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小惑星 「 Ryugu 」 (1999JU3) とは 名前(符号)の意味と正式名称


小惑星 「 Ryugu 」 (1999JU3) とは 名前(符号)の意味と正式名称



はやぶさ2 が目指す、小惑星は、 「1999JU3」 という仮符号で呼ばれていましたが、JAXA(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)は、2015年10月5日、正式名称を「Ryugu」に決定したと発表しました


小惑星探査機 はやぶさ が目指した 「イトカワ」 は、正式名称ですが、「イトカワ」 も同様に、(初代)はやぶさ打ち上げ時点では、「1998 SF36」という仮符号で呼ばれており、その後、ロケット開発に尽力した故糸川英夫博士にちなんで、2003年8月に、「イトカワ」 という正式名前が付けられています




小惑星 「 Ryugu 」 (1999JU3) 正式名称の選定について



JAXAでは、2015年(平成27年)7月22日から8月31日までの間、この小惑星 「 Ryugu 」 (1999JU3) の名称案を募集し、有識者による選考委員会にて、 「 Ryugu 」 が選定されました


選定理由


1 「浦島太郎」の物語で、浦島太郎が玉手箱を持ち帰るということが、「はやぶさ2」が小惑星のサンプルが入ったカプセルを持ち帰ることと重なること
2 小惑星1999 JU3は水を含む岩石があると期待されており、水を想起させる名称案であること
3 既存の小惑星の名称に類似するものが無く、神話由来の名称案の中で多くの提案があった名称であること
4 「Ryugu」は「神話由来の名称が望ましい」とする国際天文学連合の定めたルールに合致し、また、第三者商標権等の観点でも大きな懸念はないと判断したため


応募状況


応募総数 7,336件(確定値) 「Ryugu」提案者数は30件
(類似した提案として、「Ryugujo」 5件、「Ryuuguu」5件、「Ryuguu」1件、「Ryugujyo」1件、「Ryugujou」1件、「Ryugu-zyo」1件)


選定後、決定までの経緯


 選考された名称案は、小惑星1999 JU3の名称提案権をもつ米国のLINEAR(リニア)チームに伝えられ、リニアチームから名称決定権を持つ国際天文学連合に提案されていました。

 小惑星の名称は、通常、審査に3ヶ月程度かかります。今回、小惑星1999 JU3の名称「Ryugu」は異例の早さで審査を終え、太陽系内小惑星の名称を管理するMinor Planet Centerの小惑星リストに「Ryugu」として名称が掲載されました。


選考委員会 メンバー


委員長 多摩六都科学館 館長 高柳 雄一
委員 国立天文台 副台長 渡部 潤一
委員 東京大学 名誉教授 月尾 嘉男
委員 はやぶさ2プロジェクトマネージャ
JAXA宇宙科学研究所 宇宙飛翔工学研究系 准教授
津田 雄一
委員 はやぶさ2ミッションマネージャ
JAXA宇宙科学研究所 宇宙機応用工学研究系 准教授
吉川 真




小惑星 1999JU3 名前(符号)の意味



正式名称が付けられる前の小惑星は、下記の基準に従って採番された符号で呼ばれます


1999 J U3
発見年 発見月 発見順の通番
西暦
1999年
1月 前半 A 1 A 26 A1 51 A2 76 A3 101 A4
後半 B 2 B 27 B1 52 B2 77 B3 以下同様
2月 前半 C 3 C 28 C1 53 C2 78 C3
後半 D 4 D 29 D1 54 D2 79 D3
3月 前半 E 5 E 30 E1 55 E2 80 E3
後半 F 6 F 31 F1 56 F2 81 F3
4月 前半 G 7 G 32 G1 57 G2 82 G3
後半 H 8 H 33 H1 58 H2 83 H3
5月 前半 J 9 J 34 J1 59 J2 84 J3
後半 K 10 K 35 K1 60 K2 85 K3
6月 前半 L 11 L 36 L1 61 L2 86 L3
後半 M 12 M 37 M1 62 M2 87 M3
7月 前半 N 13 N 38 N1 63 N2 88 N3
後半 O 14 O 39 O1 64 O2 89 O3
8月 前半 P 15 P 40 P1 65 P2 90 P3
後半 Q 16 Q 41 Q1 66 Q2 91 Q3
9月 前半 R 17 R 42 R1 67 R2 92 R3
後半 S 18 S 43 S1 68 S2 93 S3
10月 前半 T 19 T 44 T1 69 T2 94 T3
後半 U 20 U 45 U1 70 U2 95 U3
11月 前半 V 21 V 46 V1 71 V2 96 V3
後半 W 22 W 47 W1 72 W2 97 W3
12月 前半 X 23 X 48 X1 73 X2 98 X3
後半 Y 24 Y 49 Y1 74 Y2 99 Y3
25 Z 50 Z1 75 Z2 100 Z3


アルファベットの 「I」 は、数字の 「1」 と間違えやすいため使用しません
発見順の通番は、アルファベットを順に割り当て、使い切る(Zまで使う)とその後ろに数字を順に割り当てて使用します

計算式としては、  (末尾数字)  ×  25  +  (アルファベット割り当て番号)  で、
「1999JU3」 の場合、  3  ×  25  +  20 ( Uが20に相当 )  = 95 となります

つまり、「1999JU3」 とは、西暦1999年の5月の前半(1日~15日)の間で、95番目に見つかった小惑星という意味になります



小惑星 1999JU3 小惑星番号 について



小惑星は、既に60万個以上見つかっていて、発見者は、米ハーバード大等が運営する「小惑星センター」 (Minor Planet Center, MPC) に連絡、そこで、発見年月、発見順等により、自動的に先述の仮符号が付けられ、その後、観測の結果、間違いなく新しい天体だと認められると小惑星番号が付きます

「1999JU3」は、米国チームによって、1999年5月10日に発見され、小惑星番号は、「162173」です





小惑星 1999JU3 正式名称 命名基準


小惑星 1999JU3 には、まだ正式な名前がありません
小惑星の命名権は発見者にありますが、JAXAでは、既に発見した米国チームに名前を提案する許可を得ており、公募も含め検討しています
小惑星の命名は、国際天文学連合(IAU)の小天体命名委員会によって、下記の様な基準で審査された後、決定となります

項番 命名基準 (一般則)
1 名前はラテン語化するのが好ましいというのが世界的な暗黙の了解事項ですが、現在では例外も多くあります
2 発音可能な英文字で16文字以内であること
3 公序良俗に反するもの、ペットの名前、既にある小惑星と紛らわしい名前は不可
4 政治 ・ 軍事に関連する事件や人物の名前は、没後100年以上経過し、評価が定まっていること
5 命名権の売買は禁止

項番 命名基準 (特別則 特定の軌道を持つものには、固有の命名規則があります)
1 トロヤ群は、トロイア戦争に参加した戦士の中から命名する
2 ケンタウルス族には、ケンタウロス族の名前から命名する
3 太陽系外縁天体には、各民族などの創世神話から命名する
4 地球に近付く軌道を持つ小惑星(地球近傍小惑星)には、神話にまつわる名前を付ける

小惑星 1999JU3 には、神話由来の名前を付けることになりますが、日本の神話由来の「イザナギ」「アマテラス」「ヤマタノオロチ」など、多くの名前が既に使われています

初代はやぶさが2015年に着陸した「イトカワ」も地球近傍小惑星で、当時の文部科学省宇宙科学研究所(現JAXA)内では当初、「スサノオノミコト」などの候補も挙がりましたが、IAUも、偉人の名前を例外的に認めていることから、はやぶさは工学実証機だった事から工学者の名前をということで、最終的に、「日本のロケット開発の父」と呼ばれる故・糸川英夫博士の名にちなんで命名されました



小惑星 1999JU3 名称(名前)案募集について 2015年7月22日


JAXAでは、小惑星「1999 JU3」の名称(名前)案を募集しています

1.応募受付期間

  2015(平成27)年7月22日(水)午後1時30分~2015(平成27)年8月31日(月)午前10時00分(日本標準時)

2.応募条件

  年齢、国籍など一切不問で、どなたでも、何回でも応募できます

3.小惑星の名称の規約(ルール)

  応募できる名称(名前)案には、国際天文学連合(IAU)が定めている次のいくつかの条件(ルール)を守る必要があります
英語のアルファベットで16文字以下であること。日本語の場合はローマ字表記
1つの単語でできた名称が望ましい
発音できることばでなければならない(よめない名前は×)
攻撃的なもの、不快にさせるようなものであってはならない(他者を傷つける名前は×)
戦争や政治に関連したできごとや人の名称は、その出来事が起こってから、あるいはその人が死亡してから100年以上経過していなくてはならない
コマーシャルや宣伝となるような名称や、ペットの名称は認められない
1999 JU3のように、地球軌道に接近する小惑星(NEO:Near Earth Object)については「神話由来の名称」をつけることが慣例になっている(※)。ただし、天地創造や死後の世界に関するものは避けること
すでにある小惑星や衛星と似た名称は避けること
ただし、神話由来以外の名称が認められることもある。このことから神話以外の名称案でも応募可能とする。名称案の応募の際には、「神話由来」の名称か「その他」かを選んで応募していただきたい。

4.応募方法

  応募方法、その他、詳細につきましては、下記、JAXAのホームページにて確認して下さい
  ISAS 「はやぶさ2」 が目指す小惑星(1999 JU3)の名称(名前)案募集について

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関連記事

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関連記事を下記に紹介します



2015年10月5日 小惑星探査機「はやぶさ2」の目指す小惑星1999 JU3の名称決定について JAXA 平成27年10月5日

 小惑星探査機「はやぶさ2」が目指す小惑星1999 JU3の名称が「Ryugu」に決定しました。
 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、平成27(2015)年7月22日から8月31日までの期間、この小惑星の名称案を募集しました。ご応募いただいた名称案は有識者による選考委員会で選考させていただき、次の通り候補を選定しました。
1.選考結果
 「Ryugu」
2.選定理由
 「浦島太郎」の物語で、浦島太郎が玉手箱を持ち帰るということが、「はやぶさ2」が小惑星のサンプルが入ったカプセルを持ち帰ることと重なること。
 小惑星1999 JU3は水を含む岩石があると期待されており、水を想起させる名称案であること。
 既存の小惑星の名称に類似するものが無く、神話由来の名称案の中で多くの提案があった名称であること。
 「Ryugu」は「神話由来の名称が望ましい」とする国際天文学連合の定めたルールに合致し、また、第三者商標権等の観点でも大きな懸念はないと判断したため。


2015年7月22日 小惑星探査機「はやぶさ2」が目指す小惑星1999 JU3の名称(名前)案募集について JAXA 平成27年7月22日

 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、平成26(2014)年12月3日に種子島宇宙センターから打ち上げた「はやぶさ2」が目指す小惑星「1999 JU3」の名称(名前)案を本日より募集します。実施概要は以下の通りとなります。

1.応募受付期間
平成27(2015)年7月22日(水)午後1時30分~平成27(2015)年8月31日(月)午前10時00分(日本標準時)
2.応募条件
どなたでも、何回でも応募していただくことができます。年齢、国籍など一切不問です。

ISAS 「はやぶさ2」 が目指す小惑星(1999 JU3)の名称(名前)案募集について - トピックス


2015年1月5日 <はやぶさ2>探査の小惑星1999JU3…悩ましい命名 毎日新聞 1月5日(月)10時53分

「神話由来」足りず…JAXA
 小惑星探査機「はやぶさ2」が先月、宇宙へ旅立ち地球と火星の間にある小惑星「1999JU3」に向かって飛行している。現在の暗号のような小惑星の呼び名は「仮符号」と呼ばれ、正式な命名はこれから。宇宙航空研究開発機構(JAXA)は公募も含め検討しているが、小惑星の命名は国際天文学連合(IAU)の詳細なルールを守ることが求められ、「良い名前を選ぶのも簡単ではない」と頭を悩ませている。


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