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JAXA 情報収集衛星 (IGS) 打ち上げ 構築 スケジュール


情報収集衛星 (IGS) とは



情報収集衛星 (Information Gathering Satellite : IGS)の法令上の定義は、「我が国の安全の確保、大規模災害への対応その他の内閣の重要政策に関する画像情報の収集を目的とする人工衛星」(内閣官房組織令第四条の二第2項第1号)であるとなっており、年間400億円の情報収集衛星の開発や運用に関する費用、情報収集衛星予算は、内閣官房の予算で賄われています


情報収集衛星 (IGS) は、内閣官房直属の情報機関である内閣情報調査室に属する内閣衛星情報センターが日常の運用にあたっていて、衛星から送信された情報は、茨城県行方市の副センター、北海道苫小牧市の北受信管制局、鹿児島県阿久根市の南受信管制局で受信、東京都新宿区市谷本村町の内閣衛星情報センター中央センターに伝送され、内閣官房の内閣情報調査室分析官によって分析されています


内閣衛星情報センター所長には退官した将官級の元自衛官が、上部組織の内閣情報調査室の内閣情報官には警察庁から警視監級の出向者がポストに付くことが定例化しています




情報収集衛星 (IGS) 2025年までに 10基体制に倍増 2015年11月11日



内閣府宇宙政策委員会は、内閣衛星情報センターが運用する情報収集衛星 (IGS) を、現行の 5基から 10基に倍増することなどを盛り込んだ、今後 10年間(2016年~2025年)の人工衛星などの開発や打ち上げ時期の見通しを示した宇宙基本計画の工程表改定の素案をまとめました


2015年11月11日から 7日間、国民から意見を募り、2015年内に宇宙開発戦略本部(本部長・安倍晋三首相)で決定される予定です


情報収集衛星 (IGS)は、北朝鮮などの軍事関連施設の監視や災害時の状況把握に利用され、可視光で地表面を撮影する光学衛星と、夜間や悪天候でも上空から撮影できるレーダー衛星があり、2015年までに、1兆円以上の費用(衛星打ち上げ費、衛星開発費、衛星運用費等)が投じられています


現在、光学衛星 2基、レーダー衛星 2基とその予備機 1基の計 5基が配備されており、地球上のあらゆる地点を 24時間以内に 1回以上撮影できる体制となっていますが、新工程表素案では、さらに光学衛星 2基とレーダー衛星 2基、データ中継衛星 2基を追加配備し、予備機を除く計 10基態勢とする計画で、内閣衛星情報センターでは、「衛星を増やすことで、対象を 1日に複数回撮影可能になる」と説明しています




情報収集衛星 (IGS) 緒元



高度約490kmの円軌道(太陽同期準回帰軌道)
軌道傾斜角は約97.3°
日本付近を通過する時刻は10:30〜11:00に設定




JAXA 情報収集衛星 (IGS) 打ち上げ 構築 スケジュール



世代 打上げ日時
打上げロケット
衛星名
NORAD 識別名
NSSDC ID
カタログ番号
推測される性能、説明等 状況
2033年度
打上げ予定
レーダー11号機 レーダ9号機の後継機 予定
2031年度
打上げ予定
光学11号機 2023年度開発着手予定
光学9号機の後継機
予定
2029年度
打上げ予定
レーダー10号機 2023年度開発着手予定
レーダ8号機の後継機
予定
2029年度
打上げ予定
光学10号機 2023年度開発着手予定
光学8号機の後継機
予定
2027年度
打上げ予定
レーダー9号機 2021年度開発着手予定
レーダ7号機の後継機
予定
2025年度
打上げ予定
光学9号機 2019年度開発着手予定
光学7号機の後継機
予定
2024年度
打上げ予定
光学多様化1号機 多様化衛星
2016年度開発着手予定
予定
2023年度
打上げ予定
レーダー8号機 2017年度開発着手予定
レーダ6号機の後継機
レーダ6号機より、画質 ・ 即時性等の性能向上を図り、レーダ7号機との一括調達で経費節減予定
予定
2023年度
打上げ予定
光学8号機 2015年度開発着手
光学6号機の後継機
分解能は 25cmより高性能
予定
2021年度
打上げ予定
レーダー7号機 2015年度開発着手
レーダ5号機の後継機
予定
2019年度
打上げ予定
光学7号機 2013年度開発着手
光学5号機の後継機
光学5号機と比べて光学センサが高性能化される予定
予定
2018年度
打上げ予定
レーダ6号機 2011年度開発着手
レーダ4号機の後継機
予定
2018年2月25日
13時00分~15時00分
H2Aロケット 38号機
光学6号機 2010年度開発着手
光学4号機の後継機
予定
第 4
世代
2017年3月17日
10時20分
H2Aロケット 33号機
レーダ5号機
IGS RADAR-5
2017-015A
42072
分解能は従来のレーダ衛星の 2倍となる50cm級
レーダ3号機の後継機として2010年度に開発着手
衛星開発費は 371億円、打ち上げ費は 106億円
打ち
上げ
成功
第 5
世代
2015年3月26日
10時00分

H-IIA 28号機
光学5号機
IGS OPTICAL 5
2015-015A
40538
分解能は 30cm級、または、40cm級
開発開始時点において民間商用衛星で最高性能を誇っていた GeoEye-1 の分解能 41cmを上回り、アメリカ国家偵察局運用の偵察衛星に次ぐ性能を目指して開発
打ち上げ費と開発費の合計額 約 431億円
打ち
上げ
成功
第 3
世代
2015年2月1日
10時21分

H-IIA 27号機
レーダ予備機
IGS 9A
2015-004A
40381
2010年度開発着手
レーダ3・4号機の予備機で同型機
2010年度に開発着手、開発費は 228億円、打ち上げ費は105億円
レーダ4号機に比べて開発コストを 約 12億円削減
運用
第 5
世代
2013年1月27日
13時40分
H-IIA 22号機
光学5号機
実証衛星
IGS-8B
2013-002B
39062
分解能が 41cmより高性能の実証機
設計寿命は2年程度を想定している
運用
第 3
世代
レーダ4号機
IGS-8A
2013-002A
39061
レーダ3号機の同型機
レーダ3号機に比べて開発コストを約154億円削減
打上げ費は109億円
運用
2011年12月12日
10時21分
H-IIA 20号機
レーダ3号機
IGS-7A
2011-075A
37954
分解能を約1mに向上
電源の不具合対策を実施した
衛星開発費は398億円
ロケットの製造と打上げ費は103億円
運用
第 4
世代
2011年9月23日
13時36分
H-IIA 19号機
光学4号機
IGS-6A
2011-050A
37813
分解能は3号機と同じ
ただしポインティング性能が向上している
衛星開発費は347億円
ロケットの製造と打上げ費は103億7000万円
運用
第 3
世代
2009年11月28日
10時21分
H-IIA 16号機
光学3号機
IGS-5A
2009-066A
36104
分解能60cm級
衛星開発費は490億2600万円
ロケットの製造と打上げ費は94億9100万円
運用
2007年2月24日
13時41分
H-IIA 12号機
光学3号機
実証衛星
IGS-4B
2007-005B
30587
分解能60cm級の実証機
日本共産党の吉井英勝衆議院議員が、分解能40cm台で設計したのではないかと政府に対して質問主意書を提出しているが、今後の情報収集活動に支障を及ぼすとの理由で回答を得られなかった
既に設計寿命3年を超過して運用を終了
2013年11月12日に再突入した
運用
終了
第 2
世代
レーダ2号機
IGS-4A
2007-005A
30586
分解能は1号機と同じ
ただし撮像時間が向上している
電源系のトラブルにより2010年8月23日に運用障害、10月7日に復旧を断念
衛星開発費は299億7100万円
ロケットの製造費は91億5100万円
打上げ費は19億300万円
障害
終了
2006年9月11日
13時35分
H-IIA 10号機
光学2号機
IGS-3A
2006-037A
29393
分解能は1号機と同じ
ただしポインティング性能の向上により短時間で複数の場所を撮影する能力が向上し、撮像時間も向上している
衛星開発費は291億1200万円
ロケットの製造費は76億5300万円
打上げ費は19億1200万円
総額約390億円
設計寿命5年を超過した2013年11月8日に電源系の不具合により通信を途絶した
その後復旧を試みてきたが回復の見込みがないと判断し、同年12月24日に運用終了を発表
運用
終了
第 1
世代
2003年11月29日
13時33分
H-IIA 6号機 
光学2号機
IGS-2A
両機とも1号機の同型機
打上げ失敗によりロケットが指令破壊され喪失
衛星2機の予算額は622億7200万円
衛星2機に係る開発費用が316億円
ロケットの打上げ費用が108億円
打上げに関連した費用の総額は424億円
これ以降、同時に衛星を2機失うことを避けるため、1機ずつ打ち上げることになった(実証衛星除く)
打ち
上げ
失敗
レーダ2号機
IGS-2B
2003年3月28日
10時27分
H-IIA 5号機
光学1号機
IGS-1A
2003-009A
27698
分解能1m
(この半分の分解能しか有していないとの報道もあり)
設計寿命5年を超過して運用を終了
運用
終了
レーダ1号機
IGS-1B
2003-009B
27699
分解能1 - 3m
電源系のトラブルにより2007年3月25日に運用障害を起こし、2012年7月26日に大気圏再突入して消滅した
予算額は光学1号機及びレーダ1号機の合計で789億9500万円
障害
破棄




情報収集衛星 (IGS) 【 光学衛星 】



世代 特徴
第 5
世代
分解能は41cmより高性能
30cm級、もしくは、40cm級と報道
第 4
世代
第3世代と同等の光学センサを搭載しているが、ポインティング性能が向上している
開発開始時点の2005年(平成17年)に報道された内容によると、材質の軽量化や太陽電池パネルの効率向上により1.2トンまで小型・軽量化され、ポインティング性能が更に向上しているとされる
第 3
世代
諸外国の光学衛星の開発動向を考慮して更なる高分解能化を目指した衛星である
分解能は60cm級とされており、姿勢制御能力を大幅に向上させて様々な角度からの撮影を行うことができる
また、衛星からの画像を処理するための地上システムも同時に増強されている
資料によると「次期情報収集衛星2」または「次期衛星2」と呼称されている
第 2
世代
第1世代の改良型である
ポインティング性能および撮像時間が向上されているが、分解能は第1世代と同じとされている
資料によると「次期情報収集衛星1」または「次期衛星1」と呼称されている
この「次期衛星1」は第1世代の予備機的な性格を持たせようとして開発が急がれた
陸域観測技術衛星 「だいち」
(ALOS, Advanced Land Observing Satellite、エイロス)
に搭載された
PRISM(パンクロマチック立体視センサー)、および、
AVNIR-2(高性能可視近赤外放射計2型)を改良した機器が搭載されている
第 1
世代
モノクロ画像用にパンクロマチックセンサー(最大分解能:約1m)、カラー画像用にマルチスペクトルセンサー(最大分解能:約5m)を搭載
総合科学技術会議の資料によると、衛星の名称として「IGS-O1」および「IGS-O2」が使用されている




情報収集衛星 (IGS) 【 レーダー衛星 】



世代 特徴
第 4
世代
産経新聞は、分解能を 約 50cmに向上させたと報道
第 3
世代
分解能を 約 1mに向上させ、電源の不具合対策を実施
第 2
世代
第1世代に比べて撮像時間が向上されているが、分解能は第1世代と同じとされている
第1世代および第2世代のレーダー衛星の名称は、それぞれ、資料において「次期情報収集衛星1」、または、「次期衛星1」、および「次期情報収集衛星2」、または、「次期衛星2」と呼称されている
「次期衛星1」は第1世代の予備機的な性格を持たせようとして開発が急がれた
光学衛星と同様に、
陸域観測技術衛星 「だいち」に搭載された
PALSAR(フェーズドアレイ方式Lバンド合成開口レーダー)を改良した機器が搭載されている
第 1
世代
合成開口レーダー(最大分解能 約1〜3m)を備えている
なお、総合科学技術会議の資料では、この衛星の名称として「IGS-R1」および「IGS-R2」が使用されている

情報収集衛星 - Wikipedia 」 より






内閣衛星情報センター 情報収集衛星 (IGS) 打ち上げ 構築 構想

情報収集衛星システムの構想

今後10年間の情報収集衛星のビジョン 平成26年7月18日 ... より


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2015年11月11日

情報収集衛星:10基態勢に倍増 今後10年で政府素案 毎日新聞 2015年11月11日


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2014年7月18日

今後10年間の情報収集衛星のビジョン 平成26年7月18日 ...


2014/07/18 - 1. 今後10年間の情報収集衛星のビジョン. 平成26年7月18日. 内閣衛星情報センター. · 外交・防衛等の安全保障及び大規模災害等への対応等の危機管理のために必要な. 情報の収集を主な目的とした情報収集衛星については、宇宙基本 ...


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