるなど、大きな変化が起き、観光面にも飛躍的な可能性が導き出されると展望しています
リニア中央新幹線 所要時間 料金
東京(品川)と大阪を結ぶ計画の中央新幹線には、時速 500km/hで走る超電導リニアモーターカーが採用されており、2027年に品川-名古屋間が開業、現在、新幹線「のぞみ」が
90分程度を要する同区間を最短およそ40分で結ぶ予定で、料金は「のぞみ」の700円増し程度、東京(品川)と大阪(新大阪)間は、「のぞみ」が 150分程度のところ
67分、料金は 1000円増し程度とされています
リニア中央新幹線 品川駅 着工 東海道新幹線ホーム直下の難工事 2016年1月27日
JR東海は、2016年1月27日、品川-名古屋間を結ぶリニア中央新幹線起点の品川駅(東京都港区)地下への新ホーム建設に向け、起工式を行いました
新ホームは、品川駅にある東海道新幹線のホームの真下、地下約 40メートルの位置に建設される為、東海道新幹線の運行に影響を与えないよう細心の注意を払って進める必要があり、2015年12月に着工した南アルプストンネル(全長約
25キロ)と並び、難工事となることが予想されています
大深度地下トンネル 品川でシールド機発進 地上への影響を調査 2021年10月20日
シールド機は北品川非常口のたて坑の仮壁を切削して地中に出て、名古屋方面に約300m掘り進める (資料:JR東海)
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リニア中央新幹線の大深度地下トンネルの掘削が東京都品川区で始まりました
JR東海が2021年10月14日、シールド機の発進作業に着手、地上への影響や工程を検証するため、区間を約300mに限定して掘進します
東京外かく環状道路(外環道)の建設工事で起こった東京都調布市の陥没事故などを受けた取り組みで、検証結果を住民に開示して、大深度工事への不安解消を図ります
リニアの大深度地下トンネルのシールド掘進は、これが初めてで、深さ 約 83mのたて坑「北品川非常口」から、名古屋方面に約半年かけて掘り進めます
施工者は熊谷組・大豊建設・徳倉建設JV、掘進区間上には道路や河川、民間の研究施設などが位置し、住宅はありません
リニア中央新幹線 東京 神奈川 大深度地下トンネル 入札手続き開始 2017年11月10日
JR東海は、東京都市圏の大深度地下に建設するリニア中央新幹線のシールドトンネルについて、工事の入札手続きを開始、設計・施工一括での発注となります
東京側大深度地下トンネル区間は、延長36.9kmに及ぶ第一首都圏トンネルのうち、品川駅から川崎市に設ける等々力非常口までの北品川工区(9.2km)で、品川駅の南西に建設中の北品川非常口を発進たて坑とし、品川と川崎の両方向に掘進、この区間の土かぶりは最大で
約 90m です
トンネルの外径は 約 14mで、工期は 2026年3月まで、入札では、事前に具体的な工法や工期、価格などに関して協議したうえで契約に反映させる「公募競争見積方式」を採用、優先的に協議する相手先は、総合評価落札方式と同様に技術提案と入札価格を総合的に評価して決めるとしています
東京都市圏では建物やライフラインなどが密集していますので、通常は使用されない大深度地下にトンネルを造ることにしており、JR東海では地権者などへの補償が原則として不要になる「大深度地下の公共的使用に関する特別措置法」の適用を受ける考えです
第一首都圏トンネルの北品川工区の位置図 (資料:JR東海)
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リニア中央新幹線 南アルプストンネル 総延長 25キロ 着工 2015年12月18日
リニア中央新幹線 南アルプストンネル 山梨工区 (約 7.7km) 着工 2015年12月18日
2027年品川-名古屋間で先行開業予定のリニア中央新幹線は、2015年12月17日、着工から 1年を迎え、2015年12月18日、南アルプスを貫くトンネルの山梨工区(約
7.7km)で本格的な工事に着手します
同日(2015年12月18日)は、工事拠点となる山梨県早川町で、安全祈願の神事を行い、同(南アルプス)トンネルの本格的な掘削工事は来年春を予定、10年後の2025年度まで続く予定で、大量の地下水発生など、難工事が予想されています
リニア中央新幹線 南アルプストンネルは、山梨、静岡、長野 3県の総延長約 25キロ、標高 3,000メートル級の山々、南アルプス(赤石山脈)を貫き、地表からの深さ、最大 約
1,400メートルと、これまで国内最深の群馬、新潟県境の上越新幹線大清水トンネル、最大 約 1,300メートルを上回り国内最大、幅
約 13メートルの本格的な山岳トンネルです
世界で見ると、今年(2016年)6月1日、それまで世界最長だった日本の青函トンネル(53.9km)を抜いて、世界最長の座に躍り出た、スイスのゴッタルドベーストンネル(57.1km)は、土かぶりが
約 2,300mあります
参照 「 北海道新幹線 新函館北斗 2016年3月26日開業 最速 4時間 2分 」
参照 「 世界最長 鉄道トンネル スイス ゴッタルドベーストンネル 2016年6月1日開通 」
早川町新倉から静岡県境までの 7.7キロが「山梨工区」、早川、広河原の 2箇所の非常口から斜坑(3~4キロ)を掘った後、先進坑と並行する本坑(本線)の掘削に移る計画で、早川非常口の周辺では、2008年に始まったボーリング調査(延長約
2キロ)が終わっており、それを斜坑として活用、2016年3月から掘削工事に入り、本坑の掘削開始は、2016年秋頃の見通し、また、広河原非常口では、2016年3月、ボーリング調査を始める予定です
リニア中央新幹線は、昨年(2014年)末に着工、品川、名古屋の両ターミナルで工事が行われており、また、山梨県内では、本線の一部となる実験線(42.8キロ)で走行実験が続けられていますが、既存施設の全くない山岳地帯での本格工事は初めての事となります
リニア中央新幹線 南アルプストンネル 長野工区 (約8.4km) 着工 2016年11月1日
JR東海は、2016年11月1日、長野工区の起工式を行い、山梨、静岡、長野の3県にまたがる総延長 約 25kmに及ぶ長大山岳トンネル「南アルプストンネル」の西側工区、長野工区
(約8.4km) の工事に着手しました
「国内最大規模」(JR東海)という、最大およそ 1,400mにもなる土かぶり、リニア中央新幹線の“最深部”があるのが、このたび起工式が行われたこの長野工区で、工期は、2026年11月30日までの予定となっています
昨年(2015年)12月18日の東側工区、山梨工区(約7.7km)着工に続くもので、JR東海の中央新幹線の東京-名古屋間建設での、「三大難工事」、既存駅直下へ新たに設ける品川駅と名古屋駅、そしてこの南アルプストンネル(山梨工区、静岡工区、長野工区)の内、未着手なのは、南アルプストンネル(静岡工区)のみとなりました
前人未到の南アルプス 地下 1400mを通る 最大の難所 南アルプストンネル
JR東海が土木工事に積んだ予算は約4兆158億円で、このうちトンネル費は1兆6220億円
線路延長285.6kmのうち256.6kmがトンネルで、首都圏と中京圏の大深度地下に構築するシールドトンネルを除けば、大半がNATMで掘削する山岳トンネルです
その中でも最大の難所と言われるのが南アルプストンネル(工事名「中央新幹線南アルプストンネル新設(山梨工区)」)で、延長25kmに及び最大土かぶりは1400mを予定し、上越新幹線大清水トンネルの1300mを超え、国内では過去最大、工期は契約締結日の翌日から25年10月31日までとなります
湧水の量や水圧、地圧が大きくなる恐れがあり、かつてない難工事が予想されており、リニアの環境影響評価書でも、「土かぶりが大きい場合は施工時に粘板岩に塑性押し出しが発生する恐れがある」と記述されています
山岳トンネルの肝 インバート設計
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山岳トンネルには、上部に見えているアーチ構造(半円形の部分)とは逆に下部もアーチ構造で造られ、このトンネル底面の「逆アーチ」の部分を「インバート」といい、トンネルの耐力を高めるために施工されます |
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都市部トンネルで使われるシールド工法の場合、シールドマシン先端のカッター部分を回転させて掘り進めますので、トンネル断面は完全な円形となりますが、シールド工法を用いない山岳トンネルの場合、トンネル断面形は、必要に応じて自由に決められます |
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トンネル上面は、リニア新幹線を通すためその必要設計断面に合わせて造られますが、底面はその場の状況に応じて造られます |
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リニア新幹線としては、底面は平面でよく、その後のリニア新幹線としての構造物の工事も楽なので、より平面に近づけた方が良く、トンネル断面も小さくでき、その分掘削量を減らせ、工事費も安くなるメリットもあるのですが、問題は耐力が低くなってしますことにあります |
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断層破砕帯など地質の悪い箇所では、インバートの曲率を大きくしてトンネル断面をより円形に近付けることにより、耐力を高めるなどの工夫が必要ですが、曲率を大きくして掘削量が増えると工事費が増すほか、かえって地山を緩めてしまう恐れもあり、施工中に地山の状況を判断しながら適切な仕様を決めていくという、難しい作業になります |
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リニア中央新幹線 中央アルプストンネル 準備工事 2017年2月 開始予定 2016年12月17日
リニア中央新幹線の岐阜、長野両県を結ぶ中央アルプストンネル工事は、岐阜県中津川市山口-長野県南木曽町の山口工区で、早ければ 2017年2月に準備工事に着手、春に非常口となるトンネル斜坑の掘削に着手する予定です
岐阜県中津川市山口-長野県飯田市間を結ぶ中央アルプストンネは、全長 23.3キロメートルで、その内、岐阜県中津川市山口-長野県南木曽町の山口工区は
4.7キロメートル、岐阜県中津川市山口に地下トンネルと地上をつなぐ非常口を設ける計画で、工期は 2022年12月までを予定しています
リニア中央新幹線 愛知 大深度地下トンネル 入札手続き開始 2017年11月10日
JR東海は、名古屋都市圏の大深度地下に建設するリニア中央新幹線のシールドトンネルについて、愛知側大深度地下トンネル区間、34.2kmの第一中京圏トンネルのうち、愛知県春日井市内の坂下非常口から勝川非常口までの坂下西工区(10.1km)の工事の入札手続きを開始しました
この区間では土かぶりが最大 約 100mに及び、設計・施工一括での発注となります
トンネルの外径は 約 14mで、工期は 2026年3月まで、入札では、事前に具体的な工法や工期、価格などに関して協議したうえで契約に反映させる「公募競争見積方式」を採用、優先的に協議する相手先は、総合評価落札方式と同様に技術提案と入札価格を総合的に評価して決めるとしています
名古屋都市圏では建物やライフラインなどが密集していますので、通常は使用されない大深度地下にトンネルを造ることにしており、JR東海では地権者などへの補償が原則として不要になる「大深度地下の公共的使用に関する特別措置法」の適用を受ける考えです
第一中京圏トンネルの坂下西工区の位置図
非常口の工事は坂下が契約済みで、勝川は今年10月から入札手続きに入った (資料:JR東海)
リニア中央新幹線 名古屋駅 工期 2019年5月まで 建設工事 着手 2016年12月19日
JR東海は、2016年12月19日、三大難工事の一つとされている、リニア中央新幹線 名古屋駅の建設工事に着手しました
赤線が中央新幹線のルートで、オレンジ色は中央新幹線名古屋駅が設けられるおおよその場所
左が大阪、右が東京方面(国土地理院の空中写真を加工)
「 最後の「三大難所」に本格着工 リニア中央新幹線 乗りものニュース 2016年12月19日 14:13 」 より
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今回の工事範囲は、2019年5月までの工期を予定、現在の JR名古屋駅に発着する新幹線と在来線、および、地下を走る名鉄名古屋本線、名古屋市営地下鉄東山線を通常運行させたまま、その直下の地下
約 30メートルに、現在の JR名古屋駅と東西に直交する形で、長さ 約 1キロ、幅 約 60メートルの巨大な地下駅を建設する計画です
リニア中央新幹線 名古屋駅と既存のJR名古屋駅に発着する新幹線と在来線との間は、エスカレーターやエレベーターなどを使用し、乗り換え時間は 3分から
9分程度と見込まれています |
これで、リニア中央新幹線 三大難工事と言われる、リニア中央新幹線 品川駅 、同 南アルプストンネル、同 名古屋駅、全てで着工となりました
リニア中央新幹線 名古屋駅 工法見直し 着工延期 最大 9ヶ月 2016年3月2日
JR東海は、2016年3月2日、2016年3月中に予定していたリニア中央新幹線 名古屋駅の工事着工が最大 9ヶ月遅れると発表しました
リニア中央新幹線 名古屋駅は、新幹線や在来線と直交する形で、新幹線や在来線の通常運行を続けながら、地下約 30メートルの深さに建設す難工事で、開業
130年となる現在の名古屋駅の地下には、古い駅舎の基礎など障害物も多い上、地下水位も高い軟弱地盤のため、「品川駅以上に複雑で大規模な工事となる。計画の細部を詰めるには時間がかかる」と説明しています
2016年12月までには、施工業者との契約を結びたいとしており、在来線の線路の上部に重機や資材の置き場を造る工法を見直し、地上に置き場を確保する他、効率のよい工法を取り入れることで工期の短縮が図れるため、着工が遅れても「開業時期には影響がない」と話しています |
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